ヒーローと探偵   作:タルマヨ

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光を継ぐ者、真実を暴く者

市役所の屋上に、黄金の光柱が突き抜けた。

その光の中から現れたティガは、銀色の尖塔を守るように立つ「鏡の騎士」と対峙した。

騎士の体表は周囲の景色を歪に反射し、ティガが構えを取ると同時に、全く同じ予備動作を見せる。

『無駄だ。お前の戦術、エネルギー効率、すべては既に演算済みだ』

鏡の騎士が超高速で踏み込み、鋭い手刀を突き入れる。ティガは間一髪で防ぐが、相手は避ける動作さえ先読みして追撃を仕掛けてくる。

《……俺の動きを完全にコピーしてるのか!?》

マルチタイプの鋭い蹴りさえも紙一重でかわされ、鏡の騎士のカウンターがティガの胸を打つ。衝撃に火花が散り、ティガが膝を突く。相手は一切の無駄なく、トドメの光刃を形成し始めた。

市役所一階・事務フロア

一方、一階ではコナンが「のっぺらぼう」たちの包囲網を、間一髪のタイミングで潜り抜けていた。

「クソッ、次から次へと……!」

コナンは物陰に滑り込み、探偵バッジを口元に寄せた。

「博士、聞こえるか! 屋上の尖塔が親機だ。あいつ、俺の名前も圭人の正体も知ってやがった。この街のデータだけじゃなく、俺たちの個人情報まで抜き取られてるぞ!」

『な、なんじゃと!?』

バッジ越しに博士の驚愕した声が響く。次いで、冷静だがどこか険しい灰原の声が割り込んだ。

『工藤君、落ち着いて。相手が私たちの情報を読み取っているなら、逆にそれを利用できるわ。星野君が戦っている間に、尖塔の通信ポートにこの「偽装データ」を流し込んで。そうすれば、奴の予測演算をバグらせることができる』

「……へっ、ハッキングってわけか。やってやろうじゃねえか!」

コナンは背後ののっぺらぼうをキック力増強シューズの一撃で吹き飛ばすと、サーバー室へと続くケーブルの束を指差した。

「圭人! 聞こえるか! 適当に暴れて、奴の処理能力を限界まで使い倒せ! 隙は俺たちが作る!」

屋上・決戦

コナンの声に応えるように、ティガは力を振り絞って立ち上がった。

同時に、尖塔から激しい火花が上がる。一階でコナンが放った論理爆弾が、侵略者のネットワークを汚染し始めたのだ。

『ガッ……ア、演算、エラー……!? 記録ニナイ、データ……ガ……』

鏡の騎士の動きが、目に見えてカクつき、同期が乱れる。

《……今だ!》

圭人の叫びと共に、ティガの全身が赤く燃え上がるような輝きに包まれた。装甲がより厚く、隆起した筋肉を思わせる力強いシルエットへと変化していく。パワータイプへの初変身だ。

予測演算が機能しなくなった騎士が、焦ったように放った攻撃を、ティガは真正面から受け止めた。びくともしない。そのまま騎士の両腕を掴み上げ、圧倒的な膂力で放り投げた。

「はあぁぁっ!」

ティガが両腕を広げ、超高熱の光エネルギーを胸の前に集束させる。放たれたデラシウム光流が、騎士の胸のコアを粉砕し、そのまま背後の巨大な尖塔へと直撃した。

黄金の光が銀色の構造物を包み込み、都市を書き換えようとしていた黒い信号を、浄化するように焼き尽くしていく。

市役所・正門前

尖塔の崩壊と同時に、市役所を覆っていた銀色の膜が光の粒子となって霧散した。

その輝きは、正門前で意識を奪われかけていた目暮警部や高木刑事にも降り注ぐ。

「……う、うう……。高木君、しっかりしろ!」

「……警部? 私たち、一体……。あ、あれを見てください!」

高木刑事が震える指で空を指差す。

そこには、夕焼けの空へと消えていく巨大な光の残滓があった。

「……今のは、一体何だったんだ……」

目暮警部は呆然と立ち尽くした。自分たちの意識を乗っ取ろうとしていた「何か」が、あの光によって跡形もなく消え去ったことだけは、直感的に理解していた。

エピローグ

市役所の裏手。

光の中から戻った圭人と、スケボーを抱えたコナンが合流した。

「……正体、バレちゃったね」

圭人が苦笑いしながら呟くと、コナンは前髪をかき上げ、不敵な笑みを浮かべた。

「ああ。だが、あいつらのサーバーごと焼き払ったんだ。バックアップがなけりゃ、俺たちが誰かなんて記録は、今ごろ宇宙のゴミ屑だよ」

「……そうだといいけどね」

「ま、最悪バレてたとしても、俺たちが組めば負けやしねーよ。だろ? 圭人」

コナンが差し出した拳に、圭人は自分の拳を軽く合わせた。

二人が正門の方へ目を向けると、意識を取り戻した目暮警部たちが、混乱する現場の指揮を執り始めているのが見えた。

「おいコナン! 圭人! どこにいやがる!」

遠くから、酒の袋を下げた小五郎の怒鳴り声が響く。

二人は顔を見合わせると、おっちゃんに説教される前に逃げ出そうと、夕闇の中へ駆け出した。

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