黒閃が死ぬほど撃てる天与呪縛の女の子   作:リアオットー

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摩虎羅やりてぇ・・・by甚爾

「はぁ???摩虎羅を調伏させたい???」

 

禪院直哉は唐突に土下座をしてまでこちらに頼み込んできた伏黒甚爾に対して疑問の山を築きながらも言葉を発した。

 

「待てや甚爾君、もしかして恵くんの術式って十種か!?」

 

伏黒甚爾が高専に教師として在籍する条件として、伏黒家の全員を禪院家の当主争いや政治に利用する事を禁止する縛りでもって保護していた直哉にとって、伏黒恵の術式がこの家の誰よりも明確に当たりであるということはこれ以上ない裏切りの証でもあった。

 

直哉個人はともかく、まだ子供であるが故に利用しようと思えばいくらでも利用できる老人達にとっては喉から手が出るほどに欲しいものであったからだ。

 

「そのとおりだ、昨日玉犬を出しやがったから慌てて影絵を教えた」

 

「何やっとんねんアホォ!!!」

 

調伏しなくても使える玉犬はともかく他の全ての式神の影絵を慌てて教える必要性は絶対に無い、甚爾の慌てようが伝わるものである。

 

尚甚爾は言葉に出していないが玉犬を出した理由は恵が犬が飼いたいと言い出した後、影絵の犬を検索した結果だったりする、恵が何かを見て喜ぶ姿を見た津美紀は甚爾に呪霊が見える眼鏡を所望している。

 

「最悪俺が祓えば良いと思ったんだよ!」

 

「知識ある無しはとてつもなく関係あるやろ!?」

 

直哉のツッコミが光る、だがその心配はいらなかった。

 

「フィジカルギフテッド、というより俺が呪力0の身体だからかは分からんが恵の代わりに仕留めたら調伏できた」

 

「待ってくれん?情報量多すぎんねん、何の何の何???」

 

呪力0の人間など記録上甚爾が初めての例なので明らかに今までの仕様とは違うバグが起きているのは間違いない、というかもしそれが本当ならば摩虎羅の調伏も甚爾が戦えばワンチャンあるという明らかに仕様外のグリッチの様な状態に直哉は笑うしか無かった。

 

「・・・せやなぁ」

 

御三家でなくとも相伝の術式は残る、十種以外にも相伝の術式は幾つかあるのでそれらをかき集めれば何かを思いつくかもしれない。

 

「摩虎羅は確かどんな攻撃でも少しずつ効かなくなっていく仕様の式神やろ?」

 

「俺は知らねぇけど多分そう」

 

「なら手順としては初手大技でええ、仕留める手段によっては足止め手段はいうてそう多くない筈や。」

 

摩虎羅の正攻法は適応前に即座に殺す初見殺し、恵の式神に自意識のような物があるかも分からない以上強い想定でいかなければ意味が無い。

 

「悟君の虚式《茈》みたいな火力なら問題なく消し飛ばせるやろうけど適応が分からんなぁ。」

 

「回数こなせば無駄になるしかと言って手数で攻めればすぐに効かなくなる・・・」

 

「初手で潰さんといかんけどそもそもの耐久力がアホみたいに高いと意味無いやろしなぁ。」

 

「んー」

 

男二人で悩んでいても答えが出ない、こういうときは渡愛を呼ぶに限る、何故かアイデアだけはすさまじく勘が良い己の伴侶に直哉は全幅の信頼を寄せていた。

 

というわけで

 

「来たよー」

 

渡愛の登場である。

 

「一応来るまでに考えてきたけど式神は何が調伏出来てるの?」

 

「犬、カエル、鳥、象、虎、鹿、牛、兎、蛇の9種だな」

 

思いっきり調子に乗って暴れ散らかした事が容易に予想出来る数に直哉と渡愛は苦笑いを隠せない。

 

「あーでも天逆鉾使ったら動きが目に見えて悪くなったぞ、兎で試した。」

 

「調伏の儀自体の解除ではなかったんやな?」

 

「消し飛ばした後は普通に調伏出来てたぞ。」

 

天逆鉾の術式効果はその武器に触れた術式効果の無効化である、当てた時の状況は分からないので何とも言えないのだが何かしらのデバフにはなるらしい。

 

「天逆鉾を当ててから兎の術式って発動した?」

 

「分からん、すぐにぶん殴って破壊したし」

 

そこが一番知りたかったのだが天与の暴君は躊躇というものを知らないらしい。

 

「ていうか俺等の相談も本人がおらんかったら意味なくないか?」

 

「それはそう、なんで居ないの?」

 

「今日は学校なんだよ、5時まで待て」

 

今の時間は11時、終わるのはまだまだ先である。

 

「ほんなら取り敢えず出来そうな手段だけでも考えよか」

 

ぶっちゃけやれる事は術式の解釈くらいしかない。

 

「記述があるのは象やな、水出せるみたいやで」

 

「兎も数が多いみたいに書いてるから増えるのかな」

 

「牛だけは分かんねぇな、使い方では曲がれないとか書いてあるが」

 

「まっすぐにしか動かれへんかわりに威力高いとかやろ、呪術的には走る距離が長ければ長いほど威力が強くなるってとこか?」

 

「てなるとトドメはコイツか?ぶん殴った感じ迎撃されると弱そうなんだが。」

 

フィジカルギフテッドの基準を求めてはいけない、何より甚爾は普通に規格外の速さを持っているのでまだまだ子供である恵にはあまりにも酷である。

 

「牛で仕留めるなら空間だけでも呪霊で操作できる夏油さんに頼めばいけるかも?」

 

「空間そのものに適応されてリセットかけられたら終わるで、やるにしても最終手段やろ」

 

「呪具で仕留めるのはどうだ?」

 

「天逆鉾みたいなタイプのイカれ呪具なんか持っとらんで?バレてなきゃ魂にダメージいくタイプの呪具とかあってもなぁ」

 

その後もあーだこーだと言い合った結果領域展開があればいけなくもない、という結論に至った。

 

無論可能性としては黒閃を発動するレベルで心許ないのだが。

 

甚爾の横にそれを当たり前のように発動している二人がいることは言ってはいけない。




ぶっちゃけ摩虎羅は普通に倒すのは無理だと思います、少なくとも伏黒パッパ居ても本編のフィジギフ描写から見て呪具を使ったとしても攻撃力不足感が否めない・・・

一応摩虎羅討伐自体は目指すけど五条と宿儺レベルの単発火力が必要はちょっと無理ゲーすぎやしませんか。
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