それでは、どうぞご覧ください。
「よし、一度ここで休憩だ」
『はっ!』
湿地帯へと進軍すること3日、俺たちはリザードマンの城までもう少しのところまで来ていた。すると……
『リムル様、カノン様、よろしいですか?』
『どうした、ソウエイ?』
『交戦中の一団を発見しました。片方はリザードマンの首領の側近です』
偵察中のソウエイが、リザードマンの首領の側近とオークたちが戦闘しているところを見つけたと報告してきたのだ。
『相手はオークの上位個体なのですが………いかがいたしますか?』
『いかがって……助けないわけにはいかないだろう?勝てるか?』
『容易いこと』
即答かよ………イケメンだから有能ですってか?
『やれ。俺たちもすぐに向かう』
『御意』
「戦闘態勢を取れ!ソウエイのところへ向かうぞ!」
『はっ!』
そうして、俺たちはソウエイの下に着いたのだが……
「あ、あれ?もう終わってるっすか?」
「少しは残しておいてくれよ……」
そこにはオークたちが全て殲滅されている光景が広がっていた。あら~……ソウエイのやつ、マジで有能だったよ………いや、今はそれより―――
「深手を負っています」
「う、うぅ……」
首領の側近の怪我をどうにかしないとな……俺はすぐさま、首領の側近に回復薬を飲ませる。
「!き、傷が……致命傷だと思ったのに……」
首領の側近は無事に回復すると、俺たちの方を見て……
「あ、あなたは……?」
「俺はリムル=テンペストだ。で、隣にいるのが狐霊族の―――」
「初めまして、カノン=テンペストです」
それを聞いた首領の側近は……
「お願いがございます!リザードマンの首領の息子である我が兄、ガビルをお救いください!!」
土下座をしながら、必死にそう頼んできたのだ。
「ガビルの妹、なのか?」
「は、はい……」
「……何があったの?」
そんな様子を見て、カノンがそう訊くと……
「……兄ガビルが首領を幽閉し、オーク軍との戦闘を始めたのです」
ガビルの妹が話してくれた内容はこうだ………ガビルは自身と籠城戦に不満を持っていた仲間たちとオーク軍を退けるつもりで戦いを仕掛けたようだ。だが、ガビルはオークロードの恐ろしさを知らないため、このままではリザードマンは滅亡してしまうということ……ガビルの妹は、首領が見張りの隙を見て逃がしてくれたそうで、逃げた先でオークたちと戦闘になり今に至る―――ということらしい……。
「先走らないとの約定も守れず、虫のいい話であることは重々承知しております……しかし、力ある魔人の皆様を従え、それを守護する狐霊族のあなた様方の慈悲に縋りたく……!何卒!……何卒!!」
すると……
「よくぞ申しました!」
「「ん?」」
「リムル様とカノン様の偉大さに気付くとは………あなたは見所があります!」
シオンが何故かドヤ顔をしながら、ガビルの妹にそう言ったのだ……。
「お、おい、シオ―――」
「さぁ立ちなさい。あなたの希望通り、リザードマンは救われるでしょう!」
「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!!」
おいおい………勝手に仕事を取ってくるこの感じ、まさに秘書だな……。
「仕方ない……」
「うん、それにオークロードとは戦うんだし」
「だな………えっと、君は首領の娘さんだっけ?」
「は、はい!……仰せの通りにございます」
「では君をリザードマン首領の代理と認め、同盟をここに締結するけど……いいか?」
「は、はい!異論などございません!」
「じゃあ決まりだ―――ここに、同盟は締結された」
「!……ありがとう……ございます」
そして、俺はすかさず……
「ソウエイ、リザードマンの首領のところまで影移動できるか?」
「勿論でございます」
「なら、お前にはリザードマン首領の救出を命じる」
「お任せを」
ソウエイはそう言うと、すぐさま首領の救出に向かっていった。まったく………頼りになるなぁ、このイケメンは。
「よし、俺たちは進軍を続けるぞ!」
『はっ!』
それから湿地帯の端に到着したところで、俺たちは作戦通りに分かれることになった。俺は羽を出して飛び上がると……
「カノン、行けるか?」
「もちろん」
カノンはそう返事すると、風の魔法を発動させて浮かび上がったのだ……カノンは元々風の魔法に適性があるらしく、練習の末に今では自由に飛行まで出来るようになったという。
「じゃあみんな、作戦通りに頼むぞ!」
『はっ!』
そうして俺たちは、湿地帯の上空へと向かっていった。
◇
僕はリムルと共に湿地帯の上空から戦況を見渡しつつ、オークロードを探すことになった。僕は霊眼を使ってオークロードを探していたが……
「ん?あれは……?」
「どうした?」
「もしかしてあのリザードマン………」
その途中で、オークの上位個体と一騎打ちをしているリザードマン―――ガビルさんらしき姿を見つけたのだ。
「ガビル様!」
「助太刀いたす!」
「来るな!!」
「「「っ!」」」
「これは、一騎打ちだ!!」
……リムルからは変なやつだったって聞いてたけど、このガビルさんは仲間想いなんだな………それからガビルさんは、オークの上位個体にやられそうになってしまうが、そこに影移動で助けに来たゴブタによって命を救われた。さて……
「リムル、そろそろだよね」
「あぁ……存分に力を奮ってくれ!」
「分かった―――」
僕は腰の後ろに仕舞っていた弓を構えると、右手に黒風の矢を4本作り出した。そしてそれを弓につがえ、オーク軍に狙いを定めると……
「
ゴブタたちの周りにいるオークたちへと放った。その矢は狙い通りに飛んでいき………
『グォオオオオオオオオ!?』
『!?』
着弾したところに巨大な黒い竜巻を作り出し、大量のオークたちを巻き込んで殲滅していった。
「な、何なのだこれは……!?」
「お、オークたちが一瞬で……」
「味方の攻撃っすよ!それもカノン様の!」
ガビルさんたちは、僕の攻撃に驚いたような表情をしており……
「え、えげつない……」
リムルもその光景を見て、どこか引いてるように見えた。さらにそれを合図に……
「
ベニマルたちも攻撃をし始めたことで、オーク軍はどんどんと数を減らしていった。
◇
「リムル様ー!カノン様ー!」
目の前のオークたちを剛力丸の一太刀で殲滅したシオンは、空中にいる俺達に手を振ってきた……シオンを怒らせるのはやめておこう………にしても――――
「凄いもんだな、鬼人たちは」
圧倒的だったオークの軍勢もみるみるうちに減っていく……鬼人たちは本当に優秀だ。この戦いが終わった後も仲良くしたいものだが、それを決めるのは鬼人たちだから、その時が来たら選択を尊重するとしよ――――
「リムル、あれ」
「あれ?」
攻撃を一度止めたカノンが指を指した方を見ると、そこには……
「!……いたな」
このオーク軍の総大将であるオークロードが佇んでいた。それを見た俺はシズさんの仮面を、カノンは俺が複製して渡した仮面と羽織っている着物についているフードのようなものを被った。それから俺はオークロードが見つかったことをみんなに思念伝達で伝え、カノンと共にオークロードのところへと飛んで行った。
読んで下さり、ありがとうございます。今回は短いですがここまでとなります。
次回からは、オークロードとの戦闘へと入っていきます。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。