神話使いの男子生徒   作:ok.ko

7 / 17
ペルソナギリギリ出せる…はず…


ゴミはゴミらしく

…俺は身体の再生を終わらせた後、しっかりと立ち上がり、軽く動いてみる…うん。問題はないようだ。

呆然とし、蹲っている小鳥遊に片手を差し出す。

 

「…ほら、立てるか?」 

 

…全く動かない…しょうがなく、肩に軽く触れる

 

「…おい、ぼーっとするな。敵の目の前だぞ」

 

ハッとしたかのように小鳥遊が立ち上がる。

こちらを見た第一声は、めんどくさいものだった

 

「…どうして、無傷なの…?」

 

「…あ〜…俺には再生能力があってさ、数秒で完治するんだ…痛覚もないし、特にデメリットもないぞ〜」

 

軽く説明を終わらせた後、俺はヘルメット団に向き直る

…俺の友達を傷つけようとした責任は、必ず取ってもらう…

あ、小鳥遊ちょっと擦りむいてる…

まあ、このくらいなら許容範囲か…?

 

「小鳥遊、すまん。怪我させてしまった…」

 

「い、いいよいいよ、このくらい〜。おじさんからしたらこの程度の傷なんて、怪我のうちでもないよ〜」

 

「…そうか、安心した」

 

一応、他の奴らにも確認を取っておく。

 

「砂狼、お前は?」

 

「ん、問題ない。どこも怪我してない」

 

「黒見、どうだ?」

 

「問題ないわ!」

 

「十六夜、お前は?」

 

「問題ないです〜」

 

…一人一人目を合わせようとすると、全員目を逸らしてくる…

俺の素顔、そんなに気持ち悪かったのか?

まあ、怪我はなくて良かったけどな…

 

…確認が取れたところで…やるか…

 

「なあ、ヘルメット団…」

 

俺はヘルメット団に語りかける…

…何でコイツラは顔赤くしてる奴が何人かいるの?

 

「俺の友達を傷つけようとした責任を取ってもらおうか…なぁ」

 

俺は召喚銃を額に構え、目を瞑る…覚悟を決めろ…

 

 

 

「…アゼス…何やって…」

 

アゼスが何故か自分の頭にピストルを構えた…引き金を引きかけている

 

(やめさせなきゃ!)

 

全員の思いが一致し、アゼスに全力で近づく。もう、傷つく姿は見たくないから。彼女らの優しさが発揮された瞬間だった。

 

『皆!待って!』

 

先生の言葉でそれは中断される。なお、この声はアゼスには聞こえていない。先程の砲撃により、通信機が破壊されたからだ

 

「…なぜ…ですか?」

 

ノノミが先生に聞き返す。絶対に止めるべき場面だが、さっきまでの先生の指揮によって、踏みとどまっていた…

ノノミの、いや、全員の疑問に対し、先生はゆっくりと話す…

 

『見たほうが早いと思うよ…それと…』

 

 

 

『めちゃくちゃカッコいいから、心を撃ち抜かれる準備はしておいてね!』

 

…全員沈黙した…それは、先生の言っている意味が分からなかったからではなく、目の前で行われていることが先生の言葉が嘘ではないことを証明していたからだ。

アゼスの身体から、神秘的でこの世のものとは思えないほどの美しさをまとった青色の光が立ち上っていく。

その光は、見るものすべてを魅了した…だが、一番彼女らが見惚れていたのは、その中心の人物だった。

中心にいるアゼスは、いつも通りの無表情だ…そしてその神々しい光はアゼスに纏わりついていく…

周りにいる少女達は、そのアゼスの姿に見惚れるしかなかった…

少女達にとって、男子生徒は今初めて認識したレベルの、希少な存在だった。そしてその男子生徒…アゼスの容姿はこの世界なおいてもトップクラスに高い…さらに、神秘的な淡い光をまとったアゼス。

彼女らは、アゼスに目を奪われるしかなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

「…さて…」

 

…行くぞ…

 

「ペ…ル…ソ…ナ!!!」

 

…お返しを、してやる…

 

「来い、ルシファー!!」

 

 

 

瞬間、アゼスの背後に1人の天使が降り立った。比喩ではなく、本当に天使の姿をした、美しい少女だった…

 

「…我が主よ、私はあなたのものだ。あなたが望むことは、私が望むこと…好きに私を使え」

 

「…ありがとな、ルシファー…」

 

…反撃開始だ…

 

「…絶対に殺すな。敵意を削ぐだけでいい。」

 

「…了解した…」

 

…めちゃくちゃ残念そうだな

 

ルシファーが上に向かって人差し指を向ける。すると、ヘルメット団のいる地面が盛り上がり、ヘルメット団を空中に浮かせる。そして、ルシファーが右手を振り下ろすと、ヘルメット団は上空から叩きつけられた。

 

「うわぁ!!」

「なんだこれ!!」

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!」

 

…10回程度行うと、ルシファーはその動作をやめる。

そして、ヘルメット団は戦意を無くしたようで戦車に乗り込む者も居れば、全力で走って逃げるものまでいた…

 

武器類の回収すら出来なかったのか、そこらにはヘルメット団員が使っていたであろう銃が幾つも転がっている。

 

「…サンキュールシファー」

 

「当たり前のことだ、我が主よ」

 

…頼もしいことだ。いつもお前らがいる限り、俺は大丈夫な気がするな…

 

「じゃあ、またな」

 

「ああ、またな。」

 

…ルシファーは俺の身体の中に戻っていった…

…これにて、ヘルメット団を退けることに成功した。

 

『敵の撤退を確認。皆さん、速やかに帰還してください!』

奥空の声とともに、俺達の勝利は確定したのだった。

 

その後、今回の戦闘にあったことを説明した…

 

 

 

「…………自惚れるな…………」

 

 

 

俺は、皆に並び立つほどの才能もないし、生きている価値もない。ここにいる資格すらない。死んだほうがいい人間だ。

それを忘れてはいけない。

 

 

 

と、俺がそんな事を考えていると、ホシノが何か話を切り出した。

「先生が来てから、物資い〜っぱい貰ったでしょ? だから、今度はこっちからヘルメット団の方に襲撃に行かない?今なら油断してる頃合いだと思うんだよね〜」

 

正直、意外だった。小鳥遊はめんどくさがって、行かないようなタイプだと俺が勝手に思い込んでいたからだ。

 

「…意外だな…」

 

「…うへぇ〜…何が〜?」

 

小鳥遊が聞き返してくる…正直に言ったほうがいいか。嘘は許さないと、その瞳が雄弁に物語っている…

 

「…小鳥遊は、めんどうくさがってこういう事を言わないような奴だと勝手に思っていた。すまない」

 

「う〜ん…ホントのことだからね〜」

 

「ホシノ先輩、いつもはそうなんです…今日はどうしちゃったんでしょう…」

 

…俺に聞かれてもな…

 

「けど…言われてみれば、そうね……もしかして、今が絶好の機会なんじゃない!?」

 

「……確かに、叩くなら今」

 

「良いですね〜、やっちゃいましょうか〜」

 

…何故か皆やる気を出している…

 

「ん…アゼス、距離感感じるから、私達を名字じゃなくて、名前でちゃんと呼んでほしい」

 

「…えっ…」

 

…初めて言われたことだったので、少し戸惑ってしまった

 

「いい考えだね〜、おじさんのことはホシノって呼んでね〜」

 

「ん、私のことはシロコって呼んで」

 

「な、なんで私がこんな事しなきゃいけないのよ!」

 

「…セリカちゃん…?」

 

「セリカだな。覚えた。」

 

「ちょっ!私はまだ許可して」

 

「私はノノミって呼んでくださいね〜」

 

「私のことは、アヤネと呼んでください!」

 

「ちょ、ちょっと皆!?」

 

「ホシノ、シロコ、セリカ、ノノミ、アヤネか。覚えた」

 

全員の名前を把握したところで、俺たちは攻撃に出た。

 

先生とノノミの情報提供により、俺達はヘルメット団のアジトに襲撃し、壊滅状態にさせたのだった…

 

何故か皆、鬼気迫るような顔をしていたが、何故だろうか…まあ、俺には関係ないことか…?

 

 

 

 

アゼスは気づいていなかったが、全員こう思っていた…

(もうアゼスを傷つけさせたくない)

アゼスは気づいていなかったが、アゼス以外の生徒は、アゼスにある程度好意的に、さらに異性として見てしまっていた。

そして、あの大量出血により、二度とアゼスに怪我をさせてなるものか、という、全員の共通認識と、先生の先程よりも明らかに的確な指揮により、全員の総合力は遥かに上昇していた…

 

一分もすれば50人近くはいたはずの構成員の殆どは地に伏し、気絶していた。幸運にも彼女らの標的にならなかった者たちもその戦意を完全に失わせ、ただ大人しく銃撃に倒れ伏すばかりであった…正直、ただの…蹂躙だった…

「うん、これで作戦は終了。みんな、学校に帰ろうか〜」

 

「はい、戻りましょう!」

 

こうして、俺の初めてのアビドスでの戦闘は完全勝利、という形で幕を下ろしたのだった…

 




頑張った…つもり
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。