ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか   作:寝心地

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第11話

「……ず……いず……アイズ!!」

 

「ッ!!」

 

「大丈夫?ぼーっとしてたよ?」

 

ティオナの声に意識を呼び戻されたアイズは顔を上げる。あの後ベルが一通りの事態を説明しフィンの指示で地上に帰る事になった。

 

その後改めてクエストを行う為に現在再びダンジョンに戻って来たのだがアイズの動きがイマイチだった為皆心配していた。

 

「アイズ、調子が悪いなら日を改めようか?」

 

「ううん、大丈夫」

 

「…………そうか」

 

アイズの言葉にフィンはそれだけ言うと先に進む。その間にアイズはベルの背中を見る。

 

『俺の女に気安く触るな』

 

あの女にベルが言い放った言葉が心と頭を支配する。顔が熱くなり心臓の鼓動が速くなる。

 

「アイズ顔赤いよ?本当に大丈夫?」

 

ティオナに顔を覗き込まれ驚く。

 

「うん、大丈夫だよ」

 

そう言うアイズの目はベルから離れ無い、ティオナはその事に気付いたのかアイズに囁く。

 

「ベルが好きなんでしょ?」

 

「ッ!!うん///」

 

「じゃあちゃんと言わないと」

 

アイズがそう言うとティオナは後押ししアイズはベルに近付く。

 

「ベ…」

 

『良いの?』

 

ベルに声をかけようとした瞬間、幻聴が聞こえ汗が噴き出る。視界は暗転し何も見えないが意識ははっきりとしている。

 

そんな視界の端から現れたのは小さなアイズ(自分)

 

『彼は私の英雄?強いね、優しいね、でも貴女()を守ってくれるかな?弱い貴女()の側に居てくれるかな?』

 

ガタガタと身体が震えるのを感じる。聞きたくない聞こえないはずの話が無理矢理耳を貫く。

 

『可愛い貴女、可哀想な貴女、誰も貴女を救えやしない。貴女を救えるのは貴女だけ、フフフフフフフ』

 

「アイズさん?大丈夫てすか?」

 

「ハッ!!ハッ…ハッ…ハッ…ハッ」

 

ベルに声をかけられ視界が一気に開けアイズは浅い息をする。

 

「………………………………団長、先に行ってて下さい。僕はアイズさんを休ませてから行きます」

 

「分かった。皆行こう」

 

「ベル、アイズを頼む」

 

フィンとリヴェリアにそう言われアイズとベル以外は先に戻って行くのを見届けた。

 

「それで、どうしたんですか?今日ずっと変ですよ」

 

フィン達の姿が見えなくなった後、ベルは適当な場所でアイズを座らせ尋ねた。

 

「………………………………分からない」

 

アイズは顔を伏せそう言う。

 

「ベル、ベルはどうしてそんなに強いの?」

 

アイズはベルにそう尋ねベルはアイズをじっと見るとぼかしながらも話し始めた。

 

「憧れた人達がいるんです。僕を拾ってくれた人達で、その人達に鍛えられました。色んな事を教わりました。戦い方・魔法・勉学、そして愛」

 

「…………愛?」

 

突然毛色の違う言葉が飛び出しアイズは顔を上げる。

 

「はい、直接教わった訳じゃなかったけど、でも確かに教わった事です」

 

3000年、同じ女性を愛し続けた呪われた団長

 

死に別れた恋人を生き返らせる為不死身の体を捨てた盗賊

 

記憶を失っても互いの事を思い合った巨人と妖精

 

叶わぬ恋と分かっていても相手を想い続けた太陽を象徴する最強の騎士

 

「皆凄い人達で僕の大切な人達です」

 

「……………………そっか」

 

楽しそうに話すベルにアイズはそういうだけで精一杯だった。

 

「アイズさんにも僕の大切な人になって欲しいです」

 

「え?」

 

「僕はアイズさんを失いたくない」

 

「私を…………失いたくない?」

 

「はい」

 

「私を…………助けてくれる?」

 

涙ながらにアイズがそう尋ねるとベルは真っ直ぐとアイズを見て答える。

 

「はい、約束します。貴女がどんな場所に居ようと、僕がどんな場所に居ようと、貴女を助けに来ます」

 

その言葉にアイズは大粒の涙を流しベルの胸の中で子供の様に泣いた。

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