いつものように憂鬱な朝。
気怠く重い体に鞭打ち私は朝の支度をする。
「…ダルイな…」
そして私は着替えをして身だしなみを整えると、カバンを持って学校へ向かった。
私の名前は黒霧勝月。過去の記憶を持っていないこと以外は普通の女子高生だ。
私はいつも遅刻ギリギリで学校に到着する。
勝月「静奈、零子、おはよ~」
静奈「勝月さん、おはようございます。」
零子「おっはよ~!」
私は仲のいい2人、篠原静奈と無法零子にあいさつする。
2人とも知らないことが多い私のことを気にかけてくれる良き友だ。
私は2人の間にある机にカードが並べてあることに気が付く。
勝月「…それは何…?」
零子「え、勝月デュエマ知らないの?」
静奈「記憶喪失してるというのは聞いていましたがデュエルマスターズすら存じ上げていないとは…」
勝月「出る出るマスタード?」
静奈「デュエルマスターズ。世界中で大流行中のトレーディングカードゲームですよ。」
勝月「へぇ…カードゲームなんだ…おもしろそう…!」
零子「やってみる?手取り足取り教えてあげるよ。」
私は休み時間の間、ずっと静奈と零子にデュエマを教えてもらっていた。
静奈「どうでした?デュエルマスターズは。」
勝月「すごい面白かった…!」
零子「ならよかった。そうだ、放課後みんなでカードショップ寄らない?そこで勝月のデッキ組もうよ。」
勝月「ごめん。今日はバイトのシフト入ってるんだ。」
静奈「そうですか…ならいつもの時間にいつもの場所で落ち合うのはどうでしょうか?それなら勝月さんの倍とが終わってからでも行けますよ。」
勝月「そうだね、そうしよう!」
そして放課後、私は家に帰るとバイトに行く支度をしていた。
何を思ったのか、ふと私は机の引出を開けた。
すると、そこにはデュエマのカードの束があったのだ。
勝月「なんで…私のところに…カードが…⁉」
私は驚きながらも静奈と零子を驚かせられると思い、カードの束をカバンに入れてそのままバイトに向かった。
ちなみに私のバイト先は飲食チェーンだ。
勝月「じゃあ時間なんで先に帰ります…お疲れ様でしたー…」
店長「黒霧さん、お疲れ様。また来週お願いね。」
私はバイト先から出て、いつも2人と待ち合わせに使っている公園に向かう。
その道中のことだった。
勝月「…え?」
突然、周りの風景が変わったのだ。
先ほどまでの静かな夜の街とは打って変わって真っ暗な夜空の下に世紀末のように崩れた建物であふれかえった街があった。
勝月「何…ここ…⁉」
私が戸惑っていると建物の奥から怪物が出てきて私に襲い掛かってきた。
怪物「ギャアァァ!」
勝月「一体何なの…⁉」
私は必至になって怪物から逃げる。
すると突然その怪物が何かに撃たれて死んだ。
私は訳が分からずただただ目の前の光景に混乱する。
勝月「あ…ぁ…ぇ?」
すると背後から声が聞こえた。
声は、低めの女性の声と、マスクでもしているのか少し聞き取りにくいとても低い声だった。
「なぜ私以外の人間がここにいる…?」
『迷った。ってのはないだろうな。ここは迷って行き着くような場所ではない。』
私が後ろを振り向くと、そこにはすらりと引き締まった体躯に長い黒髪を持ち、黒いキャップとヘソ出しノースリーブインナーの上に白いコートを崩して羽織っているのが特徴の女性がいた。
しかしそれ以上に彼女の背後にいる怪物のような存在に目が行く。
勝月「ぁ…あなたは…?」
「私の質問に答えるのが先だ。お前、どうやってここに来た?」
勝月「どうやってって…気づいたらここにいたとしか…」
私は訳も分からずに本当のことを伝えると、後ろの怪物のような存在が鋭い刃の付いた拳銃を私に向ける。
『とぼけるのも大概にしろよ?小娘。』
あの怪物のような存在…どこかで見たことがあるように思ってたらあれだった。デュエマのクリーチャー、「~邪眼帝~」だ。
すると突然私の背後から真っ黒い何かが現れて邪眼帝の銃を掴んだ。
『貴様、勝月に何をする?』
「⁉」
邪眼帝『こいつは…⁉』
なぜか私の家にあったカードの1枚、「アビスベル=ジャシン帝」だった。
勝月「…ジャシン帝?」
ジャシン帝『そうだ。勝月よ…まずはこいつらを片付けるぞ。力を貸せ。』
勝月「力を貸せってどうすれば…」
ジャシン帝『デュエルだ!この世界ではデュエルの勝者が全て!』
邪眼帝『向こうはデュエルする気だそうだ。どうする?魔那。』
魔那「やるというのなら全力で迎え撃つのみだ。」
ジャシン帝『行くぞ勝月よ!腕はなまってないだろうな?』
勝月「そんなこと言われても私とあなた初対面なんだけど…」
私が状況を飲み込めていない間に、デュエルが始まった。
しかし私は知らなかった。
このデュエルは私が静奈や零子とやった楽しいデュエルとは全く違うということを…
魔那「私は3マナで「~地獄帰りの騎士~」を召喚。その効果でカードを3枚引き、手札を2枚捨てる。私が捨てるのは「~不死の黄昏司祭~」と「DARK MEMORY CONTAINER」を捨てて山札の上から1枚をシールド化。さらに私のシールドゾーンにカードが置かれたことで墓地の「DARK MEMORY CONTAINER」を出す。」
女性がカードを置くとクリーチャーが実際に出てきたのだ。
勝月「クリーチャーが…⁉」
ジャシン帝『勝月…お前まさか本当に何も覚えてないのか?』
勝月「私…記憶喪失なの。」
ジャシン帝『そうか…まぁ今は目の前のデュエルに集中するとしよう。』
魔那「やれるものならやってみろ。ターンエンド。」
魔那
シールド6
手札7枚
マナ 水1、光1、闇1
バトルゾーン 地獄帰りの騎士、DARK MEMORY CONTAINER
墓地3枚
勝月「私のターン、ドロー。私は「力が欲しいか?」発動。効果でアビス・メクレイド5をする!」
魔那「アビス…?知らないカードだな…」
勝月「えぇっと…なるほど…零子と同じで墓地を利用するデッキなんだ…私は「危険深淵デンジャラス=ジャック」を「貴布人テブルカッケ=エディ」の上に重ねてNEO進化‼」
魔那「ほぅ…?」
勝月「そして「デンジャラス=ジャック」で攻撃する時革命チェンジ。「シス=魔=シャル」!「シス=魔=シャル」の効果で私の墓地のカードの枚数以下のコストを持つ他のクリーチャーをすべてマナ送りにするよ。私の墓地は7枚。よってあなたの「地獄帰りの騎士」と「DARK MEMORY CONTAINER」をマナ送りにする。」
魔那「墓地ではなくマナに送るとは…やるな。」
数分後…
勝月
シールド2
手札4枚
マナ 自然4、闇5
バトルゾーン ヤバ―ダン=ロウ、テブルカッケ=エディ
墓地8枚
魔那
シールド3
手札8枚
マナ 水3、光4、闇3
バトルゾーン 邪眼帝、アーテル・ゴルギーニ、悪意の武器商人
墓地7枚
魔那「行くぞ、「アーテル・ゴルギーニ」でシールドを攻撃!」
残りのシールドをすべて破壊され、私にはもう後がない。
私は恐る恐るアーテル・ゴルギーニによって粉々にされたシールドを見る。
勝月「よし…シールドトリガー。「ア:グンテ」。最初に「悪意の武器商人」をマナ送り。続いてプラス効果で「邪眼帝」と「アーテル・ゴルギーニ」もマナ送りにする!」
魔那「なんだと…⁉クッ!ターンエンドだ。」
魔那
シールド3
手札8枚
マナ 水5、光5、闇5
バトルゾーン 無し
墓地7枚
勝月「私のターン、ドロー。私は「シックル=シーク」を召喚してタップ。「ヤバ―ダン=ロウ」をハイパーモードにするよ。そして「ヤバーダン=ロウ」で攻撃する時効果発動。墓地の「オ:ベカリーヌ」を出すよ。「オ:ベカリーヌ」はアビスのパワーを+6000してパワード・ブレイカーを与える。さらに…せっかくなら活躍したいよね…私は「ヤバーダン=ロウ」を「アビスベル=覇=ロード」に革命チェンジ!そのまま「アビスベル=覇=ロード」でシールドを3枚攻撃。」
ジャシン帝『フハハハハようやく我の出番か!朽ち果てるがいい!邪眼の愚者よ!』
ジャシン帝はバイクに乗ってノリノリで女性のシールドを破壊した。
魔那「なんだと…!?クッ…トリガー無しか…」
勝月「私は「テブルカッケ=エディ」でダイレクトアタック。」
テブルカッケ=エディが華麗に回転して女性を弾き飛ばした。
魔那「うわぁぁぁぁぁ!」
こうして私は、クリーチャーが実体化するデュエルに勝利した。
魔那
性別:女性
容姿:ブルーアーカイブの錠前サオリ
使用デッキ:ナイト