「いや~、ずいぶん待たせちゃったみたいで。」
「待っては居ないぞ、悟。」
呪術高専内、高専依頼執務室の中に、五条悟と呪術高専の学長となった夜蛾正道が居た。
特級呪詛師として登録されてもなお、五条悟に関しては呪術高専にいることが許されている。
GGOS発足からこれまで交渉役として出張ってきているからだ。
そして、縛りを結んだそれぞれの思惑の中にこのような条文がある。
GGOSが発見した術師の中で、とりわけ扱いの難しい術式や状態等があると判断された場合、その扱いを呪術高専に任せる。
このような条文はGGOSの最初期から機能を発揮し、力の大小関係なく若い人間達が呪術高専に入って来ている。
「今回の子はこんな感じ、センセイも読んで判断してよ。」
「はぁ・・・お前達はいつも厄介な人間を呼んでくる・・・。」
その紙に書かれていた名前は、乙骨憂太。
「はぁ・・・」
発見当時の事件についての記録が抜き出されている。
同級生四名の執拗な嫌がらせにより事件が発生。特級過呪怨霊折本里香の顕現により乙骨憂太の同級生四名がロッカーに詰められ重傷を負う。
乙骨憂太自身には一切の怪我はなく、窓の人間が話しかけたところ意思疎通も可能であったが窓の人間に助けを求めようとしたところ折本里香が顕現、即座に武装を解除することで頭を握り潰される直前で死を回避することに成功した。
「その情報が回ってきてからこっちでも色々調べたんだ。」
五条悟は調査結果の入ったファイルを取り出すと開く。
「彼、家の分家から更に遠くなってるけど俺の親戚、藤原だの菅原だのと混ざったハイブリッドかつ突然変異、呪力量も遠目に見たけどアレは凄いね、俺より多い。」
「危険性だけは特級というものか」
夜蛾正道はため息をつく。乙骨憂太自身はきわめて常識的な人物であった。
同級生となる生徒達とも仲良くなってくれると助かるのだが。
「それで、その乙骨裕太くんは何処にいるんだ?」
「灰原が迎えに行っている、本人は出たがらないだろうがアレでもお前たちに対抗できるカードになるように総監部はお望みだ。」
夜蛾学長はまだまだ仕事が山積みになるのは確定しているようだ。
ため息も多くなるがそれでも禪院家が全面的に協力してくれているだけマシというものなのだろう。
「そう言えば渡愛ちゃん今何人目?」
「3人だ、半年前に生まれた。」
「あの子どんだけ直哉から搾り取る気なんだろね、身体丈夫すぎでしょ。」
「居ない人間の下世話な話はよせ、悟。」
「いや~、そういう相手が出来そうもない俺からしたらもはや別世界でしょあんなの。」
渡愛はこの数年で直哉との子供が3人できた、本人曰くまだ増やす。
直哉は直毘人から直接家督を譲られた、譲られた際様々な人間から奇襲夜襲一騎打ちを死ぬほど挑まれたがその全てを粉砕し当主となった。
子供の名前は長女誠愛7歳、長男直嗣5歳、次女空愛が半年前に生まれている。
悟は生まれるたびにお盛んですねと贈答品を山のように贈りまくっている。
傑も生まれてから半年間は呪霊銃や弾丸等の費用を半額にしている、これが思ったよりも大きく費用が余りにも削減できることから老人方にも子供をもっと作れと暗に催促されているほどであった。
直哉自身は催促に対して「ふざけんなやカスゥ!!俺は費用削減の魔法のアイテムとちゃうんやぞ!!!!」と至極真っ当な発言を禪院家の本家のド真ん中で叫んでいる。
まぁ兎にも角にも渡愛が止まらないので大型犬に引っ張られて引き摺られる飼い主の如くなんだかんだと付き合う羽目にはなるので直哉には頑張って欲しい。
それはそれとして。
もう一度いうが乙骨憂太本人は善良な一般市民と言っていい性格の持ち主である。
窓の人間も里香ちゃんがヤバいだけで乙骨君は別に・・・という報告書を提出してきたので概ね間違いではないだろう。
「灰原が教師ねぇ・・・」
呪いによる被害などから凄惨かつ色々な感情の煮凝りを一気飲みするような事件が多い呪術界に置いて呪力が無い善性の塊のような灰原と一般市民出の人間との相性はかなりいい、問題は里香ちゃんがどれくらい繊細なのか、ということだ。
世辞やじゃれ合いでも反応するほど過敏な訳ではなさそうだが逆に言えば敵意を感知すれば0か100かでフルスロットルに暴走を始める可能性もある。
ロッカー事件を見ている感じおそらくは後者の可能性が高く、その過敏さは呪術界に置いて余りにも大きなハンデになる。
「一度も会ったことないけど、多分彼のこれからの目標は折本里香の完全解呪になるのかな?」
場合によっては荒療治をすることになるかもと、五条家当主としての考えが浮かぶがそこで止める。
らしくない教師の真似事など依頼の中だけで十二分、俺は俺らしく居るのだと五条悟は笑っている。
「お前がそうまで言うレベルか、折本里香は」
夜蛾学長も五条悟もそれぞれの思惑により腹に一物を抱える人間同士、仲良く未来を懸想している。
「灰原の教育が何処まで通用するか見ものだね。」
「余りにも酷くなりそうならこちらから依頼は出す。」
「俺に渡さないでよ?渡したら九十九さんに行かせるから」
五条悟はそう言って執務室から出ていった。
なんだかんだようやくゼロですよ、里香ちゃんがモジュロまでなんだかんだ大活躍してるからどうしても生存するルートは描けなかった、あの巨大里香ちゃんの体内テレビ鑑賞会は人間じゃ無理だよ()
それはそれとして五条先生が五条先生じゃないので半分くらい灰原が担当することになりました、なんとなくだけど原作五条先生のノリって割と灰原と夏油混ざったテンションな気がするんですよね。
灰原の言動と夏油の言い回しを混ぜてるから超絶胡散臭くなってるだけで・・・