TS転生したら変身ヒーローだったけど、魔法少女がやりたい!   作:魔法少女マジデ☆ドコダ

3 / 4
3.魔法少女の配信を見たい!

 久々に近接ファイトして思ったけど、俺って実は結構強いんじゃない?

 

 ハメ技あるし、近接でも施錠使えるし。

 

 思ったけど100日以上怪人倒してるし、同じぐらい災厄獣も倒してるんだったわ、じゃあ当たり前か。

 

 そういえば、変身バンクの改善方法はあれでよさそうだよね。

 

 問題は、変身前にデュアルアーツを使わないといけないんだよな。

 デュアルアーツってのは、まあ二つに同時に使う能力みたいなもんだけど。

 

 それをすると、実は変身後に使える力が減ってしまう。

 弱体化を受け入れて、見た目の維持するかどうかってところだな。

 

「何を悩んでるんだ」

 

 いつものように、俺の前にコーヒーをアキラが運んできた。

 

「そりゃ、魔法少女ごっこのことだけど?」

「それはわかってるが」

「あっ、アキラも興味ある?一緒にやる?」

「巻き込まないでくれるか」

 

 そんな。ってそりゃそうか。

 

 にしても、アキラって変なこと言っててもちゃんと話聞いてくれるんだよな。いいやつ。

 

 コーヒーに牛乳を入れて、かき混ぜる。黒と白が混ざっていく。

 

 かん、とスプーンとカップが当たる。

 

「牛乳入れんだ」

 

 顔を上げると、知らない間に晴が来てたらしい。

 

「よっ」

 

 片手を上げて挨拶すると、顔を背けられる。なんで?

 

「無視すんなってば」

「うわっ、何すんだお前!」

「仲良くしようよ」

「引っ付くな鬱陶しい!!」

 

 なんか、無愛想だったのでそれをぶっ壊してやろうかと思って肩を組んでやったんだけど、押し返されちゃった。

 

「少年、冷たくない?」

「……少年じゃなくて、篠森晴だから」

「へえ、そう。少年?」

 

 パチン、とウインクしてみるとムッと顔をしかめられた。

 

 牛乳と混ざったコーヒーを飲む。喉の奥に染みていく。

 

「アキラさん、俺ってやることない?」

「特にないな。凛の戦ってるところでも観察してみるか?」

「……こいつの?」

「凛はすでに、ベテラン並みに戦ってるから、参考になるんじゃないか?」

 

 おっ、少年はヤル気満々だけどまだ任せてもらえそうになさそうだ。

 

 そういや、俺はいつ頃任せてもらったんだっけな。異能をある程度制御して、カントホルツを用意してもらってからかな。

 

 そもそも、異能って制御が難しいから専用デバイス用意してもらわないと、戦うの許してもらえないよな。

 

「……こいつの異能って何なの?」

「へえ、興味あんの?」

「別に」

 

 興味あるんだ。つい、口角が上がる。

 

 手のひらに、鍵を作り出す。

 

「私の異能はシンプルだよ。制限と解除」

「制限と、解除?」

「例えば」

 

 鍵を、自分の腕に差し込もうとすると、そこに勝手に錠前ができて、鍵穴に勝手に刺さっていく。

 

 かちゃり、と勝手に回る。

 

 すると、一瞬だけ手のひらにバチッ、と火花が散った。

 

「こうやって、火花を散らすような能力を解放したりとかね」

「……異能を使えるようにしてんの?」

「いや、制限と解除って言ったじゃん。これはあくまでリミットを外してるだけだよ。要は才能の解放みたいなこと。たまたま、火花を散らすような異能の資質を持ってるってことだよ。わかる?」

 

 そう、俺の能力は基本的に自分の才能を引き出すためのものだ。将来、足が速くなるなら、そのスピードを今出せるようになったりとかね。

 

 なので、戦闘中のアーツ解放も同じ。爆発させる異能のボンバー、光を操る異能のライト、音を操る異能のサウンド。その全部が、俺の抱える才能ってわけ。

 冷静に考えると、盛られすぎだよね。そんな人間だからか、カントホルツからの許可がないとあんまり異能は使えないんだけど。

 

「ちなみに、逆のこともできるよ。他人の才能を一時的に封じるようなものね」

 

 バインドロックとかはどっちかというとそういう系統だ。拘束してるけど、行動の制限だからね。

 

「……お前の異能、めちゃくちゃだろ」

「そうでもないよ。これは、使用者によってスペックが変わる異能だからね。たまたま、いろんな才能に溢れてるやつが使ってるだけだっての」

「あっそ」

 

 ちゃんと説明したのに、そっぽ向かれちゃった。悲しいね。また、肩組んでやろうか。

 というか、本来はカントホルツを経由しないで異能を使ってしまった。ごめんって言ったら許してくれるかな。

 

 まあ、他の人がこの異能を使うのも悪くないんだけどね。いきなり成長後まで解放できるんだからね。強いぞ!

 あと、施錠とかはデフォルト能力なんだけどね。

 

 逆に少年の異能とかはどんなんだろうね。アキラはシンプルだったなあ。

 

 ちらり、とスマホの時間を見る。

 

「やば、時間だ!」

「うわ、うるさ。何、急に」

「配信が始まっちゃうから!」

 

 基地内のモニターに電源を入れた。

 

『お前ら、見てるかー!』

 

 動画サイトの配信画面が映った。

 

 そこにいるのは、黄色を基調とした衣装の魔法少女。

 

 黄色い髪を留めているのは、花弁のついた琥珀の髪留め。晒されているおへそや、ミニスカートの下から見せる太ももが眩しい。

 

 ステッキのようなマイクを手に取り、ニッと笑うその姿は、煌びやかな衣装も相まって魔法少女というよりはアイドルのように見える。

 

「……魔法少女の配信?」

「えっ、知らない!?魔法少女協会公式の配信、トパーズちゃんの魔法少女活躍記録を!?」

「声でか」

 

 説明しよう、トパーズちゃんの魔法少女活躍記録とは!

 その週に起きた魔法少女のニュースをまとめて教えてくれる配信である!

 

 そして、それを担当してくれるのが――

 

咲き誇るのは、情熱の花弁!魔法少女協会公式の広報担当、トパーズガーベラだぞ!』

 

 ――このトパーズちゃんこと魔法少女トパーズガーベラだ!

 

 ずば抜けて強い魔法少女とかではないけど、元気でよく声の通る子。あと、かわいい。

 

「凛は魔法少女オタクだからな」

「アビスハンターズなのに?」

「そうだな」

「……うわ」

 

 なんか外野が言ってますね。うるさい、オタクで悪いか!

 

:こんトパ~

:きたー!

:そらそろ漆黒の話題来る?

 

 配信なので、コメントも流れてくる。コメントとの掛け合いと魔法少女のニュースを見るのが楽しいってわけ。わかるよね。

 

 わからないの?まだ、"そこ"ね。

 さて、ちゃんと見るか。

 

『さあて、お前ら!今週も魔法少女見てるかー?』

 

:みてるぞー!

:銀閃!銀閃!

:漆黒は?

 

『出たな、漆黒厨ー!大人しくしてなー?』

 

:今日は漆黒厨に触れるんだ

:こいつらもしつこいな

 

『まあ、今回は関係なくはないからね』

 

:えっ

:えっ!?

:復活くるー?

 

『そんな大したことじゃないからあんま期待しないでね』

 

:期待

:期待するでしょ

:まだ銀閃が越えてないし

 

「漆黒って誰?」

 

 配信を見てると、いつの間にか隣に来てた少年が画面を見てた。

 

「漆黒は二年前ぐらいに活動しなくなった魔法少女なんだって。強かったらしいよ」

「ふーん」

 

 興味を失ったのか、それ以上は何も言わなくなった。

 

 漆黒についてはあんまり俺も知らない。二年前にぱたりと活動をやめてしまったらしいけど、あんまり人前に出ずに活動をしてたせいで、伝説っぽい扱いになってるらしい?

 

『まずは軽いニュースから行くよ。まずは災厄獣たちが夜見町に、異例の数が発生したって話ね』

 

:異例の数?

:普段どれぐらいだっけ、週に一体ぐらい?

:普段は月に一体やね

 

『今回はなんと、週に四回で合計12体!でも、なんと魔法少女の活躍によって被害はゼロ!んで、それに協力したのが~?なんと、私こと魔法少女トパーズガーベラでしたっ!いえーい』

 

:おめー!

:前半えぐいニュースかと思ったのに、普通に倒してるんかい

:スコア今どれぐらい?30?

 

『元々が30ね。今回、私は5体倒したから35だよ』

 

:これって低いん?

:銀閃が253と考えるとどうでしょうか

:現役トップと比べるな

 

『おいこら、ダイアモンドカメリア様比べないで。私、これでも駆け出しなんですけど?それで、35って結構すごいんだけど?』

 

:すごいすごい

:よしよし

 

『よしよしやめてねー?じゃあ次のニュース。我らが銀閃様の話題!』

 

:うわ、うるさ

:この話題の時だけ声でかいんだよな

:漆黒にそろそろ追い付いたかな

 

『漆黒厨は静かにしてねー。銀閃こと魔法少女ダイアモンドカメリア様は、今活動してる中でも一番強い魔法少女で、さっきも話題出てたみたいに、今のスコアは253ね』

 

:なんだかんだぶっちぎりなんだよな

:他の魔法少女が対処しきれないやつとか倒してるらしい

:一回見たことあるけど、倒すの早すぎてわからなかった

 

『ふっふっふっ、そりゃ我らが銀閃様ですから強いですよー!今月は、20倒したそうでなんとスコアが273に!五つの地域で、他の魔法少女を助けながら倒していた、とか。またファンが増えちゃう』

 

:やっぱすげーな

:漆黒ってどれぐらいだっけ。342?もうちょいじゃん

:漆黒が二年活動しなくなってもまだ追いつけてないのやばいな。

 

『もー、すぐお前らは比較する。しょうがないので、漆黒関連の話題ね』

 

:おっ

:きたきた

:復活した?

 

『漆黒がよく出没していた地域、星見ヶ丘で新しい魔法少女が誕生!名前は、魔法少女ルビーブロッサム、元気そうな感じの子だね』

 

 星見ヶ丘って今、俺たちがいる場所だ。ってことは、これがあの新しい魔法少女か。ちゃんと、変身バンクを見たいなー。

 

 っていうか、漆黒の話ばっかだな。

 

 気持ちはわかるよ。二年前に失踪済みなのに、まだスコアが一番高いしね。

 でもなー、そのせいで話題に出過ぎて大体はNGワードになってんだよな。

 

 今回はいいらしい。……ルビーブロッサムが活動する地域が同じだからいいんかな。

 

 漆黒、人前で活動しないせいで魔法少女名すらわからない謎の多い魔法少女。いつかは、その魔法少女のことも知りたくはあるけどもね。

 

『ちなみにスコアはすでに5、高いねー』

 

:トパーズちゃん抜かされそう

:あー、漆黒の地域だと災厄獣めっちゃ出るんだっけ

:逆に今までそこに魔法少女いなかったんだ

 

『星見ヶ丘は怪人もよく出るせいで、アビスハンターズの人たちがいるんだよね。そのついでに、あそこの変身ヒーローたちが倒してるんだってさ』

 

:あー、アビハンか

:魔法少女と仲悪くなかった?

 

 そう、魔法少女協会とアビスハンターズはあんまり仲良くない。

 

 戦ってる相手は違うんだけどね。ちなみに、見かけると変身ヒーローたちは災厄獣を倒すし、魔法少女も怪人と戦ったりしてる。

 

 だから、俺も災厄獣を倒してるってこと。これからはルビーブロッサムちゃんがそっちは対応してくれるらしいし、楽になるなあ。

 

 ……そうなると、それはそれで寂しいな。だって、災厄獣倒してた方が魔法少女っぽいし!よし、これからもこっそり倒しちゃお。

 

『でも、これからはルビーブロッサムちゃんが戦ってくれるので、星見ヶ丘は応援よろしくねー!』

 

 そろそろ、配信も終わりか。いやー、やっぱ活動してる魔法少女のことを知るともっと、魔法少女欲が出ちゃうな。

 

 やっぱり、ルビーブロッサムのことを確認したいし、銀閃ことダイアモンドカメリアもトパーズガーベラも、他の魔法少女たちも、みーんな見てみたい。

 普通に漆黒もね。

 

 ここに魔法少女として混ざれたら完ぺきだったんだけどな。

 

「こんなん見て面白いの?」

「ガキには早すぎたか」

「今の凛の方が子供っぽいでしょ」

「なにおう」

 

 生意気なので、少年と肩を組んで拘束してやる。人力バインドロックね。

 

「ちょっ、うざい!くっついてくるな」

 

 嫌がる少年をよそに、そろそろ今日もパトロール行こうかなと思い始めるけど。

 新しい魔法少女ごっこも思いつかないし、やっぱりルビーブロッサムちゃんを目当てに行こうかな!

 

 パッと少年から手を離して、外に出ることにした。

 

◇◇◇

 

 凛のいなくなった基地で、アキラは片付けをしていた。晴のやつも、こっそりと凜の様子を見に行ったらしい。

 

 篠森晴――新しく来る少年と凛がうまくやれるだろうか。

 

 ――ブブブブ

 

 震えたスマートフォンのメッセージの「暴走の危険がある場合、速やかに処分せよ」に対して、適当に返事を済ませた。

 

 凛が魔法少女に憧れたのはいつのことだっただろうか。ふと思い浮かべた。

 

 路地裏で拾った日だけは話ができたが、それ以降の数ヵ月はろくに話もできなかったが、それは仕方がない。()()()()()()()

 

 いつかの日、凛と出掛けていると災厄獣に囲まれたことがあった。あまりやりたくはないが、戦うかと覚悟を決めたときに誰かが来た。

 

 銀髪をたなびかせた少女。

 

マジカルジュエリーアップ

 

 その言葉と共に光が走る。銀の閃きが無数に舞った。瞬き一つした瞬間に、周囲の災厄獣たちはバラバラに切り裂かれている。

 その魔法少女がとんでもない速さで災厄獣を倒してしまった。

 

 その時だった。

 

「あれに、なり、たい……」

 

 凛が、喋った。今までろくに会話できなかったのに。

 

 それ以降、凛は異能の制御を頑張るようになり、魔法少女に強く憧れるようになった。

 

 あれがなかったら、凛はどうなっていただろうか。

 にしても、皮肉な話だ。魔法少女に憧れるなんて。

 

 その気持ちを止められはしないが。

 

 コーヒーを入れて、凛の帰りを待った。

 

◇◇◇

 

「ほ、本当に配信されちゃった」

 

 部屋の中で、魔法少女協会の公式配信を眺める。魔法少女のこととはいえ、自分のことが放送されてるのはちょっとむず痒い。

 ……学校の人助けみたいな雰囲気で活動しちゃってるんだけど、こんな風に他の人にも知られるようになるなんて。

 

 魔法少女ルビーブロッサムが、私みたいな人だと知ったら、失望されちゃったりしないかな。

 学校のみんなに注目されるぐらいなら、大丈夫なのに。

 

「当然ナノ!魔法少女は、既定として魔法少女協会からの配信があるものナノ!」

 

 私の契約精霊のナノが、ぐるぐると私の周りを回っている。うう、配信があるのは事前に聞いてたけど。……まあ、活動してたら知られることもあるからいいか、うん。

 あんまり気にしないようにしよ。

 

「他の人たちも、こうやって配信されてたの?」

「新人は大体そうナノ」

「そうなんだ。もっと、こっそりみんな活動してるものだと思ってたから」

 

 だって、普通こういうものって生活の狭間でやってるものっていうか、そういうイメージが強い。

 

「元々はそうだったナノ。でも、魔法少女同士協力しやすいようにした方がいい、とダイアモンドカメリアから要請があったナノ」

 

 魔法少女ダイアモンドカメリア、今最強の魔法少女だっけ。クラスのみんなからもたまに話題に出るけど。

 

 この前、遭遇することがあったんだけど、綺麗な人だった。それに、なんていうかオーラみたいなのがあって、ちょっと圧倒されてしまった。

 

 同じぐらいの年頃に見えるのに、魔法少女ってすごいなあ。

 

 会ったっていうのも、魔法少女協会からの連絡があったから。新しく魔法少女になると、契約精霊から魔法少女協会へと連絡が伝わるようになってるらしいんだって。

 

 ……先に教えてほしかったけどね。

 

「そういえば、漆黒って魔法少女の話題が出てたでしょ」

「それがどうしたナノ?」

「漆黒って人も、その……配信とかはされなかったの?」

「漆黒は、そういう馴れ合いとかは嫌ってたタイプナノ。だから、そういうのもないし、協会も漆黒のことはよくわからないナノ」

「そう、なんだ」

 

 漆黒が、どういう魔法少女なのかは知らない。

 

『こんなところで、女の子襲ってるなんて変態かよ』

 

 でも、かつて私が会ったあの魔法少女はきっと。

 

マジカルジュエリーアップ

 

 怪人、と呼ばれる人型の存在に追い詰められて、これでもうダメかと思っていたときに、暗闇に溶け込むようにして現れたその存在。

 

 黒いドレスのような衣装を着て、不敵に笑う綺麗な人。

 

『とっととくたばってろ、怪人』

『なんだ、貴様』

『魔法少女█████████だ』

 

 その名前だけは、うまく聞こえなかった。

 

『お前たちの死神――漆黒さんだよ』

 

 きっと、あの人がその漆黒なんだろう。

 

 出てきては、すぐに怪人を叩きのめして「あんま夜に出歩くなよ」とだけ、吐き捨てて帰ってしまったあの人。

 

 もしかしたら、あの人にもまた会えるかもしれないと思ったのに。二年前から行方不明だなんて。

 

 ……ちょっとショックだな。

 

 よし、気分転換に外に出よう。また、災厄獣が出てるかもしれないし。知らなかったけどここって、そんな災厄獣が出やすい場所だったんだ。

 

「よし、行ってきます!」

「えっ、どこに行くナノ?」

「見回り」

 

 くるくる、と周囲を浮遊するナノと一緒に、家を出る。

 

 

 

 

 少しだけ外に出てみたけど、平和そのものだった。そっちの方がいいんだけどね。

 

 こういう日が続けばいいのにね。

 

 ぼんやりと、そんなことを考えていたせいか、とんっと何かとぶつかってしまう。

 

「大丈夫?」

「……はひっ」

 

 呆けたような声がつい出てしまう。

 

 ――均整の取れた綺麗な顔が、こちらを覗き込んだ。

 

 ボーイッシュな女の子なんじゃないか、と思うような綺麗な、中性的な男の人。

 

 落ち着いた色合いの服装をしていて、イヤーカフがつけてるのが目を引いた。

 

「ちゃんと前見て歩いてね」

「……は、はい」

 

 去っていく後ろ姿を、じっと眺めた。

 

「沙彩、何をボーッとしてるナノ?」

「……かっこいい」

「えっ、何ナノ?」

 

 きっと、こういうのを一目惚れというんだろうか。

 

◇◇◇

 

「ねえ、さっきの魔法少女の子じゃない!?」

『あまり騒ぐな』

「だって、契約精霊もいたっぽくね?」

『普通は見えないぞ』

「えっ、そうだっけ?うーん、今日は非番みたいな感じらしいし、今度は変身してるところ見に行こ!」

『……ほどほどにな』

「さて、と」

 

 凛は、手元に鍵を生成して前を向く。その目の前にいるのは、人型の異形。

 

「今日もやるよ、カントホルツ」

『いつも思うが、戦闘での切り替えはちゃんとしてるな』

「普段はちゃんとしてないって言われてる!?」

『そりゃそうだろう。魔法少女ごっこだとかか、随分と余裕があるなと思っている』

「もう、じゃあ今日は普通に戦うよ」

『ずっとそうしてくれ』

「やだ」

 

 その様子を、後ろから晴が見ていたことを、凛は知らない。

 


 

[データベース]

・魔法少女協会

魔法少女を支援する組織

契約精霊などを通して魔法少女の様子を把握し、バックアップを行う

協会と協力していなかった魔法少女も多かったが、漆黒の失踪後、魔法少女を把握できていた方がいいのではないか、という理由でダイアモンドカメリアを筆頭にして魔法少女側が協会にも積極的に協力するようになった




よければお気に入り、評価の方お願いします!

高評価

文字数どれぐらいがいいですか?

  • 3000以下
  • 3000~5000
  • 5000~7000
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。