ハリー・ポッターと上位者の娘   作:アーマウニー

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ハリーポッターと上位者の娘 6 組み分け

「イッチ年生!イッチ年生はこっちだ!」

 

とても体格の大きい、顔中もじゃもじゃの大男がランタンを持って1年生を集めている。

……あの体格凄いね。素手で獣狩り出来そう。ガラシャってあれくらい太ましかったのかな?

 

「イッチ年生はもうおらんな!それじゃ、着いてこい!」

 

険しい小道を人形ちゃんと手を繋ぎながら(離してくれない)歩く。''転ぶといけませんから''だそうだ。……あの、禁域の森の方が全然危なかったよ、こんな道より。あそこひとりで行けたんだから大丈夫なんだけどなぁ。……ってより人形ちゃんの制服姿可愛いね。マジで。可愛……キレ……きれい……いや、可愛い!可愛いが勝つ!やっぱ色々オシャレした方がいいって人形ちゃん。

 

「みんな!ホグワーツがもうそろそろ見えるぞ!」

 

……わあ。

一斉に声が上がる。みんな興奮してる。それもそうだ。

とても綺麗な城だ……アンナリーゼ様には悪いけど、初めてカインハーストに着いた時より強い感動だ。……カインハーストはなんというか、ドラキュラ城みたいな雰囲気だったからね。

こっちは灯りがしっかり着いてるし、黒い泉も、空……はあっちも見えるか。……とにかく、幻想的で、とても綺麗だ。

 

 

そのあとはボートに乗って泉を渡った。ハーマイオニーだったかな?あの子が連れてた気弱そうな男の子のヒキガエルが見つかったらしい。良かった良かった。……っていうかヒキガエルペットにする子っているんだ……

そんな事もありつつ、引率の大男はホグワーツの扉を3回叩いた。

 

扉が開くと、そこには見知った顔がいた。

マクゴナガル先生!ひと月ぶりだ。とても厳格そうな、''厳しい先生''という顔をしている。多分あれが通常運転なんだろう。

 

「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです。」

 

「ご苦労さま、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう。」

 

ものすごく広い玄関ホールを横切り、私達はマクゴナガル先生に着いて空き部屋へと入った。

 

周りの1年生は皆落ち着きがない。ソワソワと緊張が走っている。こんな何もない部屋に集められて何をするのかって感じかな。

……まあわかる。さっき前を通った大きな扉からは、大勢のざわめく音が聞こえてたから、多分そっちに他の学年の子達が集まってるんだろう。今から私達も行くんだろうけど……

 

「ホグワーツ入学おめでとう。」

 

マクゴナガル先生は1年生を見渡してそう言う。

少し目が合った。先生が少し微笑んだ気がした。

 

「新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、その前に貴方々が入る寮を決めなくてはなりません。寮の組み分けは大切な儀式です。これからホグワーツにいる間、寮生は貴方々の家族とも言える存在となるのですから。」

 

マクゴナガル先生は寮での生活と、寮点なるシステム、そして寮杯なるものの存在を明かした。

 

「学校側の準備が出来たら戻ってきますので、静かに待っていてください。」

 

そういうと先生は部屋を出ていった。

皆の雰囲気が少しピリついている。

……組み分けねぇ。何をして組み分けするんだろ。何かしらの試験を受けるのかな?……全校生徒が集まってるであろう場の前で?いやぁ時間かかりすぎるんじゃない?……あーでも、魔法界の常識知らないし、やるかも知んない……

 

「マリアちゃん。組み分けって何するんだと思う?」

 

「何があるにせよ、クリス様なら上手くできます。」

 

……どんどんママ味が強まってるよなぁ人形ちゃん。

と、取り留めのない考えに耽っていると、後方から悲鳴が聞こえてきた。

 

「……なにが、!」

 

ゴースト!?地底の巡礼者やカインハーストに居たゴーストと瓜二つのが飛んでくる。

 

狩人スイッチが入り、すぐに仕込み杖を取り出す。が、

 

「お待ちください狩人様。ここでは……それに、あれは似て非なるもののようです。」

 

「え?……ほんとだ。敵意がないし……瞳も違うって言ってる……あんなのが存在するんだ……」

 

おっとー……ちょっと殺気漏れちゃったか……私の周りがだいぶ広くなってる……離れないで、何もしないから……

 

にしても城にはゴーストがいないとダメってルールでもあるのかな?今のところ入ったことのある城には全てゴーストがいるんだけど?

……まぁ母数が2つだけなんだけど。

 

あ、マクゴナガル先生戻ってきた。助かるー。

 

「さあ、行きますよ。組み分けの儀式が間もなく始まります。1列になって着いてきてください。」

 

ゴーストに言及が無いあたりあれは日常茶飯事という事なんだろう。

 

マクゴナガル先生の後に続き、部屋をぬけ、大広間へと入る。

 

そこには天井がなかった。

 

''ホグワーツの歴史''を読んで知ってはいた。魔法によって本物のような空が見えることを。

しかし……これはちょっと尋常じゃない。何度目になるか分からない感嘆の溜息をつく。

神秘を用いずにこれほどのものを成すとはね……失敗作たちのように本物の宇宙を召喚し、更には星を呼ぶことは出来ないだろう、見かけだけのものでも。感動を呼ぶことは出来るってことか……

 

上級生たちが4つの大きなテーブルに着いている。多分あれが4寮なんだろう。1番奥には……多分教師陣が座っている。中央の一際大きな席に座っている白髪白髭の彼が、多分ダンブルドアかな。

 

マクゴナガル先生がスツールを皆の前に置き、その上に古びたツギハギの帽子を置いた。

 

……あの帽子でなにかするのかね?ただの帽子ではないみたいだけど。

 

広場が静まり返る。

すると、帽子は刻まれたシワを口のように動かして歌い始めた。

 

〜〜~

 

私はきれいじゃないけれど

私を凌ぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

 

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

私は彼らの上を行く

 

私はホグワーツ組分け帽子

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

グリフィンドールに入るなら

勇気ある者が住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

ほかとは違うグリフィンドール

 

ハッフルパフに入るなら

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

古き賢きレインブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

必ずここで得るだろう

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る?

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

かぶってごらん恐れずに

君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)

だって私は考える帽子

 

〜〜~

 

歌い終えると、広間にいる全員が拍手喝采を始めた。

 

……そういう事ね。組み分けってのは帽子をかぶるだけか。わかりやすいじゃない。

 

マクゴナガル先生は長い羊皮紙の巻紙を手にして前に出る。どうやらABC順に名前を呼ばれるらしい。

ブラウン。だいぶ最初の方だな。

 

どんどん呼ばれては組み分け帽子をかぶり、組み分け帽子が寮の名前を叫ぶ。叫ばれる前に個人差があるのはなんでだろ。複数の寮に適性があるから悩んでるとか?

 

「ブロックルハースト・マンディ」

 

「レイブンクロー!」

 

もうそろそろかな?

彼はレイブンクロー。

 

「ブラウン・クリスティーナ」

 

ザワザワが引いた。

……おいおい急に静かにならないでよ。

次いでヒソヒソ声が聞こえてくる。

曰く

''あの新聞の?''

''アンナリーゼの口座のやつ''

''ハリー・ポッターの恋人って聞いたよ''

 

……ヘイ最後のやつ。それはどこから立った噂だい?

 

「頑張ってください。クリス様。」

 

小声で人形ちゃんに檄を飛ばされ前に出る。

頑張れって言ったって……帽子かぶるだけだよ?

 

スツールに座って帽子を待つ。

……まあ分かりきってる答えを聞くとはいえ、なかなかに緊張するね。

レイブンクロー。……人形ちゃんしっかりこっちに来

 

「スリザリン!!!」

 

れる……のか……な?……は???

 

途端にスリザリンの方から歓声が上がる。いやいや待って。

油の切れた機械のようにギギ……とマクゴナガル先生を見る。……驚愕してる。私も多分同じ顔してる。

 

「あの……もう1回組み分けて貰えませんか?何かの間違いだと……」

 

「スリザリン!!!!」

 

頭の上の組み分け帽子が叫ぶ。2度も言った!

スリザリンのテーブルがもう一度歓声をあげる。君たちノリいいね?

……もういいや。オーケーオーケー。だいぶ計画狂ったけど。

 

マクゴナガル先生に礼をしてスリザリンのテーブルに着く。

 

「ようこそブラウン。スリザリンへ。君の事はドラコからよく聞いてる。」

 

だの

 

「アンナリーゼの口座の後継ってのは本当?」

 

だの滅茶苦茶聞かれる。うるせー!正直今それどころじゃない。

……なんで?なんでスリザリン?私どう考えたってレイブンクローでしょ?私ほどの学徒を取らないレイブンクローって、それ存在する意味あるの?

……あー、知ってる人間早く来て。というか人形ちゃん……お願い、こっちに組み分けされて……

初っ端からイレギュラーづくしはキツイよ。せめて人形ちゃんいないと精神が……

 

そうこうしてるうちにどんどん組み分けは進んでいく。

 

「マルフォイ・ドラコ」

 

「スリザリン!」

 

ドラコも私と同じくらい早くに組み分けされた。帽子が頭に触れるか触れないかのタイミングだ。もはや帽子を被ったとは言えない。

 

……なにそれ、つまりドラコと同じくらいスリザリン一択の人間なの私。なんか複雑……

 

胸を張ってスリザリンのテーブルに歩いてくる彼にこっちに来てくれと手を振るが、

 

 

「マリア」

 

来た!

……人形ちゃんもまただいぶヒソヒソ囁かれてるな。

背高いだの、美人だの、ほんとに1年生?だの、まあ分かるけどね。どう見たって11歳じゃないし。

……でだ。……あー!お願い!人形ちゃんこっち来て!散々自立だの言ってたけど人形ちゃんいないと多分無理!

 

「ハッフ……スリザリン!」

 

あ?めっちゃ危なくなかったか?……ともかく!セーフ!!マジで!よかったああぁ……

 

人形ちゃんは視線をものともせず迷いなく私の隣に座る。

 

「良かったよマリアちゃん……一瞬ハッフルパフに行きそうだったよね?」

 

「脅しました。……私もクリス様と同じ寮に入れて良かったです。」

 

……''脅しました''がめっちゃ冷たい声だった。

 

ってか、脅せばよかったわけ?いや無理か。あんな速さじゃ初見殺しも良いとこだって。

ともかく良かったよ……もし人形ちゃんとも離れちゃったら激萎えは不可避だった……というか生きていけなかっただろうね……

 

「君達も無事スリザリンに入れたようだね。」

 

「ドラコ・マルフォイ様」

 

「ドラコ!」

 

人形ちゃんと一緒に反応する。後ろのふたり(クラッブとゴイル)も揃ってスリザリンか。

 

「君、あー、マリア。君もスリザリンか、良かったじゃないか。それで、ブラウン。君もだ、おめでとうと言わせてもらうよ。」

 

「……ああ、うん。ホントの事言うと私達、入ると思ってたのはレイブンクローなんだ。だから……''無事''と言えるかは微妙かな……スリザリンもいいなと思ってたからいいんだけどね。」

 

まあ4割本音。だいぶレイブンクロー入りたかった。……いや?まあ寮が変わろうとやることは変わんないし良いのか?

 

「そうだったのか?まあ、ほかの2つの寮よりはレイブンクローは良いところだろう。父上から良く聞かされたよ。もし寮の外に知人を作るなら優秀なレイブンクロー生にしておけと。」

 

父親の話をする時はいつも得意げだなこの子。やっぱ可愛いところあるよ君。ほんとに父親のこと好きなんだね。

 

「とにかく、レイブンクローに入れなかったのは残念だろうけど、スリザリンに入れたことを誇りに思うべきだね。前に汽車で話した付き合うべき人間はほとんどスリザリンだ。後で教えるよ。」

 

それは助かる。人脈は有れば有るほどいい……そんな単純でもないか?でもゼロよりは多い方がいいだろう。

 

「パーキンソン・パンジー」

 

「スリザリン!」

 

ドラコが今組み分けされた女の子を見る。

 

「あの子は多分、スリザリン1年生女子の中心になるだろう。知り合っておくべきだ。なんなら僕が彼女に君を紹介しようか?」

 

……まさかドラコがこんなに積極的に優しくしてくれるとはね。父親から何を言われたんだろう。まあ、口座目当てだろうけど……真に仲良くなれるのはいつかな?そもそもなれるのか……

 

お願いしようと思っていたら、パンジーが近づいてくる。向こうから来てくれるとは……いや?

 

「ドラコ!久しぶりね。」

 

「やあ、パンジー。君も順当にスリザリンに入れたようだね。」

 

「当たり前よ。私は聖28一族のパーキンソン家。スリザリン以外の選択肢なんてありえないわ。それで?彼女たちが噂の?」

 

流し目で私と人形ちゃんを見るパンジー。この子ビビるほど美人だな。それと聖28一族?ああ、なんか純血とかなんとかの本にあったな。確実に純血の家系と言える貴族家……だったかな?と、言うことはその知識もなかなかのものと期待して良い……のかな?

 

「その通り。ブラウン、マリア。こちらがパンジー・パーキンソン。僕、マルフォイ家と同じ純血の名門の息女だ。パンジーとは家族ぐるみの付き合いでね。」

 

ドラコは向き直ってパンジーに私たちを紹介する。

 

「パンジー。こちらがクリスティーナ・ブラウン。そして、その……使用人、でいいかな?それとも親友と紹介しようか。マリアだ。君も見た通り、彼女も僕たちと同じく1年生だ。……そして、アンナリーゼの関係者。」

 

人形ちゃんがピクリと動く。

親友って響に思うところがあるのかな?私にとっては親であり親友であり……なんていえばいいのかな?家族?

 

「よろしく。''ぽっと出の有名人''さん?」

 

取り留めのない思考に耽る癖直すべきかな?会話に集中しないと……んで、いきなりご挨拶って感じ?

 

「よろしくね、''名門貴族''のパーキンソンさん?」

 

「よろしくお願いします。」

 

と人形ちゃんが丁寧に返す。ずっと丁寧なのもいいけど、これって無関心の現れでもあるよね……気の置けない友人の1人でも人形ちゃんに出来れば変わるのかな?

 

「……ふふ、冗談よ!確かにぽっと出とはいえ、魔法界随一の資金力を手に入れた人間と敵対するほど馬鹿じゃないわ。仲良くしましょ?クリス。……それにマリア?あなたがいくつだろうと、どんな訳ありだろうと、さん付けなんてしないわよ。同級生だもの。」

 

「構いません。パンジー・パーキンソン様」

 

「パンジーで良いわ。」

 

いいねこの子。強かで怖いもの知らずって感じ。

 

「はは、いいね。よろしく、パンジー。とはいえ、常識は無いし、魔法の知識もない。お金しか持ってない私だけど良いのかな?」

 

「お金があれば常識も何もかも後からどうとでも出来るでしょ。つついてくる奴らは潰せばいいのよ。」

 

ああいいね。面白い。スリザリン仕草って言うのかな?嫌いじゃないかもね。……私の場合は金で黙らせるよりもっと直接的な方法のが性にあってるんだけど。政治とかにも強くならなきゃな……必要なく闇の帝王になんてなるつもりは無いし。

 

「ポッター・ハリー」

 

お?私の時より一段と静かになったな。ヒソヒソ声も比じゃないね。当の本人はガチガチに緊張してるみたいだけど。

 

「さて、彼も来てくれると良いんだが。」

 

ドラコの独り言が聞こえる。

 

……長いな。羨ましい。組み分け帽子が顔?をうねらせ悩んでるみたいな動き方してる。……私の時もそれくらい悩んでくれてよかったと思うんだけどな……

 

「グリフィンドール!」

 

グリフィンドールのテーブルから滅茶苦茶な歓声が響く。

 

「ポッターを取った!ポッターを取った!」

 

フレッドとジョージが騒ぎ立ててる。やっぱアイツら面白い。絶対どっちがどっちか聞き出してやる。

 

ドラコがすごい苦い顔してる。

 

「ドラコ?ハリーがグリフィンドールに行くのそんなに嫌なの?」

 

「……あぁ、そういえば君はまだ色々知らないんだったな。……そうだ。我らがスリザリンとグリフィンドールは水と油。犬猿の仲さ。あのエセ英雄のダンブルドアも、''闇の帝王''の邪魔をしてきたヤツらはほとんどがグリフィンドールだ。……未だにダンブルドアは父上を疑っているし、ほかの死喰い人を親に持つスリザリン生の事を……というか、スリザリン生自体をグリフィンドールは目の敵にしてくる。……偽善者共の寮さ。」

 

そういう事ね。''例のあの人''を肯定的に書いていた本を見た事ないから……正直ダンブルドア含め彼らの対応はそこまで間違ってるとは思わないんだけど……まあ、何もしてない子供にまでその態度をしてくるのは健全では無さそうだ。……正直な話、どうでもいいんだけど。

 

「そうだ。ねぇ、クリス?あのウワサ!ポッターと恋人ってホントなの?」

 

「……パンジー?それ、一体どこから立った噂なの?すんごく気になるんだけど。」

 

「否定しないってことはほんとって事ね!?」

 

ヘイ。ゴシップ大好きか?

 

「否定します!たまたま同じコンパートメントにいただけ。」

 

「へぇ?……怪しいわね。たまたまってところが特に。」

 

めんどくさいぞ。何言ってもダメじゃんその感じ。

 

「パンジー様。クリス様はハリーポッター様とは何もありません。」

 

「マリア?……あなたが口を挟むところが余計に怪しいわ。」

 

もう!ほんとに何言っても怪しんでくるじゃん!

 

「クリス様には婚約者がおられます。ハリーポッター様の出る幕はありません。」

 

人形ちゃん?

 

「うそ!ほんとなのクリス!?」

 

「ちょっとマリアちゃん!?」

 

「ホントなのね!?いいこと聞いちゃった!!」

 

パンジーがダッシュで他の女の子のとこに行っちゃった。

 

「マリアちゃん……」

 

「根も葉もない噂はしっかりと否定しておくべきでは無いですか?クリス様。」

 

何が悪かったの?って顔で人形ちゃんが見てくる。……もう口止めは無意味だろうなぁ。

 

……あ、ロンはグリフィンドールだ。良かったじゃん

 

「……あーブラウン。今の話は本当なのか?」

 

「ドラコまで……まぁ、うーん……嘘では無いんだけど……」

 

ドラコがなにか言おうとした時、広場が静まった。ダンブルドアがなんか喋るみたい。……あぁそうか。ロンが最後ね。これで全員の組み分けが終わったと。

 

「おめでとう! ホグワーツの新入生、おめでとう! 歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。

では、いきますぞ。そーれ! わっしょい! こらしょい! どっこらしょい! 以上!」

 

……なんじゃありゃ。ドラコは完全に無視してる。

 

「君、マリア。いくら噂を否定したいからってそういう話を誰彼構わず話すべきじゃない。既に君たちは新聞のタネなんだ。学生に回る根も葉もない噂なんかは取り上げないだろうが、ブラウンの付き人の君が言った今の言葉は確実に日刊預言者新聞に取り上げられるぞ。」

 

マスコミはもっと上手く使わなきゃダメだ。

そう言いながら人形ちゃんを窘めるドラコ。やっぱりドラコはこういうのに慣れてる。私もこの世界で生きる以上、見習わないと……

 

「それで、相手は聞かない方がいいんだろうな?いや、いい。こういう話題はセンシティブだし、どこから噂が立つか分からない。こんな話題で信用を失いたくもないしな。ただ、誰かに話すつもりになったのなら、話す前に1番初めに僕に教えて欲しい。こういう情報の扱い方には長けてるつもりだ。」

 

「分かったよ、ドラコ。」

 

何はともあれ、ドラコとは良い関係でいられそうだし、パンジーも面白い。スリザリンでもまぁ、上手くやってけるだろう。

それに、一息ついてしっかりと周りが見えきた。この目の前のご馳走が今になって鼻腔をくすぐる。全部美味しそうだ。

 

届かない料理を人形ちゃんに取ってもらって、乗せられるだけご馳走の乗った皿に手をつける。

……美味しい!人形ちゃんの料理は最高だけど、これも負けてないね。

 

んで、さっきから気になってるんだけど……

 

「ねぇ、ドラコ。」

 

「なんだ?」

 

「あの教師陣のテーブルのさ、ターバン巻いた先生。あの人って」

 

「あぁ、たしか……クィリナス・クィレル。闇の魔術に対する防衛術の教師だ。フン、我らが寮監、スネイプに睨まれてビクビクしてるな。あんなのが教師とは。」

 

「スネイプ?」

 

「ああ、クィレルと話してる黒髪の教師さ。スネイプは僕の父上とも懇意にしていてね。スリザリンを思いっきり贔屓してくれるいい教師だよ。スネイプは闇の魔術に対する防衛術の教師を狙ってるのにつけさせて貰えないんだ。だからあんなにクィレルに威圧的なのさ。」

 

ふーん……ああ、話がズレちゃった。

 

「クィレル先生がターバン巻いてる理由って知ってる?」

 

「さぁね。上級生に聞いてみるといい。僕は知らない。」

 

前の席に座る上級生が話しかけてくる。

 

「アレはアフリカの王子だったかなんだったかに貰ったとか聞いたよ。ふ、変なターバンだろ?」

 

皆分からないのか。まあ私も瞳が反応したからわかっただけだけど。

……隠すってことは魔法界じゃ禁忌なのかな?

寄生虫を身体の内に飼うなんて、とっても医療協会仕草じゃないか。まぁアレよりだいぶおざなりだけど。

恥ずかしいのかな?寄生虫を体の内に飼っておきながら御しきれないなんて。出来ないならやらなきゃいいのに。

 

さてさて、お腹が満腹になると次にくるのは決まってる。

 

「……マリアちゃん。」

 

「ええ。クリス様。ですが、もう暫く我慢ください。そろそろお開きのようです。」

 

……またダンブルドアが立ち上がってる。

 

「エヘン。……えー全員、よく食べ、よく飲んだことじゃろう。……もう眠そうな子もいることじゃが、二言、三言、お知らせがあるゆえ我慢して欲しい。1年生に伝えておくが、構内にある森に入ってはいけません。これは上級生にも、特に、いつもの何人かには注意してもらいたい。」

 

フレッドとジョージがニヤついてる。今度連れてってもらおう。

 

「管理人のフィルチさんから、授業の合間に廊下で魔法を使わないようにと、注意がありました。次に、今学期は2週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡してください。」

 

……クィディッチ?本にあったな……

 

「最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい4階の右側の廊下には入ってはいけません。」

 

……なんて?

 

「それでは!寝る前に校歌を歌いましょう!」

 

いや、4階の右側の廊下もう少し説明いるだろ。

まぁいいや……歌か、歌はいいね。校歌……ホグワーツの歴史だっけ?本にあったけど……音程知らないな……

 

「みんな自分の好きなメロディーで!さん、はい!」

 

途端に目が覚めた。こんなバラバラなのが歌か?

 

 

ホグワーツ ホグワーツ

ホグホグ ワツワツ ホグワーツ

教えて どうぞ 僕たちに

老いても ハゲても 青二才でも

頭にゃ何とか詰め込める

おもしろいものを詰め込める

今はからっぽ 空気詰め

死んだハエやら がらくた詰め

教えて 価値のあるものを

教えて 忘れてしまったものを

ベストをつくせば あとはお任せ

学べよ脳みそ 腐るまで

 

 

音程には物申したいけど……うん。

……悪くない歌詞だね。間違いない。老人もハゲも誰も彼も脳にはなんでもぶち込めるからね。海水とか。瞳もぶち込もう。

 

フレッドとジョージがいちばん長く歌ってた。あの子ら主張強いなぁ。面白くて仕方がない。

 

「ああ、音楽とは何にも勝る魔法じゃ。」

 

それは分かる。音楽ないと人生8割損だね。

 

「さあ諸君!就寝時間!駆け足!」

 

……駆け足か……もう無理かな。

 

「ごめん、マリアちゃん、あと、お願い。」

 

「ええ、お任せ下さい。」

 

車椅子がないから人形ちゃんにおぶってもらう。

……眠すぎ。

 

「お疲れ様です。クリス様。良い夢を。」

 




もうそろそろストック分が消えそうです。
いつになったら賢者の石が終わるのか。

やりたい展開は多いんですけどね……
遅筆故アイデアに進行が追いつきません。

原作も読み返さなきゃですし、やることが多い。
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