ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか   作:寝心地

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第42話

強く握られたベルの手が緩む。

 

「ガハッ!!ゲホッ……ゴホッ……ハァ……ハァ」

 

アイズは呼吸を整えベルを見る、姿こそ変わらないがその右目は生来の赤い瞳に戻り苦しそうにしていた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

纏っていた闇が形を保てなくなり手当たり次第に破壊していく。

 

「アイズ!!」

 

「リヴェリア……」

 

僅かな間に回復したリヴェリアがアイズの元へ走る。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

闇が2人に向かって飛んでくる。しかしベルが錯乱している為か速度が無く威力だけで2人は易易と回避する。

 

「ベルを助けないと…………」

 

「今は無理だ、あの闇は速度は無いが威力が桁違いだ。手足の1〜2本…………命を亡くしてもおかしくないぞ」

 

アイズはリヴェリアの言葉を聞きながらもベルから目を離さない。

 

「ウウウ……アアア……アアアアアアアアアアアア!!」

 

「っ!!」

 

アイズは我慢出来ないと言った様子で駆け出す。

 

「アイズ!!よせ!!」

 

「アアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

リヴェリアはアイズを止めようとするがそれより早くアイズはベルの元へ駆け出しベルはそんなアイズに闇を向ける。

 

アイズはそんな闇を掻い潜るがベルは数を増やして対抗してくる。

 

「っ!!アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

闇を掠めながら前進を続けベルの前に立つ。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……アア」

 

アイズはベルの前に立つと優しく抱擁する。

 

「帰ろうベル。皆待ってる、フィンもリヴェリアもガレスもウィーネも、勿論私も。だからもう、誰も傷付けないで」

 

アイズの瞳から一筋の涙が流れベルに触れる。

 


 

暗い暗い闇の中、ベルはそんな闇を歩く。何も無い闇の中で浮かんで来たのは巨大な老人、ベルはその老人が何者か知っていた。

 

「…………………………魔神王」

 

『貴様も所詮は破綻者だな、愛する人を求めながらそれらを傷付け手放し破壊する。今も愛する者を殺した』

 

「……………………………………いつまで経っても成長しないな、アンタも」

 

『ぬぅ…………』

 

「確かに一部は本当なんだろう。けど、僕如きに破壊される程あの人達は弱くない、【ロキ・ファミリア】を舐めるなよ?烏滸がましいぞ」

 

『………………………………良いだろう、お前の行く末がどんな破滅に至るのか、この闇の中から見ていてやろう』

 

魔神王はそう言い残すと幻の様に消えベルは再び闇の中を歩く。

 

『……………………ル』

 

すると今度は魔神王とは違う声が聞こえその声が段々と大きくなっていく。

 

『…………ベル!!』

 

「………………………………アイズさん?」

 

何処からか聞こえて来るアイズの声に周りを見回すと遠くの方で赤い炎の様な物が見える。ベルはそちらに向かって歩くと段々と意識が薄れていく。

 

「ベル!!」

 

気が付くとアイズに膝枕され【ロキ・ファミリア】の皆がベルを覗き込んでいた。

 

「おかえり、ベル」

 

アイズがベルにそう声をかけベルはアイズの頬に触れる。

 

「ただいま」

 

アイズの涙がベルの頬に落ちベルはそう返した。




おかえりベル君!!
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