ベルが七つの大罪と戦っていたのは間違っているだろうか 作:寝心地
「いたか!?」
「いいえ、此方は全く手掛かりありません」
「此方もです」
【ロキ・ファミリア】は現在未曾有のパニック状態に陥っていた。最高戦力と言って良いベルが突如姿を消したのだ。
「団長…………これはもう、決定的かと」
団長室でアキはフィンにそう告げフィンはため息を吐き何かを決心した様に目を開くとアキに指示を出す。
「皆を集めてくれ」
アキは直ぐに動き出し外に出ていた団員も含め40分で集め終わった。
フィンが団員達の前に建つと説明を始める。
「ベルが行方不明になった。理由は恐らく単身による【隻眼の黒龍】討伐だ」
『ッ!!』
フィンの言葉に団員達は戸惑い声すら出ない。本来ならベルの自殺行為に反応を示す所だろうが今までベルが見せた戦いの数々を見た彼らはベルなら成し遂げてしまうかも知れないと言う思いもあり何とも言えなかった。
「僕達は今回彼の救出に向かう。相手は【隻眼の黒龍】よってLv4をサポーターとし、それ以下の者にはオラリオに残ってもらう」
フィンの言葉に団員からは否定の声が上がるがフィンはそれらを冷静に反論する。
曰く、「Lv3以下は足手まといだ」と
その言葉にLv3以下の冒険者達は悔しさから唇を噛んだ。
「総員準備を急げ!!何としてもベルを死なせるな!!」
『了解!!』
フィンは準備に丸一日を要した。本来ならもっと時間を掛けて準備をするつもりだったがそんな余裕は無く何とか無理をして必要な物を必要なだけ集め出発した。
編成もあくまで救助隊と言うことで機動力を重視し最速でベルの元へ走った。
「ここで野営する」
ほぼ丸一日走り夜になった事でフィンは足を止め野営をする事にした。
夕飯の為火を起こしその上で鍋を混ぜる。
そんな中でアイズは足を抱えその火を見ていた。
「余り見ていると目を痛めるぞ」
そんなアイズにリヴェリアが声を掛ける。アイズは一瞬顔を上げリヴェリアを見るが直ぐに顔を沈める。
リヴェリアはその隣に座るが何も言わずアイズの言葉を待つ。
「何で1人で行っちゃったんだろう」
アイズは顔を埋めたままそう言いリヴェリアは何と言うべきか考える。
「一緒に戦おうって約束したのに…………」
リヴェリアの返事を待たぬままアイズがそう言いリヴェリアは何と無く自身の思いを口にした。
「お前に戦って欲しくなかったのだろう」
「え?」
「ベルは多くの愛の形を見てきたらしいからな」
リヴェリアのその言葉でアイズは初めてベルに憧れた日の事を思い出した。
翌朝
ベルは立ち込める瘴気の中平然と歩いていた。
目の前にあるのは3大クエストの最後を飾る黒龍を封じる結界、ベルは指先に極小の太陽を生み出し結界にぶつける。結界は粉々に砕けベルの放った太陽はそのまま結界が封じていた主に直撃した。
『ギュオオオオオオオオオオオオオオ!!』
悲鳴に似た鳴き声が響きドシンドシンと足音がベルに近付いてくる。
その足音の主をベルは不敵な笑みで迎えた。