地を塗りこめたような不気味な夕焼け、何かが起こりそうな不穏な感じ、これは今の私の気持ちを表しているのかも知れない。
凸凹道が車内を揺らし、疲れた私の身体を揺さぶる。
「はあ、ねぇ見た? 区画長の息子の顔!
「仕方ありません、普通超能力が使える人が現れたらそういう反応になります。人は自分とは違うものを恐れる生き物ですから」
「
「んなわけないでしょうが!」
「今後このような事が増えていくと思われます。ゼノのこと、そしてあなた方能力者の存在が、世界中に知れ渡るのも時間の問題かと」
「そうなってくると世界中大パニックね! あ、もうなっているか。デッカイ木のおかげで!」
「それ以上のパニックが起きる、そう上層部は考えていますよ。なんせ人を食う化け物ですから。まあ、噂はもう広まっていますが」
「いつ公表するのやら、ゼノのこと、私たち能力者の事……」
「ストップ!」
「あ、ありがとうございます。危うくゴールドじゃ無くなるとこだった。」
「そんなことはいいから!
私と
なんだろう、顔色も特に悪くない……
私は油断していた。てっきりこの人は被害者で悪い人ではないはずと、倒れていた男性は、カマキリみたいにバッと襲い掛かり、油断している私の首を強く掴んだのだ。
「
「おいおい、動くんじゃねぇ! こいつがどうなってもいいのか?」
「あ、がっ……」
男はそう言って一層私の首を強く締めてきた。
声を上げることすらできないほどに
「何が目的なの? こんなことをして」
「なあに、ただ食料やら色々と欲しいだけさ」
「避難区画に行けば、炊き出しとかあるけどそれじゃダメなの?」
「ああ、だめだね。そんなことより、ほら!? はやく車から食料もってこい。この女どうなっても知らんぞ!」
「
「ええ、今のところはね……、隙を見てアイツを捕まえる」
「気を付けてください。どこかに仲間がいるのかもしれません」
「なんだよ、これっぽちかよ……」
「しょうがないでしょ。必要最低限しか用意してなかったんだから。文句があるなら今すぐ避難場所に行って炊き出し貰ってきたら?」
「うるせぇ! 居られないからこうやっているんだよ!」
「その様子だと、何かやらかしたのね。アンタひとり? 寂しいんだ」
「ごちゃごちゃとうるせぇ! 口元隠しやがって!」
恐らく男は一人……
「どう、欲しかったモノはあった? 非常用の缶詰めばかりでしょ♡ もし、最初の避難区画に居づらいのなら、別の場所紹介してあげようか?」
「いらねえよ、てか水多くないか?」
「あ、それお酒」
「さけぇぇ!? おいおい、何でこんなもんあるんだよ。贅沢しやがって」
「どう、ご満足頂けましたでしょうか? 頂けたらその子を放して」
「いいや、まだだね。そうだ! おれは寂しいんだよ。女を見るのも久しぶりなんだよなぁ~」
男は
「……何かお望み?」
「なーに、せっかく酒も入ったんだが……ツマミがないんじゃなぁ」
男は飢えていた。反吐が出るほどに……
「とりあえず、上脱いでくれよ」
「……それで満足出来るなら」