「おやつタイムを所望します!」
目的地まであと、もう少しのところで問題が起きた。
「あれは熊ね……」
僕たちが進む道に、大きな熊が車の中を物色しているようだ。
「どうしてこんなところに熊が?」
「さあ、災害のあと山から下りてきたんでしょう」
僕らが非日常的な会話をしている最中、電池が切れたおもちゃの様に、急にぴたりと、熊の動きが止まった。まるで急に眠ったみたいだ。
「どうしちゃったんでしょう、急に動かなくなりましたよ。」
「……少し様子を見てくる」
僕はそう言って熊に近づき始める。
「危ないですよ! 遠回りしていきましょう。」
「大丈夫だよ、それに僕なら何かあっても、傷ついてもすぐに治る。な、
「えぇ! 何かあっても後処理はまかせなさい。さあ、行くのよ鉄砲玉!」
「その呼び名やめろ!」
まあ、
熊を恐る恐る見てみると、動かなくなった原因が分かった。
血だ……
車の中が血だらけになっている。
ドアウィンドウから侵入した熊は、何者かに首を切断されたのだろう、胴体から頭がなくなっている。それにしてもこの血の量……
「熊だけじゃなく、他にも餌食になったやつがいるんじゃないか?」
車の後頭部座席も血でべっとりとしている。
何かがいる
だが、この狭い車の中を見渡しても何もない。熊の頭を切断することができるのは、あいつら化け物、ゼノしかいない。いくら死なないとはいえ気を付けないと……
そう思いながら僕は、ちょっとだけ勇気を出して、車の中に入ろうとした瞬間だった。車から化け物が現れた。そいつは座席シートから現れ、食べ残しの熊を食べ始めたのだ。植物の枝のようなものを出し、吸収するように熊を溶かしながら食べている。まるで、食虫植物のモウセンゴケみたいに
「探しても見つからないわけだ。化け物は車内に寄生していて、身を隠していたのか!」
「どうだった
後から来た
「そういうことならまかせなさい。」
凄く自信満々にそう言うと、彼女は背中から煙を出し、けむりを槍の形に変えていく
「離れていて! 『
技名を叫んだ彼女は勢いよく槍を投げつけた。対象を貫いた攻撃は、ガソリンに引火したのか、爆発し四方八方に車とゼノの残骸が飛び散っていった。
「わたしにかかればこんなもんよ!」
ごり押しかよ……
車のゼノを倒した僕たちは、対策課本部を目指し再び歩んでいた。
「あの化け物、爆散させてよかったのか? 破片からまた復活とかしないよな……」
不安で仕方がない。映画とかだと破片から再生したりするのが定番だ。
「消し炭になったし、大丈夫でしょ! そんなパニックホラー映画みたいなこと、怒らないはず……」
「ふ、不安にならないでくださいよ!
「ちょっと! 私の仕事に不満があるわけ?」
不安でいっぱいな二人を置き去りにして、
日没までまだ少し早い時間帯、僕たちの前に大きな建物が現れた。
「さあ、ここが私たちの拠点! あなたたちの新たな新天地! 世界樹対策課日本支部よ!」
「すごい大きな建物ですね。いつ建てられたんですか? 結構最近じゃないですか? 綺麗ですね!」
対策課は災害が起こることを知っていたんじゃないのか?
「えぇ、ここは災害前に建てられたものよ。話は中に入ってからしましょう。」