うおっ、えっちすぎ♡頭キヴォトスかよ 作:オラッ!催眠ッ!
(文才も)ないです。
かつてこれほどまで自身の生誕を呪い、自身の生誕を祝った男が存在したであろうか。
呪い───それ即ち忌まわしきこの鋼鉄のボディ。
鋼の体では自らの性欲を発散することすら叶わず。唆り昂りきった肉欲すらも果たせぬこのボディを何度呪ったことか。幾度聳り立つ術すらも失った股間を見つめてきたか。
というか他の同種は一体何をやっているのか。種の繁栄に関わる一大事なのに、何故平然として働けるのか。勤勉でよろしい♡社会の歯車。
祝福───それ即ち素晴らしきボディを持った美少女たち。
この世界、我々のような人ならざるボディを持つ者と、あまりにも顔面偏差値の高い女子高生、この両者に明確な線引きがなされている。
呪いのボディを授かったこの私にはあまりにも甘美で魅惑な胸部、その四肢、その肉体。見ているだけで誉です。
これが私が受けた世界の呪いと祝福だ。
そして、新たな物語の始まりでもある。
とある魅力的なチラシが目に留まり、すぐさま応募して合格をもぎ取り、今日から新たな職場への転職となった。
その仕事こそ、先日来訪したとされる先生のサポート───つまりシャーレの副担任である。
「初めまして、私がシャーレの先生です。今日からよろしくお願いします」
えッッッッッッッッッッッッッろ。
何がエロいのかなんて言うのも不粋だろう。
掴めば沈むこと間違いなし、しかし“爆”が付く程でもない程よい二つのお山。腰のあたりできゅっと絞られた流れる曲線。無駄を削ぎ落としたしなやかで真っ直ぐな脚。何故モデルをやっていないのか不思議に思える程の逸材が目の前で挨拶をしていた。
こんな
「あなたがシャーレの先生………いやはや、お見それしました。あなたは私の想像していた何倍も優れた女傑だったようだ」
「えっ……!?そ、そんな大袈裟な……」
「大袈裟などあるものですか。……実は、新たな職場ということもあって多少なりとも不安がありました。しかし、あなたのお姿を見てその憂いは払われました」
胸部やら体のラインばかり見ていた目をようやく顔へと向ける。やっべ、顔も超美人さんだ。完全にドタイプ。ちょっと油断したらその清楚な笑みに惹かれ『あれ、もしかしてコイツ俺のこと好き……?』と勘違いしていたことだろう。
まぁ、こんな
「あなたの下で働けるのはこれ以上ない幸福だと噛み締める他ないでしょう。こちらこそよろしくお願いします」
右手を差し出せば、花が開いたような満開の笑みを以て握手を返してくれた。
鋼で冷たい手のひらに彼女の温かさが染み込んでくるかのようだ。それが心理的な温かさなのか、それとも女性特有のふっくらとした物理的な温かさなのかは分からないが。
あぁ、感謝しなければ。こんな素晴らしき女性と合法的に同じ空間で同じ空気を吸えることを。
◇◆
仕事も終わり、連邦生徒会が用意してくれたアパートに帰宅する。
両手にはにんじんや玉ねぎ、ちょっと良いお肉など、今日の夕飯で調理する材料をぶら下げている。
今日から二人体制で仕事を進めていくので、当然効率もその二倍となった。いや、むしろあの人──ロボさんが普通に仕事できるマンだったので、効率だけで言ったら三、四倍では収まらないかもしれない。
おかげで夕食を作れる余裕ができた。本当にロボさんには感謝してもしきれない。
それに。
「……………」
彼と初めて顔を合わせたとき、“彼は他の人とは違う”と一瞬で感じ取った。
外見はキヴォトスでよく見かけるロボットそのもの。ただ、その機械的な蒼光を帯びた瞳に宿る熱は誰よりも猛々しく燃えていた。
「………きっと試されていたんだね」
彼が私の全身を満遍なく見ていたことは知っていた。女性は殊更自身の体に向けられる視線には敏感というのもあるが、それ以上にその熱量に当てられたから。
初対面の場合、普通は人の顔を見るはずだ。第一印象を決める半数の要素は視覚情報であるとされ、その殆どがまず相手の表情や顔つきを見るとされている。
しかし彼は黙々と、撫で回すように全身を見て、最後に顔に目を移し朗らかに笑うだけだった。
きっと彼には彼なりの人となりを見る術を持っていて、彼の基準値を超えたことでようやく顔を見てくれたのだろう。
………たらればの話だが、もし彼の基準値より下回った場合、彼は私の顔を見ることなく、儀礼的な挨拶のみをするだけだったのだろうか。
「…………それは、何だか寂しいな」
もう過ぎた話なのにどうしても考えてしまう。何故か、どうしても。
それはこれから切磋琢磨し合う仕事仲間に対する感情から来るものか、それとも
「………これ以上ない幸福、か。ふふっ……」
この言葉を取り消されないように、立派な先生を全うしよう。
大人だというのに、まるで青春時代真っ只中を過ごすうら若き乙女のように、明日からの職務が楽しみで楽しみで仕方なくなった。
一応転生者です。