ダンブルドアは私に向かって二枚の封筒を差し出してくる。
ホグワーツ魔法学校とやらの入学許可証、だそうだ。
私は、わけがわからなかった。
だって、私もこいしもちょっとした能力が使えるだけのただの妖怪だ。
「な、なぜでしょうか?私達は魔法なんか使えませんが」
「ほう、面白いことをおっしゃるのう、開心術師どの、いや、妖怪どの」
「ご存じの通り、私は魔法など使えません。占いも……インチキです」
「それは関係ないのう。わしは占いのことを責めにきたわけではないからの」
『それに、魔法界の占いですら大抵はインチキじゃがのう……』
え?そうなの?!
私の驚きなど気にもとめずにダンブルドアは続ける。
「魔法の素質がある、と判断したのじゃ。それに、その能力は是非魔法界で正しくふるってほしい。今のような占いに使うにはもったいないのじゃ。わしですら心を開かせてしまうのだろう?その能力の前では。わしは少なくとも今のイギリス魔法界では最強自負していたのじゃが」
ダンブルドアはそう言って茶目っ気たっぷりにウインクした。
しかし、これはいい話ではないか。
こいしと私の衣食住を保証してくれる。その上卒業後も安泰。
なかなか優良物件だ。
「しかし、いいのですか?私たち妖怪が……。まあ、私はこいしが良いというなら賛成です。一番心配なのはあの子ですから」
「それなら大丈夫だよ!私もすでに知ってる」
ダンブルドアのうしろからこいしがひょこっと顔を出す。
読心術はこういう時にはとても便利だ。説明する手間が省ける。
「私、お姉ちゃんとホグワーツ行きたい!」
こいしが楽しそうに言う。心の中もワクワクでいっぱいのようだ。
まあ、それなら……
「あぁ、学費はどうなっているのですか?」
あぶないあぶない、聞き忘れるところだった。
これが詐欺という可能性……は無いけれど。
さとり妖怪が詐欺に合うという話もなかなか変だろう。
しかしここはしっかりきいておかないと。
「それも大丈夫じゃ。身寄りのない魔法使いも多くてのう。そういう子供たちでも満足に学べるような制度があるのじゃ。それに申し込んでおいたからのう」
はあ、私たちが断った時のことは考えていないみたいね。
こんなおいしい話断るわけないのだから当たり前だけども。
なるほど、さすがに入学準備まで付き合ってる暇は無いようね。
ダンブルドアが無言でダイアゴン横丁の地図や奨学金(グリンゴッツ?で受け取れるらしい)のことがまとめてある紙を渡してくる。
この老人……しゃべるのがめんどくさいの??
私たちの能力をそういうふうにとらえる人がいると思ってなかった。
嫌がられないのは、まあ、少しうれしい。
そのままダンブルドアは何も言わずに帰っていった。
いや、正確には言葉を発さずに、だろうか。
『またのう。ホグワーツであえるのを楽しみにしておるよ』
まったく、今日はやけにつかれる日だった。