C.T.B 揺り籠から戦場まで ―老人徴兵制の未来。武器は阿波踊り!?―   作:電機羊

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【時代】2136年(送信側)
【送信枠】sideA(比較的安全)
【位置】GPS:取得不能(妨害)
【ノードID】torrent-13
 理 由
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(送信中)


【ノードID】torrent-13 理 由

[sideA]

 

※ 決闘から1週間後 ※

 

ー医療室にて

 

(前田)「あ、木戸さん。ミカン取ってください。ちゃんと甘いの選んで下さいよ? さっきのはちょっと酸っぱくて…」

(木戸)「…はいよ。」

 

(前田)「あ、携帯取ってくれます?」

 

(木戸)「いっぺんに言えよ!! おまはん、ちょっと調子に乗って…」

 

(前田)「あ! あ! 重傷者に向かってなんて事言うんですか!? 酷いですよねぇ! ねぇ、檜山さん?」

 

(檜山)「お、おう。」

 

(鬼若)「佐藤さん…。あなた親戚何人いるんですか? …もう50枚はサインしましたよ? まさか売って…。」

 

(佐藤)「べ! べらんめぇ!! 江戸っ子にゃ親類が多いんだよ! あと50枚、さっさと書いちまってくれ。」

 

(木戸)「…商魂逞しいのぉ。」

 

(佐藤)「言っておくけど、チーム吾郎に入れてやったのは俺だかんね!? 俺がゴロちゃんの最初の友人だからね!!」

 

(檜山)「お前、鬼若さんにそんな事言って知らないぞ? 鬼若さんは指だけで、2m以内のものはなんでも破壊できるんだぞ?」

 

(佐藤)「何!? えと、嘘? これは…違うんだ。その、」

 

(鬼若)「…檜山さんの冗談ですよ。」

 

(佐藤)「えぇっ!? もぉー!!!」

 

(一同)「(笑)。」

 

(木戸)「しっかし1年も卒業遅れるとはのう…。ま、補講に半年かかるんじゃ、仕方ないがの。」

 

(佐藤)「木戸ちゃん! 俺たち、戦場では1年先輩になるんだよな!?

 

ーゴロちゃん、絶対俺のいる部隊に来いよ! 色々教えてやっから!! 可愛い後輩にな(笑)。」

 

(前田)「もう先輩面かよ! …勝てねぇなぁ、サトちゃんには(笑)。」

 

(檜山)「(笑)…しかし戦地はますます拡大していて…これからは世界中に飛ばされるぞ。

だから一緒に戦える確率はごく僅かだろうな…。」

 

(鬼若)「佐藤さんの言うように、同期とはいえ私達は1年、戦場経験がズレるわけですしね。」

 

(前田)「…大丈夫ですよ。私達は今日まで過酷な訓練を共に乗り越えて来て…、今はもう皆さんとは家族です。

 

だから何があっても…絆が守ってくれます(笑)。」

 

(佐藤・木戸・真田・檜山)

「…そうだな(笑)。」

 

*   *   +   ー   +  *   *

 

(中継ノード“ノードスサノオ”パケット復帰……)

(遅延:00:00:19 ノイズ:12%)

(暗号鍵同期完了 映像・音声、再開)

(配信開始:逆遡パケット送信)

 

*   *   +   ー   +  *   *

 

[sideB]

 

(国王)「…この後始末をどうするか。そこで俺は天才的なアイデアを思いついた。

 

そうだ、奴には家族がいない。戦闘員データを保存してあるデータセンターは“中国”にハッキングされてロックされて照合も不可能だ。

―なら、やることは一つ。“鬼若”を知る同期を一人ずつ消していけばいい。

 

そうすれば新しい英雄・鬼若様の誕生、というわけだ。

 

ーふん、顔は多少寄せる必要はあったがな。」

 

国王は口角を上げ、皮肉めいた微笑を浮かべた。

 

 

(国王)「そして…?どうした タコ助(笑)

…おい、3746番。聞いているのか?

まったく、なっとらんな(笑)

 

仕方ない。俺がまた一から鍛え直してやる。」

 

―国王は拳を握り直し、指の骨が鳴った。

 

マエダはこれまで彼が人に向けたことのない形相で国王を睨んだ。

 

 

(前田)「おまはんは…絶対に許さんぞ。

 

はんが“鬼若”を名乗る資格は、ないきね!」

 

 

国王は手の平を上に、ゆっくりと指を曲げた。

(国王)「(笑)…さぁ、かかって来い。」

 

 

顔を上げた前田は膝を曲げ、

 

 

 

ー独特の構えを取った。

 

 

*   *   +   ー   +  *   *

 

 

「…送信枠、ーここから先は危ないぞ」

 

中継室から声がした。

 

「もう十分だ。“過去”へ流すパケットを閉じろ。成功だ!!」

レジスタンスβのタツヤが言った

 

「いや!待て、閉じるな。“逆遡回線”は生かす。ここから先を“見せない”だけだ。」

レジスタンスαのJunは反論した。

 

(タツヤ)「…それの何が違う?」

 

(Jun)「過去の人間が未来を知りすぎると“定着”が起きて、未来が決定してしまう。だから、“結果”は見せない。だが―いま、この国が崩れる瞬間は配信する。」

 

(タツヤ)「なぜだ!それでも“定着”が起こるかもしれないだろ。」

 

(Jun)「定着させたいのは結果じゃない。“立ち上がらなかった時の崩れ方”だ。過去の連中に、未来の形を押し付ける気はない。ただ見せて、記憶に残すだけでいい。」

 

(タツヤ)「…わかった。遂に王の正体は暴かれた。

あとは…あとは俺たちの未来がマエダに掛かってる。」

 

(Jun)「うん…きっと、父さんが勝つ。

   相手が誰だろうと。いつも、そうだったよ。」

 

モニターの中で、マエダと国王はまだ向かい合っている。

 

(タツヤ)「…急げ。ここから先が“結果”になる。」

 

(Jun)「…わかってるさ。」

 

Junはラップトップを開き、入力した。

 

(逆遡フィード制御:映像遮断/対象=第二ボタンカメラ)

(逆遡フィード制御:音声と映像を“現場環境カメラ”へ切替)

(配信履歴消去:逆遡パケットログ一部)

(※逆遡パケット送信:継続中)

 

(タツヤ)「…これでもう過去の人達は結果を知る事ができないのか?」

 

(Jun)「あぁ。100年後まではね。」

 

モニターの映像が、黒に落ちた。

 

(未来ー過去:送信終了)

 

*   +   ー   +  *

ーーーーーーーーー

(現在ー現代 配信中:感度良好)

 

next connect:from the cradle to the battlefield.

 

 

 

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