淡々と進めていきます。
今回の任務は、仙台市の学校で発見された両面宿儺の指の回収だ。
羂索が虎杖悠仁に指を取り込ませるために仕組まれたものである。
それにより、かつて最強と恐れられた両面宿儺を復活させることを目的としている。
原作の開始ではあるが、そこに感慨深さはない。
俺も羂索の目的通り、虎杖に宿儺の指を取り込ませるだけだ。
五条先生から詳細報告を受けた俺は、ささっと学校へと向かい虎杖悠仁との邂逅を果たす。
と言ってもそこまで大した話はしていない。
呪いの指があぶねーから回収しに来たよーって内容を説明しただけだ。
結果としてオカルト研究部が夜の学校で封印を解こうとしているという話を聞き、現場に向かうこととなる。
「呪霊がたくさん湧いてるな。部室は3階だったか?」
「!! 俺も行く! やばいんだろ!?」
「そうか、お前は呪力がないから何も出来ないと思うが好きにしたらいい」
大した呪霊がいないことを知っているため、俺は玉犬を顕現させて先行させる。
もちろん問題なく呪霊は祓われていく。
俺と虎杖はその後を走って追いかけて行った。
「佐々木先輩!!」
部室近くにて、呪霊に取り込まれそうになっているオカルト研究部員の姿を見た虎杖が、飛び出し呪霊を殴り倒す。
呪力がないため効果はなく、逆に虎杖が殴られ弾き飛ばされるのであった。
「大丈夫か?」
なんて声を掛けつつ、俺は隙を突かれた振りをして呪霊に殴り飛ばされる。
宿儺と戦うためにはさっさと虎杖悠仁に指を食わせる必要があるのだ。
俺はダメージによって玉犬の維持を出来ない感じの雰囲気を出しつつ、そのまま玉犬を影の中にしまうのだった。
「伏黒!!」
虎杖は援護するかのように呪霊を殴り続けるも、有効打は与えられない。
痺れを切らしたかのように、彼は叫んだ。
「どうすればいい伏黒!!」
「お前は呪力がないから有効打は与えられないぞ」
「クソっ!」
茶番はここまでとし、俺は本題へと入る。
「だが、方法はある」
「なんだ!?」
「呪霊は宿儺の指を喰ってより強い呪力を得ようとしてるんだ」
「!! そうか! それならやってやるよ!」
俺は食えとは言っていない。
食ってくれたら嬉しいなとは思ってたけど。
それでも虎杖は迷わず宿儺の指を飲み込むのであった。
食った結果、彼は死ぬか秘匿死刑のどちらかになってしまうが仕方ないだろう。
まあ、五条先生がどうにかするので問題はないのだが。
そして、虎杖は宿儺へと覚醒する。
ゲラゲラと笑い、迫りつつあった呪霊へと腕を振るい、難なく祓うのであった。
「ああ、やはり!! 光は生で感じるに限るな!!」
そんなこんなではしゃぐ宿儺に、俺は迷わず拳を振るっていた。
不意を突かれたとは言え、その拳は宿儺の想定よりもずっと速かった。
防ぐこともできずに地面に倒れ伏した宿儺の上に、俺はヨイショと声を出しながら座る。
「やっぱ指一本じゃこんなもんか」
「貴様……!!」
「初めまして両面宿儺、会えて嬉しいよ。俺は伏黒恵。お前を倒して最強になる男です」
かなりの屈辱だろう。
俺は挑発を続ける。
「本当はこのまま祓ってもいいんだけど、虎杖は俺の一存でどうすることも出来ないんでな。感謝しろよ、生かしてもらえることに」
宿儺は怒り狂った表情を見せて咆哮していたが、それも束の間であった。
顔の紋様や増えていた目はうっすらと消えていき、虎杖へと変わるのであった。
「ーー今どういう状況?」
そのタイミングで現れる五条先生。
結局この後も、原作同様の流れを辿るのであった。
すなわち、宿儺は2度敗北する。
俺は五条先生にボコられ人間イスにされている宿儺をカメラで収めておくのであった。
この映像を使い、しばらく宿儺の怒りを煽り続けてやろう。
そうすれば積極的に俺と戦おうとしてくれる筈だ。
ーーーー
虎杖悠仁は高専に入学することになった。
それにより、今年度の1年生は俺を含め3人となる。
釘崎野薔薇も合流し、術式や戦闘スタイルを合わせにいくつかの任務を熟す。
ある程度の日常を過ごしたが、そこは割愛。
俺はあまり彼らと深く関わらず、ひたすら呪力操作の練習だ。
呪力操作の向上において、黒閃の経験が欲しい。
俺は黒閃を経験したいがために、ひたすら正拳突きをしていた時期があった。
だが、残念なことに結果は振るわずだ。
壁を殴り続けていた時もあったが、恐らくそれでは黒閃を経験出来ないと結論付けた。
打撃と呪力の衝突誤差が0.000001秒になることで発生すると言うが……五条先生が言っていたようにそれだけの条件では発生しない。
五条先生曰く、環境も必要だとか。
身体、精神、環境、それらは壁殴りでは揃えられないものだ。
呪霊を相手にサンドバッグということもやったが、こちらも同様の理由で出来そうにない。
環境はさておき、サンドバッグになるような呪霊は明らかな格下なのだ。
最強になりたいという気持ちを込めて殴っているが、恐らく緊張感や集中力が足りないのだろう。
かと言って、特級呪霊とも簡単には遭遇出来ない。
特級呪霊は基本的に五条先生が対応するからだ。
一応、過去に夏油傑が起こした百鬼夜行には五条先生の推薦をもらうことで参加することも出来ている。
ミゲルとも
百鬼夜行での成果はその程度だ。
呪霊自体は数が多いだけで、大したものとはそこまで戦えなかったのである。
ともかく、直近でまともに戦いが成立したのはそれくらいだろう。
百鬼夜行での活躍もあり現在は一級術師となって任務の幅も広がっているが、それでも都合良く特級呪霊は沸かない。
それに羂索の存在もある。
彼は呪霊操術のために、色々な呪霊を回収しているだろう。
冷静に考えて見て欲しい。
彼が呪霊操術を手に入れたのは、夏油傑が死んでからの話である。
夏油傑が死んだのは2017年の12月24日であり、現在は2018年の7月だ。
約半年程度で、彼は1000体を超える呪霊を回収しているのである。
もしかしたら夏油傑の回収していた呪霊を扱えるのかも知れないが、それでも百鬼夜行にて多量に吐き出しているのだ。
まあ、呪霊操術関係なく回収だけする手段があるのかも知れないが、それでも手広く活動はしているだろう。
そして律儀に仲間集めもしたりしているので、俺の探す強敵は取り合いになってる状況なのだ。
だからこそ、原作で出てくる強敵はなるべく俺が相手をしたいと思っていた。
今回の任務は特級呪霊が相手だ。
目的地は受刑在院者第二宿舎である。
伊地知補助監督の案内のもと、俺たちは現場へとやって来ていた。
中へと進むと同時に、伊地知により帳が降ろされる。
「行こうか」
玉犬は顕現させるが、道案内をさせるわけではない。
そのまま2人の影に潜らせるのだった。
非常に申し訳ないのだが、釘崎と虎杖が邪魔なのだ。
今回の俺は特級呪霊を相手に色々と試したいことがある。
2人の援護があったら何かをする前に祓ってしまう可能性もあるだろう。
そう考えると、高専のトリオのポジションにそのまま収まったのは失敗だったかも知れない。
行動に制限が掛かってシンプルに動き辛いのだ。
ただまあ、彼らの利用方法はいくつか考えてはいる。
最終的に宿儺と戦うための手段として活用出来ればと思っていたりする。
「どうなってんだ!? 2階建ての寮の中だよなココ」
「おおお落ち着け! メゾネットよ!!」
緊張感のない2人はさておき、俺は入口を確認する。
既に塞がれてしまったのを見て、俺はワクワクするのだった。
呪力による生得領域の展開だ。
中々出会えないレアモノである。
「先に進もう」
俺は玉犬の能力を自身に付加することで、周囲の索敵を行う。
そのお陰で進むべき道も、呪霊による罠の位置も筒抜けとなっていた。
2人を案内しつつ、俺たちは先へと進んでいく。
やがて開けた場所にて、依頼のひとつである死体を発見するのだった。
そこで適当に虎杖の相手をしつつ、釘崎が呪霊の罠に掛かり別の場所に飛ばされるのを俺は見過ごす。
「釘崎!?」
地面に飲み込まれた釘崎を目にし、虎杖は動揺の声をあげる。
それと同時にやって来るのは、この生得領域の主である呪霊だ。
呪霊はいつの間にか俺たちの隣へと立ち、何をするでもなく観察しているのだった。
「うああああ!!」
呪霊の重圧により、虎杖は反射的に動いたのだろう。
武器を振り被っていたが、その腕は瞬きする間もなく切り飛ばされるのであった。
一瞬の出来事だ。
その攻防で自身じゃ敵わないと判断出来たのだろう。
虎杖は宿儺にこの状況をどうにかしろと叫んでいた。
「代わりたいのなら代わるがいい。だがその時は呪霊より先に
(丁度いい。メインディッシュも摘み食いしようか)
俺はこの状況を静観した。
正直な話、この目の前の呪霊は残念ながら俺の期待値に達していなかったのだ。
分かりやすく例えで言おう。
仮にこの場に乙骨がいたとしたら、皆はどう思う?
どう見てもピンチとは思わないよな。
俺もそう思う。
呪力量だけで言えば、縛りの甲斐もあって乙骨先輩よりも多くなってるのだ。
この呪霊からは、そこまでの重圧が感じられないのである。
俺は玉犬を操作し、釘崎の元にいた呪霊を始末した。
それと同時に虎杖へと声を掛ける。
「虎杖、釘崎は既に見つけてる。5分もあればこの領域から脱出出来るぞ」
「!! 流石だな伏黒。出たらなんでもいいから合図してくれ。そしたらは俺は宿儺に代わる!」
俺の言葉に希望を見出したのか、虎杖は特級呪霊へと駆け出す。
その隙に俺も釘崎を回収しに、この場から一旦離脱するのだった。
さっさと釘崎を回収した俺は、外へと出て伊地知補助監督と合流する。
状況を説明して釘崎を預けた後は、再び生得領域の中へと戻るのだ。
「伏黒君、どこへ!?」
「虎杖も回収してきます」
玉犬に遠吠えをさせて合図を送り、俺は虎杖のいる場所へと駆ける。
合図が早すぎたら宿儺に呪霊が祓われてしまうので、わざと遅らせたのだ。
その調整のお陰か、呪霊はまだ祓われず宿儺に弄ばれてる状況だった。
「!! ほう、戻ってくるとはな。ケヒ、愚かな小僧だ」
流石に俺が戻ってくるとは想像もしていなかったのだろう。
僅かに驚く様子を宿儺は見せていた。
「式神使いのガキが戻って来たぞ小僧、振り出しに戻ったな」
内に宿る虎杖に話しかける宿儺だったが、すぐに自身の意思で身体を取り戻せないことに気付き邪悪な笑みを見せる。
虎杖を絶望させるために俺や釘崎を殺してやると息巻いていたのだ。
都合の良い状況になったことに対し、とても喜んでいるようだった。
だが、都合の良い状況になったのは俺の方である。
この生得領域の呪霊は期待外れであったが、指2本分の宿儺も同時に相手に出来るのであれば十分過ぎるだろう。
「そう言えば貴様も俺に対して無礼を働いていたな。ケヒ、三枚におろしてやろう」
「どっかの民族の真似した顔面ブサイク野郎がなんか言ってんな。俺に無様にやられたことを忘れたのか?」
さて、今の俺の強さを測らせてもらおうか。
この時期の虎杖って指3本で合ってますかね?
元々宿儺の器として調整するために虎杖って生まれた時点で指1本は取り込んでる?
学校で1本と、耐久テストのために五条が取り込ませた1本の計3本という設定です。
呪霊が死んだら4本目も回収出来るよやったね宿儺!
2/9修正し指2本分となりました。残念だったね宿儺!