幼少期にヘルンと出会うのは間違っているだろうか 作:借金滞納ニート
ヘルンは嫁の作法をアルフィアから教わっていた
掃除や洗濯などはかなり出来ていたのだが…
問題は料理だった
卵を焼くだけなのに真っ黒い物質に変えたり
サンドイッチを作るだけなのに具材から毒々しい液体が出ていたり
散々だった
アルフィアは一度ヘルンが作ったサンドイッチを持ってヘルンと一緒にダンジョンに行きゴブリンの口に無理矢理サンドイッチを食べさせた…
結果は酷かった
ゴブリンの目と鼻から血が出て仕舞いには、
喉を掻きむしり苦しみながら灰になって消えた
「ヘルン貴様はこれをベルに食べさせるつもりだったのか?それとも私を毒殺しようとしたのか?」
「あ、あれ…教えてもらったレシピ通りに作ったはずなんですけど…」
「なるほどな…貴様はザルドのレシピがいけないと言うのだな」
「き、きっとそうかもしれません」
「ならザルドの元に戻るぞヘルン」
ザルドは驚愕していた
アルフィアに教えたサンドイッチのレシピはちゃんとしていた
問題はアルフィアとザルドがレシピ通りに作ったら美味しいサンドイッチが出来上がるのにヘルンがレシピ通りに作ったら劇物になるのだ
「あ、あれ?おかしいなレシピ通りに作ったはずなんですけど…見た目が悪いだけで味は美味しいかもしれません」
ヘルンが食べようとサンドイッチを食べようとしたらサンドイッチを置いていた皿が溶けた
ここでアルフィアは思いついた
ベルの目の前でヘルンに料理をさせて幻滅させれば良いのではないかと
「ヘルンついて来い」
「アルフィアさん待ってください」
「…結局残飯処理は俺か」
「超絶美少女の私が楽しげな声を聞いてやって来たわバチコーン!!」
「アリーゼか、良かったらこのサンドイッチ達を食べてくれないか?」
「ザルド叔父さんが作った物なら何でも美味しいから頂くわ!」
「ここにエリクサーは置いておく後は頼んだ」
アリーゼは猛烈に後悔した最初に食べたのはヘルンが作ったサンドイッチだった
「何これ…苦い?辛い?なんか気持ち悪い。何この食感と味」
ザルドに任された責任感で何とか平らげたアリーゼだが猛烈にお腹が痛くなる
即座にエリクサーを飲んで事なきを得たがまだサンドイッチは2つある…
そんな所に和服を着た黒髪美女が現れた
「何を騒いでいる団長殿?」
アリーゼはサンドイッチに指を向ける
「どれどれ団長殿がそこまで騒ぐほど美味しいなら一口…」
アリーゼは急いでサンドイッチを隠した
「輝夜貴女を失うわけには行けないわ」
「何を馬鹿な事を言っている、サンドイッチで死ぬわけなかろう」
輝夜は団長が隠したサンドイッチを手に取り食べた
「確かにこれは美味しゅうございますな
食い意地の張った団長殿が隠したがるのも無理もない」
アリーゼは輝夜に煽られたが、優しいアリーゼは輝夜を哀れんだ目でみてポーションを置いてその場を後にした
輝夜は団長が何故ポーションを置いてその場を後にしたのか理解出来ずに残っていたサンドイッチをぜんぶ食べた
一方ベルは一人でダンジョンに潜っていた
ザシュ
ベルはコボルトの胸にナイフを突き立てた
パラパラ
音を立てて消えていったモンスターを見て自身の実力でこの階層は通用する事を確認した
「よし!これならもう少し下の階層に行っても大丈夫そう」
ベルはその判断を後悔した
下の階層に行き30分ほど探索していると
未だ蔓延る闇派閥がベルにモンスターの大群を押し付けて来たのだ
「じゃあな!名もなき冒険者、俺達の名誉の為に死ね」
そう言いながら姿を消した闇派閥
ベルは目の前のモンスターの大群を見て冷静に判断した
狭い場所に行けば詰む
ベルはこの階層で広い場所を目指しながらモンスターの数を減らす
数を減らしながら広場に着いたが未だモンスターの数は30を上回っている
ベルはモンスターの種類を観察した
「良かった」
ベルはモンスターの中に中層や下層に出てくるモンスターがいない事を確認して作戦を練る
「よし、これなら行ける」
ベルは作戦を実行した
ゴブリンとコボルトを引き付けてからコボルトの攻撃を回避する
ベルを追っていたゴブリンはコボルトの攻撃によって倒された
「よし」
ドゴーン
ベルは間一髪避けた
ベルがいた場所は大きなクレーターができていた
クレーターを作ったモンスターはシルバーバックだった
「な、なんで…さっき確認した時には見えなかったのに…」
そんな事を考えていたら
フロッグシューターが舌を伸ばして攻撃して来た
ベルはいけないと思い横に避けた
しかし、ダンジョン・リザードがベルの避けた先に攻撃を行っていた
ベルは予想出来なかった奇襲にモロに攻撃を受けてしまう
「グッ」
何とか倒れない様に踏ん張る
圧倒的に不利な状況
そこにベルと同じ新米冒険者が現れた
モンスター達は現れた新米冒険者に一瞬気を取られた
「逃げて下さい!!はやく!!!」
ベルは新米冒険者に叫んだ
新米冒険者は悲鳴を上げながら逃げた
モンスター達の一部はベルから新米冒険者に標的を変えて行動した
その乱れがベルに勝ち筋を与えた
ベルは新米冒険者を追ったモンスターの最後尾を倒してからモンスターの最前列に走った
ベルの行動でモンスターはまた同士討ちをした
気付けばモンスターの大群は15匹ほどに減っていた
まだシルバーバックとダンジョン・リザード
フロッグシューターの3種類が残っていた
ベルは体力を消耗していた
それも当たり前だ
闇派閥にモンスター贈呈をされてから一切休みなく動き続けているからである
「ハァ、ハァ、ハァ、まだこんなに居るのか…賭けるしかない」
ベルはシルバーバックの足元まで走った
ベルを攻撃しようとしたフロッグシューターの攻撃はベルには当たらずにシルバーバックの足に巻き付いた
シルバーバックは足にまとわりついたフロッグシューターの舌が気に入らず足を振り回し近くにいたダンジョン・リザードとフロッグシューターを倒した
「ハァハァハァ、よし後もう少し」
残るモンスターは8体
シルバーバックは痺れを切らしベルに体当たりをした
ベルはシルバーバックの体当たりを避けれたが態勢を崩してしまう
そこにフロッグシューターが体当たりをしてくる
「グハッ」
モロに攻撃を受けて壁に衝突してしまうベル
ベルの意識は朦朧としていた
ベルはもうダメかもしれないと諦めかけた時
迷子になってヘルンお姉ちゃんに助けてもらった時の事を思い出した
「ハァハァハァ、ははは、僕は笑うよ。どんなに馬鹿にされたって、どんなに笑われたって、どんなに絶望したって、唇を曲げてやるんだ。じゃなきゃ精霊だって、運命の女神だって、微笑んじゃくれないよ。」
(アルフィアお義母さん、ザルド叔父さん、ヘルンお姉ち
ゃん、神様、見てて下さい僕は今から冒険をします)
騒ぎを聞きつけたアーディとリオンが駆けつけていた
しかしアーディは手を出そうとしなかった
それを見たリオンは助けに入ろうとするがアーディに止められた
「アーディ何故止めるのですか!?」
「何でだろう?あの子の戦ってる姿が英雄に見えて仕方ないからかな?」
リオンは無理矢理助けに入ろうとしたが今度はアルフィアお義母さんに止められる
「今ベルは冒険をしている邪魔をするな」
ベルは額から出ていた血を拭いナイフを構える
「さぁ来い!」
ベルは笑いながらモンスターに対峙する
先ほどよりベルの動きは速くなっていた
フロッグシューターの攻撃を躱しダンジョン・リザードを倒す
シルバーバックはまた体当たりを仕掛ける
今度は態勢を崩さず避けきり邪魔なフロッグシューターを倒す
シルバーバックの体当たりがダンジョンの壁に当たり
ダンジョン・リザードが落ちて来た
落ちて来たダンジョンリザードを倒し残りのフロッグシューターを倒し切る
「お前で最後だシルバーバック!」
『ウオォォォ』
何度もシルバーバックとベルのナイフは衝突した
シルバーバックはどんどんと切り傷が増えていく
ベルのナイフも耐久が無くなりかけている
「これで最後だ」
『ウオォォォ』
ベルとシルバーバックの衝突が終わった
パキパキ、バリン
ベルのナイフは完全に壊れてしまった
シルバーバックは動こうとしない、否動けなかった
シルバーバックの魔石にヒビが深く入り少しでも動けば灰になるからである
ベルは笑いながら口にした
「良い戦いだったよシルバーバック」
シルバーバックはその言葉を聞いて動いてはいけないのに振り向いてしまった
シルバーバックの顔はどこか涼しげに灰になって消えていった
ベルはシルバーバックを見届けて気絶してしまった
「ベル、良く私やザルドの技を使わずに乗り越えた」
「早くこの子治療しなきゃ」
「アーディが止めなければここまでにはなら無かったと思いますが…」
「リオン、貴様はだから弱いのだ…そこの青髪の方が強いぞ」
遅れてやって来たヘルンはベルが倒れている事に驚愕した
「何があったんですか!!」
「ベルは英雄の階段を少し登っただけだ」
ヘルンはアルフィアお義母さんの返答に不服そうにしながらベルを抱えて治療院に向かおうとする
その姿を見たアルフィアお義母さんはベルを強奪し治療院に向かった