シャーレのオフィス、説教役のユウカやハスミ、チナツが居ないため、【鬼の居ぬまに何とやらと】とそこで、思い切り遊んでいる3人が……
というのも、野郎達だけだと、ビックリするほど業務が進まない事が、この2週間ほどで判明したため、この三人が業務で集まるのは、レアというか初めてだ。
ユウカ達いわく、先生とコウセイならまだいい、だが、先生とマサト、コウセイとマサト等、マサトがこの野郎二人と一緒になると、途端にダメになる。
ダメになるメカニズムとしては、マサトがふざけたことをして、他二人が悪乗りして、滅茶苦茶になるというものだ。
その為、なるべくマサトとは別々のスケジュールにしているが、今日は間が悪く丁度三人揃ってしまった。
三人は業務をゲームの合間にやっていた。そう、業務の合間にゲームではない、
ゲームの合間に業務なのだ。
この日も、マサトが「めんどくせーから、AIに仕事やらせようぜ」と言ったことがきっかけだった。
普段の業務がキツ過ぎて……とかじゃなくて、今回は「AIにやらせてみたら面白そうだから」という理由での悪乗りだった。
つまり業務といってもAIの文章の確認が主だ……がしかし、重要な書類は、しっかり目で確認して、自分で文字を打っていた。
そして昼前の今、3人の手にはトランプのカードがある。
そして、トランプでの遊びと聞いて真っ先に思い付くのは……
「ッぱ俺がポーカー最☆強」
そう、ポーカーである。
"ふ、【フルハウス】かよ…………【フラッシュ】で勝ったと思ったのによぉ……"
「【ツーペア】……僕が最弱じゃん。降りればよかったなぁ。」
その勝負で勝ち誇った顔をしているのは、烏城マサト一人である。
「じゃッ、俺の昼飯奢れよ~先生にコウセイ。支払いの比率は先生が1でコウセイが2だな。」
"くッ、イカサマ野郎め!"
「卑怯者めぇ。僕の財布がぁ……」
「おいおい、言い掛かりはよせよな。」
時刻はお昼。DU近くの行ったことの無い飯屋で適当に飯を食べた三人は、昼過ぎから来るある人物の到着を待っていた。
「失礼します。」
「ようスズミ、良く来たな!」
"お、今来たか……"
「2日ぶりぐらいだねぇ~」
そう、昼過ぎから業務を手伝ってくれる守月スズミである。
流石に野郎三人だけというスケジュールが出た以上、流石にユウカが放っておかなかった。
その日、たまたま午後からオフのスズミをシャーレのスケジュールにぶち込んだのだ。
ユウカの目論見通り、午後はある程度上手くいっていた。
が、ユウカも予想できなかった事があった、
「あ~疲れた。」
「AIを使わないとメッチャ面倒くせぇな。」
"AI…………
「仕方ありませんよ、シャーレの仕事に【もしも】があってはいけないんですから。」
そう、AIの導入が思ったより効果があったのだ。
が、連邦生徒会の了承なしで勝手に、使うわけにもいかない為、スズミがユウカと相談して取り合えず今日はナシとしたのだ。
「あ~疲れたもう無理だ~…………あ、そうだ!」
マサトが何やら閃いたようだ。
「どうしました?」
「スズミが【萌え萌えキュン】って言ったら回復しそうだなー」
「え!?」と反応した後、本当に言っている自分を想像して羞恥心から顔を赤らめた。
その様子を見ていた他二名も参戦して、
「いいじゃん、ちょっとやってみてよ。」
"たしかに俺もそれ見たら、疲れが吹っ飛ぶと思うぜ。"
他二名の悪乗りが始まってしまい、どうしようかとあわあわしている。
「えぇ!?」
こういう場合、普段は俺が二人を止めるのだが、残念ながら今回は俺も見てみたい為、そのノリ乗ったァ!
「頼むッスズミ!」
懇願するように、頼む俺の姿に折れたスズミは……
「も、萌え萌え……キュン」
と本当に言ってくれた、それも手でハートを作ってくれていた。
そこまで、リクエストしてなかったが……
うおおおおおおお!! メッチャ可愛い!!!
恥ずかしそうに顔を赤らめてるところもポイント高い!!
「も、もうしませんよ!!」
恥ずかしすぎて、羽で顔を隠してしまった。そこも可愛い。
もう可愛すぎて…………語彙力無くなる。
「メッチャ可愛かった!!」
「へっ!…………ううう」
顔から火でも出ているのかと疑いたくなるほどに、顔がさらに赤くなって、羽に加えて手でも顔を覆ってしまった。
「やっぱあの二人デキてるでしょ」
"俺もそう思います"
「付き合いたてみたいな雰囲気じゃん」
"俺もそう思います"
一歩距離を置いた所から、男二人がマサトとスズミを眺めていた。
先生に至っては思考停止している。
あの後、暫くスズミとは口をきいてもらえなかった。
【守月スズミと烏城マサト】
…幼馴染同士、仲の良い様子である。
ようやっとアビドスに行けるぞ~