やっぱ悠仁君ってさ、型月作品のYAMA育ちのカテゴリに入るんじゃね?
原作で呪術師になる前からマラソンとかで50mを3秒台で走るわ。
ビルの壁を軽々と破壊するわ、高所から飛び降りても無傷など、常人離れした
今回、原作改変あると思います。
虎杖の祖父ーー虎杖倭助が死亡して看護師達に運ばれていった後、虎杖は祖父の病室に置かれていた本や花瓶などリュックに纏めて詰めていった。
その後、虎杖は受付場で祖父の死亡診断書や手続き書類を書き終えたところだった。
「はい、必要な書類はこれで全部」
「…うっす。お世話になりました」
「本当に大丈夫?」
「まだ実感は湧かないですけど、いつまでもメソメソしてると爺ちゃんがキレるんで後は笑ってこんがり焼きます」
「言い方…」
杉沢病院の女性看護師は虎杖の言葉遣いに困惑した様子で苦笑いした。
書類を確認し終えた看護師は虎杖の後ろに待合椅子に座って虎杖の事を待っている彼女ーアルクェイドに目の視線を向けた。
「…ねぇ、後ろに座って待ってる人、もしかして悠仁君の彼女さん?」
「え?まぁ、何つーか、一応親戚みたいなひとっす…」
看護師が小声で聞くと虎杖はそう簡潔に答えた。
実際には俺が無意識にアルクェイドを殺しちゃったと言ったら大惨事になるので、一応親戚といて言って受付場を離れアルクェイドの元に向かい、手続きを終えた虎杖にアルクェイドが虎杖の隣に寄り添うように立ち上がった。
「…ねえ、悠仁。もう泣かなくていいの?」
「……明日、爺ちゃんの葬式で骨を拾うまでは、なんだか悲しい実感が湧かねーんだ。でも、爺ちゃんに言われたことは、ちゃんとやるよ」
そう言って虎杖達が杉沢病院のロビーに出た頃には、外は既に夜は完全に下りていた。
虎杖の心の中では、祖父の最期の遺言が鐘の音が響く中、日が暮れた夜の外は静まり返っていた。
ふと虎杖の隣を歩いていたアルクェイドが不意に足を止め、ある方向の建物を睨むように見つめていた。
「……ねえ、悠仁。あっち、確か悠仁の学校の方だよね? なんかさっきから嫌な気配がするわ。何かドロドロしてて、わたしが追ってる奴とは違う不気味なモノが感じるんだけど」
「え、学校が? ……あ! そういや、先輩たちが今日の夜、俺が百葉箱から拾ったアレのお札剥がすって言ってたな」
虎杖がそういうとアルクェイドは顔を虎杖の方向に向いて落ち着いたような声で冷静に話していく。
「…悠仁、このままだとその人達死んじゃうわよ?」
その言葉を発した直後、虎杖は冷や汗を流して杉沢第三高校に走って向かった。
アルクェイドと共に夜の杉沢第三高校に走って向かう中、虎杖がふとアルクェイドに質問した。
「…なぁ!アルクェイドの追ってる奴って今学校に居んのか?」
「いいえ、わたしが探しているのは「死徒」って呼ばれる吸血鬼なんだけど、わたしが感じたのは「死徒」じゃないドロドロとしたナニカなの」
「…アルクェイドが追ってる奴とは全然違うのか…。」
そんなことを話している内に杉沢第三学校に到着する。
外から見ると学校からは何か悍ましい気配が漂っている。
(…今更、ビビってる暇なんて無い!)
死を恐れるのを先に体が動き、虎杖とアルクェイドは同時に学校の門を飛び越えて駆け出して学校の敷地内に入って行く。
虎杖は最短距離で行く為に四階まで壁を駆け上がり、窓を割って入る。
既に静まり返っているはずの校舎内から、女性の悲鳴が響いた。
虎杖達が脱兎の如き勢いで悲鳴の聞こえた場所へ駆け込むと、そこには異形の怪物――呪霊に丁度襲われていて、今にも飲み込まれようとしている佐々木先輩の姿があった。
「ーーやめろぉおッ!!」
虎杖がまず考えるより先に体が動いた。
虎杖の常人より並外れた脚力で床を駆け出し、呪霊の横面に強烈な飛び蹴りを叩き込む。
「ーーーーッ!?」
不意打ちを食らい吹き飛ぶ呪霊。
吹き飛ぶ瞬間、捕まっていた佐々木先輩と井口先輩を虎杖が何とか引き剥がして救出した。
しかし、呪霊は先程の攻撃が効いていなかったのかすぐに体勢を立て直し、標的を虎杖に変えて襲いかかろうとする。
ーーだがその瞬間、虎杖と先輩達を襲おうとした呪霊の頭をアルクェイドが右の素手で一瞬で殴り砕いた。
「……ふーん、さっきのがこの学校に現れた『ナニカ』なのね?」
廊下からゆっくりと、場違いなほど軽やかな足取りでアルクェイドが殴った素手をパンパンっと払いながら虎杖の元まで歩いていく。
アルクェイドは、後ろで塵になって消えていく呪霊をまるで道端のゴミでも見るような目で見つめる。
そんな中、学校の天井から何かが迫って来る。
それに気付いたアルクェイドが虎杖のフードを掴んで気絶している佐々木先輩達と共に引っ張って回避させた。
学校の天井から現れたのは先程の呪霊より一回り大きい六本足の異形の呪霊だった。
「悠仁、ちょっとだけ下がってて。こういうのは、わたしの得意分野だから」
アルクェイドが右手を軽く振り上げる。
その指先から、吸血鬼のような鋭くも月が照らしているのか綺麗な「爪」が空気を切り裂くように伸びていた。
「えいっ」
あまりにも無造作な、普通の少女のような掛け声。
しかし、放たれた一閃は教室の空気ごと呪霊を切り刻んだ。
呪霊の断末魔を上げる暇もなく、呪霊は塵の如くバラバラになって消滅する。
静まり返った教室で、虎杖はその光景に呆然と立ち尽くしていた。
「はい、おしまいっ。何か呆気なかったわね。」
「……本当、何だったんだ?さっきの?」
「よくわかんないけど、実体のない幽霊みたいなものじゃない?わたしから見た感じあんまり強くなさそうだし」
アルクェイドはケロリとそう言って、血の爪を払って収めると虎杖の元に寄り添うように戻ってきた。
その足元には、佐々木先輩が手の中に持っていただろう小さな物が転がっている。
それは、古びた布に包まれた「腐った人間の指」のようなものが入っていた。
「……なんだこれ。あの幽霊みたいな奴が狙っていたのって、これが原因なのか?」
虎杖はそれを拾い上げマジマジと眺めて「…不気味だなぁ」と呟き、自身の懐に入っていた木箱に指を収めた。
自分にはよくわからないが、これを持って帰るのが一番安全だと直感したのだ。
「とりあえず、これは俺が持っておくか。……それと、ありがとな、アルクェイド。おまえがいなきゃ、俺も先輩達は助けられなかったかも」
「いいよ、わたしに協力してもらってる最中なんだから」
月明かりの下、指の入った箱を持った虎杖と隣で楽しそうに微笑む吸血姫。
呪いと神秘が混ざり合う夜は、まだ始まったばかりだった。
「あ、そう言えば言い忘れたけど、悠仁。今持ってる指悪ふざけでも間違えて食べないでね。その指意外と物凄い程の猛毒が入ってるから」
「……え゛?」
夜の杉沢第三学校を後にして先輩達を近くの病院に送り届けて、虎杖とアルクェイドは共に帰路を歩いていき虎杖の自宅へと戻った。
祖父が亡くなり、いつもガランとした家の中は何故か広く、そして冷たく感じられたが、隣にアルクェイドがいるだけで何故か不思議と湿っぽさは少し消えていた。
「…お腹空いただろ?何か作るからアルクェイドはそこで寛いでてくれ」
「えっ、悠仁、料理できるの?」
「まあ、今まで飯はずっと俺一人で作ってたからな」
「でもわたしの場合、食事はあまり意味ないわよ?」
「…だったら俺だけ食べるのも、…なんか、調子狂うからさ」
虎杖はそう言いながら手際よく冷蔵庫の余り物で炒め物と味噌汁、それに炊き立ての白米を用意した。
テーブルに並んだ温かい湯気に、アルクェイドは目を輝かせる。
「わあ……! 人間の食事ってあんまり興味なかったけど、すごくいい匂い」
「口に合うか分かんねーけど。…いただきます」
虎杖が手を合わせてそう言うとアルクェイドも虎杖の真似をして同じく手を合わせた。
皿に置かれた炒め物と白米を一緒に食べたアルクェイドは、ぱっと顔を明るくした。
「おいしい! 悠仁って、殺すのも上手だけど料理作るのも上手なんだね!」
「……その褒め方、俺の心臓に悪いから勘弁してくれよ」
食後、お茶を飲みながら一息ついたところで、アルクェイドの表情が少しだけ真剣なものに変わった。
彼女は窓の外、遠くの空を見つめながら切り出した。
「悠仁。……わたしの目的について詳しく話しておくね」
「ああ、本当なら確か東京の総耶に行くんだったよな」
「そう。今、総耶では連続殺人事件が起きてる。犯人はただの人間じゃない……わたしの宿敵である、ある『吸血鬼』。わたしはそいつを処刑するために、ずっと追ってるの」
彼女の赤い瞳に、真祖としてか処刑人としての鋭い光が宿る。
「昨夜、悠仁に殺されちゃったせいで大幅に力を使っちゃって予定が狂っちゃったけど。すぐにでも総耶に向かって、その吸血鬼を仕留めなきゃいけないの」
虎杖は静かにアルクェイドの話を聞いていた。
「吸血鬼……。さっき学校にいた幽霊みたいなやつとはやっぱり違うのか?」
「…さっきのアレは別のモノ、わたしが追っている死徒っていうのは古いタイプの吸血鬼よ。死徒の中でも最上位に位置する二十七体の個体の一つなの。そうね、いい機会だから吸血鬼について詳しく教えてあげる。死徒には階梯というランクが存在するの」
「うーん、そうは言っても吸血鬼の世界って複雑だからよく分からんし」
「そうね。じゃあ、いい機会だから吸血鬼について詳しく教えてあげる!……ちょっと待っててね」
アルクェイドがそう言うと何処からか何もない空間から真っ白なホワイトボードとマーカーペンが物質としてそこにあるのが当然であるかのように出してきた。
「うおっ!? なんだこれ、すげー!アルクェイドの手品か!?」
「これはわたしの能力『
「マジかよ……。おまえ、改めて本当に凄いんだな」
驚きを隠せない虎杖を余所に、アルクェイドはマーカーを手に取り、吸血鬼の第Ⅰ~第Ⅸ階梯について慣れた手つきで書きながら説明し始めた。
第Ⅰ階梯:死者
親の命令通りにしか行動できない文字通りの操り人形。自我もなく、命令がなければ死体のまま放置され、朽ちていく。
親に血を吸われ、血を送られただけの下級兵士。
死者と呼ばれるモノの一つ。
第Ⅱ階梯:屍鬼
意思はあるものの明確な思考はできない、生前の姿に擬態している死者。
親の魔力で腐敗こそしないものの、それは外見だけ。脳が腐っているため本能で血肉を求める分、第Ⅰ階梯の死者より凶暴。
死者に分類される。
第Ⅲ階梯:不死
生前ほどの思考能力こそないものの、自分だけで人間生活を偽装できる。
日光も平気だが正体を秘するためには定期的な防腐処理が必要となる。
死者に分類されるが、ここからようやく吸血鬼と呼べる程度の生き物になる。
第Ⅳ階梯:夜属
下級騎士。
生前のパーソナリティを維持したまま、吸血鬼見習いとして活動する不死者。
人間離れした身体能力を有するが極度の冷えと渇きを覚える半人前の吸血鬼。
日光を浴びると貧血になる程度で焼かれはしない。
第Ⅴ階梯:夜魔
上級騎士。
第Ⅳ階梯の深度に加え、その血液に宿った呪いによって親、あるいは個人に起因する異能を発揮できる。
一人前の吸血鬼。
第Ⅵ階梯:死徒(下級)
完全に吸血種として自立。
吸血・侵食によって子を作ることも出来るが、第Ⅵ階梯以上の子は作れない。
いわゆる成り上がりものの限界。
あえていうなら城塞。
第Ⅶ階梯:死徒(上級)
第Ⅵ階梯のモノが祖に認められ、更なる異能を与えられたもの。
同じ死徒でもその規模は第Ⅵ階梯とは別物。
この階梯になると存在するだけでその地域を汚染する毒となる。
貴族として自らの意志を許された吸血鬼。
親である祖に絶対服従というわけではなく、機会さえあれば祖を倒して、その呪いを受け継ぐことも出来る。
第Ⅷ階梯:後継者
祖が自分の後継に認めた才ある吸血鬼。
例えるなら王子・王女のような存在。
第Ⅷ階梯は一人の祖に最低二人はいるとされており、単純計算で五十匹以上はいると言われている。
第Ⅸ階梯:祖
非常食という立場から抜け出し、まったく違うモノとして独立を勝ち取った旧い死徒。
決して他と相容れない世界を持った猛毒。
第Ⅵ階梯の死徒を生み出し、人間を“寿命”として摂取する長命者。
現在に至る吸血鬼社会を作ったとされ、西暦以前から活動しているモノを『古参』。
西暦以後から活動を始めたのが『新参』と呼ばれている。
「そして、死徒の頂点に立つ二十七体の吸血鬼、死徒二十七祖。死徒にとっての冠位がわたしの追っている吸血鬼よ」
虎杖は改めて説明された情報を何とか整理し、自分の想像してたのとは違う吸血鬼の特徴を理解する。
「…えっと、簡単に言えばつまり三番目より上の下僕は人に擬態して少しずつ他の人たちを捕食して
人間の血肉はそのボスに送られ、棺桶に寝たまま力をつけて最後には自分の血肉に変えちまうって事か。」
説明を人通り聞くと厄介な存在だなと虎杖はそう思った。
「吸血鬼の弱点ってやっぱ太陽の光に弱いのか?」
そう言うとアルクェイドは頷いて、少しの沈黙の末、再び口を開いた、
「……ねえ、悠仁。一応確認として聞きたいんだけど、わたしと一緒にわたしが追ってる「怨敵」探しに協力してくれるかな?」
その言葉を聞いた虎杖は少しの間沈黙し、それから力強く頷いた。
「勿論だ。……明日、爺ちゃんの葬式がある。爺ちゃんの遺骨を拾って袋に回収したら、すぐにおまえと一緒に総耶に向かうよ」
そう言うと虎杖は立ち上がり、押し入れから大きなスポーツバッグを取り出した。
リュックの中に着替えや最低限の身の回り品、そして――杉沢第三学校で再度回収した禍々しい「人間の指」の入った箱も詰め込んでいく。
「準備するから、おまえはそこで寛いでてくれ。爺ちゃんも言ってたしな。俺に出来ることはアルクェイドを事故とはいえ殺してしまった償いだからな、それがどんなにヤバい相手でも逃げねえし、アルクェイドと一緒に俺も戦うよ」
テキパキと荷物を纏める虎杖の背中を、アルクェイドはソファに深く腰掛けながら眺めていた。
自分の使命に、これほど真っ直ぐに、しかも「晩御飯を作ったついで」のような自然さで付いてくると言った人間は初めてだった。
「……ふふ。やっぱり変な子。でも、わたし、悠仁と出会えて本当に良かった」
彼女は虎杖の後ろ姿を見て微笑むように笑った。
翌朝、虎杖とアルクェイドは祖父の火葬に向かう前に、病院へ立ち寄った。
虎杖が病室の扉をノックして部屋に入る。
そこには病室のベットで寝てる顔に包帯を巻いた井口先輩と椅子に座って暗い表情をする佐々木先輩がいた。
「虎杖…」
「井口先輩、どんな具合ですか」
「大丈夫…ってお医者さんは言ってたけどまだ意識が戻らないの」
佐々木先輩は思い詰めた顔で口を開いた。
「…私の、所為なんだ。私が夜の学校なんて誘ったから…」
「いや、俺の所為だ。あの時、俺が百葉箱から指の入った木箱を拾ったから。先輩は何も悪くない、悪いのはアレを拾った俺だよ」
「でも、それでも事故だよ。虎杖の所為でも何でもない」
佐々木先輩は優しい言葉を虎杖に掛けてくれた。
「……悪い、先輩。俺、行かなきゃいけない所あるんだ。だから今日中に仙台を離れることになったわ」
虎杖の突然の告白に、佐々木先輩は驚いた。
「えっ、急に!?どこへ行くの!?」
「ちょっと家で色々と。……あ、アルクェイド、こっち来てくれないか?」
虎杖が呼ぶと、病室の扉の陰からアルクェイドがひょっこりと顔を出した。
その圧倒的な美しさに、佐々木先輩は「あ、昨日学校に来た超絶美少女!?」と大きな声で驚いた。
「この人──アルクェイドと一緒に、ちょっと約束果たさなきゃいけない事が出来てさ。……じゃあな、先輩。二ヶ月の日々だったけど楽しかったぜ!」
「井口先輩にも目覚めたらそう言ってくれ!」と言って嵐のように虎杖が笑って病室から去っていく虎杖とアルクェイドの背中を、佐々木先輩はただ呆然と見送るしかなかった。
よく晴れた青空の下で祖父の火葬はしめやかに執り行われた。
虎杖は普段着である動きやすい赤のパーカーに履き慣れたズボンを着て、アルクェイドと共に火葬に出席した。
背中には、必要な荷物とあの「人間の指」を詰め込んだスポーツバッグを背負っている。
火葬を終え、祖父の遺骨を拾い上げて外のベンチに座った虎杖と隣にはアルクェイドが座っている。
アルクェイドは虎杖の顔を覗くとその表情は、どこか吹っ切れたように清々しそうだった。
「辛かった?悠仁」
「…全然、このままクヨクヨしてたらまた爺ちゃんに怒鳴られるからな。よし!じゃあ早速向かうとするか。アルクェイド」
仙台駅のホームには、旅情を誘うアナウンスが響いていた。
虎杖は自動券売機で、自分とアルクェイドの分の「総耶」行きの新幹線の切符を購入した。
「…はい、これがおまえの分。それ無かったら乗れないから絶対に無くすなよ?」
「へぇ、これが『きっぷ』って言うの? 磁気で読み取るんだね。今の人間の文明って面白い物が沢山あるのね!」
初めて見る切符に目をキラキラさせて子供の興味津々のアルクェイドを促し、虎杖は駅に向かう最中に近くの売店で買ったばかりの駅弁を両手に抱えて、滑り込んできた新幹線に乗り込んだ。
新幹線の一般車内に入り、指定された席に腰を下ろすと、虎杖はホッと一息ついた。
「さっき売店で奮発して駅弁二つ買ったからさ。総耶に着くまで結構かかるし、食べようぜ」
「いいの? ありがとう、悠仁!」
チャイムが鳴り響き、新幹線が滑らかに加速を始める。
新幹線の窓の外を流れていく仙台の景色を眺めながら、虎杖は手の中にある切符をぎゅっと握りしめた。
故郷を離れ、総耶で起きている「吸血鬼」事件の街へ。
隣で駅弁の包みを嬉しそうに開けるアルクェイドの横顔を見ながら、虎杖悠仁は自らの決意を新たにする。
「アルクェイド、俺が責任ちゃんと取るからな。……何があっても」
新幹線は、彼らを乗せて運命と吸血鬼が潜む魔街「総耶」へと走り出した。
《突然の質問コーナー》
Q. 何か悠仁君、呪術高専介入ルート外れてない?
A.原作では宿儺の指を食って宿儺を受肉した後、秘匿死刑が決定して高専に向かうのですが、本作は伏黒が仙台の杉沢第三高校に到着するのが遅いのと本来出会う筈の無いアルクェイドとの邂逅で乖離してしまい、宿儺を受肉せずにアルクェイドと共に月姫の舞台である総耶に向かったので実質月姫ルートっぽくなりました。
次回から少しオリジナルを混ぜて月姫世界を書いていこうと思います。