・加茂渡愛を好きになること
・加茂渡愛と結婚すること
・他人から感謝されること
・浮気をしないこと
・他人を虐めないこと
躯倶留隊
・渡愛と試合して負けたら呪力を使わず筋肉痛になるまで訓練
禪院蘭太
・渡愛と試合をして負けたら3日間呪式無しで訓練参加
禪院扇
・双子との接触を禁止、禁止には話す事、手の長さと同じ範囲の空間に入れること、また同じ部屋に居ることを含む
『』
・渡愛と共に禪院直哉の嫁である事。
天内理子
・天内理子の天元との同化を停止し、新しい肉体を与えること、それまでの期限はバツカラスとは別の反転術式のアウトプット専門の式神として生存する事。
「えろうすんません」
ある病院で今時はあまり見ない着物を着た男性が受付で事務員に話しかける。
「はい、なんでしょうか?」
事務員は話しかけられた青年の顔面偏差値の高さに少しも動揺する素振りを見せることもなく事務的な返答を返す。
「この病院に虎杖倭助って人がおると思うんですけど何号室におります?」
「あー、面会ですか?」
「そんなとこやね、うちの親が昔世話になったらしくてな?会いに行きたいから部屋番だけ教えてくれ言われとんねん」
青年の指に光る指輪をみた事務員の人は少し目を見開き、そのまま虎杖倭助の居る部屋の番号を答えてしまう。
「あんがと、行ってくるわ」
青年が受付を通り過ぎた後、事務員は腰が抜けていたことに気が付く、その様子を見た他の事務員はすぐさま後ろに下がらせ交代して業務を続けていった。
「・・・呪力には関係無い、その割によう呪いが巻き付いとる、後で帳下ろして祓うか?」
青年、禪院直哉は虎杖倭助に会いに廊下を歩く。
階段を使い、目についた呪霊を片手間に祓いながら移動していく。
「数年かかったけどようやくリーチしとんねん、この年まで仕掛けてこうへんかった理由は何や?悟君も夏油君も時間かければかけるほど強くなる筈なんや。」
直哉は虎杖倭助が居る病室の前に立つ。
「向こうは非術師の筈、その筈やのに、なんや、この感覚は」
扉の向こうに居る人間の呪力量がとんでもなく大きい。
「まるで宿儺の指・・・?」
あー
「そういうことか、なんとなく理由分かったわ、答え合わせといこうやないの。」
扉を開けた先には枯れ木のような腕を窓枠に置きながら唐突に開けられた扉を見ている老人が居た。
「突然ですんません、虎杖倭助さんでええやろか?」
「そうだが、アンタは誰だ。」
「俺は禪院直哉って言います、色々と聞きたいこともあるんで、ゆっくり話しましょうや。」
「フン・・・最近の若者は礼儀を知らんな、茶でも持ってこい」
老人の目は鋭い、かなり高齢でありながら髪もフサフサ、かつまだまだ元気十分といったところ。
投射呪法を使い自動販売機から3本ほどお茶を買ってきた直哉を驚きの目で見つめる老人の姿に少しニヤつきながら直哉は切り出す。
「虎杖香織さんについて話を聞きたいんですわ。」
倭助の目が見開かれる。
「アイツは、なんだ?」
質問にしては具体性が無い質問、だがその意味を直哉は過不足なく受け止める。
「分かりやすく言えば、呪い」
「・・・」
「虎杖香織さん本人は恐らく我々の同類ではなく、完全な一般人だった筈です。」
老人と直哉は一言一言をゆっくりと交わし合った、それに伴う事象をそれぞれの経験と常識に照らし合わせ納得のいく推論でもって受け入れる。
「俺の推論ですが、虎杖香織さんの体を乗っ取ったバケモンがおります、俺はそういった類いの怪物を殺す職業をやってます。」
「拝み屋か、また胡散臭い。」
「さっき見せた物が証明代わりになっとります、俺みたいに早く動けるやつ、人の動き止めるやつ、単純に遠くのものを動かすやつ、色んなのがおるんですわ。」
「それのなかに、あの女のような奴が居ると?」
「俺はそう睨んでます、人の体を乗っ取るのか、それとも死体に乗り移るのか、ソレは分かりません、ですがそのバケモンは恐らく百数十年間は間違いなく生きとります、俺が遡った限りでは明治辺りまででした。」
「つまりそれ以上前だと?与太話にしてはスケールが大きい。」
「そうやろな、俺も普通に生きててこんなバケモンと遭遇するとは夢にも思わんかったわ。」
「そして、それがあの女の正体だと?」
「はい、虎杖香織さんの息子、虎杖悠仁くんでしたか?あの子は恐らく生まれた時から、いや、下手をしたら生まれる前から身体を弄くられとる可能性があります。」
「悠仁には手を出すな、悠仁は化け物ではない。」
倭助は細い腕からは予想もできないほどの力でもって直哉の腕を掴む、よく見れば、無意識だろうが呪力が腕に宿っているのが見える、呪力強化してこの程度なら本来はどれほど弱くなっているのか。
非術師からは不思議なほど元気な老人にしか見えないだろう倭助のほんの僅かな寿命を直哉は的確に察してしまった。
「分かっとります、悠仁くんに関しては悠仁くんがこちらの事情に巻き込まれるまでは干渉しません。」
「・・・ソレは必ず巻き込まれるのか?」
「恐らくは、彼は我々から見ても逸材に近い、いつか必ず我々の殺し合いに巻き込まれることになるでしょう、その結果が彼にとってどうなるかは分かりません。」
「・・・チッ」
「話を戻します。」
「普通に話せ、貴様の敬語など薄ら寒くてかなわん」
「もしかして混ざってた?あーもう最悪、まったく気づいとらんかったわ。」
「フン、慣れない敬語など使うからだ。」
「ごめんなぁ、まぁええわ、虎杖香織さんの体を乗っ取った奴は俺等みたいな呪いを祓う奴が使う呪いの道具みたいなのを作る職人みたいな奴やったんよ。」
「藁人形のような奴か」
「そういうやつです、そんでそいつは多分虎杖悠仁君をバケモン一歩手前の身体に改造しとる、俺等は虎杖悠仁君をバケモンにしない方法を探してバレへん内に虎杖悠仁君をこちらの業界から離すのが今の目標っちゅう訳ですわ。」
「悠仁はそれに気づいていないのか?」
「まったく知らんと思います、彼はあくまで身体能力のみで俺等が使う呪いの力はほとんど持っとりません、ただ呪われた物を取り込めば話は別です、彼がそれを取り込めば」
「化け物に変わる、か。」
突拍子のない話だが倭助は俺が当たり前かのように受け入れ、話をしている。
その様子に直哉は倭助に対して人としてあるべき姿のようなものを垣間見た気がしていた。
「多分今は虎杖香織さんの身体から切り替えてほかの誰かの身体を使うとる可能性が高い、だけど虎杖香織の足跡を追えばそれらは必ず見つけられる筈です。」
「・・・分かった、俺の知る虎杖香織を話す、あとは好きにしろ。」
倭助は虎杖香織と関わった少ない時間を話す、息子の虎杖仁のこと、虎杖香織の事、そして虎杖悠仁の事を。
3時間ほど経った頃だろうか、倭助が窓の外を見ていた時ふと声を出した。
「悠仁が来たようだ。」
「大体聞きたいことは聞けました、虎杖悠仁君が来ない内に俺も退散しますわ。」
「おい」
「何や?」
「お前、名前は?」
「禪院直哉、禪院家27代目当主の禪院直哉や」
「若造が家の頭目か、まぁいい」
「悠仁を頼む」
「・・・」
「アイツは良いやつだ、友達思いだ、ただの善良な人間だ、俺がそう育ててきた。」
「だから、頼む」
倭助はそう言って頭を下げた。
「・・・はっ。」
それを俺は笑った。
「俺がなんかせんでもあんたの孫なら心配いらんやろ、まぁええわ。」
こちらも床に膝をつき、頭を下げる。
「虎杖悠仁君の後、彼が後悔しないようにこちらも責を負わせていただきます、この禪院直哉が、誓いますわ」
「・・・そうか」
縛りは結ばれた、虎杖悠仁が呪術界に来たのならば、禪院直哉は虎杖悠仁に対して一定の責を負う。
「ほな、俺はコレで消えるわ、多分アンタが死ぬまで会うことはないわ、用もこれだけやしな。」
「そうか」
「ほな、さいなら」
廊下を出て階段を下る。
その途中で倭助と同じ髪色の少年とすれ違い、思わず目で追ってしまう。
「虎杖悠仁」
アレは、アレはおそらく宿儺の器、特級呪物である宿儺の指の受肉先。
虎杖香織は加茂倫憲なのはおそらく確定、あとわからんけど倭助の爺さんも宿儺に関係のある何かしらの要因があるのは分かった。
宿儺は四腕に顔が2つ、関連性があるとすれば双子の同化による異形化か?
そうか、倭助の魂が宿儺の片割れだった可能性?いや、それならば何故器が虎杖悠仁になる?器になりうるのは倭助のほうだろう。
身体能力に関してはほとんど呪術界に置いては関係がない、強くなる為にはある程度の身体能力が必要だがソレは呪力強化で何とでもなる。
倭助が寿命で死ぬから?だとすれば虎杖悠仁のほうに時期が寄るのも分かる。
タイミングがいつなのかは分からない、だがあるとすれば・・・おそらく5年以内、いや、虎杖悠仁が器として完成していないとするなら?そのタイミングは?
まさか。
虎杖倭助の死亡によって虎杖悠仁の宿儺の器としての性能が完成する?
「アカン、時間が無い、全力でやらな間に合えへんぞコレ。」
悟君、いや、夏油くんの方や、このままやと夏油くんのほうが対処可能や。
乙骨裕太のほうにかまけてられん、そっちは悟くんに任せるしかない!
夏油傑直通の電話番号にかける、何度目かのコールのあと夏油君が電話に出ると禪院直哉はすぐに話し出す。
「ごめん夏油くん!話は一旦省くけど協力してもらってええか!?多分来年や!来年に大規模呪術テロが起きる可能性が出てきた!今からそれの説明といっしょに対処せなあかんことを相談したい!」
禪院直哉は慌ただしく動き始める。
直哉リーチかかる。
羂索くんの心境かけない分直哉にはきっちり追いまくってもらってます。
倭助と直哉は邂逅させたかった、倭助が元気なら直哉とタッグ組んで対羂索包囲網作りたかった位には。
ただもう老人の倭助に無理はさせられないので・・・仕方ないね。