ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか 作:寝心地
「神タナトスは確保した。けどクノッソスは実質出入り不可、【ディオニュソス・ファミリア】は壊滅、痛み分けって所か」
「……………………此方の痛みの方が若干大きいですけどね」
ベルは食堂で暮れる団員達を見てそう呟く、彼らはディオニュソスが天界へ還った影響でステイタスを封じられた【ディオニュソス・ファミリア】を見捨てる事しか出来なかった。
加えて、リヴェリアの後釜と噂されていたレフィーヤもフィルヴィスの死を間近で見た影響で完全に再起不能状態となっていた。師であるリヴェリアの声も憧れであるアイズの声も届かない。
「ベル、何とかならない?」
アイズから漏れたそんな言葉、アイズは愚か平の団員すらそれが無茶振りだと分かっている、しかしこれまで散々奇跡を起こしてきたベルに縋る他無かった。
「……………………出来ないとは言いません、でもこれは二人の思いを踏み躙る行為だと僕は思います」
「……………………頼むベル、あの娘を助けてやってくれ」
ベルの言葉を重々理解しつつリヴェリアはそれでもレフィーヤの思いではなく精神を救う方を選んだ。
ベルはレフィーヤの部屋に入るとその額に手を乗せる。
「……………………ベル・クラネル?」
「貴女を救う為だ、許してくれとは言わない。これは僕の罪だ」
ベルはそう言うとレフィーヤに触れていた右手から紫色の光を放つ。
「
光が止みベルはソっとレフィーヤから手を離す。
「悪夢を忘れゆっくりお休み、哀れな妖精」
その言葉を最後にレフィーヤは意識を手放しベルは部屋を出る。
「今は僕の魔法で眠らせました。起きる頃にはクノッソスに行った事実すら忘れていると思います」
「そうか、本当にキツイ役目を押し付けて済まない」
「ありがとう、ベル」
「ただ、本当に限定的な記憶を封じただけです。違和感や周りの行動次第でふとした瞬間に戻るかもしれません、そうなったら多分、今度こそレフィーヤさんの精神は持たない」
「………………………………そうか」
「それじゃあ僕は団長に呼ばれてるのでこれで」
ベルはそう言うとフィンの部屋に向かった。
「やぁベル、待ってたよ」
「お待たせしました。それで、ニーズホッグについてですよね?」
「ああ、君はこれについて知っていると聞いてね、ぜひ話を聞きたい」
「良いですよ、と言っても昔話と師匠の受け売りですけど」
ベルはそう言うとフィンが持っていた絵の詳細を語り始めた。
「成る程、つまり話を纏めると【奴らは古代の精霊の魔法を使いオラリオを滅ぼそうとしている】と言うことか?」
「滅ぼすと言うより吹っ飛ばすつもりでしょうね、街に住む神も人も諸共」
ベルの言葉にフィンは時間が残されていない事を悟った。