ダンまちのベルとこのベルを合体させたらどうなる事やら。
「(えぇ、なんか人間が沢山いるんだけど。俺なんかしました?)」
ベルは考える。顎に手をやり"自分は何をしたんだ?"と。
「(やっぱ何もしてないな)」
ベルは人間に向き直り。近づいていくと突然横から"矢"が飛んできた。
「ッ!取られたわ」
「見たら分かる」
ベルは反射的に矢を掴んだ。確かに早かったが"ベルには遅すぎた"。
ベルはどうにも和解を試みようとするが、ベルが一歩一歩近づくと人間達は一歩一歩後退して行った。
「(うむ、埒が明かないなこれは、どうしよう)」
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「(なんなんだ、この化け物は!?)」
団長の一人、"綿月元柳斎"は悩んでいる。今ここで逃げ街を壊滅させられるか、それともここで戦って死ぬのか、綿月は考えている。
しかし、前の妖怪は手を広げ─まるで人の様に─「待ってくれ」─と強請るようにしている。この様な知能を持った妖怪は生かしては置けないが、今ここで私達は戦って生きて帰れるだろうか?
あの妖怪はもしかしたら本当に待って欲しいのかそれとも、こちらの隙をついて殺す頃合を図っているか。
「信じてみましょう」
「永琳?」
「大丈夫です、あの妖怪は優しい妖怪です」
「そんな確証は何処にもない。却下だ」
「分からなくても良いです。私が身を持って証明します」
「やめろ!永琳!」
そう言う、綿月元柳斎の制止も聞かず永琳は歩み続ける。目の前にいる"化け物"に向かって。近づくにつれて殺気や赤い妖力が強く濃くなってくるのが分かり、常人なら失神するほどの力量に永琳も倒れそうになるが、気合いで耐える。
「えぇい!無茶だ、助太刀いたす」
他の団員や綿月元柳斎が一歩、踏み出す。
その時───首が飛んだ───周りにいる仲間の首、研究者の首も永琳の首も全てが飛んだ、あぁもう死んだのかと思い目を閉じた。
そして誰もが死んだと思ったが息は出来ていた。しかも腕も動かせ首も動かせる。恐る恐る目を開けると首が飛ぶ前の光景が広がっていた。
「な、なんだったんだ」
団員達や隊長の綿月元柳斎、そして目の前にいる永琳の首がまだ"飛んでいない"のだ。
ベルが見せたのは殺気で見せた"未来"であった。
そこから一歩でも動くと"殺す"という明確な殺意。それを向けられたらどうなるのか固まり失神するか、明確な未来を見るかである。
それを見せられた団員や隊長は腰を抜かしているが永琳はベルに向かって歩いて行っている。それは何故か、永琳に何故届いていないのかそれは"ベルが永琳にだけ"殺気を向けてないからである。
普通、殺気と言うのは周囲に殺すという明確な意志を"ばら撒く"ハズなのだが、ベルは殺気を"集中させる"という高等テクニックで威嚇したのだ。
「貴方は、悪い妖怪?それとも優しい妖怪?」
「キェ?」
「話せないの?」
「キェ!」
「フフ」
目の前の綺麗な人は笑っている。月のように美しく花のように鮮やかなその笑顔はベルの殺気を収めていく。
後ろにいる団員や隊長達の顔が段々と明るくなってきた。ベルの殺気は本気を出すだけで人を"殺せる"その位の殺気である。ベルは人とは敵対したくない為、殺気を十分の一の位まで抑えたのである。
「優しい妖怪なのね」
ベルは首を縦に振る。もう待ってましたと言わんばかりの挙動である。
「隊長、この妖怪は優しい妖怪ですよ」
「そ、そうか」
「それならいいんだ」
先の未来を見てしまった以上もう前にいる妖怪が怖くて堪らないがここは刺激しない方が良いと考え頷いた。
「隊長どうします?」
「どうするとは?」
「憶測ですがガーディアンを狩ったのは多分この妖怪かと…」
「なん…だと……」
「百体以上もいたのをか?」
「はい、その証拠にこの妖怪の背中辺りからガーディアンに装着させている"テイルブレード"がありますので……」
「なん…だと……」
「進化したと言うのか?」
「はい」
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「(おぉ、何とか和解出来たのかな?)」
「(にしても、この人綺麗だな)」
ベルは呑気にそんな事を思っている。
「(というかちょっと殺気出すだけでへっぴり腰になるのかよ)」
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「どうするのだ?永琳」
「こんな化け物を連れて行くというのか?」
「化け物かもしれませんが、それでも私達には牙を向いてません」
「この化け物に肩入れするのはいいかもしれないが、死ぬかもしれんぞ」
「それを承知で私が面倒を見るのです」
「もう、好きにしろ。上の奴が文句を言うと思うがな」
綿月元柳斎は刀を鞘にしまいながら団員達を引き連れて帰って行った。
「さぁ、妖怪さん行きましょう」
ベルは頷き永琳の後を追っていくのであった。
ベルがもう兵器よりもやばいかもしれない。
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