カタカタヘルメット団の前哨基地を潰したアビドス生徒とシャーレ部員+先生は気づかぬうちに戦線離脱した、マサトを探していた。
「おーいマサト君ーいるー?」
「おーい!マサト君……どこへ行ったのでしょうか?」
"マサトー出てきてー"
シャーレの三人が大声で呼びかけると、近くの壁の向こう側から反応があった。
「はーい! 」
そして、この声の主は三人の探し人で間違いない。
「ちょっと待っててくれや~」
軽い口調だが何かしているのだろうか?
おそらくだが、戦線離脱した事情があるのだろうか?
「どうしたんだろ?」
耳を澄ますと、ズリズリと何かを引こずるような音が聞こえる。
それから十数秒と経たないうちに、気絶した人を引こずるマサトが姿を現した。怪異かな?
「っと到着だな。」
シャーレの三人とアビドス生徒の前に気絶した生徒を引こずってきた。
その光景を見たコウセイはふと、こう言った
「え……死体?」
その呟きを拾った先生が追撃で、
"うわーマサトやっちゃったか。"
ちゃらけた様子でそう言った。
「おじさんは自首を勧めるよ~」
「ん埋める?」
「そうよ、発覚する前に埋めればって、何言ってんのシロコ先輩!!」
アビドス生徒もこのノリに乗って、マサトを茶化し始めた。
その茶化しにマサト本人が待ったをかける。
「ちょちょ死体じゃねぇから、流石に刑事が殺ったらヤバいって。」
割と焦った様子で死体説を撤回した。
「このカタカタなんちゃらのリーダーだよ。ちゃんと生きてるから。」
「ちゃんと生きてるのでしたら良かったです。」
「もしかしてスズミ、マジで死体だと思ってた?」
「お、思ってません!!!!」
数秒前まで皆に茶化されていたマサトがスズミを茶化し、スズミが必死に否定する。何だこのカオス。
この連鎖的に茶化しまくるカオスを収集つけるために、先生が皆を落ち着かせる。
この炎に薪をくべた張本人だが。
"ああ、もうちょっと、収集つかないから一旦落ち着こう。
まず、その子を引っ張って来たのは何で?"
「そうだな、OK説明する。コイツを連れてきた理由はコイツの持ち物にある。ホレっ」
マサトは手に持っていたカバンを投げ捨てる。
ドサッという音と共にカバンの中身があらわになる。
「これってお金だよね……それもかなりの大金だよ。」
カバンの中身は数百万いや数千万はくだらない数の万札だった。
コウセイがそう言うと、次々と他の面子も口を開く。
「こんな大金いったい何処から?」
「うへ、毎日襲撃したにしては、やけに余裕があると思ったんだよね~」
「そんなことより、このお金の出所は何処なのよ!!!」
「ヘルメット団の規模に合わない金額ですね……誰がこんな大金を?」
やはり、皆この大金の出所は分からないらしい。
心当たりすら無いらしい。
マサトは除外していた一つの可能性を尋ねる。
「一応聞くけど、こいつらが自力で稼いだ説はある?」
その問いにアヤネが無いだろうと答える。
「このカタカタヘルメット団は、私たちの高校を襲う事にリソースを割いています。
何らかの事業で儲けたとは、とてもじゃありませんが考えられません。」
自力でこの金を調達したんじゃないのなら、誰かに貰ったとしか考えられない。つまり
「マジか。じゃあ誰かの支援を受けたのか?」
"そういうことだろうね。"
「じゃあ、コイツに聞きたい事はたっぷりあるな。」
皆一様に、鋭い視線を呑気に気絶しているリーダーに向ける。
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カタカタヘルメット団のリーダーは未曾有の危機に陥っていた。
「うへ~いい加減、答える気になったかな?」
「この金の出所はどこかな~。」
「そうよ、アンタたち三流のチンピラが稼げる金額じゃないハズよ。」
「そーそー。話してくれるんなら別に悪いようにはしねぇよ。」
目を覚ますと、自分の身体は椅子に縛られていて、目の前にはアビドスの生徒達が佇んでいたのだ。
始めは襲撃の報復かと思って恐れていたが、話を聞いているとどうやら金の出所が知りたいらしい。
結論から言うと、この金はカイザーPMCからの支援金だ。
そして、私たちの生命線でもある。
この金のおかげで、50を超える団員たちを養えていると言っても過言ではない。
もしも、私がここでうっかり喋ってしまったら、支援金は間違いなく切られる。
カタカタヘルメット団も自然に解散するだろう。
折角、ブラックマーケットのその辺に居るチンピラから、時間を掛けてのし上がったんだ。
どんなに、厳しい尋問も受けて立つ。
"やっぱりダメかな?"
「当たり前だ。私はうっかり口を滑らしたりしねぇよ。」
私の目の前に立つ整った顔の大人を睨みつける。
大人は困った様な表情を見せる。ざまーみろ。
大人の後ろでは、私に一杯食わせた男子生徒が腕を組んで額を指でトントンと叩いて何やら考え込んでいる。…………暫くこの空間に沈黙が満ちた。
考え込んでいた男子生徒が、額を叩いていた指を止めて、その指で【パチン】と音を鳴らした。
「成程、カイザーか。」
「!?」
沈黙を貫いたそのたった一言は見事に図星を突いていた。
ヘルメット団のリーダーは驚きが隠せず、目をむく。
「へへっ図星みたいだな?」
その一言を発した主はニッと口角を上げた。
実際スズミに幼馴染が居たら、ちょっと口調崩れたりするのかな?
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