ワイ卿、Fate世界の円卓の騎士になる。   作:サーッ・タドコロ

11 / 20
たくさんの高評価、お気に入り、感想をいただき、本当にありがとうございます。


今話は、ストーリー展開的に不要だったかも…って思って全文削除/書き直そうかと思いましたが、まあ素人の二次創作小説だし、ちょっとだけ冗長になってもいいか…と思って、そのまま投稿します。
マーリンのスタンスっぽいものや、モルガンが生前に「何度もマーリンを殺そうとした/殺したのに、なかなか死なない」という話の部分を書こうとしたら、ワイの物語としてはあまり意味のないシーンが多く、ちょっと冗長でした。
次話はもう少し、ちゃんと進められればと思います。


※注意
・マーリンのカス描写がかなり酷い…気がします。あくまで、マーリンは正しいことしか言っていませんが、一応注意。



9:ワイ、マーリン・バーサス・モルガン

 

ようお前ら!元気にしとるか?

ワイは(ガッツ!ガツガッツ!)元気やで!

 

 

ワイがエクトル卿のお屋敷に帰ってきてから、数日後のこと。

 

今日は、大人たち…っちゅうか、お義父ちゃんと私兵団の全員が出払うっちゅう、なんやけったいな日やな。

どこに何をしに行くんや?ってお義父ちゃんに聞いてみたんやけど、「全てが終わったら伝えよう」って言われて…まあ、ようはお留守番してろってことやね。

 

エクトル卿のお屋敷…というか、そのお屋敷がある村そのものに、貴重な兵力が根こそぎ出払ってるっちゅうことになるんやけども、じゃあどうやって村や領地を守るんや?って話なんやが…

 

「まったく、乱暴者のモルガンめ!私の眼の届かないところで、随分と面白いことをしていたみたいじゃないか!」

 

このカス…いや、マーリンが居てくれとるっちゅうわけやね。

まあ、確かにマーリンさえ居てくれれば、普通の人相手ならなんも問題ないとは思うけど…こいつ、思ったよりしょっちゅう花園の外に出てくるやんけ。なんや、引きこもり設定があったんやないんか?

 

 

とりあえず、今のワイは厨房で、今日の分の朝ご飯を作っとるところや。

 

まあ、朝っちゅうか、半分昼くらいやけども。

新しく仕込み直したパン酵母はまだ出来とらんから、とりあえずいつも通りの飯やな。麦粥とおかず数品。

 

他の地域じゃミルクはそれなりに貴重品らしいけど、エクトル卿の領地では馬とともに山羊も多く保有しとるおかげで、ありがたいことにミルクが毎日の食事に出せるくらい大量に手に入る。

…パン食より麦粥食が盛んなのも、この辺が理由なんかもな?まあ、そのせいでパン酵母のことを失伝しとるっちゅうなら、なんや本末転倒な気もするけども…。

 

牛乳?少なくともワイは、モルガンちゃんのお屋敷でも見たこと無いで。

見るのは、山羊か羊の乳ばっかりやな。もしくはチーズやバター。

 

ケイ義兄ちゃんがノッポなんは、これ飲んで育ったおかげなんやろか?…って思ったけど、そのケイ義兄ちゃんはミルクとかを「臭くてあんまり好きじゃない」っちゅうから、そういうわけでもないんかもね。

 

「どうしたんだい?急に黙り込んで、料理に集中してるフリなどして。それより、もっとキミとモルガンとの話を聞かせてほしいな」

 

なんやもう、ワイの周りをうろちょろするだけじゃなく、何でもかんでも根掘り葉掘りと…。

いくらワイの養父の一人やからって、ワイの中の感謝と許容のラインにも限度ってもんがあるんやぞ。

 

ちゅうか、集中してるフリしてるところまでわかっとるんなら、わざと無視してることくらいわかるやろ。

一応ホンマに料理の邪魔やから、そろそろどっか行ってくれや。

 

「うーん。それを言うなら、私なんかよりも、()()()のほうが邪魔じゃないかい?」

 

む…それはそうなんやけども。

 

 

この魔術杖は、ワイの身長よりもやや長い…一般的な(パイク)の半分ほどの長さ。

普通の大人やケイ義兄ちゃんだと、およそ胸ほどの高さくらいやね。

 

よう考えんでも、こんだけ長いと私生活で絶対に邪魔になっとったはずなんやけど…。

コレを小脇に抱えたり、もしくは軽く抱くようにしながら、そのまま何をしようがそれほど邪魔に思わんくらいに、モルガンちゃんのお屋敷がなんもかんも余裕ありすぎて…ホンマに失念やったわ。

 

対して、エクトル卿のお屋敷はと言うと…一般的な住宅よりは立派やけど、本当に「一般的な住宅よりは立派」の枠を出ない程度。

のどかで質素な村の、のどかで質素なお屋敷の、その厨房。

 

そこに、こんな棒を持ち歩いて料理するんは…ホンマに申し訳ないことなんやけども、ぶっちゃけメッチャ邪魔やね…。

 

「ははあ、なるほど。つまりモルガンにしてやられたってことだね?」

 

いや、それはちょっとちゃうねん。

 

これを身体から離れんようにしても構わんって言ってお願いしたんは、ワイの方なんや。

モルガンちゃん…お師匠様のせいみたいには言わんでや。

 

「…ちょっと待ちなさい。ワイは、モルガンを師匠と呼んでいるのかい?」

 

おう。

そういや言い忘れとったけど、お師匠様に魔術を教わっとんねん。

 

この魔術杖は、お師匠様との師弟の契約の証なんや。

…そういや、マーリンはこういうのくれんかったなぁ。まあ、今更か…。

 

「なんてこった!いったいどこまで予想の斜め下…いや、直滑降をしているというんだ!?…そういうことなら、ワイはもしかすると、モルガンとの生活とやらの最中に、()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

なんやその、関連してるようで妙に脈絡のない話の振り方は。

起源ってなんやったっけ…なんか、ワイの本来の魔術属性がウンタラカンタラ…みたいなやつか?

 

いや、魔術の修行や騎士としての特訓の合間とかに、たま~に感じ取れるかどうか自分なりに試してるけど、全然わからんわ。

ワイが主に教わっとったのは、加護を使った魔術の…もっと理論的というか、機能や技術の細分化?みたいなもんと、魔術薬や治癒の魔術についてやな。

 

…ちゅうか、マーリンの教え方は全部感覚的すぎて、どうすればいいかほとんどわからんねん。

お師匠様を見習って、教えるならもっとちゃんと教えてや!

 

「そうなのかい?…まあ、それなら良かった。一応私も見ているけれど、もし気づいたなら、そのときはちゃんと私に言いなさい。それと、私は確かにとても凄い魔術師だが、別に魔術を好んでいるというわけではなくてね。…というか、呪文は噛むからね。うん、そこまで人に教えるほどのやる気は私にはないよ」

 

呪文を噛むかどうかはマーリンの都合であって、ワイにどう教えるかの都合とは関係ないやろ。

…はあ、マジで適当なことばっか言いよるわ。

 

 

ともかくや、話がメッチャクチャにはぐらかされて、いつのまにか変な方向に脱線しとるから、一旦戻すぞ。

 

確かに、ワイの魔術杖は色々な場面で邪魔や。

でも、だからってマーリンに厨房でウロチョロされるのが邪魔ではないことにはならんわ。どっか行っとってくれ、シッシッ。

 

「ははは、まだ預けて少ししか経っていないはずだと言うのに、ワイまでエクトルのようなことを言うようになったとは…私も、キミの養父として、少し感慨深いというものだよ!」

 

ホンマかあ?

感慨深いって、そんなハキハキ言うもんちゃう気がするんやけども…。ワイは訝しんだ…。

 

「ああ、本当だとも。だから、これは私なりの贈り物だ。ほら、受け取りなさい」

 

そう言ってマーリンは、片手の指をヒョイッと振ってみせる。

その合図とともに、トサリ…と小さな音を立ててテーブルの上に、何かが現れた。

 

なんや?と思って、それをよく観察してみると、なにやら質の良さそうな革製の何か…ということだけはわかった。

 

「わざわざモルガンに対抗して、というわけではないけどね。もともと渡すつもりではあったが…それならついでに、これは私とワイの師弟の証ということにしてしまおうか」

 

 

「私の弟子に勝手なことをするな、クズが」

 

 

次の瞬間、テーブルごとその上に置かれていたものと、さらにはマーリンまで跡形もなく吹き飛んだ。

 

同時に、爆風によって外に放り出されたワイはゴロゴロと地面を転がり…やっと止まったところで、自分が飛んできた方を見やる。

ほぼ全壊と言っていい状態の厨房。…その中の暗がりから、スッと小さな影が現れる。

 

モルガンちゃん…お師匠様である。

 

 

 

 

「いきなり酷いじゃないか、乱暴者のモルガンめ。いったい、どうやってここまで侵入してきたんだい?」

 

ワイの傍らに…いや、モルガンちゃんとの間にワイを挟むような位置に立ちながら、モルガンちゃんへと語りかけるマーリン。

 

 

…正直、まったく状況に理解が追いついてへんけど…ワイにも、これだけはわかる。

 

おいお前マーリン、そこにいたらワイが殺されるやろ。

なんでさっきので死んでおらんのかは知らんけど、そこに立つなや。殺人と同等やぞソレは。

 

「死ね、人でなし。私の弟子に近づくな」

 

「はあ、せめて会話くらいしてほしいものだけど…なるほど、エクトル卿と何か契約して、エクトル卿の領地(ここ)にまで抜け道を作っているな?相変わらず、私の眼の届かないところでコソコソと、これだから油断ならない魔女…」

 

 

 ボッッ

 

 ……ッボオオオオオオォォォォォォォ─────……

 

 

ワイの頭上スレスレを、「通り過ぎていった」という過去形で感じることしか出来ないほどの速度で、何かが飛び去っていった。

数秒ほど遅れて、遠くの方から地鳴りとともに、爆発音とその残響が耳に届けられる。

 

大丈夫?ワイの頭、えぐれてない?

毛が無くて良かったね♡で済んでたらマシなレベルのことが一瞬で発生した気がするんやけど、ホンマにワイは生きとるんか?

 

マーリンは…今のがホンマに命中しとったら、膝から下くらいは残ってそうなもんやけど…それがないってことはまだ死んでなさそうやな。

流石に死んでほしいとまでは思わんが、マジでしぶといな。普通に感心してしまうわ。

 

そんな、現実逃避に近い思考しかできなくなるほど凄まじい状況に対して、完全に腰が抜けてしまいお漏らしまでしとるワイ。

そのワイの近くへと、モルガンちゃんが静かに歩み寄ってくる。

 

「とぼけたフリをするな。エクターとの契約など、とうに貴様も気づいていただろう。直通の近道を用意したというのに、こんな幻術を撒き散らし邪魔をして…相変わらず不愉快極まる。喜ぶと良い、ろくでなしの夢魔よ、お陰でこうして想定よりも到着が遅くなったのだからな」

 

「いいや、キミとエクトルとの契約の内容を知らなかったのは本当のことさ。それでも、キミがこれほどまでにワイに執着するのが予想外だったからね、私なりに手を加えておこうと思っただけ、なのだけど…いやはや、まさか実際に役立つなんて思っていなかったさ。ホント、私の予想を大きく越えてくるなぁ、モルガンの暴走というやつは…」

 

どこかへ消えとったマーリンが、またワイを挟んでモルガンちゃんを向かいに置くような位置に出現する。

 

ええ加減にせえよマーリン。

頼むからマジで、今すぐ死ぬか、移動するか、死ぬか、好きなのを選んでくれ。

 

そんな願いも虚しく、モルガンちゃんは凄まじい怒気を放ちながら、着実にワイの方へと近づいてくる。

 

令呪を以て命ずる。マーリン、今すぐ死んでくれ。3画全部使ってあげるから。

もしくは早くそこから移動してくれ。ホンマに、右か左に100メートルくらいズレるだけでもええんや。すぐでええよ。

 

「ははは、それにしても、まさかキミがワイの師匠とは。いや、キミがそうやって新しい趣味を楽しんでくれると言うなら、そして大人しくなってくれるなら、私としてもありがたい話…」

 

「消え失せろ」

 

先程より、さらに近距離から放たれる、モルガンちゃんの魔術弾。

対するマーリンは、今度はただ受け身になるのではなく、対抗するべく高圧縮された水圧レーザーのような魔術を放つ。

 

それら、2つの魔術が、ワイの頭上で激突する。

 

水圧レーザーに着弾した魔術弾は、しかし未だに原型を保ち続ける。

魔術弾を押し留めることしかできない…しかしなおも粉砕しようと放たれ続ける水圧レーザーは、魔術弾との激突点から次々と爆ぜ散り、砕け散った破片が豪水流となって辺り一帯に撒き散らされる。

 

 

オボッッボボボボボッボボォオ!!

 

オボボボッ、溺れるッッッ!!溺れボボボボボボォオオオオッ!!やめボボボボオボボォォボボッ!!

 

逃げオボボボオオオボボ、ボボォォォオオオッッ!!

 

オボボッ…ボッ………ボ…………、……………。

 

 

 

 

……知らない天井や。

 

 

モルガンちゃんの顔面ドアップみたいな柄の天井って、悪いとは言わんけど、流石に趣味を疑うわ。

 

「目覚めたか」

 

へ、へぇ~、喋る天井かぁ、凄いなぁ。

この、なんや、妙にほそっこくてやわこい枕が、一体何製なのか考えるんが、今だけはマジでメッチャ怖いわ。

 

「おや、無事なようで良かった。いやあ、巻き込んでしまって済まないねぇ」

 

死んでくれマーリン。

できればもう誰にも迷惑をかけないように、そして迷惑がかからんうちに。

 

 

…んで、結局なにがどうなって、今はどういう状況なんや?

 

まず、もしもさっきまでの出来事が全部夢じゃなかったと仮定して。

ちょっとポジションが変化しとるだけで、ワイを挟んでモルガンちゃんとマーリンが向かい合っとることには、結局なんも変わっとらんのやけど。

 

「ああ、モルガンがやっと、ちょっとだけ話せる程度には大人しくなってくれたみたいでね。このまま続けていたら本気の殺し合いになってしまいそうだったから、ひとまずエクトルの領地(ここ)での約束事だけ決めさせてもらったところだよ」

 

「貴様が約束を守るとも思えんがな。だが、貴様が約束を破ると言うならそれでも良い。その時こそ、貴様を労も無く殺せる絶好の機会となるだろうからな」

 

なるほど、約束事。

まあ、モルガンちゃんは真面目な人やし、マーリンが破らん限り大丈夫なんじゃないんか?

 

「……なんと、そう言われることになるとは」

 

「フッ…よくぞ言ってやったものだ、我が弟子よ。その通り、私は貴様と違って、約束を破ることはない」

 

「契約でも何でも()()()ばっかり使うくせに、よく言うものだねえ!…しかし、うん。私よりモルガンの方に、まさか本心から信用を置かれるとは、流石にちょっとだけ衝撃を受けたよ。ちゃんと、ワイのためになることをしているはずなんだけどなぁ」

 

それホンマに言うてる?

 

いや、確かにマーリンだって、別に嘘ついたり約束破っとるわけやないんやけど…。

…?ええぇ?あれぇ?…確かに、そこまで言うほど信用できないってわけじゃない、のか…?

 

…いや、待てや。

惑わされたらアカン、約束云々のとこ以外が壊滅的なんやって。

 

こいつ、ワイを挟んでいきなり死闘始めよったんやぞ。何が「ワイのためになること」や。

…まさか、アレでワイを守ってたって、本気で言っとるんか…?

 

あかん、ようわからんなってきた。

ホンマにこいつの言う事まともに聞いとったら頭がおかしなってまう。

基本的にカスであることを念頭におかんと、マーリンとの会話はマジで危険や。

 

「そこまでだ。私は師弟としてのみこの領地へ、そしてエクターの屋敷を尋ねることを許されている。その範疇で貴様に邪魔をされる謂れはない、失せろ」

 

「それを言うなら、私だって養父として訪れることを許されているんだけどね?まあ、それでキミが大人しくなるなら、言われたとおりにするとしよう。ああ、こちらの約束もちゃんと守ってくれたまえよ、それじゃあ」

 

「黙れ。約束を破らぬと言ったはずだ、今すぐ殺してやっても良いんだぞ」

 

「うん。それじゃあ、私の弟子をよろしく頼むよ、モル…」

 

「死ね」

 

モルガンちゃんは、ワイの頭をその細っこい膝の上に乗せたまま、マーリンに向けて魔力弾をぶっ放し、先程までそこにいたはずのマーリンの姿とともに、エクトル卿の屋敷の厨房(の残骸)を完全に消し飛ばした。

 

 

モルガンちゃん、とりあえず、順を追って確認したいんやけどもね。

 

まず、ようこそやで。

ちゃんと挨拶しとらんで、申し訳なかったわ。

 

んで、何の御用なんか確認したい…っちゅうところなんやけども、その前にや。

どうしても、モルガンちゃんのご要件の前に、ワイの方から言わなきゃならんことがあんねん。

 

「なんだ、言ってみろ」

 

あんなぁ、理由はどうあれ、壊したのはモルガンちゃんなんやから、ちゃんと壊したもんを修理するの手伝ってや。

ワイも頑張るから、できれば今日中に竈だけでも…やけど、エクトル卿たちが帰ってくる前に、ちゃあんと全部直さなあかん。

 

そんで、直し終わったら、ちゃんと一緒にエクトル卿に謝ろうな。

ホンマに申し訳ないんやけども、ワイ一人でこの全責任を負うんは、ちょっと無理や…。

 

「気にするな。ここは全て、()()()()()()()()()だ。おかげで貴様への直通路が機能せず、わざわざ森を抜けて移動することになった上に、さらに探し回る羽目にまでなった」

 

マーリン、お前ホンマに何を四天王?

いや、まあ、本物の厨房が無事っちゅうんならええんやけど…じゃあ、ワイはいつから幻術の中におって、そんで今まで何をしとったっちゅうんや?

 

「別の人間に貴様の姿を幻術で被せたものが、貴様の代わりに料理番として働いていた。ああ、趣味が悪いにもほどがあるという話だな」

 

「おいおい、ちゃんと、エクトルが戻ってくるまでのつもりだったと伝え…」

 

「死ね」

 

いつの間にか現れたマーリンに、モルガンちゃんは一瞥もくれることなく魔術弾をぶっ放し、どうやら幻術…らしい?ワイにはまったく見破れんけど…幻術のエクトル卿の屋敷ごと、マーリンは消し飛んだ。

…ように見える。まあ、絶対死んどらんやろ。

 

「不愉快だ。さっさとこんな幻術(ところ)から出るぞ」

 

うん、完全に異論なしや。

 

ちゅうか、ワイの認識がまだまだ甘かったのを再認識したわ。

マーリンは、確かにFGO(ゲーム)では世界を救うのにめっちゃ協力してくれた、えらい頼りになる魔術師だったのかもしれんけど…それ以前に、ガチの危険人物やわ。

 

 

…ちなみになんやけど、どうやってマーリンの幻術から出ればええんや?ワイ、出方なんてわからんのやけども。

 

「…あれはカスだとしても、魔術師としての実力だけはあるからな。貴様程度の力量では、自力で抜け出せるはずもないか。…仕方ない、良いと言うまで目を閉じていろ」

 

はい、よろしくオナシャス。ふわぁ~ん。

 

 

 

 

「よい、目を開けてみろ」

 

…はやっ。

 

いや、1秒も目を閉じていたかどうかなんやけど。

何をやったのか全くわからんわ…。

 

流石モルガンちゃん…いや、お師匠様やで。

 

 

言われたとおりに、目を開けてみる。

広がる視界には…全く壊れていない、無事な厨房の内装が見える。

 

土間の床に背をつけて寝転ぶワイ。

それを膝枕するモルガンちゃん。おほほ…。

さらに、なぜか薪を使って料理をしとるワイ。なんでやねん。

 

そして、料理をつまみ食いしに来たのであろう、ケイ義兄ちゃん。

 

「…お、おっふ」

 

ケイ義兄ちゃんの両目は大きく見開かれ、驚愕している様子が見てわかる。

 

 

なんでよりによってケイ義兄ちゃんに見られとんねん、こんな場面。絶対あとで滅茶苦茶イジられるやん。

 

そのケイ義兄ちゃんは、ほんの少しだけ…どこか恥ずかしそうな様子で頬を赤らめながら、どこかバツが悪そうに視線を泳がせる。

 

…そして、よく見ればワイが二人いるということに、やっと気がついたのだろう。

徐々に眉をひそめ眉間にシワを寄せながら、首を何度も振って、二人のワイを交互に、不思議そうに見直すことを繰り返す。

 

顔を赤らめていたかと思ったら、今度は少しずつ顔色が白くなり…。

ついには、つまみ食いしていた皿をそっと置いて、両手でクシクシと目をこすりながら、静かに厨房を出ていった。

 

 

…とりあえず、今度マーリンにあったら、絶対に一発ぶん殴ろう。そう、心に決めた。

 

 





▼ケイの女好き/おっふ

ケイは、幼い日に見たモルガンを「綺麗な人だった」と、円卓の騎士になってからも覚え・認識しているくらいには、実は面食いの女好きである。
(ただし、円卓の騎士の物語の終盤頃だと「昔は綺麗な人だったが、今となっては…」という含みのある言い方をする)

それは、アーサー王/アルトリアが「マーリンとケイの女好きには…」と、あのマーリンに並んで語るほどのもの。
一応マーリンやランスロットよりも節操というものはあるのだが、結構軟派な男である。

ケイは円卓の騎士としては珍しく、結構な魔術の才も持つ人物だったのだが、若き日にモルガンのことを何処かで見た際に…大人になっても「綺麗な人だった」と語るほどには、何かしらの衝撃的な出会いがあり、影響があったのかもしれない。

少なくとも、ランスロットなどはモルガンに対し「しょせんは小物」と断じてしまうので、ケイが円卓の騎士の中でもやや異質な思考/価値観だった(モルガンに対して「綺麗な人」だと言えてしまえた)と思われる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。