対策課の中は、綺麗な今時のオフィスビルみたいな作りになっている。周りの人はその空間に失礼のないよう、スーツをしっかりと着こなしていた。知らない人がみたら、ここが世界樹対策課なんて、堅苦しい名前の組織のビルだと思わないだろう。そんなところに、外から来た小汚い僕たちは目立っていた。
「すごくお洒落ですね。わたしこんな会社に憧れていたので!」
「でしょでしょ、まあ出来たばかりだし。綺麗なのは当たり前なんだけどね。」
この二人の反応を見るに女性受けは良いらしい……
対策課とか言っているから、もっとがっちりした雰囲気の場所と思っていたので、ちょっと安心した半面、側だけセンス良く作って、中身が伴っていないんじゃないかと、少し不安になる。あと、世間がこんなに大変な時に、自分たちだけ、お高い服を着て仕事をしている人たちを見ると、不満が心の奥底から湧いてくる。勿論、こんなこと思っても仕方がないことはわかるが、区画での暮らしからすると、ここは住む世界が全く違うので、どうしてもそう考えてしまう。
不安と不満をかき消すように、目の前に研究員らしき女性が現れた。彼女はスーツの上から白衣を身にまとい丸眼鏡をかけているが、目の奥から底知れない狂気を感じる。まさに、マッドサイエンティストっぽい雰囲気を出している彼女は、灰芽
「ハーイ!
「この二人は、
「ななな、なんですってそれを早く言いなさい!」
眼鏡の研究員らしき人は、僕たちが能力者だと知るや否や、急に情緒不安定になった。
ああやっぱりこういう感じの人なんだ。
「ででで、あなたはどんなことができるの?」
研究員は僕に近づき質問攻めしてくる。とにかく近寄りすぎて、彼女の意外と大きい胸が僕の胸にあたる。化学薬品の匂いに包まれていて、妙な気分にさせてくる。
「あああ、あなたすごくいい匂いするのね。で、どんな能力なの。いつ頃からなったの。」
「ちょっと、近づきすぎですよ!」
「あら~、あなたも能力者なのよね。あなたの能力は何? お姉さんに教えてほしいな~」
「ひぇぇぇぇ、
命の危険を感じた
「恐れなくていいわ、お姉さんがしっかりとリードしてあげる」
この女はもう止まらない。一線を超えそうな瞬間、
「彼女は、
まるで、不出来の子供を見られた母親のように、申し訳なさそうに説明する
「いや~すみません。同僚がご迷惑をおかけしました。」
この騒ぎを聞きつけたのか、もう一人、研究員らしき人物が現れた。ちょっと猫背気味で、体調が悪そうな中年男性だ。
「私名前は
「初めまして、
「初めまして、
「すみません、この人、能力者のこととなると、手が付けられなくなってしまうので……」
よかったまともな人だ……
「ところで
「面白い個体が何体かいたわ……、今まで見たことないほど大きな個体、ドラゴンのような形態をしていたわ。」
「どどど ドラゴンですと!?」
ん? なんか雲行きが怪しくなってきたな……
急に興奮気味になっていく
「なるほどなるほど、で! サンプルは回収できたのですか?」
そう言われると、
「か、回収しなかったのですか! あれ程回収してくださいと、お伝えしたのに!」
怒り口調で説教し始める