「死ね、童貞野郎!」
スライムを大きなスイカぐらいの塊にし、僕の顔面にめがけて投げつけた。
「ど、童貞ちゃうわ! てか、アブね!」
僕はギリギリでスライムの固まりをかわすことができた。
「ふーん、優しく窒息死させてあげようと思ったのに……」
なにが優しいだ!
殺すことに優しいもクソもあるか!
「殺し方変更、次からこの子達は酸性になりまーす。触れたらひどい痛みに苦しみながら死ぬことになりまーす。」
「おいおいおい、まじか……」
ゲル状の液体生物達は、わかりやすいくらい白い煙を出している。
液体が地面に落ちると、シューと焼けるような音を出す。
さて、どうする?
残念ながら僕の能力は回復能力……、不死かどうかは自分でもわからないし、攻撃手段が殴る蹴るしかない。だから、何とかこの女の懐に入って、近距離戦に持って行かないと……
「おら! 死ね」
今度は大きく手を振りかざし、スライムを水しぶきにして攻撃してきた。確かにこの攻撃なら、かわすことは難しい……
「うわああ」
スライムの飛沫が、僕の身体を寄生虫の様に食い漁りながら襲っていく。
「
「だ、大丈夫です。何とか再生能力で保ってます」
この状態のスライムは、溶かすのと比例して自身も消えていくようだ。酸性とアンモニアを混ぜて中和されるように、長期戦ならこちらが有利だ。
「なによ! こいつ全然死なない……」
「ぎゃぁぁこっちくんなぁぁぁ」
なんとか射程圏内に入った……
何度か痛みで気が滅入りそうだったが、この女に対する怒りで奮い立たせ、この女の目の前まで近づくことができた。僕は右腕に力を籠め、
「おええええ」
これにて一件落着!
今の僕は、ヒーローの姿ではなくグロテスクなゾンビの姿なのが、非常に残念だが、多くは望まない……、小さい女の子を助けて敵を倒せたのなら十分じゃないか! 自分にそう言い聞かせて、ゾンビマンは
「倒しましたよ~、お二人共大丈夫でしたか?」
「
僕が後ろを振り向くより先に、後ろから首を絞められた。女とは思えないほど力強く締められ、さらに追い打ちをかけるように、腕から出されたスライムを、僕の口の中から流し込んできた。
この女まだ気絶してなかった……
「あんな、へなちょこパンチでやられるかボケ!」
さっきのスライムと違い、このスライムは僕の身体を溶かしたりしない……恐らくこの女の狙いは……
「今度は中から直接だ! まあ、今回は窒息死なんだけど。あんたにとってはこっちの方が厄介なんじゃない?」
その通りだ、こいつは酸性のスライムと違って消えることはない。ずっと僕の体内で止まっているタイプなんだ。このままだと再生とか関係ない……、窒息死の永久機関が出来てしまった。
「さ、この男はもう再起不能になったことだし、下手に殺さず放置放置」
狂気の眼差しが、
「ねえ、どういう死に方がいい? こいつみたいに、もがき苦しみたい? それとも骨も残らないぐらい、綺麗さっぱり消えてなくなりたい?」
不気味な質問を問いかけながら、どんどん近づいていく殺人鬼はとても楽しそうだ。いったいこの後、どんな拷問ができるか、楽しみでしょうがないんだろう。
「ねえ、あなたのゲル状の液体どうやって出してるの? 脱水症状になったりしないの?」
「質問を質問で返してんじゃねえ、この
まさかこの状況でも、アオバリズムを崩さないとは……恐れ入る。
ああ、でも意識が遠のいていく……
頭に酸素が届いてないんだろうなぁ……
僕は一度死んだ。そしてすぐに蘇った。だが、状況は変わらない……
変わらず僕の口から肺まで、スライムで侵されている。しかも胃の中までしっかりと……
生き返っても苦しい、生き地獄だ。
なんとかしないと、このままじゃ彼女達が殺されてしまう。
そう思った瞬間、ぼくの身体に変化が起きた。
体がゲル状の液体に変化したのだ。一瞬、これも
これは僕の能力だ!