シャーレから出た俺たちは外へ出た。
そこには早瀬たちが待っており、なぜか少し睨んでいる。
……なんでだよ。
「さて、アゼス君。ここまでのこと、しっかり説明してもらうからね……」
「私もちょっと興味ありますね……」
「私も」「私もです」
……なんてこった。面倒くさい。
「あ〜……まず伝えておくことがある。俺はシャーレに――副部長として就任することになった。」
「「「「は?」」」」
……なんでそんな反応なんだよ。
「そ、それって……ミレニアムをやめるってことなの?」
「いや、学校には行くさ。」
早瀬は胸をなで下ろしたが、他の三人は――
「ヒナ委員長に……どうしましょう……」
「ナギサさんとミカさんに……伝えなきゃ……」
「私たちが声をかけていれば……スカウトできたのに……?」
と、絶望したようにブツブツ言っている。
顔色が青くなったり赤くなったり青白くなったり……見てて面白い。
……だからだった。
数十人のスケバンがこちらに向かっていることに気づけなかったのは。
「っ……おい!」
「え?な、なんですか……?」
説明している時間が惜しい。
俺は早瀬たちに覆いかぶさり、体勢を低くして衝撃に備える。
「な、き、急になんです――」
次の瞬間、弾丸が俺の身体を貫く。
「アゼス君!」
「大丈夫だ。痛みはない。」
血を見て怯える早瀬たち。
……あとで謝らないとな。
「アゼス!」
「先生、心配すんな。……お前ら、コイツらに手を出すな。俺が一人でやる。」
自分でも驚くほど低い声が出た。
胸の奥が煮えくり返るような怒り。
知り合いを撃たれたのは、思った以上に腹が立つ。
火宮の無事を確認し、俺はスケバンたちへ歩き出す。
――おい、お前ら。力を貸してくれるよな?
(((当たり前のことだ。我が主よ。)))
スケバンたちは俺を見て震えた。
「ひっ……下神アゼス……!」「来るな……!」「コイツがいるなんて聞いてない……!」
辺り一面に殺気が満ちる。
「……覚悟はできてるか……?」
怒りが静かに燃え上がる。
俺は銃を構えた。
敵にではなく――自分の頭に。
「アゼス……何を……」
先生はこの瞬間、目撃することになる。
下神アゼスが“最強”と呼ばれる理由を。
「……ペ……ル……ソ……」
前世の記憶がフラッシュバックし、意識が沈む。
【…とっとと死ね、このクソ野郎が!】
【アンタ、生きてる価値なんかなくない?金持ってきなさいよ!オラッ!】
【…死ぬよこれ…どうする?】
【しょうがないだろ…言うこと聞かなかったこいつが悪いし…】
【なんで…なんで女の子として生まれてこれなかったの!?】
【…お前、もう生きてる価値ねぇよ…】
【死んで…今すぐ死んでよ!!】
「ペルソナ!」
銃声。 青いオーラが立ち上る。
「来い!ゼウス!」
背後に少女の姿が現れる。
(また貴方が私を呼んでくれた……
その声だけで、私は存在する意味を思い出す。)
(だが……許せない。
我が主を撃った? 血を流させた?
……代償は払わせる。 “殺すな”という命令は守る。
だが――“殺さなければいい”のだろう?
ならば、意識を刈り取る程度は許される。
恐怖を刻むのも許される。 主を傷つけた愚かさを、魂に焼き付けるのも許される。)
「……私は全知全能の神、ゼウス。貴方に今、いいや、いつでも私の全てを差し出そう。我が主よ。」
スケバンたちは戦慄した。
動けば死ぬ――そう確信した。
「ゼウス、抑えろよ。殺気を放つだけだ。意識を刈り取るくらいにしろ。」
(……了解した……)
(……“殺すな”という命令……
もちろん守る。
だが、“殺さなければいい”のだ。
ならば――最大限、主のために怒りを振るう。)
次の瞬間、ゼウスの殺気が一気に広がり、スケバンたちは全員気絶した。
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「……主よ、終わったぞ。」
「おお、お疲れ。……なんだ、またか?」
「ああ……また、だ。」
ゼウスは俺に飛びついてくる。
抱きしめ、頭を撫でてやると、幸せそうに目を細めた。
(ああ……この腕……
この温もり……
この瞬間のために私は存在している……
もっと……もっと触れてほしい……
もっと私を必要としてほしい……)
(((((次は絶対私(俺)を呼んでくださいよ!)))))
……力加減が上手くなったらな。
(((((………………))))))
また黙秘権か。
後ろから先生たちが近づいてくる。
……説明、面倒くさいな。
そう思いながら、俺はゼウスの頭を撫で続けた。
ペルソナとなった神様たちは、半分くらい性別が女性になっています。その上で、皆アゼスが大好きです。一線を超えたいとか思ってる奴は普通複数います。というか大体の奴が…かもしれない