ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか   作:寝心地

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第32話

「ぐ、グギャギャギャギャギャギャギャ…………ハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

突然笑い始めた蜥蜴人にベルとアイズは警戒心を強める。

 

「悪い悪い、同胞を連れた人間がどんなもんか試させてもらった。アンタ死ぬ程強いな」

 

蜥蜴人はひとしきり笑った後ベルの背中をバシバシ叩きながらそう言葉を続けた。

 

「モンスターが…………喋ってる」

 

アイズは目の前で起こった現象に衝撃を受けそう言葉を漏らし呆然とする。

 

「僕はベル・クラネル。アンタは何者だ?」

 

「おう!!じゃあベルっちだな、俺はリド。そして俺達は【異端児(ゼノス)】と名乗ってる」

 

「異端児……………………達?」

 

「おう!!皆出てこいよ!!」

 

リドが後方に声を掛けると次々と様々なモンスターが現れる。

 

「こんなに沢山」

 

「さて、それじゃあ取り敢えず酒だぁ!!」

 

「「はぁ?」」

 

リドの言葉にベルとアイズは首を傾げるがまたたく間に宴会の準備が進められベルとアイズの手には酒が注がれたグラスが握られていた。

 

「まぁ飲め飲め!!話はそれからだ」

 

リドはそう言うとグラスに入った酒を飲み干しベルもそれに習い酒を飲み干す。

 

「リド、人間なんぞと仲良くするな」

 

リドに声を掛けたのはガーゴイルの異端児、その周りには無数のベル達に敵意を持つモンスターがいた。

 

「まぁ、そう言うなグロス、悪いなベルっち、アイズっち」

 

「いや、全然良いけど、それで【異端児】ってのは一体何なの?」

 

「そいつァ俺達自身も分からねぇ。けど、夢を見るんだ」

 

「夢?」

 

「ああ、空に浮かぶ燃える丸、少しずつ沈んでいくあれを見たい」

 

「大陽?、いや、沈んでいくって事は夕日の事か?」

 

「あれは夕日ってのか、まぁ、兎に角俺達は皆何かしらそう言う強い憧れを持ってる」

 

リドがそう言うとセイレーンの異端児がリドの隣に座る。

 

「私は抱き締められないこの腕の代わりに誰かに抱き締めて貰いたい」

 

僕も私もと次々と異端児は自身の憧れ、【憧憬】を語っていく。

 

「これはまた予想外の展開だな」

 

皆でどんちゃん騒ぎをしていると入口の方から声が聞こえそちらを見るとそこにはベルに任務の書かれた羊皮紙を渡した黒外套の人物が立っていた。

 

「よぉフェルズ!!遅かったな」

 

リドはその人物を認識すると嬉しそうに声を上げる。

 

「リド、取り敢えず状況を説明して欲しいのだが」

 

リドはフェルズに事の経緯を説明する。

 

「成る程、そういう事か」

 

「それであなたは?」

 

「失礼、【剣姫】【唯一無二】私はフェルズ、ウラノスの私兵にして彼らの協力者だ」

 

「宜しく、所で前から聞こうと思ってたんですが、その身体どうしたんですか?」

 

「………………………………やはり君は鋭いな」

 

フェルズはそう言うとフードを取り払う。そこには肉も血も無い骨だけの身体があった。

 

「呪い…………って訳でも無いですね」

 

「少し禁忌に踏み込んでしまってね。…………私の話は良い、リド達は移動してくれ、そろそろ奴らに嗅ぎつけられ始めている」

 

フェルズの言葉にリド達はいそいそと荷物を纏める。

 

「何かあったんですか?」

 

「彼らを捕らえているファミリアがいる。私もその存在を探っているが中々尻尾を掴めず彼らに定期的に移動して貰っているんだ。君達も気を付けてくれ」

 

「分かりました」

 

「ウィーネ、お前は此方だ」

 

ベルの背中をついて回っていたウィーネの手をリドが掴みそう言う。

 

「何で!?やだ!!」

 

「地上はまだ俺達には危険過ぎる。その点ここなら俺達が守ってやる」

 

「やだぁ……ベル!!アイズ!!」

 

「……………………」

 

ベルはその光景を見送る。ウィーネの安全がそこにあると信じて。

 

「………………………………【目覚めよ】」

 

しかしそんなベルの沈黙をアイズが破りあろう事か魔法まで使いリドに掴みかかる。

 

「アイズさん!?」

 

「これは…………」

 

ベルは慌ててアイズを止める。

 

「って酒臭!?どんだけ飲んだんですか!?」

 

「いや飲んだ量ならベルッちも負けてなかったからな?」

 

そうして暴れまくるアイズを引き剥がしドタバタではあったが無事?ウィーネを異端児達の元へ送り届ける事に成功したのだった。

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