憑依転生者伏黒くんは最強になりたい   作:つーふー

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とりあえず原作入る前の導入です。
独自設定もりもりなので、受け付けない人はもう雰囲気だけで楽しんで頂ければ幸いです。


マコーラ調伏は前提条件

 

 

 

 最強を目指すに当たって、俺は家族と伏黒恵の信念を捨てることを縛りに呪力量の底上げに成功した。

 そして普段から呪力操作もしているお陰で、かなり緻密な操作が出来るようになった。

 これに関しては五条悟、もとい五条先生のお墨付きである。

 先生の教えの賜物でもあった。

 あれほどやって原作の伏黒恵と同程度であったら泣いていただろう。

 六眼を持つ五条先生ほどではないが、呪力のロスを可能な限り削減した呪力操作が可能となった。

 それによって俺は、十種影法術で呪力消費量の多い満象(ばんしょう)を難なく顕現出来るようになっている。

 呪力切れと無縁になったとは言わないが、乙骨よりも多い量に到達することが出来た。

 それに呪力量と呪力操作の向上により身体能力も非常に高くなった。

 ゴリラ廻戦と呼ばれることもあるように、戦いにおいてフィジカルとはやはり重要な要素である。

 天井組を倒すのであれば、フィジカルギフテッドと同等の能力が必要になるだろう。

 

「だけど、やっぱり最後に必要なのは術式だろうな」

 

 俺は十種影法術の100%を引き出すことが出来ていない。

 簡単な話だ。

 まだ魔虚羅を調伏出来ていないからだ。

 魔虚羅がいなければ、俺は天井組の足下にも及ぶことが出来ないだろう。

 

八握剣異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)……一撃で消滅レベルの破壊力がないと調伏出来ないのが厄介だな」

 

 未来における原作知識のある俺は、魔虚羅の厄介さを嫌というほど理解している。

 適応の能力を持つ魔虚羅は、一撃で屠ることが出来なければ倒すことが出来なくなる。

 一撃でも耐えれば適応が始まり、その攻撃で死亡することがなくなるのだ。

 そして適応が進めば何も出来ずに詰むのである。

 歴代の十種影法術の使い手に魔虚羅を調伏出来た者はいないと言うが、それも当然の話だろう。

 十種影法術は出来ることは数多くあるが、破壊力という点を見れば小規模である。

 魔虚羅を相手にするには、あまりにも威力が足りないのだ。

 

「……現代兵器の流用もありだな」

 

 原作にて羂索が言っていたように、術師が相手であれば現代兵器は有用である。

 呪霊に対して無効なのは、呪力がないからだろう。

 ならば、呪力を込めたり纏わせることが出来れば、呪霊にも有効ではないのだろうか。

 それに魔虚羅は呪霊ではないので、そう言った工夫がなくても有効な可能性もあるだろう。

 用意は出来ないのであくまで仮定の話だが、核爆弾のような戦術兵器を使えば流石に魔虚羅も倒せるだろう。

 用意出来ればの話だが。

 

「爆弾か……うん、ありだな」

 

 宿儺のように爆発性の呪力をばら撒き対応、という線でも可能だろう。

 そこに現代兵器も組み合わせて、という方法も悪くない。

 少なくとも呪力や術式だけでそんな破壊規模を生み出すより、海外やどこかから爆弾を取り寄せる方が現実的に可能な気もする。

 周りを巻き込む可能性があるのがネックなので、流石に人の少ない場所でやらなければならないのが面倒ではあるが。

 

「後は、ネタにされてる地球一周させた貫牛で轢くくらいか……」

 

 貫牛(かんぎゅう)は突進するだけの攻撃しかできないが、突進の距離が伸びれば伸びるほどに破壊力が増す性質を持っている。

 現代兵器はさておき、術式だけで魔虚羅を調伏するとなれば、貫牛でしか倒せる方法がないのが困りものだ。

 

「確認するだけしてみるか」

 

 という訳で、俺は貫牛の破壊力のテストをすることにした。

 ゲストは五条先生である。

 

「で、恵。何で僕が呼ばれた訳?」

「五条先生なら当たっても問題ないからです」

「酷くない?」

 

 貫牛は直線でしか走れないものの、少しくらいならズレることも出来る。

 緩やかな円を描きながら突進してもらうことにした。

 俺は400メートルのトラックに五条先生を呼び出し、実験台になってもらうことにした。

 うだうだと文句を言ってはいたものの、五条先生は素直に受け入れてくれている。

 なんだかんだで生徒からの頼み事には弱いのだ。

 

「じゃ、適当に硬そうなの持っといてください。もしくは壊してもいい呪具で」

「あー、なるほど。ゴミ処理ついでに実験って訳ね」

 

 特級術師である五条悟は、任務ついでに呪具を入手する機会もある。

 基本的に危険な呪具はその場で壊すだろうが、壊すには微妙なものは持ち帰ったりしているのだ。

 そうして溜まったものを処理するのであれば、彼としても吝かではないだろう。

 そうして俺は貫牛の破壊力の限界を探るのであった。

 貫牛が一周するのに1kmほど掛けてもらう。

 何度もぶつかっては走ってもらった。

 

 途中から五条先生は帰宅し、数日空けてからやってくるなんてこともあった。

 地球一周は流石に無理なので、日本一周の12000kmを最終的にテストすることにも成功した。

 結果は上々。

 魔虚羅は余裕で破壊出来るほどの威力を発揮することになった。

 具体的に言えば、100%の虚式紫や(フーガ)以上の火力だ。

 ぶっちゃけ12000kmも走らなくても2時間程度走ってたら魔虚羅を破壊するのに十分な威力は出せていた。

 だが、問題は……。

 

「恵、これ現実的に考えて無理だよね」

「そうですね。不可能という点に目を瞑れば最高の作戦だったんですけどね」

「いや〜、魔虚羅の調伏はまだお預けになりそうだね?」

 

 単純に日本一周の距離を走るのに多大な時間が掛かることと、それを命中させるのが難しいことである。

 2時間だけ走らせるにしても、どこを走らせてどうやってタイミングを合わせるのかだ。

 一応、魔虚羅の召喚は好きなタイミングで出来るので、日本一周以上している貫牛の目の前に出すという案も考えたのだが……。

 

「それ、避けられたり掠ったりしたら終わりじゃない?」

「そうです。当てられなかった時のリスクを考えるともっと準備が必要ですよね」

「だよね〜。少なくとも今やっても無理でしょ」

 

 俺は五条先生を見つめる。

 よくよく考えたら、今なら最強が隣に控えてるので失敗しても問題ないのでは?

 

「布瑠部由良由ーー」

「それしたら僕そのまま帰るよ?」

「チッ、駄目か……」

「僕頼みでリスクを踏み倒すのは違うでしょ」

 

 そういうこともあり、俺は魔虚羅の調伏を断念することとなった。

 とは言え、調伏を諦めた訳ではない。

 自分の中で調伏するイメージを構築し、必要な準備と状況を想定していく。

 

 まず、先ほど述べたように1人での儀式は論外。

 失敗した時を想定し、五条先生や宿儺の介入が可能な状況が望ましいだろう。

 もちろん不可能であれば、その2人がいないタイミングでやることになるがそれは仕方ない

 だが、複数人で行なっても調伏は無効になるので実行するのは俺だけだ。

 しかし周りに関与しない存在がいるだけならば問題はない。

 そう、例えば流れ弾が当たったとしても、それは問題にならないのだ。

 式神が関知しない意識の外からの攻撃。

 意外にもこれは有効だったりするのだ。

 フィジカルギフテッド乱入作戦なんてものも前世で考案されていたが、俺の経験上それは有用だ。

 最終的な攻撃は俺である必要はあるのだが、ただの流れ弾であればセーフなのである。

 少なくとも、他の式神を調伏する際には問題なかった。

 

(それなら、調伏のタイミングは渋谷事変がベストか)

 

 脳内でプランを組み立てていく。

 原作通りに進むか分からないが、渋谷事変は羂索が五条悟を封印するために仕組んだ戦いだ。

 似たような状況は作られるだろう。

 その際に調伏してしまおう。

 羂索が動いてくれれば、大勢の人が犠牲になる。

 どのみち犠牲になるのならば、もう割り切ってしまった方がいいだろう。

 恐らく、ではなく間違いなく調伏の際に周囲を巻き込んでしまう。

 俺は呪詛師になる予定はないので、多少の犠牲は言い訳がきく状況が望ましいのだ。

 そういう意味では、五条先生が封印された後と言うのは俺も動きやすくなる。

 

「魔虚羅の調伏はまた今度にします」

「そうだね、恵は魔虚羅がいなくても良くやってるからそれがいいよ」

「ありがとうございました先生」

 

 そうして五条先生は術式蒼の応用で高速移動し立ち去っていくのであった。

 そのいなくなった空間を眺めつつ、俺は今後のことについて考える。

 

 最強を目指す以上、五条悟と両面宿儺の打倒が必須となる。

 五条悟は封印されたら封印を解いた後に倒せば良いが、両面宿儺はどのタイミングがベストなのだろうか。

 この身体を乗っ取らせる予定はないため、虎杖悠仁の肉体で戦ってもらうことになるのだが、それだと宿儺本来の実力でなくなる可能性もある。

 なんなら戦闘中に虎杖に切り替わる可能性もあるだろう。

 それは流石に避けたいところだ。

 最強を目指すのであれば、妥協はしたくない。

 しかしまあ、虎杖悠仁が指20本分を回収した段階しかタイミングはないか。

 こればかりは仕方ない問題である。

 

「ま、とりあえず相手を全員倒したら問題ないだろ」

 

 そのためにはとにかく実践あるのみ。

 俺は呪力操作をしながら家へと帰り、明日に備えるのだった。

 

 

ーーーー

 

 

 本日は任務の日である。

 既に2級術師となっている俺は、呪霊を祓うために各地を転々としたりする。

 呪霊は反転術式を使う円鹿(まどか)がいるため、基本的に相手にならない。

 そのため、円鹿は使わずに対応している。

 残念ながら特級クラスの呪霊はそんな簡単に沸かないのだ。

 なので色んな戦術の練習台として使わせてもらっている。

 

「『穿血』」

 

 満象を利用した疑似穿血の使用。

 

「『狗顎爪(くがくそう)』」

 

 玉犬の能力を引き出し、それを自身の拳に乗せる。打撃と斬撃一体の攻撃だ。

 そして不完全顕現による完全破壊の防止も出来るようになった。

 宿儺の見せた技術や未来の原作であるモジュロで使われた技術だ。

 ありがたく踏襲させてもらおう。

 

「応用は問題ないな。呪力消費も式神顕現するよりも低燃費だし悪くない」

 

 十種影法術それぞれの能力は、術者本人である俺も活用することが出来る。

 禪院家の相伝でありマニュアルを知らない俺だが、原作知識によって本来の伏黒恵よりもアドバンテージがあるのだ。

 円鹿の能力を応用すれば術式の中和も可能であり、五条先生の無下限の突破も可能だろう。

 

「問題は領域展開だな」

 

 俺は既に領域展開を扱える。

 だが五条悟や両面宿儺の領域の押し合いに勝てるのかと言われれば無理だろう。

 特に宿儺は閉じない領域であるため、領域の外殻を破壊されて無効化されてしまう。

 俺自身が閉じない領域を習得したいところであるが、それは流石に無理だ。

 羂索のように長生きしていれば可能になるかも知れないが、そこまでのタイムリミットはない。

 

「まあ、いいだろう。魔虚羅頼みになるが調伏出来れば対策も立てられるし」

 

 そのためにも、鬼門である魔虚羅を調伏出来るように準備を進める必要がある。

 さしあたり、十種影法術を使って非術師から色々と拝借しておく必要もあるな。

 バレなきゃいいだろう。

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