「妾の命令がきけんのか!!!」
「聞くわけねぇだろチンチクリン!」
「なんじゃと!?」
目を覚ました天内理子は五条悟と年相応と言えるような喧嘩をしていた。
夏油傑と黒井美里はその様子を見て笑い合っている。
家の壁が大爆発していることはみんな気にしないようにしているようで危険なところまで歩いていくことすらないがある意味で日常と言えるような空気に変わっていた。
そんな時、玄関のチャイムが押される。
夏油は反射で呪霊を飛ばし、五条は静かにその眼を向ける。
「悟」
「呪力の反応は無い、多分一般人だ。」
「見られるとまずいね、コレは」
「隠せねぇだろ」
夏油は小声で帳を下ろすと玄関の扉を少し開けた。
「おい」
扉を開けたはずの夏油の後ろに夏油よりも大きな男が立っていたことに気付いたのは五条の方だった。
「お前が五条悟か?」
「・・・そうだって言ったら?」
「そうかい」
五条は目で見ても呪力が感じられない男に冷や汗をかく。
六眼で呪力が見れなかったのは、目の前の男で二人目だった。
一人はいつもやかましい後輩の女、加茂渡愛。
そのもう一人である目の前の男は、渡愛と違い、やる気があるなら間違いなくこちらを殺しに来ると確信できる程に尖っていた。
「天内理子の懸賞金、取り下げたいか?」
「「は???」」
「あ?何だよお前ら知らねえのか。」
目の前の男はだるそうに携帯の画面を見せてくるとそこには天内理子の顔写真とそこに一億という値がついていた。
「俺はこれを受けるか迷ってる、お前らが全力で守るって言うならお前らに協力してやってもいい。」
「サイズも合ってねぇパッツパツのシャツ着てるおっさんがなんだって?」
五条の首が既に捕まれている。
夏油は呪霊を出して男の背中を狙うが男は五条の身体をそのまま振り回して呪霊の攻撃にぶつけ、その後に夏油に向かって投げていく。
「お前、今術式使えねぇだろ、目上の人間に対しては敬語で話せよ」
「・・・名前だけ聞いてもいいかな」
「伏黒、フリーの術師殺しをやらせてもらってる伏黒甚爾だ」
呪力のないフィジカルギフテッドと特級術師達の、初めての邂逅であった。
「ところで」
バチバチと火花が散っていた空気の中で、その高い声は良く響いていた、この家の主、天内理子である。
「あん?」
「ここは妾の家であるということをお主ら忘れておるのか?」
「「・・・」」
ぶん投げられて気絶している五条悟のアホ面を誰も見ないようにした上で周りを見る。
壁には大穴が空き、家具はボロボロ、扉は投げられた五条悟を受け止めた拍子にガタガタ、無事なのはキッチンの一部とトイレくらいなもの。
「私のお気に入りの服・・・」
黒井が泣きそうになりながら叩き折られているクローゼットを見ている。
「妾のぬいぐるみ達」
綿が飛び散り、無残な布と化しているぬいぐるみの集団はボタンの目を虚空に向けて死んでいた。
「覚悟はできておろうなぁ?」
男2人に逆らう選択肢は無かった。
この後学校から帰ってくるまでに出来うる限り直しておく様に言われる、直哉はバイエル以外のQの呪詛師を相手してる。
黒井は夏油はともかく甚爾は苦手になった。