憑依転生者伏黒くんは最強になりたい   作:つーふー

5 / 7
十種影法術の解釈広げまくるぜ。


伏黒くんはロリコンである

 

 

 

 少年院にて、虎杖悠仁は死亡せず生還した。

 それによって宿儺と縛りを結ぶ機会が無くなり、現時点では契闊による身体の乗っ取りは起き得なくなった。

 だがそれは俺にとってはどうでもいいことだ。

 契闊は宿儺が伏黒恵の身体を乗っ取るための策であるため、していようがしていなかろうが俺の目的に影響はないのである。

 乗っ取られたら宿儺とは戦えないので、虎杖の肉体のまま戦い、それを打ち破ることでしか最強を目指せない。

 方法に関しては考えている。

 と言うかひとつしか方法がない。

 

 全ての指を虎杖に食わせ、一時的に宿儺が主導権を握れるようにするのだ。

 

 まあ、全部を集めれずに中途半端な数になったときは、素直にその宿儺を倒して五条先生に挑むしかないだろう。

 俺の最強を目指す戦いは、状況作りから始まっているのだ。

 ただ宿儺を殺すだけでいいのなら、適当な段階で虎杖を殺せばいいだけである。

 五条先生と戦うのも、さっさと呪詛師になるだけで可能だ。

 けれどそれでは意味がない。

 外的な要因のない俺自身が作り出した状況で2人を倒す。

 周りに仲間がいたら意味がないし、逆に敵が徒党を組んでいても意味がない。

 

 邪魔の入らない一対一の状況を作り上げ、その上で勝利する必要がある。

 それでこそ最強に至れたと言えるだろう。

 ただまあ、状況作りの過程で意図的に複数人が関わる状況になるのはありだ。

 策略も最強を示す一端と言える。

 

「まあ、先は長そうだな」

 

 回収した宿儺の指を影の中に隠しておこうと思った。

 だが六眼を持つ五条先生だとそれに気づく可能性が高いだろう。

 なので今回は大人しく渡すことにした。

 

 さて、次のイベントは交流会である。

 それまではしばらく地道な訓練となるだろう。

 もしくは五条先生や七海が虎杖を連れて任務に出ていくかも知れない。

 それにお邪魔するのも悪くないが……まあ別の任務を振られる可能性もある。

 一端はこの後のことを考えよう。

 

 虎杖は死ななかったので、普通に高専にて他の学年の人たちと交流をしている。

 更には五条先生もときおりやって来ては手解きをしてくれる状況だ。

 五条先生は特に虎杖を気に掛けているので、最近は俺を放置気味である。

 知らない間に漏瑚との戦いもしているかも知れないが、それに俺が関わることは出来ない。

 流石に都合良く五条先生が俺を連れて行ってくれる訳もないだろう。

 

「ボーッとしてんじゃねーよ!!」

 

 呪具を伴った禪院先輩が、俺に棍棒を振り下ろす。

 半身で避けるとともに当て身をし、怯んだ隙に蹴り飛ばした。

 それと入れ替わるようにパンダが飛び出し、その巨体を持って両腕を振り下ろす。

 俺は自身の影に潜ることで回避し、そのままパンダの影から出て虎葬の術式を纏った拳で吹き飛ばす。

 

 2人は俺の肉弾戦を鍛えるための協力要員だ。

 パンダ先輩はあまり乗り気ではないが、禪院先輩は煽ることで簡単に乗ってくる。

 禪院直哉の真似をすれば、もうなりふり構わずだ。

 女は俺の三歩後ろ歩いてろだとか、呪力ないならすっこんでろと挑発しまくってるお陰で、視認された瞬間に襲い掛かってくるようになった。

 まあ、それが原因で死ぬほど嫌われてしまったが誤差の範囲だろう。

 フィジギフを手に入れたら真っ先に俺を殺しにくるかも知れないな。

 そうこう考えながら2人を程よくボコった俺は、一端鍛錬を終了する。

 

 因みに俺はみんなを蔑ろにし過ぎて普通に嫌われてしまった。

 悲しいね。

 

 

ーーーー

 

 

 俺はすっかり忘れていたが、京都校の学長ーー楽巌寺嘉伸が本日来ることになっていた。

 それに伴い、一緒にやって来る人物のことを考え俺は退屈せずに済むと考えた。

 自販機でジュースを買っていたところに現れるのは、禪院真依と東堂葵の2人である。

 彼らは交流戦にて代打で出る俺たち1年の品定めをしに来たのだ。

 因みに釘崎は俺との仲が良くも悪くもないため、一緒に行動していなかった。

 この場にいるのは俺1人である。

 

「ああ、禪院先輩こんにちは。今日も男の後ろ歩いてるんですね。流石は禪院の血筋です」

「……やっぱり来なきゃ良かったわね。アナタと言葉を交わすのは不快だわ」

「そうですか? 俺は直哉さんより優しいと思いますけど」

「そういう問題じゃないわ」

「まあどうせお二人は嫌がらせに来たんでしょ? ならこの程度の戯言は受け流して下さいよ」

「…………」

 

 憎々しそうに睨みつける真依。

 俺はその視線をそよ風のように受け流す。

 どのみち彼女が怒ったところで何も出来ないのだ。

 禪院の血筋を感じさせるように接すると、トラウマでもあるのか萎縮してしまうこともある。

 今回は東堂がいるためそこまで臆病さは見せないが、強く言い返してこない時点で知れているだろう。

 

「お前たち、どうでもいい話を広げるな。俺はただお前ら1年どもが乙骨の代わり足りうるのか知りたい」

「俺は既に一級術師なので既に実力の担保はされていると思いますけど」

「確かにそうだな。だが俺は自分自身の目で確かめなければ気が済まんのだ」

 

 そこで一拍溜める。

 

「伏黒、どんな女がタイプだ」

 

 ある意味、東堂葵を代表する台詞だろう。

 正直、読者として読んでいた時もこの男の意味不明さは解消されなかった。

 というか東堂葵を理解出来る奴はいないと思う。

 

 だが、俺は東堂と出会った時にどう答えるのかは最初から決めていた。

 

「ーー俺は身長(タッパ)(ケツ)が小さい女がタイプです」

 

 ツーッと、東堂の瞳から涙が溢れる。

 俺の返答に、彼は絶望の表情を見せていた。

 

「残念だよ伏黒。どうやら俺はお前を殺さなくてはならないようだ」

 

 言葉とともに呪力を滾らせた東堂がラリアットを仕掛けてくる。

 まあ、仕掛けてくることは初めから分かりきっていたことだ。

 既に初撃に備えていた俺は、土手っ腹にカウンターの一撃を加えて外へと弾き飛ばす。

 そのまま歩いて東堂の元まで行くが、彼は既に立ち上がっていた。

 

「なるほど、つまらん男だと思ったが少しはやるようだ」

「そりゃどうも東堂先輩。因みに俺はロリコンです」

 

 東堂の顔に青筋が立つ。

 高速で接近してくるが、それは先ほどと同じである。

 単なる体術だけで俺はどうにかされるつもりはない。

 影に潜ると、そのまま東堂の背後の影から現れ蹴り飛ばすのだった。

 そして玉犬を顕現させる。

 

「行け」

 

 襲い掛かって行く2匹の玉犬だったが、流石にその程度は軽くいなされる。

 東堂が腕を振り払えば、玉犬は弾き飛ばされるのだった。

 弾き飛ばされた玉犬たちはそのまま影の中へと消えていく。

 

「大蛇《オロチ》」

 

 それと同時に影に潜った際に東堂に潜ませていた大蛇が、彼の身体を咥えて上空に胴体を伸ばす。

 東堂が何か行動をする前に大蛇を消すことで、彼は上空から地上に向けて自由落下していく。

 

「貫牛」

 

 その落下地点に目掛け、顕現させた貫牛が突進していた。

 普通ならばこれで終わりだろう。

 だが、東堂がパンッ、と手を叩くことで位置が入れ替わる。

 彼の術式『不義遊戯(ぶぎうぎ)』だ。

 手を叩く事で、範囲内にある一定以上の呪力を持った物体の位置を入れ替える生得術式である。

 厄介なのは呪力があれば無機物も対象となることだろう。

 原作でも宿儺を以てして慣れるのは不可能と言わしめる破格の性能だ。

 

 自由落下をしているのは俺で、そこに向かって貫牛が突進していた。

 俺は地面に着地せず、そのまま影の中に落ちることで貫牛の突進を避けた。

 

「お前のような下劣な男に術式を使うつもりはなかったのだがな……」

「ゴリラなんですしそんなこと気にしなくていいじゃないですか」

 

 影から地上へと戻った俺は、次の一手を考える。

 以前のように呪力変質をするのも手だが、東堂の不義遊戯はその程度では攻略出来ない。

 そもそも十種影法術は、位置の入れ替えをされると逆に完封されるんじゃないかと考えている人もいるだろう。

 だが、俺は逆だと考えていた。

 十種影法術本来の使い方をしていれば、俺が不義遊戯を攻略出来る筈なのだ。

 そのための一手を俺は打つ。

 

「『脱兎(だっと)』、囲め」

 

 俺の影から無数の兎が湧き出る。

 兎たちはあっという間に数を増やし、もはや数え切ることすら出来ないほどだ。

 俺は脱兎に紛れ既に姿を隠している。

 もちろん呪力も最小限に抑えて感知されないように対応。

 

 不義遊戯は術式範囲内にある呪力を持つ人や物体を入れ替えられるが、あくまで知覚していなければならない。

 腕にビブラスラップを付けていない以上、数が多ければ入れ替えも時間が掛かるだろう。

 純粋な物量であれば、俺は不義遊戯を攻略出来ると考えていた。

 

「!!」

 

 東堂は初動が遅れていた。

 俺が懸念していたのは、囲まれる前に不義遊戯で距離を取られることだった。

 だがその前に俺は脱兎で囲むことに成功する。

 その呪力を以て脱兎を破壊しようが、更に東堂の影から脱兎が増える状況だ。

 

 とは言え、俺もここからは慎重に行動しなければならない。

 下手に満象などを顕現させれば、それと位置を変えられるだろう。

 カウンターに注意する必要があるなら、やはりそれをされないように大きな隙を作る必要がある。

 

「拡張術式、『毒牙大蛇(どくがおろち)

 

 本来、十種影法術の大蛇に毒はない。

 出来ることは丸呑みや拘束、不意打ちだ。

 だがそんなものは解釈次第でいくらでも拡張が出来る。

 蛇=毒という安易な解釈だが、誰でも想像の出来る解釈だ。

 俺が大蛇に毒の性質を持たせることは難しくなかった。

 

「拡張術式、『影融呪変(えいゆうじゅへん)』」

 

 そして更に行うのは、以前に見せた呪力特性の変質。

 今回は俺に呪力を付与するのではなく、脱兎に付与する。

 それによって毒の性質を持たせ、中心にいる東堂へと突貫させていく。

 

 毒の性質を持ったからと言って、脱兎本体が強くなるわけでもないし、毒による攻撃が出来るようになった訳でもない。

 なので俺は脱兎が死亡すれば、毒の呪力をその場に拡散するようにしたのだ。

 東堂は突貫してきた脱兎を複数体破壊したところで、その毒に気付いたのだろう。

 すぐに攻撃の手を緩めていたが、毒がある以上時間は俺に味方する。

 

「残念でしたね東堂先輩。そこはゴリラパンチで地割れを作って地下にダイブが正解ですよ」

 

 このまま行けば間違いなく俺の勝ちだろう。

 だが、今回この場には俺と東堂以外の存在がいた。

 禪院の気配を感じて何もしてこないだろうと高を括っていたが、それは間違いであった。

 

「東堂! 私と入れ替えなさい!」

「!!」

 

 パンッと音がする。

 脱兎の中心に居たはずの東堂の姿はなくなり、変わりに真依がそこに入れ替わった。

 そして元々真依が居た位置に東堂が現れ、俺の姿を視認する。

 更に拍手。

 俺の位置と真依の位置が入れ替わった。

 状況は完全に振り出しに戻る。

 

「……やられましたね。流石は東堂先輩です」

 

 不義遊戯は1人で戦うことに特化した性能ではない。

 仲間がいることでその真価を発揮する術式だ。

 完全な一対一を続けていれば勝てていたであろうが、真依がいるのならば話は変わる。

 

(面倒だな……もう真依は殺してしまうか?)

 

 今ならば東堂のせいにして誤魔化すことも不可能ではないだろう。

 更に真依を殺せば禪院真希は完全な呪力の脱却を果たし、フィジカルギフテッドとなる、と思う。

 そして恨みを果たすために、真希が殺しにくるだろう。

 真依を殺した俺を全力で狙ってくる状況になるのはそそられるが……呪詛師に身を堕とすのは今ではない。

 仮に東堂に責任をなすり付けられても、動きにくくなるだろう。

 

 こうなっては仕方ないので二対一に甘んじようと考えていたが、東堂は神妙な表情を浮かべ足を止めていた。

 

「……帰るぞ真依」

「はぁ!? こんなやられるだけやられて帰るって言うの?」

「伏黒の強さは十分分かった。それにオマエと違って俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ」

 

 そうして東堂は、ゴソゴソとポケットから一枚のチケットを取り出す。

 

「高田ちゃんの個握がな!!」

 

 納得いってないようであったが、真依1人ではどうすることも出来ない状況。

 東堂が戦わない以上、真依もそれに従うしかないのだ。

 ブツブツ言いながらも、踵を返す彼に付いていくのであった。

 そんな帰っていく2人に、俺は一声だけ掛ける。

 

「東堂先輩! 俺さっき身長(タッパ)(ケツ)が小さい女がタイプって言いましたけど、あれ嘘です!」

 

 その言葉に東堂はピタリと足を止め、こちらに顔を向けた。

 

「本当は身長(タッパ)は小さいけど(おっぱい)が大きい女がタイプなんです! つまりロリ巨乳です!」

 

 その言葉に、真依は軽蔑の視線を向ける。

 東堂は何も言わず向けた顔を戻すのだった。

 

「やはりお前は相容れぬ存在だな。交流会で殺すしかないようだ」

 

 そうして俺は東堂との満足行く戦いを終えるのだった。

 もちろんロリ巨乳好きも嘘だ。

 本当は強ければなんでもいい。

 だが、呪術廻戦に出てくる身長《タッパ》と尻《ケツ》が大きい女は今のところ強い奴しか知らないのでタイプと言えるだろう。




因みに渡された宿儺の指は、五条先生によって普通に虎杖に食べさせています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。