・加茂渡愛を好きになること
・加茂渡愛と結婚すること
・他人から感謝されること
・浮気をしないこと
・他人を虐めないこと
躯倶留隊
・渡愛と試合して負けたら呪力を使わず筋肉痛になるまで訓練
「はいおつかれ蘭太、頑張ったなぁ。」
「え、怖くないですか直哉さん。」
「ついに言いよったな・・・縛りや。」
「ああ、なるほど」
ほんま、いつもの調子がでんわ。
ベタベタと張り付くように身を擦り寄せてくる渡愛を横目に直哉は蘭太を見る。
最後の黒閃によりある程度回復したものの破壊されていた腕や細かい傷はすべてなくなっている、その代わりといっては何だが呪力はすっからかんなようで気力のようなものは底をついているようだ。
実質的に部下である蘭太に実力といえるものは負けているのだと、直哉は正しく理解した、憧れだけでは強くはなれない、わかっているがそれでも間違いなく焦ってしまう自分がいる。
『黒閃によるダメージは罰として過剰である為に賞として回復、及び黒閃による呪術的なボーナスが直哉様に入ります』
数時間前のバツカラスの言葉を思い出し、下限は上げられることを再確認し、俺はこぶしを握る。
「蘭太、今日は休んどき、炳は他にはおらんかったわ、集まるにしても今日やないわ。」
「じゃあなおびとに会いに行こ!なおや!」
「それより前に部屋整理や、お前の部屋は結構広めになっとるやろ。」
「えー・・・」
「えーやないわアホみたいな縛り結ばせてきよったからやろ・・・」
そこから大の字に動けなくなっている蘭太を放置し家の中を歩き始めた。
「なぁ」
「ん?」
直哉は、縛りを結ばれた瞬間から気になっていたことを渡愛に聞いた。
「なんで俺と結婚したかったん?」
「んー・・・」
「縛りで言えんのやったらそういうたらええわ」
「それじゃあね、私の身の上話から話すことになるかも」
「まだ子供やのにえらい過去があるみたいやな、今はええわ、結論から言いや」
渡愛の言動からおおよその背景は察することができた、おそらく渡愛の術式は・・・いや待て
なぜ自分はここまで冷静に思考を巡らせている?
当たり前のように考え続けていたが、まだ相手の術式や自分の術式に対する理解というものには真剣に考えられていなかった、自分でもそう思えるほど深く考えていなかったように思う
「君が、自分でも気づいてないくらいに揺れていたから」
思考が止まる
「は?」
少し前に禪院甚爾がこの家を出て行った、その少し前に五条悟のお披露目があり、その時に禪院直哉は彼を見た。
呪力が一切存在しないフィジカルギフテッドの天与呪縛、それはこの家において禁忌の一つであり、同時に誰よりも落ちこぼれであるという価値観へ間違いなく喧嘩を売る存在であった。
その時の動揺はすでに収まっていたと本人は思っていた、しかしそれを彼女は見抜いてしまった。
「私は、縛ることでしか生きられない自縄自縛の天与呪縛を持っている。」
「・・・続けェや」
「私は生まれた瞬間から他人との縛りでしか行動できない、話すことも、覚えることも、感情も、思考も、呼吸ですら」
それは、人形のようだと、直哉は静かに思っていた。
「加茂家は一族の縛りで持って私の人としての生き方を保証した、口外せず、世間一般の常識を教え、呪力も操作技術以外は教えられていない」
「私は成長しない、教えられたものを教えられたように吸い取り、それを自らに課して縛り運用する、術式ももとからあるのだと縛られた結果として生まれたもの、最初は無下限を発現する予定だった。」
だから、行き詰ったのだと、彼女は静かに言った。
雰囲気が違う、これは俺と呑気にに話していた渡愛ではない
だがそれも当然だ、いま彼女が言った言葉の内容は、愛されなければ生存できないことを意味している、ただ愛玩される人形であれとデザインされた、一族総出のラブドール。
彼女は愛されるだろう、そう縛られている。
ゆえに渡される愛という名を冠している
そこに彼女の意思は・・・あるのだろうか。
少しばかり憐憫を覚え、彼女を見る、彼女は少し寂しそうな笑顔をこちらに向けていた。
「いきなりこんなことを言ってすまないね、私は渡愛としての人格ではない、彼女にはこの記憶も残らない、そういう風にデザインされている」
「うちにも似たようなのはおるわ、お前のせいでいじめられへんからもうどうでもええけど」
「ふふ、そうか・・・君が揺れていたという言葉もこれに続く」
私と同じ『天与呪縛を持ったもの』を君は知っているのだろう?
そうつぶやく彼女は胸を押さえ、苦しそうな顔を隠そうともしていなかった
「怖いんだ、私は、この力のせいで苦しいんだ、私は、どうしようもなく恐怖を感じるものを知っている」
「・・・」
「何年も生きた、私の親は呪霊を宿して死んでいる、私はそれでも死ななかった、生きてしまった。」
「私は死ななくてはならないのではないか?そう思うたびに心が死んでいくのを感じた」
「ねぇなおや、私は、私は、生きていてもいいのかな?」
・・・なるほど、なんとなくわかった、完全にはわかってなくてもある程度の理解はした。
「知るかアホ、ていうか要するにお前ほぼ大人やんけカス、そんな存在なら心配するだけ無駄やろボケ、ていうかさっきから言ってること結婚したいの理由ちゃうわアホ、自分で考えろやバカやろ」
渡愛は衝撃を受けたように俺を見る
「俺は禪院直哉や、次期当主や、一族背負わなあかん俺の嫁になろうっていうんやろ?加茂との縛りなんぞどうでもええわ、そんなん気にするくらいなら俺のために働けや、縛ってでもやり通せや」
「それが約束できるんなら俺はお前の男として一生かけて救ったるわ、人一人くらい背負えるくらいの権力はすでにあんねん、俺が最強になるのも禪院家当主になるのも同じこと、あっち側にお前がおるなら俺もそっち側に行ったるわ」
渡愛は、笑った。
擦れてない直哉はイケメンですねこれは、嫁と一族を背負う縛りを持った男、背負った縛りはきついぞぉ・・・?
それはそれとしてこの後直哉は他人を虐めない縛り違反による黒閃を叩き込まれました
評価8.7とかみんな直哉好きなんやね、できる限り書いていくからよろしくやで