フィクセーション   作:シュガーマン

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またまたシュガーマン の気分転換です。


グッドモーニング

「ねぇねぇ。」

 

「ねぇねぇ。」

 

「……ま、そっか。」

 

 

 

 

「次はこの人。ねぇねぇ。」

 

「……」

 

「やっぱり無理か。次は」

「ん。」

 

目が合った。

 

「わぁぁぁ!!!!」

 

うるさい。

目の前には私の頬をツンツンしてきてる少女がいた。

 

______________________

 

 

 

「ねぇ。落ち着いた?」

 

さっきまで通学途中だったのに何でこんな子と話してるんだ私は……?

 

「あなたがね。急に人の顔触って大声上げてさー。というかあなた誰?」

 

「私の名前は……うーん。なんだっけ。知ってる?」

 

「知らないから聞いたんだけど。」

 

「忘れちゃったや。名前を呼ばれたのなんてずっと前のことだからさ。」

 

「?名前なんて毎日呼ばれない?」

 

「あそっか。言ってなかったや。なんかさ。ずーーーっと私以外の人の時が止まってたっぽいんだよね。」

 

「…………は?」

 

……ず、頭痛がする…………

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

これは。

未来にたどり着く事が出来ない、固定された過去に生きる少女達の。いや少女の物語である。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

えーと。おちおちおちおちついて考えてみよう。

まずは少しずつ思い出していこう。

私の名前は一ノ瀬静。花のJK。17歳。

今日はたしか2026年の2月3日。

今は通学途中のはずだ。今いる場所もいつも通る通学路だし。

 

「時が止まってた……ってどゆこと?」

 

まずは知ってそうな人に聞いてみよう。妙ににこにこしてるこの人に。

 

「そのままの意味だよ?この道にはいないけどさ。あっちの大通りに出ればみんな立ち止まってる。

歩いてる途中で止まって片足立ちの人とか、車を運転している途中の人とか。手にコーヒーをこぼしたまま止まってる人もいるよ。」

 

「え、コーヒーをこぼした人見てるって事はもしかして……」

「もう犯罪者になっちゃったよ。不法侵入だね。まぁ止められた時の中でサツが動けるわけねぇがな。」

「キャラブレッブレだね?!」

 

通学路を歩きながら会話を続けていく。学校に遅刻したくないし。

………あ。

 

「もしかして学校とかも止まってる?」

「もちろん。」

 

私は立ち止まって膝をつき、四つん這いになった。

 

「なに絶望したみたいな格好してるの。」

「絶望したからしてるんだよ……」

 

……逆に考えればずっと夏休みみたいなものか。よし。

 

「……どこか座れるとこ行かない?」

「いいよ。どこのカフェも今は無料で出入りできるしね。」

 

______________________

 

私達は近くのカフェに入り、一息ついていた。

 

「たくさん疑問、あるんだけどさ。聞いていい?」

「どーぞどーぞ。会話に飢えてるからね。」

 

やったね。

 

「じゃあ、まずはじめに気になった事。周りの人は大体どのくらいの間止められてるの?」

 

「うーーん。その質問には答えられないね。だって分からないから。」

「え?」

 

「だって時計も止まってるからね。」

「あ。」

「ずっと数を数える訳にもいかないし。体感……………3ヶ月くらいかな。」

 

「さ、3ヶ月も1人で?!」

 

「……うん。君みたいに動き出す人もいなかったし。ずーーっと1人。」

 

「………そっか。………というか時計とかの機械も止まってるのにどうやって生活してきたの?!

お風呂も入れないしドライヤーも使えないじゃん!」

 

「まず出てくる機械がドライヤーなんだね…まぁ確かに電気も全部止まってるからね。大変だよ。まぁ電池とかで使えない事もないけど……

あ、これ言わなきゃ。……不思議なのがね。自分が触れると物は動かせるんだよ。」

 

 

…………

 

「……どゆこと?」

 

触れると動かせる……???

 

「当たり前だけどさ。あそこで落ちそうになってるカップあるでしょ。あれは止まり続けてる。」

 

目の前のテーブルから落ちそうになっているカップを指さしてそう言った。

 

「それが当たり前ではないと思うけど確かに。止まり続けてるね。」

 

「それをね。こうすると……ほら。」

 

 

彼女がカップに人差し指でちょんと触れた。

触れた途端にカップは重力を今思い出したみたいに落っこちた。

静かな店内にカップの割れる音が鳴り響く。

 

「ね。こんな感じ。あ、でももともとあった慣性とかは全部無くなってるみたい。」

 

「じゃあ車とかに触れると……?」

 

「理解が早いね。動いていた車に触れても急に動き出したりしなかった。乗ってた人がアクセル踏みっぱなしだと多分また進み出すけどね。」

 

なるほど。だんだん分かってきた。

 

「止まってない人が物に触れるとその物が動き出す…でも時計は動かないの?」

 

「何でか分からないけどね。やっぱり時を止めた神様のこだわりかな?」

 

 

神様、か。確かに神様がいないと説明つかないような事だけど……

 

「最後に!何で私は動き出したの?」

 

「君がこの世界に必要だって神様が思ったんじゃない?そういえば名前聞いてなかったね。名前は?」

 

「静です。一ノ瀬静。あなたは……ってあなた名前忘れたんですよね……」

 

「あ、あれ嘘だよ。」

 

「……え?」

 

忘れてなかったの?!というか今考えれば3ヶ月で名前忘れるとかあり得ないもんね!!

 

「私の名前は水島茜です。よろしくね!静!」

 

ここからどうなるんだろ……私………

 

 

 

 

 

 

……ってあれ?眩暈がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

どうやら知らぬ間にカフェで寝ていたみたいだ。

誰かに体を揺らされている。

 

「ん〜。」

 

伸びをしながら起き上がる。

寝てたら茜に怒られる〜

 

カフェで流れている曲をBGMに立ち上がる。

………あれ?曲が流れてる?

 

寝ぼけていた頭が一気に冴えてきた。

 

「大丈夫ですか?眠っていたようですが……?」

 

………え?

 

私の目の前には、さっきまで止まっていた店員さんがいた。

 

 

 




好評なら続く……かも。
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