世界樹の根の近くには、まだ何人かテントを張って寝ている人がいた。災害後、世界樹の根自体はそう珍しいものではなくなった。最初は気味の悪い存在でも、時間が経つにつれ薄まっていく。買った服のように……。
でも、そこから化け物が生まれるということは、まだ世間一般には広まっていない。最近の調査によって、世界樹の根から分泌される粘液の濃度や量を調べることで、ゼノが現れる確率が大まかではあるが判るようになってきた。
「すみません、世界樹の根の駆除をおこないますので、ここから離れていただいても宜しいでしょうか」
「なんだアンタ、別に俺がどこにいようがいいだろ! 別に害はないんだろ!」
この人の様に世界樹の根が無害だと思っている人がほとんどだ。
普通こんなのが現れたら、気味が悪くて離れると思うんだけど……
もしかして、この植物食べている訳じゃないよね……
「ですがあの、作業があるので……」
「なんだよ、ここを離れて何処に行けってんだよ」
「それは……」
言葉が出てこなかった。世界樹対策課で暮らしている私には、偉そうに言う権利がないと思ったからだ。この人も仕事を失って、避難生活で疲れているのに、私はぬくぬくと温かいベットで寝ているからだ。
「はい! おじさんどいてね~」
「な、なんだこのガスマスクの姉ちゃん! おいやめろ!」
困っていた私を
これでは、また足手まといじゃない……
「あまり深く考えないことよ、ほら早く終わらせましょう!」
私もこの人みたいになれたら……
避難民の方々を説得させ、この場から離れてもらうのに、かなりの時間が掛かってしまった。時計を見たら丁度映画を一本見れるぐらいには経っていた。でも、精神的には6時間位、経っていてもおかしくないのだけど……
「さて、周りに人もいなくなったし始めますか!」
「だ、大丈夫ですか!? 背中から火が!」
「安心してください、彼女は世界樹の影響で特殊な能力を得た者です。この力を使い、我々世界樹対策課はこの厄災に対抗しているのです」
「の、能力者ですか……、あなたも?」
「いえ、私は非能力者です。能力を持っているのはこの2人です」
「
「は、はい……」
気味悪がられたかな……
普通に考えたら気味悪いもんね……
「よし! 切ったわ!」
私たちが話している間に、
目的の世界樹の根の駆除を終え、私たちは帰る支度をしていた。特にゼノの目撃情報もないので、危険はないと判断したからだ。
「しかし、今回のサンプルはこれだけなのですか? 結構デカかったですよね?」
「ごめんね~私の灰の能力、形を形成するのは慣れてきたんだけど……、対象を燃やしちゃうからね。まだその、コントロール上手く出来なくて……」
まさか、帰ったら長時間説教タイムがあるわけ……
ないよね……
「
あ、ダメらしい……
私は大きく溜め息をついた。帰ったら怒られるからじゃない、何もできない自分が情けなくてついてしまった。
少しだけ回収出来たサンプルを持って、私たちは区画長の