暗くて、暗くて、暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて暗くて
不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安で不安
死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて
俺は…どうすれば…この『呪い』を…『運命』を…拒否できるんだ?
…俺はどうすればいい?なぁ…教えてくれよ…
『邨仙沁逅?』
『…ス…ア…ス……ゼス…』
『アゼス!』
「…っ…」
ゆっくりと目を覚ます。どうやら無意識のうちにアビドス校舎まで到着していたようだ。そして、部室で小鳥遊率いるアビドスメンバーと、先生がこちらに視線を向けている。
『だ、大丈夫?さっきから呼びかけても反応しなかったんだけど…』
心配している表情で、俺の方を見つめてくる先生。しっかりと見つめ返して、返答する。
「…大丈夫だ。少しボーッとしてただけだ。」
『…あの…アゼス…その…』
…?やけに先生の顔が赤い。疲れているのだろうか?
『…あの…近い…』
「…?そうだな。だから何だ?」
先生が、さらに顔を赤くする。
『いや、その……近いっていうのは……顔が……』
「顔?」
自分でも分からず、少しだけ首を傾げる。 その瞬間。
『っ……!』
先生の肩がびくりと震えた。
「……?」
やっぱり意味が分からない。
俺はただ、普通に話しているだけだ。
けれど――
気づけば、俺と先生の距離はかなり近かった。
椅子に座っている先生を覗き込む形になっていて、互いの呼吸が触れそうなほど。
「……あ。」
そこでようやく理解する。
「悪い。」
少しだけ身体を離す。
『う、ううん……別に……』
先生は視線を逸らしながら、小さく首を振った。
耳まで赤い。
……本当に大丈夫なのか?
「熱でもあるのか?」
『な、ない!!』
即答だった。しかも妙に大きい声。
「……そうか。」
ならいい。
深く考えるのも面倒で、俺はそれ以上追及しなかった。
「…アゼス…あんたね…」
「…黒見か。」
俺がそう言うと、何処か動揺したような表情を黒見が見せた。いや、黒見だけでなく、小鳥遊や砂狼までこちらに視線を向けていた。
「…わ、私、何か変なこと…した?」
「…何がだ、黒見。」
「…っ…」
「……別に」
そう言って、ぷいっと顔を逸らした。だがその表情は、どこか暗く沈んでいた。
「……?」
意味が分からない。
俺、何か言ったか?
『……アゼス』
先生が、少し困ったように口を開く。
『セリカは、多分そういう意味じゃなくて……』
「……?」
ますます分からない。すると。
「……名前」
「…え?」
「何で名前で呼ぶのやめたのよ…私のこと、“黒見”って呼んだじゃない…」
「…いや、普通だろ」
「そうだけど!」
突然、黒見が勢いよく振り返る。
顔が赤い。
怒っているようにも見えるし、違うようにも見えた。
「いつもは……その……」
言葉が詰まる。
視線が泳ぐ。
「……セリカって呼ぶじゃない」
「…………」
そこで、ようやく理解した。
「あ〜……」
寝起きで無意識だった。いや、昔のことを思い出したからかもしれない。
殴られ、蹴られ…思い出したくもないが…まあ、昔の記憶に引っ張られていたのだろう。
俺は変われる。
「悪い、これから気をつける。セリカ。」
次の瞬間、黒見…いや、セリカの顔が満面の笑みに変わる。
「そうよ!そっちのほうが良い…じゃなくて!」
自分が言っていることが恥ずかしいかのように、顔を赤くして話題を変えるセリカ。
「今はアゼスの話でしょ?」
砂狼…じゃなくて、えっと…
「そう思うでしょ、シロコ先輩。」
「ん、私達は聞く権利がある。」
…そうだった、シロコだ。
「…あの、傷は。」
ピンク色の髪の生徒、小鳥遊…だったはず…が口を開いた。どうやら、俺の服の下の傷が気になっているらしい。いや、小鳥遊だけでなく、全員が気になっているようだ。
『…アゼス…話せる?』
先生が心配している顔でこちらに視線を向ける。が、その心配は不要だ。
「大丈夫だ。ちょっと、暗い話になるかもしれないが、いいか?」
全員が頷いたことを確認して、俺は話し始める。
「そうだな…どこから話したものか…」
――――――
俺の小さかった時の話をしようか。
…まあ、俺の生まれた家庭はごく普通の家庭だったんだ。父と母の仲がよく、未来に思いを馳せている…そんな家庭だった。
俺が生まれるまでは。
俺が生まれて男だと分かった瞬間、親の態度は激変した。いや、本来の性格が表れたのかもしれないな。
俺は赤ん坊くらいの頃も覚えておける記憶能力があるらしくてな、その時のことを鮮明に思い出せる。
毎日殴られ、蹴られ、暴言を吐かれ…時にはナイフで切られたりしたな。で、その傷跡がまだ身体に残ってるわけだ。まあ、殺されなかっただけ運が良かったのかもしれないな…
…そんな顔しないでくれよ。別にお前たちが痛みを経験してるわけではないだろ?
続けるぞ。
最初は理由なんて分からなかった。ただ、殴られるのが普通だったからな。
泣けばうるさいって殴られて、笑えば気持ち悪いって蹴られて、醜い顔だって一日中叩かれ続けて…まあ、虐待されつつの監禁生活だったんだ。
そんな生活が10年間くらい続いたんだ。
俺はある時、警察署に逃げ込んだんだ。助けてくれって。この地獄から俺を解放してくれって。
…けど、駄目だった。俺の父は、警察署でも屈指の権力を握っていたんだ。母も、一流企業で働いていた。
俺を助けてくれる場所なんて、どこにもなかったんだ。
学校も、ろくにいけない日々が続いた。たまに行って担任に心配されたりしたが、心の底からどうでもよかったな。単純に邪魔だったんだろう。
13歳くらいの頃だろうか。いつのまにか、俺は痛みを感じなくなっていたんだ。いや、何というか、苦しいとか、悲しいとか、そういうのが感じられなくなってたんだ。
叩かれようと、何をされようと、心が動くこともない。……何も感じないって、楽なんだよ。
悲しくないし、苦しくない。何をされようが、どんな拷問を受けようがどうでもいい。
だから、その頃にはもう……助けてほしい、とも思わなくなってた。
……ある日、父親が言ったんだ。パチンコ屋でな。
【お前は何のために生まれてきたんだ?】
って。別に、毎日言われてたことだから、どうでもよかったんだ。
けど…その一言で、俺は前よりも
ああ、俺、生きてても意味ないんだな、って思うようになったんだよ。
家に帰ったら、母親からガラスを投げつけられたよ。肌が切れた。けど、痛みは感じなかったんだ。表情が変わらなかったからか。俺を罵るときの顔をして、言ったんだ。
【どうしてよ!どうして男の子なのよ!どうして、女の子として生まれてこれなかったの!?どうして…何で、私達がこんなに苦労しなきゃいけないのよ!何でよ!何で!何で普通に生まれてこれなかったのよ!】
【なあ、お前…】
【…んで…】
【【今すぐ死んで…】】
…翌日、俺の親はこの部屋からいなくなったんだ。俺だけを残してな。残ったのは、テーブルの上に置かれている銃と、俺の学生証だけだった。
もう、死んでやろうかな、と思って、テーブルの上にあった銃を取ったんだ。
頭に突きつけた。不思議と怖くはなかったんだ。いや、むしろ嬉しかったのかもしれないな。
…いや、違うな。どうでもよかったんだろう。自分のことなんて。
そして俺は…引き金を引いたんだ…
世界から、音が消えた。
銃声も。呼吸も。心臓の鼓動すらも。
何も聞こえない。何も感じない。
ただ…『落ちている』
そんな感覚だけがあった。
気づけば、真っ暗な空間に立っていた。
上下も分からない。地面があるのかすら分からない。
なのに、俺は確かにそこにいた。
『……可哀想に』
知らない声が、聞こえた。
真っ暗だった空間に、淡い光が灯る。
闇の中に、“人影”が現れ始める。
一人。 二人。 三人。 いや――
数え切れないほど。
全員、女だった。
しかも、その全てが人間離れした美貌を持っていた。
月光のような銀髪を持つ女。
星空を閉じ込めたような瞳をした少女。
漆黒のドレスを纏った妖艶な女。
雪のように白い肌。
宝石みたいな瞳。
見る者全てを魅了するような、美しすぎる存在。
だが――その誰もが、“人間ではない”。
本能で理解できた。
彼女達は、もっと別の何かだ。
白銀の長髪を揺らした女が、静かに口を開く。
透き通るような、美しい声だった。
『ずっと見ていたわ』
『あなたの人生を』
『生まれた瞬間から』
紫紺の瞳をした女が、小さく目を伏せる。
『酷い人生だったわね』
『あまりにも理不尽で』
『あまりにも、残酷だった』
赤い瞳の少女が、苦しそうに眉を寄せる。
『痛かったでしょう?』
『辛かったでしょう?』
『苦しかったでしょう?』
周りの他の女性達も集まってくる。
『かわいそうに。』
『あなたが…あんな思いをする必要はない!』
『…大丈夫…ですか?』
…俺は自然と
「別に」
と答えていた。何も感じていないし、苦痛にも思っていなかったからだ。ただ、全てがどうでもよかったんだ。
目の前の“彼女達”が、そんな顔をする理由も分からなかった。
銀髪の女が、静かに目を伏せる。
その表情は――まるで、自分のことのように痛みを感じているみたいだった。
『……駄目』
小さく、呟く。
『そんな顔で、“別に”なんて言わないで』
「……?」
意味が分からなかった。
『私は…私達は、あなたにそんな顔をしてほしくない!』
…わからなかった。彼女らが何を考えているのかも。俺がどんな顔をしているのかを。俺は、何もわからなかった。
…意識が浮上する。現実に戻ってきたようだ。
…俺は自然と、もう一度頭に銃を突きつけ、引き金を引いていた。
…もう、迷うことはなかった。全てのペルソナの名前が分かる。全員が俺を好いている事が分かる。愛情が、分かる…俺はもう、大丈夫だ。
その後、俺は公園をブラブラ散歩してたんだ。そしたら、連邦生徒会長って奴が来たんだ。まあ、俺にとっての親代わりのようなものなのだが。彼女は、俺を保護しに来てくれたらしい。当時小学生の俺には、ありがたすぎる話だった。
彼女とたくさん話をした。普通のこと、食べ物のこと。
やたらと聞かれたことは、好きなタイプについて…何でなのかは今でも分からん。一緒に5年くらい生活したと思う。
そして…連邦生徒会長は行方不明になってた。
お礼を、伝えたかったな…
そして、先生と出会って、今お前たちといるってわけだ。
―――
『…途中から説明が雑になってないかな?』
「めんどくさかったんだ。どうでもよくなった。」
…部室は静まり返っていた…やけに、先生がタブレット端末…シッテムの箱を見ていたのが印象的だった。
…ともかく、今日は解散ということになった。何やら、皆気持ちの整理をつけるとのこと。
…どういうことなのか、俺にはわからなかった。
最後の方雑になった。許してください。今回で設定盛り込みました!前世の方はもっと酷いことされてたけどね!