スズミの幼馴染はクソガキ   作:けいあお

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小説書くのってムズイですね。


第五話 シャーレ奪還戦

ドッカーーーーーーーン

 

 キヴォトスに来た初日にフルオートで銃弾が飛び交って爆発音が響き渡る戦場に来た。

 何を言っているのか分からないと思うが、私も何が起こっているか分からん。

 

 

 

 

 

 

 始まりは電話を切ったリンが青筋を立ててプルプルと痙攣していたところから始まった。

 

「少々、問題が発生しましたが大したことはありません…………」

 

 青筋を立てていることもあるが、あの時の確実に内心では笑っていない張り付いた様な笑顔は…とても恐ろしく、何か言い表せない圧力を感じた。

 

「……?」

 

「どうして……私達を見つめているの」

 

 その圧力を感じる眼光を向けられ……ユウカ達は嫌な予感を感じ取った。

 まあ、その予感は当たったのだ。

 

 事実……

 

 

「な、なに、これ!?」

 

タタタタタタタタタッ

「何で私達が不良たちと戦わなきゃいけないの!?」

 

 まあ、こうなったのだ。

 たまたま、そこに居合わせた彼女らが都合よくこの不良たちとの戦闘に駆り出されたのだ。

 目的は……

 

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから……。」

 

 という事である。【あの部室】とは【シャーレ】の部室の事みたいだ。

 

「それは聞いたけど……!私これでも、うちの学校では生徒会に所属してて、それなりの扱いなんだけど!なんで私が……」

 

 口ではそう言いつつもリンの無理強いを聞いて前線に立ってくれているのだ。

 戦闘が終わったら、労いの言葉をみんなに言わないとな。

 

パパパパパ

 そんな、私の少し浮ついた考えは銃声によって淡く消え去ることになった。

 銃弾がユウカに直撃した。

 

"!!?"

 

「痛ッ!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!」

 

 ……そうだ、この都市の生徒達は原理は良く分からないが銃弾で負傷しないらしい。

 だとしても肝が冷えたぜ、頭では分かっていてもやっぱり年頃の女の子に銃弾が迫っているのを見ると自然と冷静じゃなくなっちゃうぜ。

 

「伏せてください、ユウカ。それに、ホローポイント弾は違法指定されていません。」

 

 冷静な口調で長身で黒髪の生徒【ハスミ】がユウカを諫める。

 ……それにしても不思議な気持ちだ、〈ホローポイント弾は違法指定されていません〉か……私の常識では通常弾も十分違法だ。その話の内容に私は少し慣れない疎外感のようなモノを感じ取った。まあ女子高生同士の会話に大人は不要か……

 

「うちの学校ではこれから禁止になるの!傷跡が残るでしょ!」

 

 ホローポイント弾……詳しくは分からないけど、銃弾にすごく強いこの子達にも傷跡が残せるような弾ことが在るとは…………少し以外だ。

 

 それにしても、戦場でこんな子供が銃を持って戦うのか……気持ちの良い事ではないな。

 そんな、私をよそにハスミが皆に注意を促す。

 

「今は先生が一緒なので、その点に気を付けましょう。

 先生を守ることが最優先。

 あの建物の奪還は二の次です。」

 

 チナツが続けて注意を促す。

 

「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではない所から来た方ですので……。

 私達とは違って銃弾一つでも生命の危機にさらされる可能性が有ります。その点はご注意を。」

 

 …………これでは私が病人の様じゃないか。

 彼女らの事が嫌いではない……むしろ好意的に思っているが、そのようなお荷物扱いは男として情けなくて恥ずかしくなる。

 そんな私の気持ちなど知らぬ存ぜぬだろうが。

 

「分かっているわ。先生、先生は戦場に出ないでください!私達が戦っている間は、この安全な所にいてくださいね。」

 

 ユウカは善意で世話を焼いてくれているのだろうが、ここで何もしないわけにはいかない。

 

"私が指揮を執ってもいいかな"

 

 直接は戦えないが、少し位のサポートならできる。そっちで手伝わせてもらう事にしよう。

 

 私が、指揮を執る事の反応は三者三様だ。

 

「え、ええ?戦術指揮をされるんですか?まあ、先生ですし……」

 

「分かりました。これより先生の指揮に従います。」

 

「生徒が先生の言葉に従うのは自然の事、ですね。よろしくお願いします。」

 

 まあ、おおむね好意的な物で安心した。

 

"よし!じゃあ行こうか!!"

 

 作戦開始!

 

 

"ユウカ!シールドを使って!"

 

 その日、戦場では少し珍しいことが起きていた。

 

"ハスミあのスケバンに大きい一撃を!"

 

 大人の男が生徒の戦術指揮を執って戦っていた。

 

"チナツ!ユウカに治療を…"

 

 その男の指示は正確な物だった。

 とても、その日に初めて指揮を執ったと思えないほどに……いや、以前までの男とは同一人物とは思えない程に。

 そうして、次々と不良たちが制圧されていく。…………が。

 

"ふう、この辺りは片付いたかな?"

 

 順調に部室に進んでいけている。正に順風満帆である。

 そんな風に指揮をしていると、リンからもらって今は耳に付けている端末から陳の声が聞こえてきた。

 

「少し進んだ所で誰かが戦っているようですので、ぜひ加勢してあげてください。」

 

"分かった!"

 

 困っている人を助けに行かない理由はない!

 

 そう心を奮い立たせて、指揮を続ける。

 

「先生危ない!!!」

 

"え"

 

 ユウカの声に気づかされ後ろを振り向くと、地面に倒れているがまだ意識のある不良に銃を向けられていた。

 背筋に氷を入れられたかのように体中に嫌な寒気が走った。

 もう不良は銃のトリガーに指を掛けていて今もう撃たんという所だった。

 咄嗟に目をつむり体を小さくして痛みに備えると……

 

「閃光弾ッ投擲!」

 

 と力強く発せられた言葉が痛みの代わりに脳に届いた。

 

_____________________________________________

 

 

 

 

 

 周囲の建物のガラスの細かい破片がアスファルトの黒い地面に飛び散っていて、ビルの綺麗だったコンクリートの壁も見るも無残な瓦礫になっている。

 その元凶たる戦車は死んだように動きを止めている。

 

 その戦車のハッチの蝶番はドリルで穴をあけられていて、鍵もドリルで穴をあけられていて、その肝心のハッチはロックも蝶番も無いため重力に従って戦車の車内の床に転がっているただの板となっている。

 

 その車内には数人の戦車を操っていた少女たちのほかに二人の男が居た。

 

「ふう、無事に制圧できて良かったぜ。」

 

「そっちも囮をしてくれてありがとね。まあ効果は無かったけど……」

 

 車内で伸びている少女を見ながら黒色の男ほっとした様子でそう言った、灰色の男はそれに軽い口調だが感謝の言葉を返した。

 

「これでひと段落はついたな」

 

「どうする? ちょっと休む?」

 

 俺としては灰色の男の問いかけを肯定したいところではある。

 戦車を二人だけで制圧したのだ結構前から戦い続けてるし水分補給ぐらいはしたいところだが……

 

「悪いけどちょっと休憩は後回しにしていいか? 仲間と合流したいからさ。」

 

 スズミは置いてきちゃったから、迎えに行かないと

 

「仲間と来ていたの?」

 

「まあな、アンタを助けるために置いてきちゃったからさ…………どうせならアンタも一緒に合流するか?」

 

 やや恩着せがましい言い方だがここでアイツを一人にしてしまうのはちょっと心配だし一緒にスズミと合流したいな。

 

「そうさせてもらおっかな~」

 

 その言葉に俺は喜色を浮かばせると戦車を後にした。

 

 

 

______________________________________________

 

 

 sideスズミ

 

 マサト君と一緒にDUに来ましたが、私の知っているDUの様子とは様変わりしていました。

 窓ガラスの割れたビル。地面に倒れたお店の看板や街を照らす街灯。運転手に捨てられた自動車。

 日常の色が見え隠れするのが余計に見ていて悲しい。

 

 あちこちから銃弾が此方に飛んで来ている。

 マサト君と一緒に銃撃戦をしていますが…………キリがない。

 もう三桁以上の不良を制圧していますが不良たちの人数が減る気配が無い。

 ですが……

 

「市民の方々が逃げ出すまでは時間を稼がなくては……!」

 

 私達が戦わなければ不良たちは市民に危害を加えてしまう。自警団として見逃せない。

 一緒に戦ってくれている仲間も居る事ですしね。

 

 少女の赤い瞳が黒い青年を捉える。が……

 

「くっ、間に合ってくれ!」

 

「え!ちょっと待ってくださ……」

 

 焦燥感を孕んだ声を発した後、マサト君は射線の通った大通りに飛び出していった。

 

「何かあったんですか?!」

 

 白い少女は飛び出していった灰色の青年を追おうとするも。

 

【ダダダダダ】

 

「!!?」

 

 何処からともなく飛んできたアサルトライフルによる銃撃を咄嗟に回避するも、すぐに大量の不良が道を阻む。

 

「こっから先は通行禁止だ!」

 

「やっちまえ!!」

 

 マサト君と分断されてしまいましたね……この人数、今持っている銃弾だけで足りるのでしょうか……

 今持っている弾の入っているマガジンはあと三つだけ。

 

「やるしか……ありませんね」

 

「撃て撃て!撃ちまくれ!!」

 

【ダダダダダ】

 

 不良の合図を皮切りに、私へ向けての銃撃が始まった。

 

「そこです!」

 

「ぐえ!」

 

 まずは一人!

 

「は? え?」

 

「次!」

 

「うわッ」

 

 二人目です!

 

「無駄な事しやがって!」

 

「さっさと倒れろ!」

 

【ダダダダダダ】

 

 私の目の前の不良たちの発砲をステップで躱し、すかさず閃光弾のピンを抜く。

 

「これで!」

 

 ピンの抜かれた閃光弾はそのまま内部のマグネシウムが化学反応を起こし、眩い閃光を発する。

 

「は?」「えッコレやばくな……」

 

【バンッ】

 

 乾いた破裂音が戦場に響き渡りその後、瞬時に閃光も納まる。

 

「これで四人目!」

 

【ダンダンッ】【ババババッ】

 

 ヒュンヒュンと風を切る音と共に銃弾が迫る。

 何とか、白い少女は躱すが幾つかの銃弾は直撃してしまっている。

 

「クッ……ですが、まだです!」

 

【ダダダダダッ】

 

 ビル上の狙撃地点に向かって私のアサルトライフル"セーフティ"を発砲する。

 

「マジかよ! あぐッ」

 

 小さく苦悶の声が聞こえます。無事に狙撃できたようです。

 

「五人目です!」

 

…………………「あべッ」「六人目!」………………「ちょッ」「これが八人目」…………………………「うえッ」「十人……目です」

 

 その後も…………恐らく30人は倒したでしょうか? そこまで来ると不良たちの勢いが失われて、暫くすると不良たちは居なくなっていました。

 

 30人くらいでこれほどまで弱体化はしないハズ……と思い訝しんでいると、不良たちの小隊が何やら急いで移動している所を目撃しました。

 本来ならばすぐに制圧すべきですが、何やらただならぬ様子でしたので少し後をつける事にしましょう。

 

 

…………………………

 

 

「そうして彼女たちの後をつけてみたところ、大人の人と生徒の方たちが不良生徒と交戦している所を見たのです。それから先は指揮官であろう大人の方……先生に話そうと近づいた所、まだ意識のある不良生徒が先生に銃を向けていたのでこちらで対処しました。」

 

 大人の方……先生とその指揮下の生徒と合流し、事の経緯(いきさつ)を説明していた。

 つい寄り道をしてしまいましたががマサト君はまだ戦っている。放ってはおけません。

 

「すみません。マサトくんと合流したいので私はこれで……」

 

 踵を翻しマサト君を合流しようと駆け出そうとすると。

 

"ちょっと待って!"

 

 バシッと先生に手を掴まれた。

 

"ええっと、つまり……スズミの友達はまだ戦っているんだよね?"

 

"私達にも、手伝わしてくれない?"

 

「え……いいんですか?」

 

 先生の申し出は、私にとって思っても無かった救援の申し出でした。救援は救援でも、される方は久しぶりかもしれません。

 

 私の反応を見て、肯定だと判断した先生は優しい笑みを浮かべて、自信満々に

 

"勿論!"

 

 と言った。

 

"みんなもそれで良い?"

 

「「「はい!」」」

 

 その先生の確認の問い掛けに、皆さんは力強く返事を返しました。

 皆さんとても頼りになりそうで心強いです。

 

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