ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか 作:寝心地
その後も【イシュタル・ファミリア】の者が居ないか探すが見つかっても下っ端ばかりで確信に迫る者は1人も居なかった。
翌日
「え?見つかった?」
「ああ、【ダイダロス通り】にね、そっちはどうだい?何か分かった事は?」
「特に無いですね。でも気になる事はありました」
「気になること?」
「はい、団長、確認ですけど【イシュタル・ファミリア】は全員アマゾネスで構成されている。合ってますか?」
「???ああ、男性団員を除けば女性団員は全てアマゾネスの
「となるとやっぱりおかしいことが1つ、僕達は昨日【イシュタル・ファミリア】と名乗る狐人と会いました」
「狐人?それは確かにおかしいね」
狐人はオラリオに住む獣人の中でも更に少なく冒険者・娼婦等の特殊な職種である狐人となればかなり少ない存在だった。
「恐らくカーリー様が言っていた【イシュタル・ファミリア】の隠し玉の1つは彼女が関係していると思います」
「根拠は?」
「ありません。でも【イシュタル・ファミリア】にとって突かれたくない場所ではあるでしょう。もう少し調査すれば全容が見えると思います」
「………………………………分かった、その狐人については君に任せる」
「ありがとうございます」
ベルはそう言うとフィンの部屋から立ち去りフィンは息を吐く。
「意外だな」
そんなフィンにリヴェリアが声を掛ける。
「何が?」
「お前なら此方に手を貸せと言うと思ったが」
「本当はそう言いたかったけどベルの目がね」
「目?」
「あれは単なる報告で僕の命令を聞かずに動く目だった。なら好きにさせた方がマシだろう」
フィンは椅子の背もたれに背中を預けそう言った。
「って事で貴女を買いました」
「は、はい。今夜は宜しくお願いします」
ベルの目の前には先日の狐人が座っていた。ベルはそんな狐人に手を伸ばす。手と頬が触れた瞬間、狐人がビクリと震える。
「【
「え?」
ベルの手から紫色の光が放たれ、同時にベルの頭の中に記憶が流れて来る。
子供の頃父親に追い出され【イシュタル・ファミリア】に売られた。
彼女の名前が春姫である事。
自身に生えた希少魔法に目を付け世間から隠された事。
前回のメレンでの出来事にも駆り出された事。
彼女が満月の夜死んでしまう事が分かった。
「そうですか、貴女はあの時にも…………」
「ッ!!貴方様は心が読めるのですか?」
「いいえ、僕が読めるのは記憶だけです。例えば、貴女の名前が春姫で極東出身で次の満月の夜に死んでしまう事、とか」
「…………………………それを知って貴方様はどうしますか?」
「どうって、そりゃあ助けますけど…………」
「へ?」
「いや、だから助けます」
「……………………それは止めておいた方が良いでしょう。私は娼婦、破滅の象徴にございます。私を助ければきっと、貴方は不幸になってしまう。私は救われてはいけないのです」
「救われちゃいけない人間なんてこの世にいませんよ。貴女は救われなきゃいけない、だって貴女は何の罪も犯していないんだから」
笑顔で手を差し伸べるベルの手を春姫は優しく握った。