どんな女がタイプだ? 作:ブラザー
(ルーレットのせいで)苦戦してる間に9000人完全に超えたみたいでありがとうございます! 評価あっっかっ! 黒→青→緑→黄色→オレンジの次って赤なんだ……。そもそも10評価が青になりかけてるのすら見たことないんですが。
まだ体育祭にすら行ってないんですけど……のしかかる重圧! ぱぱっと書いて早く体育祭書きたいなーなんて呑気なことを考えていた私は一体!
だってこんな伸びるなんて思うとでも!? 評価が少なく、目立ってなかった頃に読んでいた方は古参面したり自慢していいと思います! ぜひ承認欲求満たしてください!
「ヒーローチーム、WIN!」
オールマイトが勝利を宣言する。
その途端、盛り上がるような声が周囲から上がった。
物間が宍田を抑えたあとはトントン拍子だ。
骨抜が核の場所を見つけ、対峙した泡瀬が接近する前に地面を柔らかくして動きを止め、バリケードを壊して核にタッチ。
宍田が物間を倒したあと、駆けつけていたならばそうはならずに背後から襲われて負けていただろう。
あくまでビルに影響の及ばない程度でしかないため、泡瀬の動きを封じられるのも少しの時間のみ。
こればかりは相性の問題としか言いようがないが、そもそもその相性の悪さを知ることもこの授業の一環。
傷自体はそれほどないのか、宍田に肩を借りて物間が戻ってくる。
手酷くやられたようだが、物間も自分に必要な部分が分かっただろう。
コピーという個性は相手の個性すら使える他、ブラフにも使える強い個性だ。しかし結局は本人のフィジカルが低ければ大きな力は発揮出来ない。
拡大解釈以前にコピーの理解、肉体作りから始めるべきだろう。
「さて講評の時間だ。まずベストは言わずもがな物間少年だ。自分自身の個性を最大限活かして勝利に必要な条件を理解して行動し、見事捕縛して見せた。ただし相手を怒らせることがいいことばかりじゃないってのは覚えておくべきだろうね。君自身、足りないものも実感しただろう?」
「はい……」
「宍田少年はチームプレイも視野に入れるべきだね。骨抜少年は個性があまり使えない状況でも出来る限りのことはしていたが、ヒーローになる以上屋内戦闘は増える。出来ることを増やしていくべきだろう。泡瀬少年は相性が悪かったね。相性が悪い相手にはどうするか。それが今後の課題だ」
「頑張りますぞ!」
「確かに、何か手を考えておいた方が良さそうだ」
「俺、何も出来なかった……」
それぞれ課題こそあるが、それを知ることが出来たのは大きい。
宍田は恐らく個性の影響もあるのだろう。気分が高揚するらしいので、チームプレイが疎かになるのはヒーローとしては十分すぎるほどの欠点だ。
ひとりで何でも出来るなら問題ないが、そういうわけではない。
「さぁ、流れは分かったかな!? 次のチームに行ってみよう!!」
次の対戦はヒーロー側で回原・吹出。
ヴィラン側で塩崎・小森。
その組み合わせだった。
「先生、ひとつ申し立てを失礼します。何故私がヴィラン側なのでしょうか。私は日々神に祈りを捧げながら清廉に生きているのですが、ヴィランとして悪に手を染めなければならないことに納得がいきません」
「塩崎少女。これも大切なことなんだぜ。ヴィラン役に徹するということは、ヴィランの気持ちを知るということだ。ヒーローになった際、この時の経験が役立つ日が来るかもしれない。こういう時にしか出来ない経験で、それらは貴重なものになるんだよ」
「なるほど……でしたら誠心誠意取り組むことにしましょう。悪の所業を為す私をどうかお許しくださいませ……」
オールマイトの言葉を聞いて納得がいったようで、祈祷したあとに塩崎は向かっていった。
コスチュームもトーガにしているようでキリストのような、聖者めいた様相だ。
搦手とか本人の気持ち的には苦手そうな人物に見える。
「葵、見ててね」
「もちろんだ。怪我はしないようにな」
「大丈夫。葵の隣に居られるように、頑張ってきたもん。守られるだけじゃないノコ」
「そうか、であるならば信じるとしよう。頑張れ、小森」
「うん!」
その塩崎の後を追うように小森は駆け足で向かっていく。
それを見届けると、小大が横に来た。
「ん?」*1
「彼女は強い。見ていれば分かるだろう。あのチームならば小森単体でも勝てるだろうからな」
「そこまでなのか?」
俺の肩に手を置きながら物間が話しかけてきた。
座っていればいいだろうに、意地かどうかは知らんが立っているため、仕方がなくそのままにしておいてやる。
「ああ、2位という記録が嘘では無いということは始まれば自ずとわかる。見た目的には弱く見えるかもしれんがな」
「確かに希乃子は小柄だけど、昨日のテストでも東堂の下だったもんな。身体能力系ではそこまでだったけど個性の扱い方が上手いというか……やっぱ幼馴染だからか?」
「それもあるだろう。切磋琢磨してきたからな。だがまず、塩崎と小森が組むなら今のB組では勝つのは難しい。範囲制圧の塩崎に同じく範囲制圧の小森。正直組ませてならない組み合わせってのはこのチームだろう。回原と吹出には悪いが、勝負は一瞬になる」
正直な話、オールマイトを除いて対処出来るとしたら俺くらいだろう。
回原は個性的にツルを壊せるだろうが、勝つことは出来ない。吹出も乾くようにすればキノコについて対処出来るかもしれないが、結局それも一瞬でしかない。全範囲は無理だろうし、そもそも彼女はキノコの胞子を飛ばしている。
それにサポートアイテムで簡単に湿気を作れるようにしているみたいだしな。
つまり、小森だけを対処しようとしたら結局塩崎に負ける。かといって小森をフリーにすればまとめて終わり。
そもそも小森はフィジカルは低めだが、アイドルを目指してるだけあって動ける。フィジカルに関して増強型や異形型に比べたら低い程度でしかない。
彼らが勝利するには何もさせず、先手必勝で勝ちにいくしかない。
行くしかないのだが――
「ヴィランチーム。WIN!」
「瞬殺じゃん……」
「あれはエグい」
核から移動せずその場に待機していたが、ヒーローチームが核を見つけて侵入した瞬間、塩崎が逃げ場を防ぎ、予め仕掛けていたであろう菌糸の糸が両腕を捕らえ、腰まで覆ってしまうことで動けなくし、更に塩崎がツルで完全に拘束後、ダウンさせて終わり、という感じだった。
やろうとすれば入ってきた瞬間にキノコまみれにさせることも出来ただろうが、塩崎にも仕事を与えようと考えたためだろう。
正直、ヒーローチームでもヴィランチームでも勝敗は変わらなかったと思う。
実際にほとんどのクラスメイトが自分が相手じゃなくてよかったと思うほどに瞬殺だった。
「本当に一瞬だったな……」
「あれはドンマイとしか言えないな。僕の対戦相手じゃなくてよかったと心から思えたよ」
戻ってきた回原と吹出がズーン、と落ち込みながら歩いていた。
核の部屋を見つけたと思ったら何も出来ずに負けたのだ。
もう少し警戒していれば話は変わったかもしれないが、入学したての子供には酷な話だ。
「ぶい」
何処か自慢げに胸を張り、ピースサインをする小森に俺はただ頷く。
訓練であろうと容赦なく勝つ。
対峙した側からすればたまったものではないように感じるかもしれないが、それは壁を見せるという意味合いにもなる。
大切なことだ。
それを乗り越えなければヒーローなどなれん。
「ん」*2
「塩崎ちゃんのお陰」
「いえ、小森さんならば一人でも問題なかったと思います」
「謙遜するものではないぞ、塩崎。逃げ場を失わせるというのは大切なことだ。それはヒーローでもヴィランでも変わらん」
ヴィランからしたら撤退でもヒーローが逃げたら情報を持ち帰られる。
一方でヒーローだったらヴィランを逃がすということは次の犠牲者が出る。
そんなオールマイトみたいな存在が常に相手というわけではないのだから、逃げ道を塞ぐというのはかなり大切なことだ。
プレッシャーにもなるし応援を呼べなくするというメリットがある。
自分より強い相手だったなら逃げ道を塞ごうが逃げようが何をしたって無駄なのだが。
「それもまた一理ありますね。であるならば、称賛を受け取ることにしましょう。本当は謀ることをせず正々堂々と相手をしたかったのですが、ヴィランであるならば致し方ありませんね……」
それはきっと塩崎の本音なのだろう。
真面目というかなんというか。
これをきっかけにもう少し柔軟な思考を身につけて欲しいものだ。
ヒーローを目指すならば格上相手には奇襲やら策を講じることは自然と必要な能力になる。
「さて講評の時間……と行きたいところだが、ぶっちゃけ文句なしで何も言えないな! というより、東堂少年が言っちゃったからね。相性はあったが、回原少年と吹出少年は慎重に行くべきだったくらいだろう。今回ので分かったと思うが、ヴィランだって何もせずにいるわけではない。核を守るだけでなく、さっきみたいに罠を張ることの方が多いのだ。防衛よりも罠に嵌めて戦闘不能にした方が安全だからね。訓練とはいえ、その辺はしっかりと頭に入れるようにな! では次!」
今回はそもそもまともに戦闘らしい戦闘が行われてないのもあり、オールマイトは声を上げ、次の対戦相手を伝える。
次の対戦相手は円場・鎌切VS小大・柳だ。
「東堂、今回はどう見る?」
「互いに個性の相性が良い。まず円場は防御においてはかなりの強さを誇り、鎌切は近接メインだ。円場が守り、鎌切が攻める。組み合せとしてはベストだろう。対して小大と柳も相性は良い。なぜなら――」
「小大ちゃんのサイズで重さを軽くして、柳ちゃんの個性で操って動かした後に解除すれば重量制限を無視することがでキノコね」
物間が聞いてきたため、整理していたら小森が俺の続きを話していた。
その通りだからこそ、特にそれ以上は何も言わない。
「確かに、相性はいいな。でもそれじゃあ近接に弱いって弱点があるな」
「今回の戦いは小大たちがヴィランチームだ。つまり準備期間中に部屋の物のサイズを小さくして弾を作り出すだろう。それらが尽きれば負ける。核を小さくして隠してもヴィランであるふたりが捕まれば負け。だからこそ、遠距離攻撃を捌けば円場・鎌切チームの勝ち。逆に物量に負ければ小大・柳チームの勝利となる」
「東堂少年、もうさっきから答えを言ってるよね」
「む……ダメだったか?」
「いいや、生徒の自発的な学習は大切だ。気にしなくていいよ! ただ学生とは思えない観察眼と思ってね!」
元々戦い慣れてるのもあるが、そこに呪霊やら術式やら個性のような力がある存在と戦った経験を身に宿しているのと、個性の都合上把握する必要があるのもあって優れているのは当然だ。
「まぁ東堂って首席だしな」
「筆記試験もPERFECTらしいデス」
「さっすが〜ギャップヤバいね」
「見た目からは考えられないよねぇ〜」
「普通は考えるタイプとは思えないよな!」
回原、角取、取蔭、凡戸、鱗といった面々がそう評価をしてきた。
オールマイトは俺を見て、何やら納得したように頷いていたが、俺に似た人物を知っているかのような様子だった。
俺のように見た目、もしくは言動からは想像もつかない知能派がいるのかもしれない。
俺のIQ53万を超えられるような相手が居るならば見てみたいものだ。裏の裏を読んでやろう。
そうこう話してるうちに時間となり、試合が始まる。
案の定小大がサイズを小さくして、核を隠すと次々と小さくしたものが柳の近くに落ちている。
ヒーローチームの方はというと、小森と塩崎の戦いを見たからか焦らず慎重になっていた。
しかし様子から考えると、鎌切が円場に何か言っているようだ。
「聞こえないから何を言ってるのか分からないね」
「なんか指差してるな!」
「それは見れば分かるって」
庄田の一言から鉄哲にツッコミを入れる泡瀬がいた。
実際に声はオールマイトのみが付けている小型無線機からしか聞こえない。
ただ様子からはおおよその予想はつけられる。
「急かしているといったところだろうな」
「制限時間があるから気持ちは分からなくはないノコ」
「かといって急ぎすぎたらさっきみたいになる……こうやって考えると難しいな」
「罠がないか警戒しながらゆっくりと進むか、罠がないことを前提、もしくは罠があっても突破すると考えて行動するか……特に今回は個性で攻撃してくる可能性があるからね」
どちらを取るかは彼ら次第だ。
どちらも間違ってはいない。
制限時間といっても15分はある。残り5分までは焦らず行くという選択も取れるだろう。ただし、制限時間が短くなるということはその分追い詰められるという意味でもある。
罠や奇襲に対処出来る自信があるなら早急に行けばいい。自信が無いならゆっくり行けばいい。
結果としては二人は急ぐことにしたらしく、周囲を警戒しながら走っていると、柳のポルターガイストによって操作されている木の板が大きくなりながら降り注いでいた。
空気の膜で守り、ナイフであっさりと斬っている。
突然の攻撃に近いことを察したようで、展開が大きく動き始めた。
部屋を防ぐようにされていた大きなコンクリートを鎌切が斬って侵入。
部屋に入った途端、守りと攻めの応戦。
サイズを変えられるというのもあって鎌切と円場が押され気味だったが、数分間の戦いに決着がつけられる。
弾数がなくなった瞬間、柳が準備するより早く円場が生み出した空気を蹴った鎌切が射線上の物体を斬って接近し、サイズを変えられる小大を捕らえる。
抗いはしたが近接メインの相手には敵わずに確保テープを巻き付けられ、そうなるとサイズを小さく出来ない以上、あとは柳一人では操作出来る数も減って弾数が少なかったため勝つことは出来ずに2対1の状況で確保テープを巻かれて終わってしまった。
ヒーローチームからすれば核が存在しないようなものなので捕まえるしかないのだが、時間は結構ギリギリだ。
もう少し時間を稼げていたならば小大や柳の勝ちだっただろう。
急ぐという行為が裏目に出ず、功を奏したとも言える。
「ん」*3
「惜しかったノコね」
「手持ちが無くなった際にどうするのかを考えるべきだな。小大ならば武器を持った方が色々とやりやすいだろう」
背伸びしながら手を伸ばす小森に小大は意図を理解したようで自らしゃがむと、頭を撫でられていた。
それを横目で見つつ、先程の戦況から考えて助言……のようなものをする。
柳もそうだが、手持ちが無くなって負けた。逆に言えば手持ちが無くならなければ勝てたとも言える。
「ん」*4
「私は操作性かな……」
「それと重量を増やす、だな。重たいものを操作するってことはそれだけで十分すぎる武器だ。あとは操作の精密度、速度。それらを上げれば脅威になるだろう」
「なるほど、ありがとう」
「円場は上手かったな。今回のMVPだろう。足場を作り出したからこそ、鎌切が捕らえることが出来た。鎌切は機動力は悪くないが、もう少し周りに目をやるべきだっただろう。戦場というものは常に変化する。目の前の敵だけが全てではないぞ」
「おう、ありがとな」
「それもそうか……参考にさせてもらうぜぇ」
「ちょっと東堂。オールマイト先生見て、気にしたげて」
「む?」
帰ってきた4人に言葉を送っていたら、拳藤に服を引っ張られてオールマイトを見る。
ぷるぷると震えていた。
仕事を奪ってしまったようだ。
「い、いいさ。にしても東堂少年。君、そんな修羅場を潜ってきたのかい? 本当に高1? なんて思ってしまったよ。老成してると言えばいいのかな。まるでプロヒーローのように多くの戦いを経験してきたようにも感じられるよ」
「まぁ……戦いというものを知ってるだけだ」
「シット! 何かと抱えてる者は多いものだ、すまない! 踏み込んではダメな部分だったね。おじさん、注意不足になってしまった!」
「「「オールマイトはおじさんではないですけど!?」」」
オールマイトのファンは多く、このクラスも例に漏れず。おじさん発言は否定されていた。
謝ってくれたのはいいが、俺としてはどうやってこの、別世界の出来事を話せばいいのか分からないだけだった。
いや、確かに昔から無個性だとか言われてたしイジメに近いことはされていたが、物理で何とでもしてきた。
そのうち俺には何もしなくなってきたが、小森に何かしようとしてたので結局物理ばかりで解決していたが。
ただ特級呪術師や呪霊の存在を知っていたら強さの価値観はおかしくなるというもの。
この世界ではオールマイトが頂点に位置しているが、向こうだと多くの
「それより次の試合に行ってみよう!」
次の対戦の組み合わせは取蔭・鱗VS凡戸・角取だ。
何気に留学生同士の戦いになる。
角取はアメリカ、鱗は中国だったか。
といっても鱗は角取と違って普通に喋れるようだが。
ただ相性は微妙なところだな。
二人とも遠距離で、逆に取蔭と鱗は偵察可能なのと近距離という組み合わせ。
「なあなあ、今回どう見るよ? 解説の東堂さん」
「ここまで来たら最後まで聞かせてくれよ」
「いい案ですな!」
泡瀬と回原が解説を求めてきた。
顎に手をやり、情報をまとめながら口を開く。
「そうだな、取蔭が情報を得られるのは大きい。情報というのは武器だ。情報があるのとないのとじゃ戦況は大きく変わる。何があるのか何処にいるのか、それを知るだけでアドバンテージに差が生まれる」
どの世界においても、それこそ昔から情報というのは何よりも大事だ。
今回の場合は何処に核があるのか。どこから侵入出来るのか。
部屋の構造や罠の配置、人の配置など知ってるのと知らないとでは大いに違うだろう。
「凡戸が個性で封鎖しても取蔭には状況が分かる。だからそこから作戦を組み立てることは可能だ。一方で角取や凡戸には相手を把握する手段はない。しかも取蔭の分離するパーツにも注意せねばならん。取蔭の作戦がハマるか、その作戦を読んで勝つか、勝負はそれ次第だろう」
「やっぱり東堂はキュピーン! って感じだ!」
「もう完全に解説役になってんね、東堂」
「ふふーん。柳ちゃん。これが葵ノコよ」
「だからなんで希乃子がドヤ顔なのさ」
彼女もまた頭が回りそうだ。
敵に回せば面倒になりそうだが、同時にB組全体を底上げする存在になるかもしれない。
まぁ、親友ならまだしもわざわざ俺が面倒を見る必要はない。俺から世話を焼こうなどとは思わんが。それより推しの方が大事だ。
「ヒーローチーム、WIN!」
勝負は割と呆気なかった。
取蔭が核の位置を把握。
鱗と共に行動を始め、待機するヴィランチームに対して取蔭が分離させた口を窓越しから声を掛けると、注意が向く。
その間に扉を破壊した鱗が侵入し、反応が遅れたヴィランチームが互いに警戒しようとしたものの、角取のツノを破壊出来る鱗と分離する取蔭を同時に処理出来るわけもなく、取蔭が核を確保して終了。
細かすぎてセメダインで拘束出来なかったのも大きいだろう。
「今回は! 今回は私がするからね! 教師だから、私!」
「そ、そうか」
戻ってきたため、口を開こうとしたらオールマイトに止められた。
しかも接近までして。
特にオールマイトのファンでもなければ普通に異性に対しての感情を持つ俺にとってはこんな画風が違う大男に顔を近付けられてもむさ苦しく感じるだけなので、普通に両肩を押して離れさせた。
「こほん! それでは講評の時間に移ろうか! まずベストは取蔭少女!作戦立案から行動までパーフェクト! 鱗少年もきっちりと役目を果たしていたね!」
「いやーそれほどでも」
「感謝です!」
「ヴィランチームはもう少し罠を張ったりするべきだったかな。特に窓を塞ぐということをしていたならそちらに気を取られることはなかったからね!」
「窓から侵入されないと安心してたのが仇になったぁ……」
「うう、反省点が多いデスネー……次こそはソウナラナイヨーに、Bestを尽くシマース!」
俺が言いたかったこととほぼ同じだった。
角取に関してはせっかくのフィジカルだ。ガチガチに近接をやれ、とは言わないが、正直な話、角さえ押さえてしまえば個性の脅威はない。
阻止がシンプルが故に、そうされたときの対処法として投げ技でも関節技でも何か覚えるべきだろう。
取蔭は何か攻撃を身につけるべきで、凡戸は撒く以外にも噴出する量を増やしたりして相手を吹き飛ばすレベルで出せればもっと選択肢は広がるだろう。
「それでは最後の組といこうか!」
そしていよいよ、俺たちの出番だ。
こちらはヴィラン側。
ヒーロー側だったとしても、流石に核を入れ替えて確保など塩試合になるようなことはするつもりはなかった。
相手は、拳藤・鉄哲。
「……負けないからな、東堂」
「受けて立とう。知恵と力を振り絞ってかかってこい、拳藤」
「そうさせてもらうよ」
「そうだ! 負けねぇからな、二人とも!!」
「頑張りましょう、東堂くん」
俺と庄田は先に5分間の準備期間が設けられるため、先に行くことになる。
向かう前、小森が手を振ってきたため、口パクで『がんばって』と言ってるのが見えた。
返事するように手を上げて、持ち場へと向かう。
やろうと思えば入れ替えし続けたら負けることなどないのだが、せっかくの機会だ。
そんなつまらん戦いはしないでおこう。