ワイ卿、Fate世界の円卓の騎士になる。 作:サーッ・タドコロ
考察が面白くて、早く先を書きたいとモチベが高まります。
本当に、本当にありがとうございます。考察に返信したい、でもちゃんと寝ます。
本日からFGOバレンタインイベで、その直前イベントでもラストスパートとか周回して、普通に執筆遅くなりました。
オルガマリー所長のバレンタインイベを読んで/聞いて、Fateっぽい感じで「高貴な/超常の存在を相手に、一人の人として尊敬し接する(少しのちょけも挟む)、普通の人間のエミュ」が、私も一応ちゃんと書けてるっぽくてよかったって思いました。
あと、この小説に入れたかった不確定要素のいくつかがちゃんと埋まったので良かったです。サンキューキッノ♡
(まとめて返信みたいなもの)
考察がとても多かった【起源】について。
いつか必ず萌芽するためのものでちゅ。
※注意
・ワイのちょっとセクシーなシーンがあります。少年誌レベルのR-15?13?くらいで、一応注意書きです。
ようお前ら!元気にしとるか?
ワイは(イワーーーーーーーーク!テレレレレレ、テレン!)元気やで!
エクトル卿の元を離れてから、およそ一ヶ月(多分)ほど経った頃。
春真っ盛りのこの頃は、本当なら普通にあったかくなってる頃合い…なんやろうけども。
コーンウォールでは…ちゅうか、モルガンちゃんのお屋敷の近辺では、ずっと何も変化がなくてようわからん。たまに気絶したりしてるから、日付の感覚が正直曖昧や。
そんなある日のこと。
「エクターとの話が済んだ。貴様をエクターに引き合わせる。…支度を与える、付いてこい」
モルガンちゃんは、なんや凄まじくピリピリしながら、そんなことを言ってワイを連れ出し、今はどこかへ向かっている。
行き先は知らん、聞けん。だって怖いもん…うりゅりゅん♡
行き着いた先は、広々とした
「
…先に待っていた様子のもう一人のモルガンちゃんが出迎えてくれた。
脚の傷は一応塞がってるものの、ワイの技術が甘くあんまり立っていられんようで、座りながらのお出迎えやけども。
あとぉ、ちょっと言い訳なんですけどもぉ…そのぉ、ワイは行き先も教えて貰えとらんかったし、案内されるままに後ろを付いてきただけやから、特別ワイが遅かったわけじゃ…。
「黙れ。始めるぞ、そこに立て」
あ、ハイ…。クゥ~ン…。
…んで、なんか、されるがままに揉みくちゃにされてるんですけども…。
「やっと、まあまあという程度には見られるようになったか?」
「いいや、まだ華美にすぎる。不要なものは削ぐべきだ」
「そうだな、やはり他のパターンも試すべきだろう」
…ンなにこれ?
ねぇねぇ!これは一体、なぁにを作ってるのぉワクワクさぁん!
んんんっ!これはねぇ!着せ替え人形だよぉ~!
ええぇ!?そんなのいらないよーだ!そーれぃ!
いや、ホンマに何?
なあモルガンちゃん、いつまで続くんやこれ。
そろそろ現実逃避のレパートリーもマンネリ化してきとるんやけど…
「「黙れ」」
ウス。
……うーん、基本的になんでもセンス良い…と思うし、そろそろ決めてくれへんかなぁ…。
…んで、体感で数時間くらい経った頃(細かくはわからん)、やっと一つの形に落ち着いたようで。
「まあ、良いだろう」
あの。
いや、全然良くないんですけど。
途中までメッチャ良かったやん。
なんでワイまでモルガンちゃんみたいなペッタリ
わぁあ♡おそろっちやぁん♡…じゃないねん。
仮にやで?
ワイがこれでメッチャぷりちぃ♡な美ショタやったら、ワイも「んま、まぁ、ええか…♡(まんざらでもない顔)」とかできたかもしれんけども。
自分で言ってて悲しくなるけど、ワイの顔見てみい。どう考えたって無理があるやろ。
「?…不要なものは極力削り、良いものを残しただけだ。それに、男でもそのくらいの服は着ることがある」
「そも、貴様の顔と衣装に何の関係がある。強引な関連付けはやめろ」
いやいや、いやいやいや。
ホンマ?ホンマのホンマ?途中までちゃんと、もっと男らしい感じ?の衣装やったよな。
まあ、この際101歩くらい譲ってドレスはええことにするわ。
これなに?モルガンちゃんのはまだ肌に張り付いてるように見えるだけだからギリギリセウトって感じやったけど…ワイのはもう、なんかちょっと透けとるやん。
今だって常時股間と乳首を隠すのに手一杯なんやけど。
なんで師弟の証の大事な杖が
もうハッキリ言っちゃうけど、ド変態すぎんか、これ。
「……」
「……」
いきなりド変態は言いすぎやったかもしれへんね。
ちょっとハレンチかもってことが言いたかったんや。
すみません許してください、何でもしませ…すから。
「チッ…せっかく、一目で私の弟子だとわかるようにしてやったものを…」
そう言って、二人揃ってメッチャイライラした顔を見せてくる。
ホンマ、その気持ちはありがたいんですけど、これだけはもうホンマに…。
ワイのみみっちい自尊心とか、ホンマに全部無くなってしまう…ホンマに、ホンマにオナシャス…。
「…しかし、貴様がそのように腰が引けた態度のままでエクターの前に出すことは、我が意に反するものではある。仕方ない…どの程度なら問題がないか試すぞ、貴様は一々反応してみせろ」
うっ…うおおおおっ?!
サンガツやでぇ!フォーエバーお師匠様!泣きの一回で逆転ホームランや!
…って、えっ、まだ着せ替えが続くんか…?
……いや、ハイ、了解ッス。…せめて優しくしてやで…。
…そんで、また結構な時間がかかって、結局めっちゃ最初の方に選んでもらってたやつに決まったみたいや。
なんや、「やはりこれがいいだろう」とか言うとるけど、
ワイにはちょっと、立派すぎる気がしなくもなくて…なんか、ちょっと落ち着かんわ…。
「ほう。この上さらに文句を垂れるとは、良い度胸だな。一度は許した、だが二度は…わかるな?」
あーいやいやいや!これで大丈夫です!
あいや、これが良いですぅ!
ホンマ、ワイにはちょっと立派すぎて勿体ないかもって思っただけで…なんちゅうか、その、めっちゃ良いっす。
…って、ちょいまちや。
なんかもう「これ自分のものになるんか?」って気になってもうてたけど、これってちゃんと返さなあかんやつ…よな?
アカン、なんか勝手に舞い上がって…ワイちゃんったら、恥ずかしやっ…!
「何を言っている。
…!
は…は、ハイっ!大事にしまっす!シャスッ!
……。
…モルガンちゃんは、遠回しにしか言わんというか、なかなかハッキリと言葉にせんけども。
ワイのことを、ちゃんとお義父ちゃんのところへ帰してくれるつもりなんやな…って。
モルガンちゃん。ホンマに、ありがとうやで。
…。
……?
……この人、ワイに必ずスケスケドレス着てこいって言うてたってことか…?
やっぱド変……いや、うん、まあ。
──ま、まあ、うん。なんや、馬子にも衣装っちゅうけども。まさにって感じの姿になってもうたわけやな。わはは!
+
出発前。
「待て」
脚を怪我してもうた方のモルガンちゃんから呼び止められた。
見送りには付いて来ないようで…いや、もう一人のモルガンちゃんが送ってくれるから、見送りに来ないって言い方も変なんやけども…。
ともかく、座ったままで呼び止めてきた。
「一つ答えろ。…ここは、どうだった?」
それは、あんまよう、意味のわからん質問やった。
ここでの生活は?っちゅうことやろか。
ここで見られる景色は?っちゅう意味にも聞こえる。
少し思い返してみる。
ここでの日々は、景色は、どうやったろか。
色とりどりの花が咲くのに、とても寒々しいけれど。
こんなに広くて穏やかなのに、何の音もしない寂しい場所やけど。
──言われたとおりに、ふと、思い出を振り返ってみることにした。
+
「…そうやなぁ…」
「……」
「……すっごく、綺麗やった!ほんで、なんだかんだ楽しかったわ!…いや、また来るんやけどもな?」
「…フッ、そうか」
「へへ。なんやぁ、モルガンちゃんも、やっぱ寂しいんか~ぁ?」
「黙れ。一つ答えろと言ったのに、二つ返したうえ、さらに戯言とは。よほど死にたいようだな?」
「ちょちょちょ!?ちょっとした雑談の範疇やろぉ!?」
「…行け。今のうちに」
「…?お、おう…?」
「何を呆けている、
「あっ、ちょっ…ンもー!またそうやってアッチにコッチにと…!ほんじゃ、行ってきますわ!めっちゃお世話になりました!…あっ、はやっ!?きょ、今日の分の夕食分のプリンは、いつもんとこに多めに冷蔵しとるからなぁ!あ~ん、待って待って、モルガンちゃんん~!……」
「……ああ」
行け。
私が、偽りの平穏にあるうちに。
ああ、やっと、もう
ようやく、これで、嵐によって掻き消える声に、手を伸ばすような無様を晒すこともなくなるのだろう。
……。
ああ。
ここは、綺麗だったのか。/こんなもの、見せかけだ。
ここは、楽しかったのか。/すべては、謀略の上に敷かれただけの幻だ。
そんなこと、考えたこともなかった。/すべてが不要なのだ、そんなものは、私の
それは、/それは、
いつか私が、/いつか私が、
奪われたものだったはずなのに。/すべて壊さねばならないものだ。
+
同日。夕刻前。
「本当に…本当に、無事で居てくれたのか…ワイ…!」
…おっ、お義父ちゃあん!!
流石に泣いた(笑)
ちゅうか、なんやねんその全身フル装備は、ゴツゴツしてクッソ痛いねん。
それに、なんや、今回は殴らんのかい。…身構えて損したわ!
「エクター」
モルガンちゃんが、固く冷たい言葉でお義父ちゃんの名前を呼んだ。
「それは貴様の
「…お前に言われずとも、ワイは我が息子である」
「そうか、好きに言うといい。…だが、忘れるな。それは私の弟子である。これは貴様との契約ではない、私とワイの契約である。それを否定し邪魔をするというのならば、次はない」
「……」
…お義父ちゃんとモルガンちゃんが、それぞれに凄まじい圧を放ちながら、言葉で合戦みたいなことをしとる。
ワイか?
ワイは、そんな重圧の板挟みにあって…ちゅうか、お義父ちゃんの筋肉で物理的に、めっちゃペチャンコにされそうや。
そろそろヤバいんで、ちょっとだけ、ホンマにさきっちょだけもでええから。
感動の再会ではあるんやけど、いったん身体を離さへんか?ホンマにちょっとでええんや。
「そも、これはブリテンのためでもある。それには私の教えが必要だ、そしてそれも教えを望んでいる。さあ、この場で確認するが良い、エクター」
「……」
お義父ちゃんは、抱き寄せていたワイのことを少し離して、今度は両肩を…そのまま握りつぶすんじゃないかっちゅうほどの力で、しっかり掴み込んできた。
「ワイ、そうなのか」
…お、おう。
その、モルガンちゃ…お、お師匠様って呼んどるんやけども、マーリンよりもしっかりとした魔術を教えてくれとる。
怪我を治すための薬だったり、怪我を治すための魔術だったり、そういうやつを。
まあ、普通の…マーリンに教えてもらってたみたいな、水やら火やらも教えてもらってたけど、結局そっちはほとんど変わらんかったんよなぁ。
でも、ちょっとずつやけど上達はしとるみたいでな、できれば…その、もっと上達したいねん。
どこまで出来るかわからんけど、自分にできることで、誰かの…お義父ちゃんとかの、役に立てたらええなって、思うんや。
…あの、なんちゅうか、その。…ダメやろか。
「……そうか」
ワイの言葉を聞いたお義父ちゃんは、ワイの両肩から手を離し、あらためて身を正してからモルガンちゃんに向き直った。
「…魔女モルガンよ、認めよう。我が息子、ワイは、お前の弟子である。お前との契約とやらのため、ワイを尋ねることを許そう…これでよいな」
「フッ、相変わらずの堅苦しさだな、エクターよ。そうして愚直さに縛られ、いつまで踏み外さずに歩み続けていられるものか、少しだけ楽しみにしていてやる」
「…問答は終わりだ。これ以上何かを吐くつもりならば、我が剣を以て相手をしよう」
「不要だ。私の用も済んでいる、去れ」
「…ならば失礼する。いくぞ、ワイ。帰ろう…お前の家に」
…終始険悪な雰囲気のまま、お義父ちゃんとモルガンちゃんの会話は閉じられてしまった。
モルガンちゃんは、話せばちゃんと分かる人や。
お義父ちゃんも、騎士としては固い人やけど、人としてはホンマに優しい人や。
なんで、この二人がこんなに険悪になってしまうんやろう。
時代の違いってやつなんやろか、やっぱワイがのんきすぎるだけなんやろか。
このズレを目の当たりにするたびに、ほんのちょっぴり、なんや胸の奥がチクリとする。
これが恋っちゅうやつなんやろね。キューピッドも随分下手くそな仕事しやがるわ。
そうしてワイは、お義父ちゃんに手を引かれ、馬に乗せられ、風が攫うようにして、一気に帰路を進み抜いていった。
それから、数日ほどして…やっと、ワイはお義父ちゃんの家に帰ってこれたんや…!
+
帰宅当日。
「うあぁあああああああん!」
「馬鹿野郎!俺の弟のくせに、勝手にいなくなりやがって!」
帰宅早々、ワイはケイ義兄ちゃんとアルトリアちゃんから、こうしてボッコボコにされとるところや。なんで?
死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!
死ぬ!!ホンマに死ぬ!!
アルトリアちゃんは派手な打撃音が鳴る割に少女パンチやからまだ精神的に耐えられるけど、ボディもパワーも格上のオスであるケイ義兄ちゃんのそれはガチで死ぬ!!
おんどりゃああああああ!?!?
ええ加減にせいよオルァアン!!なんで感動の再会でボコボコにされなきゃならんねーーーーん!!
ワイかて特訓をサボっとったわけやないんやでオラオラオラオラオラオラァ!!
エクトル卿の私兵団の人らとかを遠目で見たとき「うお、なんやあれ」と思っとったけど、こいつら普通に何でもなくても手が出てくるのは何なんやねん!?
暇潰しに喧嘩するなんて日常茶飯事…まあ、ある意味そういうのが仲の良い証拠なんやろうけど…。
そんでも、「傷薬がいくらあっても足りない」って言ってたやつ…もしかしてそうじゃないかと、うっすらずっと思っとったけど…やっぱ絶対これのせいやろ!!
モルガンちゃんとの生活でちょっと忘れとったけど、やっぱ異常やぞこいつらあ!?
殴り合うにしても限度ってもんを考えろやアホーーー!!
……。
…
「無事で良かったです、ワイ兄さん」
「本当に…いなくなった時はアルトリアも俺も、本当に心配したんだからな」
ありがとうやで、その気持ちは。
でもな、ワイのこの顔見てみい。もっと他に言うことあるやろ。
ボディはまだ良いとして、この顔はやりすぎやろ。なあ。
「いや、ワイが
だから、ワイから離れんっちゅう縛りがあんねん、この魔術杖。何度も離れんって言うたやろが。
「そうなのか?…いや、お前の歳で魔術杖まで持つなんて普通は思わないんだから、仕方ないだろ」
「ワイ兄さん、なんだか少し、マーリンみたいですね」
アカン。ボコボコに殴られたことより、ちょっとその言葉の方が暴力的かもしれん。
以前はそんなに悪い感情は無かったと思うんやけど、なんでやろう。
やっぱ、クソ適当に魔術を教えてやがったって理解できてもうたからなんかな。
…まあ、ともかくや。
満足したっちゅうなら、もっかい言わせてや。
…ただいまやで!
「おう!よく帰ってきた!」
「はい、おかえりなさい!」
──こうして、ほんの短い間の、ワイとモルガンちゃんだけの不思議な生活が終わり、ワイはいつもの日常へと帰ってきたんや。
▼喧嘩の文化
古い時代、喧嘩は暇潰しの手段でもあった。
格闘技の延長線として、子供でも行えて大人も楽しめる安易なスポーツ、肉体的コミュニケーションという手段だったのである。
また、誰かとの仲を深めたい、不仲の相手に対して仲良くなりたい場合など、わざと喧嘩に誘うというようなこともあったようだ。
当然、喧嘩で相手を殺してはならないというちゃんとしたルールはあるが、そのレベルで度を越すことがない限り、普通に手加減無用で殴り合っていたようである。
これは、個々人によって細かい価値観は異なるだろうという前提があるとして、広くは「意味のない手加減は相手に対する侮辱」とか「すぐに負けを認めるのは恥」とか、色々と誇りとか恥に関する文化的な背景が関わっていたりもするようだ。
死ぬ寸前まで殴り合いをするというのは珍しいことではあるが、骨が折れない程度にはボコボコに殴り合うくらいなら、せいぜいが「じゃれあい」の段階のようである。
だからといって、簡単に骨を折るまで発展するというわけでもない。
そこまでいってしまった喧嘩には、流石に仲裁が入るものだったようだ。