呪術廻戦リリカルなのは   作:織姫ミグル

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第四章

 

 

一二月二日、午後八時四五分。

 

時空管理局本局。

 

その世界には時空の狭間に存在していると言われている。無限の宇宙、並行時空、異世界。それらを渡るための最大拠点として時空の中心近くに存在するその場所には、特殊な時空の歪みを発生させなければ出入りすることも存在することも出来ない最硬の要塞だった。

 

そんな、核シェルターを優に追い越す強度を誇る時空管理局本局の建物の中に、一人の少女はベッドで検査を受けていた。

 

名前は高町なのは。

 

本来平凡な小学三年生のはずの少女には特別な力がある。『魔法』と呼ばれる空想の中でしか存在しなかった異能の力。おとぎ話の中でしか聞いたことがない異端技術を極めた少女は、あの世界では例外中の例外。本来彼女はここにいるべき人間ではない。その世界の事について知ることもなく、全く無関係の生活を送っていたなら、彼女は今頃家で宿題をしてベッドで眠りについているはずだ。しかし、彼女が今寝ているベッドから覗かせる天井は知らない天井。起きたら無機質で、それも不測の事態対応のために準備されたのか、花どころかお手洗いすら完備されていない、真の意味での完全な個室だった。

 

その個室で検査を受けている彼女は少し小太りの医者が魔法を扱える者達、『魔導師』専用器具である検査器で胸のあたりに光を照射して何かの数値を測っていた。

 

何で彼女がこうなったのか、彼女自身もあまり理解できていない。前後の記憶が曖昧で、それを説明してくれる者達はこれからやって来る予定だ。

 

少女の魔力の源である『リンカーコア』の数値が著しく低下して意識を失った彼女は、検査を受けて現状の状況を知るために検査結果を待つ。

 

医者は言った。

 

 

「さすが若いね。もうリンカーコアの回復が始まっている。ただ、しばらくは魔法がほとんど使えないから、気を付けるんだよ?」

 

「あ、はい。ありがとうございます!」

 

 

そう礼を告げるなのは。

 

ウィーンと、病室の自動扉が開く音がした。たったそれだけの音に、なのはは一瞬心臓が破裂しそうになる。

 

誰かが入ってきた合図だ、とわかるには数秒の時間が必要だった。

 

 

「ああ、ハラオウン執務官」

 

 

入ってきたのは、少年と少女。

 

一人は黒髪の少年で、もう一人は腰辺りまで伸ばした金髪のツインテールの少女。

 

それを見た医者が少年の方に向かって話しかける。

 

 

「ちょっとよろしいでしょうか?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「こちらへ」

 

 

そう言って部屋の外で話そうと二人は出ていってしまう。そして必然的に、高町なのはと、金髪のツインテールの少女フェイト・テスタロッサは二人になってしまう。

 

 

「······」

 

「······ッ」

 

 

お互い言葉が見つからないのかやや俯き気味だった。しばらくの間沈黙が続いていたが、やがてなのはの方から話しかける。

 

 

「フェイトちゃん······」

 

「······なのは」

 

 

互いの名前を呼ぶと、自然と笑みがこみ上げて来たのか二人とも口角を上げて顔を見つめ合う。

 

 

「あ、あの······ごめんね。折角の再会がこんなで······怪我、大丈夫?」

 

 

それを聞かれたフェイトはまるでこれ以上心配をさせないように怪我した腕を後ろに回し隠す。

 

 

「ううん、こんなの全然·······それより、なのはが」

 

「私も平気。フェイトちゃん達のおかげだよ! 元気元気!!」

 

 

そう言ってなのはも笑って心配をさせないように、腕の筋肉を動かしてもう平気だということをアピールしてくる。

 

 

「······」

 

「フェイトちゃん? フェイトちゃ······わっ!?」

 

「ッ!! なのはッ!!」

 

 

今にも泣きそうな瞳でその様子を見ていたフェイトはつい顔を逸らしてしまうが、その表情に心配したなのはがベッドから起き上がると視界がくらっとし、倒れそうになる所をフェイトが咄嗟に支えた。

 

 

「あはは······ごめんね、まだちょっとふらふら」

 

「·······うん」

 

「·······助けてくれてありがとう、フェイトちゃん。それから、また会えて凄く嬉しいよ!」

 

「!! ······うん、私も。なのはに会えて、嬉しい」

 

 

それから二人はしばらく抱き合っていた。

 

無言で、再会の喜びを分かち合うように。

 

すると、またウィーンという音が聞こえてくる。医者と執務官と呼ばれた少年、クロノ・ハラオウンが戻ってきたのだ。

 

二人はそれを見て抱き合っていた体勢を崩すと、互いに病室の入り口へと視線を移す。けれどなのはは目の焦点が合わないためか、クロノの姿を確認するのに少々手間取った。それからしばらくして視界が戻り、それを確認したクロノが話し出す。

 

 

「もう、立っても平気なのか?」

 

「うん·····ちょっとふらつくけど、歩けるよ? 大丈夫」

 

「そうか、それは何よりだ······それで君に話しておかないことがある。まず聞きたいんだが、気を失う前のことは覚えているか?」

 

 

その問いに対して、なのはは首を横に振るだけだった。本当に唐突な出来事だったので、記憶するための脳が麻痺しているのだ。

 

それを見たクロノは言う。

 

 

「まあ、あんなことがあった後なんだ。無理もない。まず簡単に説明すると、()()()()()()()()()()()()

 

「·······あ!」

 

 

それでなのはは思い出したのか、ハッとしたような表情になってクロノに詰め寄る。

 

 

「クロノ君! あの時の人は!? 『あのお兄さん』は無事なの!?」

 

「なのは!?」

 

 

衰弱した状態でいきなり動くと体に堪える、そう言いたげなフェイトの声を無視して少年に近寄るなのはに、クロノも手で制止させ、落ち着くように言う。

 

 

「まず落ち着くんだ······彼なら心配はない。それどころか今の君よりも凄く軽いくらいだ」

 

「良かった········!」

 

「ただ········」

 

「「?」」

 

 

クロノはそこで言葉を切ってしまう。

まるで言いづらいかのように、目を瞑ってしまう。その様子になのはとフェイトは首を傾げるが、やがてクロノはこう言い出す。

 

 

「彼のことなら、直接会って確かめた方が早い······と言いたい所なんだが」

 

 

クロノはそう言うと二人に背を向けて、自動ドアを開けると二人に一緒に着いて来て欲しそうに、ただこう告げた。

 

 

「本人の前で驚かれても面倒だから、手っ取り早く済ませよう」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

クロノの案内に従い、なのはとフェイトは何度も折れ曲がる管理局の通路を歩いていた。

 

そこはもう、管理局の職員がほとんどいなかった。

 

それもそのはずで、これから行くところは所謂尋問室。

 

迷いやすいし、台車なども運びにくいだろう。思想としては要塞としての施設を完璧にするために、敢えてそういう風にしているものだと思われるが、だとしてもあちこちに電波や赤外線を乱射させる障害物が組み込まれていたり、床に無意味な段差まであるのは流石にやりすぎなのではないかとも思う。おそらく善意からまとめられたバリアフリー用の資料を逆手に取って、車輪や履帯では乗り越えにくい設計にしてあるのだ。

 

技術だけなら地球でも作れそうなものかもしれないが、現実の建築は推理小説のナゾ館のようにはいかない。逃げられないように車椅子や松葉杖での通行をわざと困難にさせるような設計など、国が許すはずもないのだ。つまり、そういったルールを無視してでも襲撃に備えなくてはならないほどの、『要注意人物』がこの先にいる。

 

防犯カメラさえ設置は許されない。

 

逆に乗っ取られて外部に情報をばら蒔いてしまうリスクを避けるための手段であろう。それと同時に、それほど外部には知られてはならないほどの危険人物がいるということだ。

 

複合装甲で作られた大扉の前には、アースラの艦長であるリンディ提督と時空管理局執務官補佐のエイミィがいる。

 

つまりこの先に、時空管理局の職員でも知ることは許されていない『人物』が眠っている。

 

なのはは眉を顰めて、

 

 

「かなり、厳重だね」

 

「ああ、それほどの重要人物だからね」

 

 

クロノがそう言うも、自分自身信じられないような顔をしている。彼自身も、ここに足を運ぶのは初めてだ。管理局の職員はどいつもこいつもはや宇宙人とコンタクトを取っているほどの荒唐無稽さがあるにも拘わらず、もはや自分自身の存在すら否定したくなる人物がいる。しかもなのはとしては、魔法以上の秘匿性があるものだと考えて良い。

 

じっと機械的に待機していたここの警備員がクロノ達が来たことを確認すると、

 

 

「これで全員ですか?」

 

「ええ、揃ったわ」

 

 

リンディ提督が代わりに言う。

 

警備員は最低限言葉を少なくし、冷たい声で返す。

 

 

「ボディチェックを」

 

「提督や執務官でも? それほどに『彼』は危険人物なのかしら?」

 

「お願いします」

 

 

もはや階級とか関係なかった。学歴に身辺、健康状態の他、徹底的に情報は開示されているはずだが、『それでも』という項目が必須事項として並べられているに違いない。

 

警備員は、なのは達に両手を上げるように指示すると、他に待機していた門番が何か棒状のものを取り出した。テラヘルツ波を使った探知機。デバイスなんて持ち込まれたら当然困るので、これなら金属製品以外でも服の中の異物を透視できる。

 

もはや魔法だけが全てではないと言っているに等しかった。どの世界でも、管理外以外では魔法技術を用いて発展したというのに、その技術以外を認めているようなものだった。

 

 

「終わりました、どうぞ」

 

 

大仰な扉が開いていくが、中には何も持つことは許されなかった。セキュリティ上の都合の他、見張りをしている者達でさえ中を覗くことは許されない。外部に知られないようにするためだ。

 

リンディ提督とエイミィに続いてクロノ達、なのは、フェイトの二人は並んで入っていく。

 

五人は狭いスペースに踏み込むと背後の扉が閉められ、暗い部屋に閉じ込められる。目の前に更に黒く染まったガラスがあり、内部を見ることどころか、その先に行くための扉がない。

 

外からの操作だろうか、微かな振動音と共に窓の色が急速に薄れ、たちまち透明なガラスに変化して、その向こうを露にした。

 

小さな部屋だった。

 

いや、面積自体はかなり広い。

 

部屋中に様々な殺人兵器となるための装置が搭載されていて、それを気付かれないように白一色で固めていた。

 

シンプルな四角形、部屋全体を見たらそう言える。

 

だから。

 

部屋の中央で無機質で頑丈な椅子に強引に縛り付けられ、体の隅々まで動くことを制限された少年に目が行くのは必然だった。

 

 

「これって·······」

 

 

なのはは限界までガラスに顔を近づけて、じっとその椅子に拘束された少年を凝視した。

 

腕どころか指先まで金属に覆われていて、見た目的に言うと電気椅子に座らされているように見えた。

 

椅子に座らされている少年の顔を、なのはは直接見ることが出来なかった。気を失ってるのか、顔は俯いたままだったからだ。

 

見えるのは頭だけ。そしていつでも死刑を執行できる、目では視認出来ない機械が埋め尽くしている。

 

ようやくの再会。しかし、最後の数メートルを絶対に越えられない分厚いガラスの壁が隔てている。リンディ達に背を向けたまま、なのはは言葉を絞り出すように訊ねた。

 

 

「どういうこと······これ!?」

 

 

クロノが答える。

 

答えは短く、しかし少女には途方もない重さがあった。

 

 

「見ての通り、隔離だよ。危険人物を逃がさないようにするためにね」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

虎杖が目を覚ますと、そこは白い部屋だった。

 

麻酔でも効いているのが、唇の辺りにおかしな感触を感じながらも、虎杖は顔を上げて目を動かし、辺りを見回した。

 

 

「·······ぁぁっ?」

 

 

今どういう状況かわからない。ただ弱い暖房の音だけが静寂な空間に響き渡る。

 

病室じゃないことだけは確かだ。

 

この部屋には何もない。ここにあるモノと言えば目の前にある真っ暗に染まったガラスくらいだし。

 

虎杖は麻酔の効いた脳を強引に動かし、記憶を遡る。

 

 

「······五条先生······呪物······あの女の子!?」

 

 

虎杖はそれを思い出し飛び上がりそうになったが、どういうわけか動けなかった。それもそのはずで、体の至る所まで拘束具がはめられているからだ。

 

 

「な、何だよ······これ!?」

 

 

事態が把握できない状態だけが続く。

 

これはそもそも本当に現実なのかとすらも思った。あの誰よりも馬鹿力の持ち主である自分でも解けない拘束に、全身を固く凍りつかせた。どんな時でも生還して戻る虎杖でさえ、この見知らぬ状況を、事実として認識することを理性も感情も拒否していた。

 

自分がなにもわからずに拘束されているこの光景を、事実として認識することを理性も感情も拒否していた。

 

ついその拘束から逃れようと持ち前の馬鹿力で引き千切ろうとするも、眼球が内側から外側に押し出されるような妙な圧迫感があるだけで、極限まで力を出しても、その拘束具は解けなかった。

 

その時だった。どこからともなく、柔らかな声が降り注いだ。

 

 

『無駄よ』

 

 

虎杖は弾かれたように勢い良く顔を上げた。額から流れる汗を飛ばしながら眼を見開き、目の前にある黒く染まったガラスを凝視する。

 

大きなガラスは先ほどと何も変わることなく漆黒に染まっていた。一変の狂いもない平面のガラス。しかし、虎杖がガラスへと眼を付けた時、その奥にいるであろう何者かがそれを合図に、部屋に設置されているマイクから話しかけてくる。

 

 

「······誰だ?」

 

 

虎杖は口の中で囁いてから、もう一度、今度は怒りを持ちながらもはっきりとした声で言った。

 

 

「誰だよ······あんた」

 

『う~ん·······聞きたいのはこちらの方なんだけど』

 

 

すぐにいらえがあった。どうやら隔壁ガラス上部に設けられたスピーカーからは声は聞こえてくるようだった。

 

 

『まずは声だけで失礼するわね。私はアースラの艦長を務めているリンディ・ハラオウン提督。今回の事件の担当を任された最高責任者、と受け取ってもらえたらいいわ』

 

「··········は、はあ?」

 

『まあ、声だけで何者なのか言われても事態が把握できないわよね。だから単刀直入に聞くわね······()()()()()()()()()()()?』

 

「·······は?」

 

 

急な場面転換についていけてない虎杖はそのまま変な声で応じてしまった。

 

意味のわからない質問に対し、流石にそこは空気を呼んだのか、虎杖はとりあえず自己紹介をする。

 

 

「虎杖悠仁です。好みのタイプは────」

 

『いや、そういうのを聞きたいんじゃなくって。出身世界とか自分の学歴とかの方よ』

 

「? あっそう、じゃあ······仙台出身で現在は東京の『東京都立呪術高等専門学校』の一年生です」

 

『·······【東京都立呪術高等専門学校】·······?』

 

 

リンディは戸惑いつつマイクから口を離し振り向くと、地球出身のなのはでさえ知らない様子を見せていた。彼女自身も該当する学校を頭の中で検索しているみたいだが、そもそも知識に入っていないようで、首を傾げている。完全にお手上げなんだろう。この場で唯一の地球出身のなのはでさえ知らないのであれば、完全にお手上げだ。

 

では、論ずるべきはそこではない。

 

リンディはマイクを使ってまた新たな疑問を投げ掛ける。

 

 

『貴方の持ち物から私達の知らないものがいっぱい出てきたわ······だけど、その中でも一番気になるものがあったの』

 

 

そう言うとリンディは手元のキーボードを操作して、虎杖の前にある黒いガラスに資料を表示させる。

 

そこに写っていたのは、先日五条悟から任務を任された際に回収に向かった『特級呪物』であった。水晶の中にはローマ数字の『XVI』が入っていた。何の番号かはわからないが、それでもそれは虎杖にとっては回収を最優先とすべき存在。それが誰かもわからない奴らに奪われてしまったらしい。

 

 

「あ!! ちょっ!? これ!?」

 

『これは次元干渉型のエネルギー結晶体。流し込まれた魔力を媒体として次元震を引き起こすことのある危険物。本来は願いを叶えてくれる石なんだけど、暴走して暴れたり、進化しすぎた技術や科学が世界を滅ぼしてしまうほどの存在を私達の世界では【ロストロギア】と呼んでいます』

 

「ロスト······ナニ?」

 

『······その様子じゃ知らなかったみたいね。一から説明すると、【ジュエルシード】といって願いを叶える性質を持ってるの。そんなものを、何故貴方が持っているの?』

 

「へぇ~、それってすごいものなんじゃ─────」

 

『話聞いてる? まあいいわ、表面上は確かに良いやつに思えるかもしれないわ。けれど······それは歪に叶えられてしまうの』

 

「は? 歪に?」

 

『そう、例えば········ある子猫が背が大きくなりたいと願えば約十五メートルほどに大きくなったり、ある子犬が強くなりたいと願えば怪物のような姿になったり······と。そういった感じにある意味純粋で、ある意味凶悪な代物よ。そんなものをどうして貴方が持っていたの? それも、あの時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、を·······どうして貴方が持っているの?』

 

 

ガラスが真っ暗なのでその先にある顔は見えないからいったいどのような表情をしているかは不明だ。そもそもまたわけのわからんワードを引っ張り出してきて、説明してほしいのはむしろこちらの方だ。

 

ジュエルシード、ロストロギア、プレシア・テスタロッサ。

 

聞きなれない単語に素直に呆けたような顔をするが、虎杖はこのままでは展開が進みそうにないと判断し、とりあえず率直に事実だけを述べる。

 

 

「俺は······あの時『特級呪物』の回収を任されてある自然公園に向かった」

 

『特級······呪物?』

 

「あぁ、やっぱ知らねぇんだ、わかってたけど。まあ信じるか信じないかはそっちの自由だけど続けるぞ。まず日本の怪死者・行方不明者は年平均一万を越える。そのほとんどが人間から流れ出た負の感情、『呪い』による被害だ」

 

『呪い?』

 

「それで、俺達『呪術師』はそういった被害を防ぐために呪いの溜まりやすい場所、例を挙げると辛酸や後悔に恥辱が人間の記憶を反芻する度にその感情の受け皿となりやすい学校や病院に“魔除け”として至る所に置かれていた······えっと、あんたの言うそのジュエルシード? もその一つだ」

 

『ジュエルシードは魔除けなんかじゃないわ。むしろ危険異端技術よ』

 

「だァから俺達の所ではそれは『呪物』として存在してんのッ!! それの呼び方なんて今気にしてても仕方ねぇじゃん? 実際、その石には封印のお札も貼られてたし、より邪悪な呪いを引き寄せないために更に強力な呪物、危険なものを置くことによって、魔除けとなる」

 

 

対面を許された虎杖とリンディは、しばらくの間この身元不明な少年と言葉を交わしていた。しかし、相互の知識の違いから、もはや覚えている場合ではない。

 

逆に一言二言だけ共通点があることが恐ろしい。彼女の表情は決して明るいものではない。虎杖悠仁の言葉は少なくともこの場にいる者達全員が頭でも打ったんじゃないかとか、正気を疑うレべルである。

 

だが、なのはだけは違った。

 

彼女自身、何度も空想と思っていたものが目の前に現れているので、虎杖の発言に嘘はないと確信していた。

 

科学技術及び魔法技術に『絶対の正解』はない。

 

あるものはあるのだ。

 

この未知なる少年はいったいどういう力があるのか、そしてそれが広い世界全体へどんな風に影響を与えていくのかは絶対に考えなくてはならない。

 

対面する以上は、知らなかったや信じられないでは済まされないのだ。

 

故に、だ。

 

お互いの持つ切り札を出し惜しみすることなく開示しているのだが、お互い理解することを知らない。

 

だから虎杖はそもそもの疑問を投げ掛ける。

 

 

「そもそもあんたら誰だよ。こっちからじゃ顔見えねぇし、本当はそんなやつ相手に話すなんてこと、俺の所じゃ即死刑だからな?」

 

 

どんだけ物騒な所にいたんだコイツは。

 

それはさておき、そこまでのリスクを背負って話してくれたんだ。こちらもそれ相応の対かを支払わなければ釣り合わないだろう。

 

思考を反芻する作業から帰還したリンディは、とりあえず話せるところまで話すことにした。

 

 

『私達は魔法を使うことによって人々の安全を守る魔導師、それらを組織して作られた時空管理局の一員よ』

 

「·······」

 

 

虎杖の頭に空白が漂った。

 

脳内時間五十分。それくらいの長さまで感じてしまったのにはわけかある。

 

魔法。

 

魔導師。

 

ゲームかなにかでしか聞いたことがない単語に、虎杖は顔の表情をめちゃくちゃにする。

 

 

「はぁ、魔法······って? それに魔導師って········はあ!? なんだよそれ!? 意味わかんねぇよッ!!」

 

 

魔法ってあれか、ゲームRPGでいうまほうコマンドを選択すれば炎や氷や雷を引き起こせるっていう、架空の技術か。

 

なんにしても、今まで空想と思い込んでいた呪いについて最近ようやく実在していると知っても、虎杖という少年には理解できなかった。

 

 

「うん────ゴメン、無理だわ。呪いや幽霊は辛うじて信じられたけど魔法は無理。俺も流石に今まであり得ない事象とか見てきたけどさ、魔法は流石に無理だゴメン」

 

 

リンディは小さく首を傾げた。

 

おそらくオカルト信者以外の科学万能主義の常識人なら『世の中に不思議なことなんて何もない!!』と否定されると思っていたんだろう。

 

だがしかし、虎杖の中には『呪い』が存在している。

 

残酷で残忍で邪悪な存在ではあるが、相手が呪いであるならばどんな強力な呪いでも『ヤツ』に敵うものはいないとまで言わせられる力を。

 

 

「っていうか、そろそろ聞かせてくれよ」

 

『何を?』

 

「俺なんで監禁されてんの? ってか、いつまでこのままなの? 一生? だとしたら困るんだけど?」

 

 

当然の疑問だった。

こっちは手を出すどころか助けに入っただけなのに、この待遇は間違いではないかとすら思った。

 

マイクの声は続ける。

 

 

『貴方の素性がわかるまでよ、虎杖悠仁君。それに、貴方には聞かなきゃいけないことがもう一つあるの』

 

「ナニ?」

 

『たった今、調べた結果貴方が住んでいるであろう地球にある日本の東京というところで【東京都立呪術高等専門学校】なんて名前はなかったわ。よって貴方は嘘をついているということになる』

 

「え······はあ!? いや、嘘じゃないって! 本当に俺は!!」

 

『その言葉自体も嘘であるという可能性があるわ。本当の事を言うまでは、貴方はここから出ることは出来ない。何が目的であの場に現れたのか、何の理由で戦いに介入したのかきっちり説明してもらわないと』

 

 

むすっと。

 

小学校低学年に嘘付き野郎だとか悪口を言われたように、虎杖はふてくされた。

 

 

「別に、理由なんかねぇよ。ただ爆発音が聞こえたから向かったら、あの女の子の胸から腕が生えてて苦しんでたから助けただけで」

 

『それだけで? 敵か味方かもわからなかったのに?』

 

「そういう遺言なんでね、『人を助けろ』っていうさ。それなのになんで俺監禁されてんの? 助けてあげたのに監禁される理由がわからないんだけど。俺がその、ろすとろぎあ? っていうのを持ってただけでこんな所に閉じ込められてんの?」

 

 

虎杖が言っているのは、今回回収を任された『特級呪物』を持っていたこと、だ。

 

ここではそれをロストロギアと呼ぶらしいが、『何故それを持っているのか』、たったそれだけで監禁されるなんておかしくないか? とすら思えた。

 

 

『······私達の組織では過ぎた代物、【ロストロギア】の回収も目的としています。それに貴方は言ってましたね? 回収を任された、と。聞くからに貴方は、とある組織に命令されて動いたということ。本来、第三者とも言えるそんな組織は、我々時空管理局が取り押さえるか、排除するのが普通なんですが』

 

「は? そんなこと許せるわけ─────ッ!!」

 

『なんですが』

 

 

虎杖の言葉を遮って、自分の意見を一方的に聞かせる。

 

 

『先も申した通り、貴方が在籍している組織と思われる東京都立呪術高等専門学校という学校は、いくら調べても出てきませんでした』

 

「ッ!!」

 

『そこで、ある仮説を立てました。恐らくですが貴方は·······私達とは違う世界、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『『『『!?』』』』

 

「!?」

 

 

それはリンディ提督と並んでいるなのは達も同じ顔をしていただろう。並行世界、ある部分から分岐し、あり得た世界、そして干渉することが出来ない未知の領域から彼はやって来たのだと。

 

相互の価値観の違い。

 

そこから生まれてくる疑問。

 

それを整理していって最終的にたどり着いたのがここだ。

 

だから、リンディ提督はこう言った。

 

 

『貴方に残されている選択肢は二つよ、虎杖悠仁君』

 

 

まるで元から選択肢はないくせに、それでもチャンスを与えたいかのように。

 

 

『本当のことを言わずにここで死ぬまで外部からの情報も遮断して一生監禁されるか。もしくは私達に貴方の言う【呪い】という異端技術を使って協力し、自分は敵ではないことを証明して信頼を得て、元の世界へ帰る手段を見つけるか』

 

「·······」

 

『まあ、そこまで言われたら大体決まってるわよね?』

 

 

宣言があった。

大人達が作ってしまった子供の幼稚だが残酷な言葉が。まるで自分達で作ってしまった悲劇を別の人に擦り付けるように。

 

報いかもしれない、と虎杖は思った。

 

だがそれは誰に対しての、だ?

 

 

「何だか知らねぇけど、その魔法? ていうヤツのせいで死ぬ人っていんの?」

 

 

素朴な疑問だった。

 

それ以上もそれ以下もない、ただの疑問。

 

 

『そうねぇ、まだ貴方は監禁中の身だから正確なところまでは話せないけど、今回の場合は特殊ケース。最悪何人もの人間が死ぬかもしれない、そんな事件ね』

 

「·······」

 

『まぁ、えっと·······驚かせてしまって申し訳ないけど、つまりはそこまで危険な仕事に貴方も一緒についてくるってことになるんだけど─────どうしますか?』

 

 

一種の確信犯であった。

 

リンディ提督は、おそらく彼をここから出すためのカードを最初から持っていたと思われる。

 

リンディ提督とて人間だ。しかも、寛容の精神が胸一杯にあると見ていい。

 

子を持つ母として、忸怩たる思いはいつも持っている。

 

だけど、タダで出したら上から猛反発を喰らう。

 

馬鹿でもわかることだが、人を救うこととは簡単なことではない。どこまでいってもリンディ提督はアースラという一つの艦隊の艦長であり、人や世界の安全を守る組織の一員だ。

 

それなのに目の前の敵か味方かもわからない相手にこの提案を出したこと自体間違っているかもしれない。

 

せめて自分達に協力的であるかどうかを証明しなくては、誰も納得しない。たった一つのジュエルシードの全威力の何万分の一、それでも街一つ崩壊させられるほどの危険物を一つ一つ回収する時だって、高町なのはという小さな少女を切り札にしてお構いなしに許可を出したことだってある。

 

だから彼女は敢えてそういう態度で接した。

 

敵意を持たれても良いとすら感じ、だが確実に彼をここから出すにはこれしかなかった。選択肢とは言えない選択をさせ、強引に協力させる。本人にとっては嫌々付き合うようなものであっても、代わりにここから出ることは保証される。

 

厳しい優しさだった。

 

彼女の本当の気持ちを言うなら、もしもここで子供である虎杖を死ぬまでここに縛り付けることになるのであれば、彼女は迷うことなく彼を弁護する側に回るだろう。

 

彼女はいつも思っている。

 

今の時空管理局の方法では、誰も守れないと。

 

だから。

 

そんな彼女に、少年は告げた。

 

 

「いいぜ」

 

『『『『『!!』』』』』

 

「あんたらが何の任務をしているのかは知らん。けど、まずそのロストロギア? 俺達は『特級呪物』と呼んでるけど、それを返してもらうことを条件であんたらを手伝う」

 

 

そして、と一拍置くと。

 

 

「何より俺は、間違った死を迎える人を見逃したくない。運動も喧嘩も、人並み以上に出来たからって、それを『俺にしか出来ない』って思ったことはない。だけど、異端技術、呪いだろうと魔法だろうと、それで間違った死を迎えるのは我慢ならない。たとえ今断っても、この提案を捨てたらさ、ただ死を待つだけで、その間にも人が死んでるんだ。それを知った時、俺には関係ねぇ、俺の世界のことじゃねぇから関係ねぇって無様に言い聞かせるのか? ······んなの、ゴメンだね! 俺がいつどこで死ぬのかはわからんけど、()()()()()()()()()()()()ッ!!」

 

 

虎杖悠仁は答える。まさしく、いつもの通りに。

 

虎杖は麻酔が今もなお効いた状態で視力も回復していない体を無理矢理動かして、真っ暗のガラスの向こう側にいる奴らに吼えた。

 

その彼の返事に、リンディは微笑んだ。

 

彼の正義心、それが証明できただけでもう満足であった。

 

よって、答えは一言だった。

 

 

『協力に感謝するわ、虎杖悠仁君。時空管理局へようこそ』

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

翌日。

 

 

「怪我の方は大丈夫だけど········一体どうしたらここまでのことになるのかしらね」

 

 

真っ白な病室の中で、はやての担当医師である石田はそんなことを言っていた。

 

 

「あはは·······」

 

 

シャマルは上手く答えられず、ベッドの上でギプスを固められた己の腕へ視線を落とした。あの少年のリンカーコアを触れた瞬間に左肩から胴体までサッパリ切断された体。だが、あまりにも綺麗に切断されたのが不幸中の幸いであろう。断面の細胞には傷はなく、シャマルは応急処置としての魔法をかけていたこともあり、傷跡は残ってしまったがそれでもなんとか腕は動く。

 

ヤクザが切り落とした小指を再び繋げる······という知識はあったが、それでもシャマルの回復魔法がなければここまではいかなかったろう。

 

 

「ま、命に別状はないけど。しばらく安静にね。あ、そうだ! はやてちゃん達呼んでくるわね!!」

 

 

そう言って部屋の外へと出ていってしまう医者。入れ替わりにすごい勢いで誰かが入ってくる。現代日本にはとても似つかない仲間達、ヴォルケンリッターと、小さな主の八神はやてだ。

 

 

「シャマル!」

 

「······はやてちゃん」

 

「体は!? 体の方は無事なん!? 聞いた話じゃ通り魔に刺されたって話やけど、本当に命に別状はないん!?」

 

「お、落ち着いて、はやてちゃん」

 

 

目を限界まで開いて心底心配した顔をしたはやては黙り込むと、シャマルは手術衣から覗かせる肩の傷跡を見せて心配なさそうな声で言う。

 

 

「傷は浅かったみたいで、石田さんのお陰で命拾いしました。あとは数日休めば社会復帰できるでしょうと言っていましたし、大丈夫です!」

 

「·······ごめんな、私があの時、もっと止めていれば」

 

「!? い、いえ! 私が勝手に取った行動です!! だからそんな顔しないでください!!」

 

 

あわあわと慌てるシャマルに、ついはやては笑ってしまう。なんとか元気アピールをしたいというのが見え見えな彼女の様子につい笑ってしまったのだ。

 

 

「じゃあ、ホンマに大丈夫なん?」

 

「ええ! むしろ絶好調です!!」

 

 

部屋の中ではやてとシャマルがわいわい騒いでいると、不意にノックもなしに病室の扉が開いて他の仲間達が石田先生と共に入ってくる。

 

 

「シャマル、怪我の方は?」

 

「うん、はやてちゃんにも言ったけど、もう平気。しばらくは安静が必要だけどね」

 

「しっかし、驚いたわぁ。この辺で通り魔が彷徨いているなんて······被害届は出しておいたから数日には見つかるでしょうけど、みんな気を付けて帰ってね」

 

「「「「はい」」」」

 

「それはそれてして、はやてちゃん。今後の検査のことなんだけどいいかな?」

 

「? はい?」

 

「実は─────」

 

 

そう言いながらはやてと石田は病室を出ていき、守護騎士ヴォルケンリッターの面子だけが部屋に取り残される。

 

シグナムが俯いているのを確認した大型犬のザフィーラは訊ねる。

 

 

「昨日の戦闘か?」

 

「·······聡いな、その通りだ」

 

 

そう言い彼女はへそが見える範囲のところまで服を上げ、自分の傷跡を見せつける。

 

 

「お前の鎧を撃ち抜いたか」

 

「ああ、澄んだ太刀筋だった。良い師に学んだのだろうな。武器の差がなければ少々苦戦していたかもしれん」

 

「だが·······それよりも気になるのは」

 

「ああ、シャマルのことだ」

 

 

それを合図に、皆がベッドで眠るシャマルの方を向く。シャマルはそれに気づいたのかどこか泣きそうな顔だ。そんな彼女に、シグナムはこう訊ねる。

 

 

「······何があった·······?」

 

「えっと、ね········私自身も覚えてないの。あの男の子のリンカーコアに触れた瞬間、いつの間にか肩を切断されていて、何が起こったのかすらわからなかったわ」

 

「アイツ、人間離れした身体能力だけじゃなく、遠く離れたシャマルにでさえ攻撃をできる何かがあるって訳か」

 

「ちょっと違うかなヴィータちゃん。あれはまるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。よって、リンカーコアに干渉していた私の手が拒否反応を起こしてあんな事態になったと、思う。何にしても、私達の知識では説明できない現象だったわ」

 

「つまり·······シャマルでもわからないと」

 

「········うん、ごめんなさい」

 

 

シャマルは俯くと、他の三人の動きが止まる。

 

世界が凍る。

 

シャマルはそんな三人を見ていた。

 

本来なら、サポートすべき自分が戦力外通知を受け取った気分に、怒りを抱く。彼女は彼女の為すぺきことどころか深傷を負ってしまった。

 

まるで意地になった子供みたいな思考回路に、更に怒りが込み上げてくる。

 

だからこそ、今はそんなことを考えている場合ではない。一人戦力外通告を受けたくらいで彼女らは止まらない。まだあと三人、それに数日あればすぐに復帰できるとわかったシャマルも次の戦闘に備え、首もとにつけている四つの指輪に優しく口づける。

 

それを見た三人は、シャマルはまだ諦めていないことを知り、俯いた表情から真剣な顔になる。

 

 

「今回の件で管理局の方も本格化してくるだろうから、今までのようにはいかないわね」

 

「少し遠出をすることになるな。なるべく離れた世界での蒐集を」

 

「······今、何ページまで来てるっけ?」

 

 

そう言われたシャマルは『金色の十字架が刻まれた本』を捲り、本の半分を行ったところの次のページが白紙だった。

 

 

「三百三十七ページ。途中で止められちゃったとはいえ、この間の白い服の子でかなりの数を稼いだわ」

 

「おっし! 半分は越えたんだな!! ズバッと集めてさっさと完成させよう·········早く完成させて、ずっと静かに暮らすんだ·······はやてと一緒に」

 

 

ヴィータは無意識のうちに拳を力強く握り潰していた。それに賛同するように、他の三人も頷く。

 

だが、ここで問題が発生する。

 

 

「だがもし、あの『少年』と接触した場合は」

 

「アイツはリンカーコアを奪えないことは既にわかっている。それどころか、手をつけた瞬間にこちらがやられてしまう。戦闘になっても避けるべきだろうな」

 

「つってもよぉ~、アイツが襲ってきたら対応しなくちゃならないじゃんか!」

 

「そうなっても必死に逃げろ、おそらくだがヤツは魔法というものをなんたるかわかっていない様子だった。いつでも勝てる」

 

 

と、不意に病室の扉が開かれた。

 

我らの主とその担当医師が帰ってきたのだ。作戦会議はここまで、一番重要な箇所だけでも話せたのは良かった。

 

こうして今日もいつもの日常が始まる。

 

過去を汚してでも、騎士達は主のために武器を振るう。

 

その先に何が待ち受けていようと、それは結果的に幸せになれることを信じて、彼女達は突き進む。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「本気·······なの?」

 

 

システムチェック。

 

コア問題なし。

 

しかし、必要な部品が不足。

 

エラーコードE203、必要な部品が不足しています。

 

CVK-792·······通称『ベルカ式』。

 

カートリッジシステム。

 

修理にはエイミィとクロノの後輩であるマリーが受け持つことになった。そんな彼女でも、今目の前に表示されている項目が信じられない。

 

修理は完成されているはずだ。

 

つまり二人のデバイスであるレイジングハートとバルディッシュは、更なる力を手に入れるためにわざとエラーを起こしたのだ。

 

圧縮魔力を込めた『カートリッジ』をデバイス内で炸裂させることで、瞬間的に圧倒的な魔力と破壊力を生み出しているのだ。

 

そのことを聞いたレイジングハートとバルディッシュ達は、ヴォルケンリッターの強力な攻撃の正体を知った。

 

だから、対抗するためにスキルアップの部品を求めたのだ。

 

これ以上、自分達の主人を失望させないために。

 

故に、二人は無理してでも進化することを決意した。たとえそれが人道に反していようとも、そんな自分達を彼女らは使いこなせるはず、二人はそう確信していた。

 

よって二人は揃ってこう答えた。

 

 

『『·······Please·······』』

 

 

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