親父が帰ってきた。
学校からの帰り、津美紀の元に帰っている途中、ギャーギャーと騒ぐ4人組を尻目に横を通り過ぎようとした時白髪の男から声をかけられたのが始まりだった。
「君、伏黒恵君でしょ」
「なんですか?」
振り返った先に自分の父親が居ることに少しの嫌悪を滲ませながら白髪の男を見た。
「その人から内臓を抜き取るとかならご自由に、俺達には関係ない、そいつの事情は何となく分かる。」
俺の言葉に前髪が吹き出す、学ランを着ていても風体が普通じゃない、嫌な感じの男。
もう一人は顔を手を当てて天を仰いでいる、このなかで一番マトモそうだが親父を連れてきただけの人間ではないだろう。
「め・・・恵」
親父の言葉にイラつきも込めて舌打ちして睨むと一気にしょぼくれた面に変わっていった。
「残念だけど、君のお父さんは教師になるみたいでね?」
「は?」
「この人俺等を普通に殺そうとしてきたから返り討ちにして、そのまま気に入ったから採用したの、面白いでしょ」
当たり前のように子供を捨てる男が教師???あり得ない。
「パチンコの打ち方でも教えるんですか」
前髪がもう耐えきれないというふうに崩れ落ちて言った。一言も話してないのに多分一番同じ話題で会話出来るだろうと確信する。
「甚爾君、君の選択の結果やろ、頑張って信頼取り戻しぃや」
「そうか・・・そうだな・・・そうかもな・・・」
白髪の男はニヤニヤしながら俺に問いかけてくる。
「君の親父さんは禪院っていう名家出身でね、その血を引いてる君の身請けの相談だ、親父さんは名家の中でも落ちこぼれ、才能なしの猿扱いだったから逃げ出したんだけど、君は才能はありそうだ。」
「おい五条、勝手に話すな」
「はいはい分かってるって・・・たぶん君なら禪院家でも上の方の待遇で迎えられる、今の極貧生活からは間違いなく好転する、行きたい?」
親父は捨てられた子犬のような目で俺を見つめる、さっきこの白髪の男に向けた目は何だったんだと思う程にしょぼくれたチワワの顔つきだ。
「そこにいけば、津美紀は幸せになれるのか?」
3人がほとんど言葉を話していない和服の人間に目線を向ける。
「ちょっ、なんやねん言われんでも答えるて」
「どうなんだ?」
「・・・たぶん無理やね」
関西弁の男は懐から紙を取り出してその内容を見始める。
「うちは才能大好きな分才能無しにはとことん苛烈や、君の姉の子は禪院の血を継いどらんし更に言えば才能もからっきし、しかも女の子、せいぜいふっるい連中の玩具にされて知らん間に死ぬのがオチや」
「ならいい、アンタ禪院家の人間だろ、聞いてれば分かる」
「思てるより賢いんやね、自己紹介したほうがええか?」
「要らない、どうせもう会わないだろ」
「それがそうもいかんのよ、恵くん、このまま放置しとったら君のお姉ちゃんが死ぬかもわからんのよ」
和服の男の言葉に驚く、津美紀が何をしたというのか。
「うちの老人方は頭硬くてなぁ、猿扱いしてた親父さんが誰よりも俺等に近い位置にいるのが気に食わんらしい、親父さんの親族含め全員殺す勢いでヤクザまがいの連中雇いまくっとんのや。」
「勝手にやってろよそんなの!!オレ達には関係ねーだろ!?」
そんな連中に良いようにされるなんてまっぴらごめんだ、関わるな、絶対に拒否だ。
「その為に君の親父さんに君等の近くにおってもらおうとおもてんねん、ついでにうちの家ん中のゴタゴタに巻き込まれへん様に色々と整えに来たんよ。」
着物の男の言うことは筋が通っている、でも俺だけじゃ全部理解出来てるとも思えない。
「津美紀も・・・津美紀も同席させろ、全部話してもらう、クソ親父の馬鹿みたいな事に巻き込んだんだ、それくらいはやってもらう」
「小1とは思われへん賢さや、それでええねん、君の家行こか」
親父は何も言わない、キョロキョロと目線をあっちこっちに彷徨わせるだけで何も言わない。
「おい」
「な、なんだ」
「次逃げたら殺す」
「・・・分かったよ」
後ろで男3人が肩をすくめていた。
もうちょい続きます。
五条も突っ込んでたけど恵くん凄い賢いよね。
私が同じくらいの時ずっとテレビでアニメ見てた記憶しかない。