個性【クロスオーバー】リメイク   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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個性把握テスト

「ハッハッハッ」

 

 早朝からランニングすること100キロ。

 

 隣の県まで行って、帰ってくるランニングを1時間で済ませ、眠気を覚ましてから、朝食を食べる。

 

「本体、ランニングお疲れ~」

 

「分身も朝食作ってくれてありがとね」

 

 ドロンと分身は消滅し、テーブルの上に作られた朝食が置かれている。

 

 今日のメニューはほうれん草のエッグトーストにフレンチトースト、コーンポタージュにスーパーで昨日安売りしていたサラダの付け合わせ……これで合計400円なのだから自炊万歳である。

 

 なんだかんだ1人で生きていくために自炊は覚えてしまったし、皆が居た頃には殺せんせーに料理のアレコレを教えてもらったので、結構腕には自信がある。

 

 まぁ殺せんせーは何でもごま油使うクセは辞めたほうが良いと思ったけど……。

 

 器にトースト2枚ずつ乗っており、エッグトーストから齧り付いていく。

 

 ニュースを見ると、オールマイト雄英高校教員就任の話題で一色。

 

「やっぱり平和の象徴とも言われるオールマイトが教員をやるのは影響が大きいなぁ……でも天才タイプって指導に難がある事が多いらしいけど、オールマイトは大丈夫なのかな?」

 

 一応私の中に居た皆は、誰かを教えるのが得意な人達だったけど、人を教えるのはそう簡単ではないと常々言っていたっけ。

 

「さてと」

 

 ペロリとご飯を平らげてから制服に着替える。

 

「んん、胸がだいぶキツイな……大きめのサイズ頼んだのに……」

 

 そんな事を考えながらマンションから出て、雄英高校に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 距離にして2駅。

 

 まぁ私からしたら徒歩2分の距離である為、走って雄英に向かうが、新入生や在校生達がぼちぼち登校していた。

 

 私も1-Aの教室に入ると、何人か生徒が座っていた。

 

 私の座席は中央ドア側の前から2番目か……。

 

「ねえねえ! 隣だね! 私芦戸三奈! よろしく!」

 

「私は廻流瞳! よろしくね芦戸さん」

 

「クラスメイトだし呼び捨てで良いよ! 三奈って呼んで!」

 

「OK! 私はどっちでも良いよ」

 

「廻流って苗字珍しいし! 廻流で! 廻流はどこ出身なの? 私千葉!」

 

「私群馬の南の方。いやー雄英遠いこと」

 

「だよねーじゃあ一人暮らしだ!」

 

「三奈ちゃんも一人暮らし?」

 

「そうそう! 自炊が面倒くさくて!」

 

「簡単なメニュー教えようか? 料理得意なんだー」

 

「家事得意系女子! 女子力高いヤツだ!」

 

「何話してるの?」

 

 すると私の横に座った女子が話しかけてきた。

 

「私耳郎響香、よろしく」

 

「私廻流瞳! こっちが」

 

「芦戸三奈! よろしく!」

 

 耳郎ちゃんも加わって3人で喋っていると、そろそろホームルームの時間ということで席に着席する。

 

 というか時間が近くなったら真面目そうな男子が机に足を乗せている男子に注意しに行って揉めていた。

 

(まぁそういう子も居るよね)

 

 勉強や運動できるけど態度悪い奴。

 

 真面目君も突っかからなければ良いのに……。

 

 そんな事を考えていると、モジャモジャ頭の子と女子が時間ギリギリで教室に入り、その後ろに寝袋姿の相澤先生が待機していた。

 

「お友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

 相澤先生……寝袋姿じゃ説得力が……無いです。

 

「はい、静かになるのに8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」

 

 先生なのでプロヒーローなのであろうが、テレビで出てくる様な華やかなヒーローとは全く違うタイプ。

 

 正直この姿だけ見ると大丈夫か? と思ってしまう。

 

 担任の相澤消太だと説明があり、早速体操服に着替えるように指示され、グラウンドに移動となった。

 

 入学式やガイダンスもそっちのけで抜き打ちのテスト……個性把握テストというものをやるらしい。

 

「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは教員側もまた然り」

 

 どうやら教員側である程度はカリキュラムを自由にいじることができるらしい。

 

 つまり担当教員によって授業の進め方もガラリと変わる。

 

 向き不向きの先生に当たることもあるし、それ即ち教員側の能力で生徒の習熟度合も大きく変わるということに他ならない。

 

(相澤先生はそれだけ自分の教育に自信があるってことかな?)

 

 個性把握テストは中学の頃からやっている個性禁止ほ体力テストの延長線。

 

 ソフトボール投げ、たち幅跳び、50m走、握力、反復横跳び、長座体前屈、持久走、上体起こし……合計8種目を個性アリでテストするとのこと。

 

 相澤先生は、近くに居た爆豪という教室で机に足を乗せていた不良っぽい男子にソフトボールを手渡し、個性を使って投げてみろと言った。

 

「死ねぇ!」

 

 手が爆発し、ボールがすごい勢いで上空に飛んでいく。

 

 まるで大砲である。

 

 どうやら爆豪という男子は爆発系の個性の持ち主らしい。

 

 記録は705.2m。

 

 個性無しだったら不可能な記録である。

 

「まずは自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

 爆豪のソフトボール投げを見て、称賛、個性を自由に使える事に対する喜び、そして楽しそうと三奈ちゃんが言うと、相澤先生は面白そうという言葉が気に触ったらしく、トータル成績最下位いを除籍処分にすると明言した。

 

 これに触発されて、クラスの皆のやる気が上がるのを感じる。

 

 まぁ私も今の自分の実力というのが気になるので、手を抜くわけにはいかないが……。

 

(でも除籍という負の側面でやる気を出させるのはすばらしくないですねぇ……でもやるからには1位を目指しましょうか!)

 

 

 

 

 

 

 

 第1種目……50m走。

 

 こういうのはやっぱり機動力を上げられる個性が強い。

 

 例えばエンジンという個性の男子……飯田君は足からマフラーが生えていて、スタートと共に高速で移動したり、爆豪君なんかは、両手を爆発させて推進力を生み出し、好タイムを出していた。

 

 他にも地面を凍らせて滑る轟君、腹からビームを発射して飛んでいく青山君、三奈ちゃんも酸性の液体を身体から出せる個性を活かして、地面を滑るように進んでいた。

 

「さて、私の番か」

 

「負けませんわよ!」

 

 横には八百万さんがクラウチングの姿勢を取る。

 

 私は普通に立った状態でスタートの合図を待つ。

 

 ロボット審判が位置についてと合図を言い始めたので構え、剃を繰り出す。

 

 スタートと同時に出発し、ゴールライン1歩手前で剃を解除し、残りの1歩は普通に走る。

 

『ピピ、2秒1』

 

 その2秒後に4秒台で八百万さんが飛んできて、ゴールしていた。

 

「廻流さん!? 何をしたのですか?」

 

「ん、ただ速く走っただけだよ」

 

 正直剃の状態で走り抜ければ2秒を切れたかもしれないが、とりあえず現状1位を確保。

 

「すっげぇ……2秒だってよ」

 

「廻流ヤバ」

 

「身体強化系の個性か?」

 

 皆私が何の個性か言い合いをしている。

 

 続いて第2種目……握力。

 

 私の横では障子君が540キロというとんでもない記録を出しており、更に横では八百万が万力使って1トンとか記録を出していた。

 

 流石にクラスメイトからツッコミが入るが、個性を使って出した物だからOKらしい。

 

(とはいえ私もそれくらいは出せるからなぁ)

 

 ぐっと力を入れると、数値がどんどん上がり、私も1トンの数値を出した。

 

「ご、ゴリラや……ゴリラがいる……」

 

「やっぱり身体強化系個性か? オールマイトみたいな!」

 

 周りからはそんな事を言われるが気にせずに次に行く。

 

 第3種目……たち幅跳び。

 

 これは常闇君が強かった。

 

 ダークシャドーという個性で飛行できるので結構な大記録を打ち立て、次に爆発で小ジャンプを繰り返せる爆豪君も結構な記録。

 

 あと蛙吹さんがカエルの個性で大ジャンプしていた。

 

 ……私? 月歩で移動できるのでねぇ……。

 

「あいつ空中歩いてるぞ」

 

「強化系の個性じゃねぇのかよ!」

 

「チートだ! チート!」

 

 そんな事を言われてもねぇ……。

 

 第4種目反復横跳びはまぁ普通にやったけど、シューズを壊したくないから裸足でやったら100回超えていた。

 

 なんか摩擦で体育館に焦げた跡が付いていたけど……。

 

 そして第5種目……ハンドボール投げ。

 

「せぇの!」

 

 チャクラ、念、そして覇気のそれぞれで肉体を強化し、一気に投げる。

 

 忍術の1つとして投擲は役に立つと教わっていたので、投げるのは得意。

 

 思いっきり遠投したら、爆豪君の記録を超えて1キロと計測されていた。

 

 まぁそれより麗日さんが無限を出したり、八百万さんがドローンにソフトボールを運ばせて大記録を出していたりもしたが……ここまであまり良い記録が出ていなかったモジャモジャ頭の緑谷君が個性を使おうとしたら、相澤先生の抹消の個性で個性をキャンセルされてしまう場面もあった。

 

 緑谷君は超パワーの個性らしいが、個性の負荷に体がついてこれないらしく、それでいて0か100の制御ができなくて、個性を使う度に骨がバッキバキに折れてしまうのだとか……。

 

 その気持ちは分からなくもない。

 

 念を使えるようになった時、絶の習得に手間取って干からびそうになったり、覇気の出力間違えて、全身バッキバキになったりしたこともあったからなぁ……。

 

 相澤先生は個性を使うと動けなくなることを問題視していたらしく、2投目で指だけに力を込めて、痛みに堪えながら、動けるとやれることをやった、成長する姿を見て、少々驚いていた。

 

 そして残りの種目もそれなり……長距離走はぶっちぎったし、長座体前屈は猫とか液体とか色々言われるくらいの柔軟性を見せた結果、個性把握テストでは堂々の1位を獲得。

 

 特待生組を超えられたのは素直に嬉しかった。

 

 その日は個性把握テストだけで授業は終了となり、残りの時間は一応ガイダンスが行われ、各教科についての説明とヒーロー基礎学について言われるのだった。

 

 時間割としては午前4時間が基礎科目……国、数、英のお馴染み3教科と日本史、世界史、地理の社会系、生物、化学、物理の理系3種ずつを学期毎に変えて習っていく。

 

 普通の高校だと選択で選べることができるが、雄英の場合全部教える気らしい。

 

 そして午後2から3時間はヒーロー基礎学をヒーロー科は習う事になる。

 

 体育の代りでもあり、肉体を動かすものからヒーローになるために必要な法律や事務所を運営するのに必要な書類作成能力と体動かす6割、座学4割の比率で勉強していくらしい。

 

 勿論こんなカリキュラムなので土曜日も学校である。

 

 休みは日曜日だけ……まぁそれは仕方がない。

 

 とりあえず雄英高校の1日はこうして終わっていくのだった。

 

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