世界の意思にさようなら   作:宇美築ラゲク

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第18話 支部長大守凍夜

 

 校長先生の話は何故あんなにも長いのだろう……

 

久しぶりにこの感覚を思い出した。あれから何十分経ったんだろう。体感的にだが、アニメ一本見終えていても、おかしくない時間が過ぎていた。あまりに長くて、気絶していた青葉紗友里(あおばさゆり)が目を覚ましたようだ。

 

「すいませんでした。これから気を付けます。」

 

灰芽(はいのめ)の謝罪もかなり雑になってきた時、美奈(みな)さんが渾身の一撃を食らわせてしまう。

 

「違うんです。これはその……事情があって、その……、全部燃えてなくなっちゃったんです。ドラゴンは倒せてないですし、車に寄生した化け物はガソリンに引火して爆散しましたし」

 

美奈(みな)さんは説得しようとしたのだろう。だががこれは、火に油を注いだだけだ! 灰芽(はいのめ)の絶望した顔を見ればすぐにわかる!

 

「ななななんですとぉぉ、寄生型?! なんて貴重なサンプルを! な、なにやってんだ! あんたぁぁぁ!」

 

 はい、あと一時間追加されました。

 

誰か助けてくれ、そう願った時だ。

 

「おや、こんなところにいたのかい。」

 

エレベーターから誰か下りてきたようだ。

エレベーターから現れた人は、パッと見て普通の人だが、底知れない貫禄を感じる。 凄み、というやつかな?

 

「支部長お疲れ様です。」

 

灰芽(はいのめ)が彼に挨拶をする。どうやらこの支部の支部長だそうだ。道理で底知れないオーラを出しているわけだ。

 

「そうかしこまらなくてもいいよ。ところで、君がスカウトした新人君の紹介、約束の時間大幅に過ぎてるんだけど……。あ~なるほどね、そういうことか」

 

支部長はこの状況を見て察したのだろう、続けて斎藤(さいとう)を説得し始めた。

 

「斎藤(さいとう)君、確かに気持ちはわかるけど、回収出来なかったものは仕方がない。灰芽(はいのめ)君だって頑張っているんだ。その気持ちも汲み取ってあげてね」

 

支部長に言われ、斎藤(さいとう)も落ち着きを取り戻したようだ。まるで先生に慰められた子供だな。

 

 ただちょっと納得してないのか、不機嫌そうだ……

 

「すまないね、面接の時間に現れないからこっちから来て正解だったよ。とりあえず場所を変えて話そう。」

 

 やっとまともな人が現れて僕は今、猛烈に感動している!

 

「支部長~今度また、調べさせてくださいよ~」

「あ、青葉(あおば)君……また今度ね……」

 

 ヤバい研究員2人と別れ、僕たちは支部長と一緒にエレベーターに乗り、所長室へと向かう。

 

「さあ、ここが支部長室つまり僕の部屋でもありますね。本当なら面接室とか用意するべきなんだけど急だったものでね」

「はあ、僕たちも面接があるとは知らなかったです」

「あれ? 灰芽(はいのめ)君から聞いてないのかな?」

 

横を見ると灰芽(はいのめ)が首を横にして、顔を合わせないようにしている。

 

「全く、灰芽(はいのめ)君、伝え忘れたんだね。まあ落ち着いてください。問題がなければすぐに合格ですから」

 

面接は慣れているのでたぶん大丈夫だろう。僕は特に緊張とかはしていなかった。隣の美奈(みな)さんは岩石のようにガチガチだけど……。

 

「おっと、自己紹介がまだでした。私、世界樹対策課日本支部支部長、大守凍夜(おおもりとうや)と申します。早速ですが、あなたたちの自己紹介と、能力について教えてください。頑張ってくださいね。不合格だと研究室に監禁されるので!」

 

 ……なんか最後にとんでもないこと言わなかったかこの人?

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