東方蟻来訪   作:すバール

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えー大変だ。


第一話

「───ギェェ?」

 

森林に日の光が差し、風が吹き抜け枝葉が擦れあい騒めきを上げる。鳥々が囀り、動物が地を這う。それが自然の光景。

 

「…ギェ」

 

その"化け物"は卵から帰り目を覚ました、そして立ち上がった。

 

────?

 

スラッとした身体。しかし体長は2mをゆうに超えている。目は赤く大きい、湾曲した歯のようなもの触覚がある。腕は長く膝まで伸びている。肩甲骨からは羽の様なものが生えている。指の数は4本で鎌のように鋭い。

身体中からは黒い棘の様なものが生えていた。

 

───そうこの化け物は、蟻の王"ベル"である。

 

「(何処だここは?)」

 

その時、ベルに急激な衝動が襲って来た。

 

「(ッ!なんだコレは!?)」

 

身の毛のよ立つような感覚、それは──空腹であった。

 

ぐぅぅぅう。

 

「(腹が減った。なにか食べれそうな物は)」

 

その時、こちらを見ている奴がいた。

身体は黒く鱗の様な物で覆われている。目は黄色いが縦に黒い線が入っている。口からは"シャー"っと音出していて舌は長い。

──蛇である。体長は14mと言った所ぐらいのアナコンダじみたデカさである。

 

その蛇は、背中を見せているベルに襲いかかった。

 

「(なんだ!)」

 

蛇は身体を巻き付けベルの外骨格を今にも砕こうとしていた。頑丈な外骨格であるがたちまち"メキメキ"と音を上げ今にも割れそうな音を出していた。

 

「(何か、方法は!アレしかないか!)」

 

ベルは思いついた様にその歯で蛇の身体を噛んだ。当然、蛇は痛がって力を緩めるその隙にベルは飛び出し蛇に向き直って戦闘態勢をとった。

 

「(今なら、この爪が使える)」

 

ベルは躊躇なく爪を振るった。爪は蛇の腹に直撃し、そこに何もないかのように蛇を切り裂いた。蛇はのたうち回った後、絶命した。

 

ベルは今日産まれて死ぬかもしれないという、経験を覚えた。

絶対的な強敵は今後も彼を脅かす。そう考えたベルは誰にも屈さず、誰よりも強くなると決心した。

 

■■■■■■■■■■

 

ベルは、強くなるためにまずは何をするべきかを考えた。

っとその前にベルはお腹が減っていた為、目の前にある蛇を喰らおうとした。

 

「(イケるよな?)」

 

ベルを一口噛んでみると、──意外と行けることに関心した。大抵このような場合、食べるのはNGなのだが流石は昆虫なんでも行けるようだ。

 

「(ん?なんだ?目が!)」

 

蛇を食べていたベルは、目に何か違和感がある事に気づいた。ベルは目に力を込めると、視界が切り替わり青や赤、黄色と言った色がついた視点に切り替わった。──コレは蛇の目"サーモグラフィー"である。別名、熱探知。極わずかなねつですら感知まうので獲物を狙うにはうってつけの代物である。

 

「(コレは、周囲の熱を感じ取っているのか?生物の熱も感知している。良い物を手に入れた)」

 

ベルは、蛇を食べ終え思考する。まずは自分がどれだけ弱いかを考え、そして強くなる為にはどのようにしていく必要があるのかを考えた。

 

「(先程のように蛇などの生物を食べれば強くなれるのではないか?)」

 

ベルはこう仮定した。生物などを見つけ次第捕食し自分を進化させ強くなる。生きる道はこれしかないと踏んでベルは生物を探しに行った。

 

■■■■■■■■■■

 

ベルは手始めに生物意外の物では進化はできないのかと試してみた。

最初は木を食べて見ることにした、すると身体がちょっと硬くなった。ベルは木でこの様に硬くならば鉱石を食べて見ることにした。食べると身体がとても硬化した。それからベルは2日間、鉱石を食べ続けた。

そのお陰で、身体は鋼よりも硬くダイヤモンド並の硬さとなった。爪は大木ならば手をかざすだけで切れる様になった。

 

──「(ふむ、これで少しは強くなったか。よし次)」

 

次に不意をつける様に何か特別な物を探した。そしてベルは模索しているうちに不意をつける物を見つけた。それは毒針である。目の前にスズメバチの様な生物がいた為、腹の部分を抉りとった。スズメバチの針と毒袋を食い、毒を得た。最初はどこから毒針を出るのかと探したが口から出ることが分かった。伸びた針でさせるため、不意打ちにはうってつけである。そして更なる毒を得るためムカデの麻痺毒や神経毒を取り込み身体の中で調合し、より強い毒"蠱毒"を作り上げた。

 

──「(よし。これで前よりも楽に殺せる。よし次)」

 

次にいくら自分が虫の様で外骨格で筋肉を覆われているとしても第二の骨格が必要と考えた。骨格が増えること関節も増え前よりも精密な動作ができると考えた。ベルは骨が形成できる物を探し続けた、そして見つけたのが骸骨の見た目をした生物?である。背後に周り身体を切り裂いた。そして散らばった骨を食べると身体が軋む様な音を立て身長も伸びた。ベルは骨がついた事を確認する為腕を切り落とした、そこには骨があり関心したようだった。

 

──「(ふむ。これが骨かこれで動作性は前よりも上がったハズだ)」

 

次にベルは切り落とした腕を取り戻す為、再生能力を持つ生物を探した。それと同時に骨がついてスリムになった為、筋肉がつく様な生物も探していた。そして見つけたのが筋肉質のゴリラの様な生物とトカゲである。まずゴリラを毒殺しトカゲを八つ裂きにした。ゴリラを食べ進化すると身体が一回りパンプアップしトカゲを食べると瞬く間に腕が完治した。

 

──「(なるほど。パワーは前よりも出力が上がり、戦ってできた傷と外骨格にある傷も治るとは。嬉しい誤算だ)」

 

最後にベルは一人ずつ確実に確殺できる様な生物を探した。それで見つけたのがカメレオンの様な生物である。ここの生物は通常の生物と異なり、特異体質がある。そしてカメレオンの特異体質は"透明化"である。通常は透明化した生物は見つけにくいがベルには関係なかった。

 

──「(透明化はいいな。しかし俺の前では無意味だ)」

 

そう言ってベルは熱探知に視点を切り替えた。するとそこに熱がある事が分かり、そこにいるカメレオンを切り裂いた。

 

──「(これで、ピースは揃ったか)」

 

ベルはカメレオンを取り込み、進化した。そして完全生命体の"蟻の王"ベルが誕生したのである。

 

■■■■■■■■■■

 

そしてベルが強くなり数ヶ月がたった頃、川場に一人の少女がいた。

 

「なんでこんな所に妖怪がいるのよ!?」

 

その少女は追われていた。あらゆる妖怪達に、蛇や鳥やムカデやらに追われていた。しかし、妖怪達は森に入るやいなや突然足を止めこちらを睨んでから去っていった。

 

「帰って行った?」

 

少女は喜び半分、不気味さ半分と言った感情に埋め尽くされていた。

少女が森から抜けようとした時、少女は気づいた。周りには"血だまり"、"骨の残骸"、"異常に濃い妖力"。───これが意味することは1つ。

ここは妖怪が妖怪を狩る──"狩場"という事に気づいた。そして自分も狩られる側の一人という事にも気づいてしまった。

 

「うッ!速く逃げないと!」

 

しかし少女はあまりの残酷さに腰が抜けていた。

 

「なんで、なんで立てないの!?」

 

そんな少女に嫌な音が聞こえて来たのだ。"グシャリ"、何かを叩き割り食べている様な音。それは少女を怖がらせるには充分であった。

そしてそこから現れたのは──虫の様な見た目をしている二足歩行の化け物であった。




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