ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか 作:寝心地
バチバチと炎が辺りを照らし破壊の跡を照らし出す。周囲にはその破壊の影響を受け倒れる【ロキ・ファミリア】のメンバーと破壊者であるベルの姿だけがあった。
ベルは全員が動けなくなった事を確認すると再び当てもなく歩き出そうとする。フィンの横を通り過ぎリヴェリアの横を通り過ぎラウルの横を通り過ぎた所で足を止める。
「…………いか……ないで」
正確には足に纏わりつくアイズに足を止められただけだがそれでもベルは足を止めた。
「ベル……お願い……」
「帰っ……て来な…………さい」
次々にベルに言葉を投げる【ロキ・ファミリア】最早立つことすら出来ないダメージを受けた彼らに出来るのは言葉を尽くす事のみ。それしか出来ない彼らだが、それだけで力を発揮出来る者も居るのもまた事実だった。
「【我が名はアールヴ】【ヴァン・アルヘイム】」
紡がれるのは癒しの魔法放たれるのはベルの足を掴むアイズ、癒しの力がアイズを包みダメージを帳消しにしていく。
リヴェリア・リヨス・アールヴにとってこれは分の悪い賭けだった。
(最初にアイズを見て戻らなかったのだから最初からこの賭けは破綻している。そんな事は分かっている、だが)
リヴェリアは動けない体に鞭を打ちせめて顔だけでも上げ立ち上がるアイズと不敵に笑うベルを見る。
(アイズはベルと出会って変わった、良く笑う様になった、本当に変わったんだ。変わったあの子の…………あの子達の愛ならきっと…………)
アイズはデスペレートを構えベルの前に立つ。
「まだ痛め付けられたいか女」
「ベル、私の事思い出して」
「いい加減しつこいぞ女、俺はメリオダスだ」
ベルはそう言うと剣を雑に薙ぎ祓いアイズを攻撃する。アイズはその攻撃をデスペレートで受け吹き飛ばされるがすぐに体勢を立て直す。
「……………………なら、私が思い出させる!!【
渦巻く暴風がアイズを包み姿を眩ませる。
「微風如きで俺を止められると思ったか?」
ベルはそう言いアイズの【エアリアル】に手を伸ばす。ガリガリと何かを削る様な音の後ベルはシッカリと何かを掴み引き寄せる。
「ッ!!」
しかし引き寄せると同時に暴風も引き寄せられる。
「うっ!!」
「下らない大道芸ならあの世でやれ」
ベルはアイズの首を絞め力を強める。段々と力が強くなり苦しさからアイズは目を見開き意識が遠のいて行く。
『約束します。貴女がどんな場所にいようと、僕がどんな場所にいようと、貴女を助けに行きます』
今際の際に浮かんだのはベルがアイズに向けて送った言葉。
「…………助け……てベ……ル」
漏れた声は今までとは逆の助けを求める言葉、ベルを助ける言葉では無くベルに助けを求める言葉。
「がっ!?」
その言葉がベルの中のベルとしての部分を呼び覚ました。