乙骨憂太が編入してきて一月ほど経っていた。
憂太は呪力量の多さから他の一年とは強度の違う訓練を施しても継戦能力が担保されていたので甚爾に殴られ、真希に転ばされ、渡愛に黒閃を放たれ、夜蛾学長の人形にボコられ続けた。
甚爾と渡愛に関していえば折本里香とも当たり前のように殴り合える為に折本里香の完全顕現による周囲の影響を鑑みて訓練強度の低下が正式に通達されるまでずっと顕現し続けられるという総監部が発狂しそうな自体になりかけていたが乙骨憂太は耐えきっていた。
また、乙骨憂太は夜蛾学長とカウンセリングに入り、夜蛾学長に懐いた、というか教師代わりの2人が鬼教官の極みなので当たり前である。
折本里香も何故か夜蛾学長に懐き、渡愛と甚爾に対しては全力で威嚇するという何ともシュールな光景が当たり前になり始めていた頃、灰原先生からの通達で京都校にて交流会が開催される事が高専生に知らされた。
交流会の日付が近付くに連れて甚爾はうんざりとした顔を隠さなくなってきていた事に乙骨憂太は不思議がっていたが交流会当日に納得する事になる。
京都校にお邪魔することになった東京校の面々の前に禪院真希と同じ顔をした女性と日常に居る優しい女性というような風貌の女性の2人が居たからである。
「こんばんは、乙骨憂太さんですね?始めまして。」
「は、始めまして?」
「真依、堅苦しくなる必要はねえ。」
「もう、真希ったら、こういうのは大事でしょ?」
真希はため息を付いて同じ顔の女性、禪院真依を見る。
同じ顔でも言葉遣いや体付き、立ち姿などが思っているよりも乖離している為に見間違えることは無さそうだな?と乙骨憂太は心の中だけで思っていた。
そしてもう一人、こちらも編入生らしく乙骨よりかは先に居たが呪術師相手の戦いは初めてらしい。
「パンダさん、始めまして、触らせてもらっても良いですか?」
「おう!良いぞ!オレは可愛いからな!」
「私の名前は伏黒津美紀です、そちらでは父がお世話になっているようで・・・」
全く似ていない、あのギャンブルカスの甚爾に娘が居たこともそうだが本当にあの人の子供なのか?と全員の動きが止まった。
「あはは、似てないですよね。」
「おかか」
「えっと・・・ごめんなさい、多分分からないです。」
「しゃけ」
狗巻君がサムズアップして気にするなと言う、彼の気遣いはとても助かる、僕も最近は何となく分かるようになってきたのだ。
「ありがとう、ところで、交流会って何するんですか?」
「確か2日に分けて団体戦と個人戦だ、ただ今回は少し違うかもな。」
「え?なんでですか?」
「僕が特級術師だから、ですね。」
「とっきゅう・・・?」
「要するに呪術師の中でも一番強い人って事だ。」
「あー!なるほど!」
伏黒津美紀さんは納得が行ったと言うふうに頷いている、どことなく雰囲気が渡愛さんに似てる気もするなぁこの人。
「折本里香さんは?普段は居ないの?」
真依さんが僕にそう聞いてきた為に指輪を少し撫でると真依さんの後ろに里香が出現した。
『ばあ』
「おお!結構大きいんですね?大人3人分くらいかな?」
『驚かないのぉ?』
「特級呪霊は見慣れてますし、見た目に関しても怖い系というよりかはまだ可愛い系ですし、大丈夫ですよ。」
里香の受け入れが早いのは呪術師だからなのか黒沐死のような呪霊がたくさん居るからか、どちらかは分からないがとてもありがたい事だ。
『じゃあ、ともだちぃ!』
「はい!お友達です!」
呪霊になってしまった里香だけど、ここならきっと受け入れてもらえると根拠もなくそう思えてしまった。
それはきっと間違いではない。
京都組の他のメンバーは多分ちらほら出る。
久しぶり過ぎて筆が動かん、仕事忙しいと書くのが遅い遅い。