ドクターゲロについて、嫌な奴だが優秀な科学者とブルマも父から聞いた事があった。生存や研究所について知ったのは人造人間が現れた日から生還した悟飯に聞く迄に一年後。
更に悟飯の話では研究所は壊されていた事から考えに入れてなかったのが原因で、フラッペから地下室があるかもしれないと聞くまで手付かずだった。
「但し、知ってたとしても人造人間いるかもだから地球中の人間の中で近付きたいのはいなかったろうけど」
「わ、わかります」
ブルマとビーデルにフラッペは、悟飯とはっちゃんが交互に先行して安全確認、合図をしての移動を繰り返していた。
場所は北の都近くの山地、ジングル村同様に防寒着は来ていたが寒さ以上に恐怖があった。
【この状況は賭けだ】
仮に人造人間が帰って来たら終わり。悟飯とはっちゃんが敵う相手ではない。
舞空術を覚えたから移動を手伝えるビーデルと、研究所の位置を推測出来るし科学者としての知識が必要な場合に備えて同行したフラッペとブルマは非戦力だ。
やはり厄介とすべきな点は、何度も考えたが相手が人造人間な事。実は殺されたビーデルの父サタンが二人を強力な爆弾か何かを持つテロリストか何かに思っていたと聞いたが、悟飯には他人事ではなかった。
仲間が殺された一因として痛感しているが、サイヤ人やフリーザのように向き合っただけで力を感じられないので暴れている二人の元へ向かった際はサタンと似たような考えもしていたのだ。気付いた時には手遅れだった。
ーーーーーーーあの時の戦い。
『ご、悟飯・・・・逃げ、るんだ・・・・』
『ピ、ピッコロさん!ピッコロさ~~ん!』
『く、クソッタレ!全然パワーを感じないのにどうなってやがる!』
漸くフリーザすら比較にならない戦闘力だと痛感した時には父と同じくらいに尊敬するピッコロが殺され悟飯は泣き出してしまった。ベジータですらボロボロにされた。
『な、何者だってんだ・・・・っ、あのマーク?』
途中でヤムチャが服のマークに気付いたのを人造人間側が気に停めた。一応データを聞かされたので面白半分に話し始めた。
『おぉ、そうだったな。確か地球人の中には知ってるのがいたっけ、俺達は【レッドリボン】に産み出された人造人間なんだよ』
言われたように地球人側が気付いた。嘗ては最低で最悪で警察すら手に負えないとしていた軍隊、悟空が叩き潰したハズとクリリンが言った時にサービス代わりに説明が始まる。
『私達はね、レッドリボンで狂人的科学者として有名なドクターゲロに産み出されたんだ。尤もゲロは気にくわないから私達が殺したし、研究所は壊しちゃったのよ』
『じ、人造人間。つまり、アンドロイドだから。気なんか無いっ!』
『ほう、その小さいのは気付いたな。そう言えばゲロがデータ見せたりしやがったっけ。今死んだピッコロが孫悟空と戦った武道会・・・・成る程、わかったぞ!道理で不用意に来たワケだ!気を探る事に馴れ過ぎて過信したのか!俺達を強力な武器持ってるだけと思ったりでサイヤ人ってのみたいには思わず仕掛けてこのザマって事か!』
『あ~、成る程。確かナッパってのが地球に来た時みたいな爆発起こすような攻撃やらなかったし、精々ラディッツって奴な程度な宇宙人が来た考えで来たんだ』
『だっ、黙れええっ・・・・ふおおっ!?』
笑いながら自分達の失敗を指摘される怒りでフルパワーで向かって行ったベジータはカウンター気味に放たれた18号の一撃をボディに受けて息絶えた。内臓が内部で破壊され尽くす程の衝撃だったのだろう。
『くっ、やむを得ん。クリリン?』
『そ、そうか・・・・』
『お、太陽拳を使って一旦逃げる気だな。サングラス持ってるぜ?』
『さ、サングラスだと・・・・!』
実はハッタリ。天津飯が最初に悟空に不覚を取らされた時のデータも見ていた。その隙にヤムチャが首筋に、天津飯が腹部への一撃で殺されてしまった。
『て、天さん・・・・けっ・・・・!』
衝撃波で餃子が死んだ。
『に、逃げろ悟飯!』
呼び掛けた後にはエネルギー波を受けてクリリンも死んだ。残ってたのは悟飯だけだ。
『おや、逃げないのか・・・・顔からして孫悟空の息子か?』
『そ、そうだ。僕は孫悟空の息子だ!お前なんかに・・・・お前なんか、に・・・・負けるもんかああっ』
嘗て、ナメック星でリクームという強敵に成す術なく打ちのめされた時と同じように自分を鼓舞して向かって行ったが、ハエか何かのようにあしらわれた。パンチやキックはすり抜けてるように当たりもしない。
『ねえ、もう飽きたよ。孫悟空の息子だからって少しは期待したけど』
『そうだな、じゃあ?』
何をされたか理解しないまま悟飯は数百メートル吹き飛ばされた。立ち上がって目にしたのは自分にエネルギー弾を放とうとしている二名だが。
『どああああ~~っ!』
いつの間にか近くにいたヤジロベーが18号に斬りかかるが、左腕のガードで刀は折れて弾かれてしまい、後方に背中から落ちた時には下腹部をエネルギー波で撃ち抜かれて死んだ。
そして、改めて自分に撃ち込まれたエネルギー弾を悟飯はありったけの力でピッコロから教えてもらった魔閃光を放って迎撃したが、押し負けて片腕を無くす程のダメージを受けて一年意識を失っていた。
ーーーーーーー。
屈辱の記憶を思い出したが、悟飯なりに考えた事はある。あの時に殺されなかったのは相手の力や位置を探る機械、つまり【スカウター】のようなものを装備してないのではと。
「俺にも無い。ゲロの事も孫悟飯が来た時に初めて知った」
だが、ブルマが言うには飽きただけとする可能性もある。世界各地で暴れているが、生き延びた者の証言で楽しみながら人々を殺しているから遊び半分かもと。だが、手を出さないままではいられない。
「このままでは地球人は時間を掛けて殺されるだけだからにしても、やはり賭けだな、私の知るドクターゲロの実力は本物だ。スカウターという機械のようなレーダーを造れる可能性は高い」
フラッペの言う事も真実だろう、そもそもフリーザを遥かに上回るパワーを持つ存在を産み出す等と、そのような存在はフリーザの組織にいた者達の中にもいないだろう、いたらスーパーサイヤ人等は恐れるに足らない。
そう考えながら恐怖を振り払って暫くの間進んだ。フラッペは記憶と推理で左の山の向こうを見据えた。考え通りならとして悟飯に見てもらって来た結果は。
「それらしき場所がありました」
確かに、朽ち果てた機械が幾つか岩に紛れるか下敷きになった場があった。自然災害か恐竜でも来たら崩れる範囲内だが当たりかもしれないとした時、はっちゃんが何かに引き寄せられるように岩をどかした。
「地下室に伸びてますな穴ね。行きましょ」
「いや、凄い度胸じゃな」
「こちとら話題に出したフリーザとかのせいで惑星爆発寸前程度な危険に直面したブルマ様、まあ旦那が死んで何とかしてよな対象が怪我人じゃね」
「ちょ、ちょっと・・・・良いの?」
「いや、別にブルマさんが言う事キツいの昔からです」
ビーデルには慣れが無い、梯子が壊れそうな重さのはっちゃんを先に悟飯とビーデルが舞空術で下ろし、次にブルマをビーデル。フラッペを悟飯が抱えながら下りたが、どうやら当たりだ。
奥にあった扉を開いたが、不意に手探りなフラッペが照明スイッチを押して全員が心臓に悪い思いをした。仮に留守を守る何かが働いてたらとして数分経った。
「あ~、冷や汗だらけ。大丈夫だったようね。何か、あれば助、か?」
床に散らばっていた設計図を見つけてブルマの表情が変わった。設計図には自分達が求めていたものだとわかる文字があった。
「ね、ねえ。大声出さないでね、これ【人造人間17号の設計図】よ」
「ほ、本当ですか。これを持ち帰って」
「うむ。私の研究所で調べれば何かわかるかもしれん、さあ帰ろう」
全員が喜びの色を浮かべるが、はっちゃんが何かを見るようにしていた。崩れた場の奥に何かを感じていた。
そして、何かが開く音が響いた。
「・・・・お前達か、俺を目覚めさせたのは。明かりが着いた弾みでカプセルにも電気が来た」
「き、君は【ゲボ】・・・・ゲボなのか?」
「違う、それは俺のモデルになった男だ。貴方は・・・・フラッペ博士か?」
モヒカン髪の物静かそうな顔、黄緑色のプロテクターをしている巨漢はフラッペに語った事の解答を述べた。
「俺は【人造人間16号】・・・・孫悟空を殺す為にドクターゲロの息子をモデルに産み出された存在だ」
聞き捨てならない言い方に悟飯とはっちゃんがビーデル達の前に出て立ちはだかってしまった。言った通りならとしたが。
「やめろ、俺は孫悟空以外は殺す気は無い・・・・お前達、教えろ。ドクターゲロと孫悟空はどうなっ・・・・お前は孫悟空か、いや違うな・・・・誰なんだ?」
「僕は孫悟空の息子・・・・孫悟飯、お父さんは四年前に死んでしまった」
表情を変えず悟飯を見下ろすが、その瞳に悲哀が浮かんだのをはっちゃんだけが気付いた。
原作の敗因って多分相手が気を感じられない人造人間な点もやはりあったかもな回。