ワイ卿、Fate世界の円卓の騎士になる。   作:サーッ・タドコロ

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※注意
・ちょっと下品で汚いです。チンチンとかおしっことか出ます。
・「ランスロットの不貞騒動」「カムランの丘の結末」だけ先に話を思いついたので、それ以外は思い付きで進行します。
・オリ主は「円卓の騎士・ワイ卿」および「錬金術師・ワイ卿」として後世に名を残し、最終的には座に登録されるまでに至ります。そのせいで、Fate的にもアーサー王伝説的にも原作改変要素モリモリです。


色々変な描写があるかもしれないけど、許し亭許して。
許してくれる人だけオッスお願いします。



1章 運命の仔
1:ワイ、イン・ザ・アヴァロン


 

ようお前ら!元気にしとるか?

ワイは(おそらく)元気やで!

 

 

今のワイは、多分「異世界転生」ってやつをしたのだと思うんやけど、実際のところ()()がどういう状況なのか全くわからんわ。

 

異世界転生したと思う…っていう状況証拠として、まずワイは何故かスンゴイ広くて綺麗な花園におる。

それだけかって?いや、ホンマに突然のことで、気がついたらここにいたって感じや。まずこの時点で十分意味がわからんわ。

 

で、ワイは…多分やけど元の自分と姿カタチが違っとる。

いや、多分そう思うってだけなんやけどな…姿が反射して見えるほど綺麗な水面に自分の顔を映して見てみたら、見たこと無い顔がそこにあったわ。

 

一応、黒髪黒目で日本人っぽいけど、なんか異様に若い…っていうか完全にガキンチョやし、なのに顔の彫りが深くて不気味や。

これホンマに人間のガキか?阿部寛ジュニアって言われたらギリで納得できるけど、流石にあの阿部寛でも子供の頃からこんなに彫りが深かったわけや無いやろ。

…っていうか阿部寛って誰や?なんや、記憶が朧げで変な感じやわ…。

 

よく考えたら元の自分の姿ってやつもよく思い出せんわ、記憶喪失ってやつか?

なんや、まあ、そういうこともあるんかもなぁ。

こういうのってご都合主義的に前世の記憶を覚えてたりするもんちゃうんか?知らんけど。

 

でも、ちょっと待ってや。これだけだとまだ異世界転生したなんて思わんやろ?

ワイかてそう思うわ。でもな、今すぐそこに白髪で胡散臭いイケメンが居んねん。

ソイツは自分のこと「私はマーリンという、もしくは花の魔術師と言って伝わるかな?」とかほざきよる。

 

そいつ、見た目も名前も声も、どう見てもFGOのマーリンそのものやん?

そうと気づいた瞬間、もう疑う余地がなかったわ、ワイは異世界転生したんやなって。

 

 

 

 

ワイは突然、マーリンの管理しとるっちゅう花園(アヴァロン)に現れたらしい。

 

そのマーリンが言うには、「おそらく妖精の取り換え子(チェンジリング)だとは思うんだが、君の場合は特殊なようだ。ある意味、君はここで生まれ落ちたと言っても良い。君の記憶の混濁は、その特異な出現方法を要因とした不具合だろう。」ってことらしい。

なんやようわからんが、つまりワイは誰かの陰謀か悪戯でこんな状況になっているってことらしいわ。

 

 

で、や。

マーリンはワイのことを処分するかどうか決めあぐねとるらしい。は?こわ…。

 

理由としては、明らかな異分子であるワイは、あり得ざる運命の分岐点…言い換えると「特異点」というものに利用される懸念があるらしい。

ただ、それには聖杯級の魔力リソースを用いるか、ブリテン全土の魔力を枯らすくらいに龍脈から魔力を吸い上げる必要があるだろうというくらい、ブリテンは強固な運命に縛られた土地だから、そんなありえないほど可能性の低いもしもの事態を懸念して処分するのも面白くない…ってことらしい。

 

言葉の意味は何となく分かるけど、頭の中でどういう計算すればワイがそんな異常存在として扱われるのかは理解できんわ。

そもそもなんやねん、ブリテンの運命って。…いや待てよ、アレか、アーサー王伝説ってことか!!アーサー王が死ぬまでの、騎士物語の!!

 

名前だけ知っとるわ!!中身はよう知らん!!

なんや、有名な騎士の名前だけ…アーサーとか、ランスロットとか、ガウェインとか、トリスタンとか、モードレッドとか、それくらいしか知らんわ。

 

Fate…っちゅうかFGOの知識も、正直そこまでしっかり知っとるわけやないしなぁ。マーリンが人権鯖だってことくらいしかよう知らんわ。

…ん?マーリンってもう人権鯖じゃないんやったっけ?まあ、便利なキャラやったってことはわかるわ。

 

あとサラッと聞き流してもうたけど、ワイが割と危険な存在だというのは理解したくないが一旦飲み込むとして、それを面白くないからっていう理由で処分せずに何かに使おうと考えとるの、普通にヤバないか?

そう言えばマーリンって半分夢魔なせいで人間的な感覚がやや疎いというか、人間のフリしてるだけの妖精みたいなもんなんやったっけ。

 

そう考えると、こうしてマーリンにジロジロ見られとる状況がだんだん怖なってきたわ…。

いやん、そんな見んといて…って、よく見たら今のワイ裸やん!なんや~もう~マジでハズいわ~、こっち見んなやボケが。子どもチンチン振り回したろか。

 

「うーん、君がチンチンをグルグル振り回している姿は、面白いというより滑稽で…どちらかと言えば、失笑?いや、無様過ぎて可哀想…ってところかなぁ?」

 

…ハ、ハハァ。えらいズバズバ言うやん、ハハ…。人の心とか無いんか?

いや、そう言えば人の心とかホンマに無いタイプやったね。オーケー、ワイが悪かったわ。チンチンを振り回すヤツが正しい側であるはずがないだろって?いやいや、ワイの記憶ではそういう5歳児が世界を何度か救っとる…と思うんやけど、やっぱよう思い出せんわ。

 

 

ところで、ワイはこれからどないすればええんや?

 

ぶっちゃけ全裸のガキが花畑に一人取り残されたら、それだけで死ぬで。

この歳で…ワイって今いくつなんやろ?まあそれこそ5歳児くらいか?んでこの歳で孤独死とかホンマ勘弁やで。

 

あとなんとなく気づかないふりしてたけど、全力で歯茎むき出しにしてこっちを睨みつけてくるそのちっこいフワフワはマーリンのペットかなんかか?

そろそろマジでおしっこチビリそうやから、できれば大人しくさせるかワイの見えないところにやってほしいんやけど。

 

ヒッ!?何やねんこの小動物、なんかさっきより殺気(さっき)が増しとらんか?なんちゃって。

ゴメンゴメンゴメン、マジホンマゴメンて、冗談やん。わかった、なんかワイが良くないこと言ったなら謝るわ、マジ土下座って感じ。ホンマ勘弁して、次はウンコまで出るぞ。

 

「ははは、キャスパリーグをペット扱いだなんて、やっぱり人間は傲慢だなぁ!」

 

「マーリンシネフォーウ!!」

 

「げぺぼあっ!」

 

うーん、なるほど。ペットや無くて気高い生き物ってことなんやな。

あれ?キャスパリーグってどっかで聞いたことある気がしなくもないけど、なんやったっけな…それこそFGOで聞いたような。

 

「アイタタ…まったく、キャスパリーグは相変わらずだなぁ。…さて、考える時間はこのくらいでいいだろう。そろそろ君についての処遇を決めるとしようか」

 

え、なんか勝手に話進めるやん。

ワイ、今のところ殆ど何もわからんって状況から進んでへんのやけど。

 

「まあ、君の事情は、ぶっちゃけ私にはどうでもいいことだからね。そもそも、君の事情なんかより、ブリテンの事情が優先されるのは当然のことだし」

 

なんでそれが当然なんかは理解できへんけど…まあ、ワイに生殺与奪の権が無いことは確かやね。

今のワイがマーリンに見捨てられたら、そこの白く気高い猛獣様に食い殺されるか、花畑に糞尿垂れ流しながら野垂れ死にのどっちかしかないわ。

 

「オェフォウ…」

 

「キャスパリーグは君のことを食べたりしないと思うけど…ここを糞尿まみれにはしないでもらいたいなぁ。魔術でどうにかできるとは思うけど、君には余計な加護がまとわりついているし、ここにどんな悪影響があるかもわからないからね。というわけで、ひとまず君は私が育てることにするよ。とりあえずその気味の悪い加護をコントロールできるくらいの魔術の鍛錬をしてもらって、あとはトイレの場所を覚えてもらうくらいはできるようになってもらおうかな」

 

…なんか犬の躾の話みたいにワイの身の振り方を決めるやん。

っていうか、今更だけど加護ってなんや?ワイは何も感じへんのやけど。

 

「うん?なんかちょっと凄い加護だよ、それがどこぞの妖精のモノなのかはわからないけど、水・火・風の三重属性というところまではわかる。魔術師なら喜ぶべき加護のようにも思えるが、しかし不気味なことに君の体表を隙間なく覆っているくせに、君の内側には一切干渉しようとしない。君という異物を、異物のままこの世界に無理やり馴染ませているとでも言うような、そういう意図を感じずにはいられない不気味な加護だ。そんなことしなくても、君の魂や魔力回路そのものに干渉してしまえば、君はこの世界の異物として扱われずに済んだろうに…はてさて、一体何が目的なのやら」

 

…う、ううん?あー、ええっと…今度はマジで全然理解できん話やな。

とりあえず、ワイがこの世界の異物ってことだけは理解したってことにしておくわ。

 

「うん、今はそれでいいよ。どのみちこの世界で人間として生きようとしてしまえば、この世界の要素を取り入れて循環させていく必要がある。そのうち馴染むだろうし、そうなればいよいよ君を処分する必要もなくなる。そうなるまで様子見して、そうなる前にもし何か悪いことになりそうなら、その時こそ処分してしまうとしよう」

 

ちょいちょい言い方が怖いの、なんとかならへんか?

出し切ったはずのおしっこが、生成されたそばからこぼれ落ちてまうわ。

ワイかて別に花畑におしっこ引っ掛けたいわけやないんやで?まったく、言葉には気をつけてや。

 

「ようし、それじゃあまずはトイレの場所から覚えてもらおうか!着いてきたまえ、少年」

 

 

──これが、ワイの養父の一人である、マーリンとの出会いやった。っちゅうわけや。

 

 

 

 

その後は、あらためてエクトル卿っちゅう偉いらしいおじさんの養子になるまでの数年?(時間の感覚があんまりわからんかったけど、おそらく年単位やとは思う)を、マーリンの…魔術師の弟子として過ごしたんや。

 

 

…うん?マーリンとの生活はどうだったのか、やて?

 

まあ、ワイには普通の魔術を扱う素養がなくてな…なんや、ワイには【起源】っちゅうのが強く出ているらしくて、自前の魔力の性質がそいつに引っ張られるんやと。

んで、そのせいで普通の属性魔術?っちゅうやつは、ワイはどうしても苦手らしいねん。よう知らんけど、確かに教えられた通りのことをしても、マーリンのお手本みたいにドバァーッと火とか水とか出せるようにはならんかったわ。

 

それでも、加護のお陰で辛うじてちょっとだけ水・火・風の魔術だけは使えるようになったが…結局、マーリンはワイのことを魔術師として育てることは諦めたんやね。

ホンマに最低限のこととして、加護を利用した魔術が使える程度にはしてくれたんやけどな。それについてはホンマに感謝やで!

 

で、ワイの起源の性質的に、身体強化もあまり向いとらんようでな。

いや、全く出来ん訳やないんやけど、人間としての限界を超えるような真似は無理だろうってことらしいわ。

 

ああ、ワイの起源のことはマーリンでもようわからんらしい。

当然だがワイも知らん。感じればわかるはずだよ~とか言われても、全然、さっぱりやったわ。

 

 

ともかくや、ワイはどう足掻いても、普通の魔術師としてはド三流もいいとこのハナクソ魔術師にしかなれなくて、しかも身体強化込みでブリテンの騎士見習いにようやっと届く程度の戦闘能力しかない。

つまり、この時代のブリテンにおいてワイの実力っちゅうのは、路傍の石かゴミカスみたいなもんらしい。泣いた(笑)

 

そんなハナクソゴミカスガキのワイの養父なんかをマーリンに押し付けられよったのに、エクトル卿はワイのことを実の息子として扱ってくれて、厳しくも優しく日々接してくれてなぁ…。

ぶっちゃけ、マーリンからは…一応養父として育ててくれた事には感謝するけども…ずっと犬の躾みたいな扱いしか受けてこなかったから、久しぶりにホンマもんの人の温もりティを感じて、ガチで感動に咽び泣いてもうたわ。

 

いや、泣いた直後に「男児がそう易々と泣くな!」ってバケモンみたいなゲンコツ食らって死ぬかと思ったけどな。

勘弁してや、将来禿げたらどうすんねん。怪我無くて良かったね♡やないんやでホンマに。

 

 

躾の方針が犬扱いから鉄拳制裁に変わった訳やけども、先に言った通りエクトル卿の養育は厳しくても優しかったわ。

 

いや、ヌルいって意味やなくて、人間味があるって意味でね。

ちょ、勘弁してや、ヌルいわけ無いやんエクトル卿の訓練が…アレについて行けてるケイ義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)ちゃんがヤバいんや…っていうか義妹ちゃんすらついて行けてるってマジ?やっぱワイが雑魚なんか?

 

そうそう、エクトル卿にはワイ以外に既にお子さんが二人居ってな。

つまり、ワイにとって義兄ちゃんと義妹ちゃんになった人たちってことや!

うーん、なんかわからんけど嬉しい感じがするで、特に義妹という響きが。

 

ケイ義兄ちゃんは、すんごい背が高くて生真面目で…ちょっと意地悪な時があるけど、頼りになる兄貴やね。

義父(とう)ちゃん…エクトル卿からみっちりと騎士教育を受けて育った生粋の肉体派でもある。成人したらエクトル卿の領地を受け継ぐんかと思ったけど、自分で武勲を立てて土地を得るつもりらしい。

年上とは言えまだ成人になっていないのに、もう自分の将来設計をしっかり見据えていて、ホンマに立派な兄貴やで。…ちょっとコスいところが玉に瑕やけどな!ハッハァ!

 

義妹ちゃん…()()()()()ちゃんは、ちんまいけどクソほどお転婆なガキ・イタズラ好き・ガキやな。

元気溌溂なガキンチョではあるが、どうやらメスガキではないらしいわ。…メスガキってなんや?でも、なんか残念な気持ちになるねんな…。

お転婆すぎて、ワイより幼いのに馬術も剣術も実力が上。やっちゅうのに、内向きの仕事…内政とか領地運営とかは興味が薄いみたいで、あんまり露骨な態度は取らんけど、割とようサボっとるわ。

 

プッ、ガキやなぁ~。ワイでも(面倒やと思いながらだけど)ちゃんと学んどるっちゅうのに…。

……え?笑ったな、って?剣を取れ、稽古してやる…やと?

 

ちょお(笑)、待ってや(笑)、ちゃんと学んどらん義妹ちゃんが悪い(笑)って話で……ちょ!?おまっ、無手の相手に木剣振り抜くなや!ひょおぉっ!?

ちょ、ま、待てよ!いやホンマに!ひぃっ、いやあっ!お前それ、もうワイを何でも良いからボッコボコに打ち負かしたいだけやん!?負けず嫌いすぎやろ!

っていうかそこまで負けず嫌いなら、剣やのうて(ペン)でちゃんと勝ちにこんかい!…ちょっ、わかっ、わかった!剣持つ!ワイも剣持つから!!一回止まって!!止まってぇ!!

 

 

ってな感じで、ワイは成人するまでエクトル卿の下で。今度は騎士教育を受けながら育ったわけや。

 

まあ、残念ながら、マーリンからも教えられていた通り、ワイには身体強化の才能もそこそこしか無い。

だから、どれほど騎士教育を施してもらっても、行けて見習い騎士止まり。そこから抜け出せない以上、ワイには騎士になる未来は全く無いって言って良い。

 

──そのハズ、やったんやけどなぁ…。

 

 





▼登場人物(ワイ・幼年~少年期)

・ワイ:マーリンの管理する花園に突如出現した、黒髪黒目のガキ。キャスパリーグに歯茎を剥き出しで威嚇された。エクトル卿の義理の息子となったが、エクトル卿が主にアーサー王伝説においてどういう人物なのか知らず、義兄や義妹の正体にも気づいていない。アホガキ。

・マーリン:ワイの養父その1。魔術師の師であるが、基本的に「殴ったほうが早い」と言って、なかなかいい加減に教えていたようだ。実はアルトリアの養父その1でもある。この半夢魔は、子どもの養育をエクトル卿にぶん投げる悪癖があるようだ。

・キャスパリーグ:■■の■。ワイに対して嫌悪感を剥き出しにするのは、ワイが人間として醜悪だからというわけではなく、■が互いを嫌い合い足を引っ張り合ってしまう…そういう本能的な拒絶反応によるもの。

・エクトル卿:ワイの養父その2。円卓の騎士の一人とも語られることがある。後の円卓の騎士であるケイの実父。なお、幼年のアルトリア…後のアーサー王の養父でもある。ケイとアルトリアは、同じ乳を飲み同じ釜の飯を食らった義理の兄弟…つまり、乳兄弟の関係。

・ケイ:ワイの義兄。非常にノッポで生真面目。だが割とコスくて意地悪でもある。ワイの成果を横取りしたり、アルトリアの成果を横取りしようとして失敗したりする。年上らしい頼もしさはあるが、ワイに対しては基本的にコスい。

・アルトリア:ワイの義妹。いつかアーサー王になる運命を持つ少女。この頃はただのお転婆娘であり、エクトル卿の前ではお利口に大人しく振る舞い、ケイやワイとだけになるとチャンバラ(木剣を用いた訓練)を楽しんだ。クソ負けず嫌いガキ。

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