『いけー!いけー!そこだ!殴れー!』
『刺せー!刺せー!』
『袋だ袋!叩け叩けぇ!!!』
うるせぇ・・・。
真依が呪具庫に籠り、呪具の解体を始めてから暫くすると聞こえてくる大量の声に私はうんざりし始めていた。
最初に声が聞こえたときは驚きで人前で声を出してしまった私は直毘人に相談することにしたのだが。
「ハハハハ!!!酒が進むわ!!!」
などと供述した為に顔面に3発ほど拳を叩き込みその後禅と称して声たちと対話することにした。
聞いてみれば声は真依に刻まれた呪具達の意識のようなものだという。
魂を経由して私に流れ込んできている上、双子であるからかどちらかが強くなれば双方向の強さに変わるらしい。
私は術式を持っていない為に呪力方面では余り役には立てなさそうだが。
それはともかく、呪具達は私を起点としたある一定の範囲内を独自に見れるらしく更に独立した思考なども持っているためにその力を模した真依の呪具との相性はすこぶる良く、手に馴染む。
その上呪具達の記憶から抜き出された影のようなものと夢の中で殺し合いをすることで蠱毒のような状態でより洗練された経験を積むことも出来た。
だが。
『うおー!真希の勝ちだー!』
『宴じゃ宴じゃ!』
『ところで孫はおらぬのか!?』
四六時中死ぬほどやっかましい声がひたっすら響いてくるのは本当に勘弁してくれないかなぁ・・・。
この声が聞こえていないらしい真依の事が自分でも驚くほどに羨ましく感じている。
『調伏された我々の世話がいらぬと申すか!』
言ってねぇ
『子供が出来たら世話してやろう、知識だけだがな!!!』
既に反抗期の子供を持ってる気分だよクソ・・・。
『明鏡止水は大事ぞ、精進せい』
ぶん殴るぞ。
これからも増えていくだろう呪具達の無駄にお節介な大きな声に真希は既にグロッキー気味だった。
『お、次は宿儺の記憶か!死ぬなよ!』
死ぬわボケカス。
怒りをかなり込めて4腕の怪物に斬りかかるもすぐに塵に変えられた。
「・・・」
怒りでほとんど見えて居なかったほど視界が狭まっていたが、宿儺って言ってたな・・・
『言ったぞ、瞬殺されていたな』
黙れ・・・威圧感が凄まじい、動けたのはかなり奇跡に近いのでは?
『動き出した瞬間に手足もぎ取られておったぞ』
早すぎだろ・・・。
『アレでも記憶でしかない故、本物はもっと早いぞ。』
次からアレを出せ、アイツに正面から戦えないと直哉さんとはずっと離されたままだ。
『良き良き、目標は見つけたようじゃの』
うるせぇ、ぶっちゃけ数こなすしかねぇだろあんなもん・・・。
『初恋の男が既に婚約していて婚約していた相手も恩人過ぎて自覚と同時に粉々に砕かれた人間が言うことかな?』
マジでぶっ殺してやろうかテメェ・・・。
まだ夜中だ、次やるぞ。
『ほほ、粘れよ小娘』
真依→禪院式の教育を受けていないので良い子に育つ、原作のやさぐれキャラが消滅。その結果禪院が理解出来ないやり方(無自覚)で超強化が入る。
真希→真依のおかげで呪具達がきぶりじじいとなる。その結果常に纏わりつかれてグレる、原作通りの性格に変わる。その代わり夜な夜な宿儺(記憶)に死にゲー挑んで爆速レベリング中、尚夢の中であれば呪具達も顕現できるのでストレスと引き換えに手札が爆増する。